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ジョナサン・ジョースターVSロビンマスク

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ssmrowa

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だれでも歓迎! 編集
 時は19世紀、しかし舞台はイギリスにあらず!
 ジョジョは、エリア【C-3】と区分された森の中で、ありえないものを見た!

「スラ――ッ!」

 咆哮一声! 頭上高く飛び上がるのは、仮面の男!
 筋骨隆々とした肉体を鎧で包んだその男は、爆発的跳躍力でもって森を飛んだ!

「セイリャ――ッ!」

 男はそのまま空中でくるりと反転、鞭のようにしなる右脚が大木の枝を刈り取った!
 その切れ味、まさに人間チェーンソー!
 いまジョジョの目の前で刈り取られたのは木の枝だったかもしれないが、これが人間の首であったとしてもまったく不思議ではない!

(ぼ、ぼくはまだ、この森を訪れてから一時間も経っていないッ! だというのに、いきなり大変な場面に遭遇してしまった!)

 彼――ジョジョことジョナサン・ジョースターは、大樹の峰に身を潜め仮面の男の様子を窺う。
 仮面、そう仮面だ。眼前の男は仮面を被っている。しかしその仮面はおそらく鉄仮面! あの忌まわしき石仮面ではない!
 第一、石仮面は1888年12月1日イギリスの田舎町ウィンドナイツ・ロットにて、彼の友人であるスピードワゴンがハンマーで粉々に砕き割った!

(そうだ、落ち着け。彼は石仮面とは関係ない。だが仮にそうだとしても! 彼の姿と身のこなし……只者ではないッ!)

 ジョジョが注目したのは、まさしくその二点!
 仮面の男は無骨な鎧を着込んでいる。フルフェイスの鉄仮面と合わせれば、その姿はまるで中世の騎士!
 しかし異様なのは腰から下――彼は中世の騎士が持っていて然るべきレッグアーマーや剣、鞘を持ち合わせていなかった!

 では、彼の腰から下にあるものはなにか?
 ジョジョはそれがなんであるかを知っていた。
 そう、あれは間違いなく――レスリングパンツ!

(れ、レスリングをするのか!? 彼はあんな立派な鎧を着ていながら、レスリングをするというのかッ!?)

 先ほどジョジョの目が捉えた身のこなし! 自身の脚に鎌のごとき切れ味を持たせるその肉体的強度!
 あれは騎士の動きなどではない。
 彼が身に着けているレスリングパンツが証明しているとおり、レスラーのそれだった!

(鉄仮面と鎧姿のレスラー! 信じがたい光景だが、信じるしかない! 鉄仮面と鎧姿のレスラーが、森林伐採をしているという事実を!)

 ジョジョは噴き出す汗を止められなかった。息を潜め、好奇心は彼をもっと観察してみようという気にさせた。
 仮面の男は大樹の影でジョジョが見ているということも知らず、己が肉体の誇示を続ける。
 注目の中、彼の次なるアクションは――!?

「トァタ――ッ!」

 ジョジョは絶句した!
 なんと、抱きついたのである!
 仮面の男は自身の身長ほどはあろうかという大木に抱きつき、猛然と締め上げた!
 いまジョジョが身を潜めている大樹や、周囲の木々と比べればずっと小さい。しかし人間でいうところの巨漢クラスはある大木!

(あ、あんな太くて大きい木に抱きついて、彼はいったいなにをするつもりなんだ!?)

 ジョジョは彼の行動を追った。
 そして、仮面の男はそんなジョジョの熱い視線に応えるようにッ!

「デリャア――ッ!」

 抱きついたままの姿勢で後方に身を反らし、大木を地面から引っこ抜いてみせたのである!
 思わず大樹から身を乗り出しそうになるほどの興奮! ジョジョは懸命に我が身を押し留めた!
 そんなギャラリーの熱気も知らず、仮面の男は引き抜いた大木を横向きに持ち上げ、そのまま両肩に載せた!

「タワー・ブリッジ――――ッ!」

 そして、破砕!
 大木は彼の肩の上で真っ二つに割れ、バラバラと木片をバラ撒かせる!
 もしもあれが人体だったならば! ジョジョは彼がレスラーであることを確信した! そして同時に!

(大木を真っ二つにしてしまうほどの怪力! あれは意思表示だとでも言うのか!? この場にいる人間、すべてをあんな風に破壊してみせると!)

 恐るべきパワー! 恐るべき肉体! 石仮面とはまた別の脅威、その名は鉄仮面!
 ジョジョの推測が100%正解だとするのなら、彼を放ってはおけない!
 焦燥感が緊張感を生み、緊張感が焦りを生む! ジョジョの足元でパキッと小枝を踏む音が鳴った。

「鳩山ユキヲ――」

 鉄仮面の男が声を発した!

(しゃ、喋った!? しかもこの声、予想外ッ! もっと野太い声を想像していたが、これはまるで父のような……なんて余裕と落ち着きに満ちた声なんだ!)

 それはまさしく、美声と呼ぶに相応しい澄んだ音色!
 ジョジョは耳を澄ませ、彼の次なる言葉を待った。

「――奴は私たちの能力を仕分け、さらに削減したと話していた。ウォーミングアップがてら身体を動かしてみたが、なるほど。
 確かにそのとおりのようだ……いつもに比べ技の精度とキレ、そして単純に身体能力も低下している。
 つまり奴は我々の超人強度を仕分けた。それこそ、人間に近くなるように。どうやったかはわからんが、これだけは間違いない」

 聞き逃せない発言! 耳を疑いたくなるような発言!
 ジョジョは彼の言動とその意味を、頭のなかで冷静に咀嚼する!

(能力が仕分けされている……? つまり、さっきの動きは彼の本気ではないということなのか!?)

 底知れぬ実力! 底知れぬ男!
 彼に対する興味は、もはやジョジョの中で爆発寸前ッ!

「だが、超人としての能力をすべて奪われたわけではない。全力は出せんが、それでも戦うことはできる。
 人間同士の殺し合い――そこに正義超人である私が組み込まれたというのであれば、やるべきことはただ一つのみ」

 行動を予感させる言葉の数々。
 仮面の男に対するジョジョの認識は既に変わりつつあった。

(だがわからない……彼はなぜ、こんなタイミングで独り言を?)

 もしや、という予感が拭えない。
 その予感を肯定するかのように、仮面の男がジョジョの潜む大樹を指差した!

「さあ、そろそろ出てきたらどうだ!?」

 ――瞬間、ジョジョの全身に稲妻が走る!

(き、気づいていた! 彼はずっと前から、ぼくがここで息を潜めていることに気づいていたんだ!)

 そう! 仮面の男はジョジョの存在に気づいていながら、あえて気づかないフリをしていたのである!
 ジョジョは己の未熟さを悔い、反省した。それを終えると、潔く仮面の男の前に姿を現す。

「…………ッ」
「私はロビンマスク。君の名を訊こう」

 仮面の男はジョジョの姿を見て一言、自ら名を名乗った。

「ジョナサン・ジョースター」

 名乗りを受けたジョジョも、短く応える。
 ロビンマスク――それが仮面の男の名!
 名前の知れた男を前に、ジョジョが取った行動は!?

「コォオオオオオオオオオオオオオ……」

 意外ッ! それは波紋の呼吸!
 波紋とは生命のエネルギー! 独自の呼吸法により血液中のエネルギーを蓄積し、活性化させる!
 ジョジョは、いまは亡き波紋の伝承者ウィル・A・ツェペリの教えのもと、波紋法を武器にロビンマスクへと立ち向かう!

(相手はディオでもなければ、石仮面が生み出したゾンビですらない。では、ぼくはなぜ波紋の呼吸をしている?)

 波紋とは太陽のエネルギー! 本来は吸血鬼への対抗策として用いられるもの!
 ジョジョは、これまでの戦いで波紋の応用法を身につけてはいるものの、人間相手に使うことはないと思っていた!

(ぼくは紳士だ。喧嘩は好きではない。だがなぜだろう……本能がぼくを駆り立てる。ぼくの本能が、彼と戦いたいと叫んでいる!)

 ジョジョを突き動かすもの! それは人間として、いや男としての闘争本能!
 眼前に聳えるロビンマスクという大きな壁。この壁が、若き青年であるジョジョに語りかけてくるのだ。
 おまえの力を見せてみよ。男ならば、この大きく険しい壁を超えてみせよと!

 故に、ジョジョは戦う!
 正義か悪か、それすらもわからぬ仮面の男に拳を向ける!
 勇気か! 野蛮か!? そのいずれでもない!
 男ならば、戦わなければならないときがある!
 いまのジョジョは青年ではなく、純真無垢な少年であった!

「フッ……」

 波紋の呼吸と共に構えを取るジョジョ。そのジョジョを見て、ロビンマスクは微かに笑った。
 そして、ジョジョの構えに相対するように自分も構えたのだ!
 その独特な構えに、ジョジョは瞠目する!

(あ、あの姿勢! 腰を深く落とし、片腕を地につけたあの体勢は――ラグビーでいうところのタックル!)

 ジョジョの脳内に渦巻いたのは、ヒュー・ハドソン大学での四年間!
 数々の友人たちと築き上げてきた、思い出の日々!

(学生時代、ディオとの青春をラグビーに費やしたぼくだからこそわかる。彼は一流のラグビープレイヤーだ! その技をレスリングに活かそうとしている!)

 なればこそ、同じラグビープレイヤーとして! タックルにはタックルで応えるべきだろう!
 ジョジョはロビンマスクに倣い、腰を深く落として片腕を地につける。
 まさしく合わせ鏡! ジョジョVSロビンマスク! 双方、突撃の体勢が整った!

「おもしろい……ではゆくぞ! ライナータックル――ッ!」

 ロビンマスクが突っ込む!
 少し遅れて、ジョジョも突っ込んだ!
 ロビンは右!
 ジョジョも右!
 互いに右肩を突き出してのショルダー・タックル!

「うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

 筋肉と筋肉が交差し、激しい衝突音が森を揺らした――!
 タックル&タックル!
 このガチンコ勝負に勝利したのは――

「グ、グウウ……」

 勝ったのはジョジョ!
 激突の結果、両者の身体は弾かれ、ロビンマスクはよろめきながら呻き声を上げた!
 追撃を加える絶好の機会!
 ジョジョは構えを正し、トドメの一撃を与えんとする!

(彼は強靭なその肉体に加え、鉄壁の鎧を纏っている! 生半可な攻撃は通用しない! だがぼくはその圧倒的防御力を逆手に取るぞッ!)

 呼吸を整え、拳にエネルギーを溜める――
 狙うは一点。相手の胴体中心部!
 堅牢な鎧のド真ん中へ、ジョジョは波紋を打ち込んだ!

「鎧を伝わる波紋疾走! 『銀色の波紋疾走(メタルシルバーオーバードライブ)』――!」

 バシィッ!
 波紋が鎧を伝わった証、迸るような快音が鳴り響く!
 ジョジョの波紋は鎧を伝い、打撃のエネルギーをロビンマスクの肉体へとダイレクトに運んだのだ!

 必殺の一撃!
 しかし、ロビンマスクは倒れなかった!

 逆に地面に膝をついたのは…………ジョジョ!

(き、効いていた……ッ! 彼のタックルは確かにぼくにダメージを与え、呼吸を乱し、波紋を不完全なものにした!
 だが無意味だったわけじゃないぞ……波紋はわずかだが伝わった! その証拠に、彼もぼくの目の前でよろめいているッ!)

 しかし、ジョジョは地面に膝をついた!
 これはロビンマスクのタックルがジョジョの脳を揺らし、波紋の呼吸に乱れを生じさせたからにほかならない!
 凄まじきパワー! 三人の男にタックルされてなお進むことをやめない、重機関車と呼ばれたジョジョの脳をタックルで揺らすとは!

(くっ、頭がフラフラする。ダメージを受けているのはお互い様だが、彼よりも早く再起しなければ。この勝負、先に次の一撃を入れたほうの勝ちだ!)

 ジョジョの闘争本能が熱く滾る――だが無情!
 片膝をついたジョジョの見上げる先、ロビンマスクは既に再起を果たしていたのだ!
 二本の脚で己が身体をしっかりと支え、ジョジョの眼前に立つ。広大なペナイン山脈のように! 険しく! 強大に!

「ウオー!」

 ロビンマスクが大きく腕を振り上げる!
 目を瞑りたくなるような威勢を前に、しかしジョジョは屈しない!
 真正面から受け止める覚悟で、逆に大きく目を見開いたッ!

 そしてッ!

「いいタックルだった!」

 ロビンマスクは、ジョジョに手を差し伸べた!
 それは固く握られた拳ではない。優しく開かれた掌だった!
 ジョジョは我が目を疑う。もしや、彼が求めているのは握手……友愛の握手ではないのか!

「ジョナサン・ジョースター。いや、ここは友情の証としてジョジョと呼ばせてもらおう」
「ゆ、友情だって?」

 予想外の言葉に、ジョジョは思わず聞き返してしまう。
 友情。
 ロビンマスクは激闘を繰り広げたジョジョ相手に、友情という言葉を口にしたのだ!

「さっきは君の存在に気づいておきながら、逆に君を試すような真似をしてすまない。
 だが許してほしい。私は仲間を求めたのだ。君のような、殺し合いに反逆するという高潔な意思を持った青年を!」

 ――その瞬間、ジョジョを大いなる後悔が襲った。
 ジョジョは誤解していたのだ。このロビンマスクなる男性を。
 彼はジョジョと同じく、この非道な殺し合いに異を唱える者!
 好戦的と見られた彼の一連の行動は、ジョジョという人間を推し量るためのものだったのだ!

「ロビンマスク。ぼくは君に襲いかかったも同然のことをした。なのにどうして、ぼくがこの殺し合いに反逆していると?」
「わかるさ。試合をすれば必ず分かり合える。超人とはそういうものだ」
「ちょ、超人……!」

 そこで、ジョジョは初めて彼が人間ではないのかもしれないと考えた。
 人間ではないと言っても、吸血鬼のような人外であると言いたいわけではない。
 彼の心根に見える屈強な精神、誇り高き生き様、非道に対し確固として立ち向かう姿勢!
 ロビンマスク。超人と名乗る彼は、人間を守護する立場にあるのではないか――ジョジョはそう考えたのだ。

(超人……ぼくにはまだよくわからないが、彼の精神には懐かしさを感じるところがある。亡き父やツェペリさんのような、紳士の誇りを感じる)

 紳士にして超人!
 そう、言うなれば超人紳士!

 ジョナサン・ジョースターとロビンマスク。
 彼らが語り合わなければいけないことは、まだ多くあるに違いない。
 だがジョジョは思った。この殺し合いという現実の中で、真っ先に彼と出会えたことは幸運だと。

(ぼくはこんなところで死ぬわけにはいかない……故郷に残してきたエリナのためにも)

 ジョジョには、生きる意思と目的があるッ!
 それは宿敵ディオを倒し、石仮面破壊という使命を果たした彼の幸福ッ!
 結婚を約束した恋人、エリナ・ペンドルトン――いや、エリナ・ジョースターのもとに帰るため!

(殺し合いなどには屈しない! 絶対に抗ってみせるぞッ! 愛しいエリナ……必ず君のもとへ!)

 朝焼けが木々の間を縫い、二人の未来を明るく照らす!
ジョジョはロビンマスクとの出会いを経て、この殺し合いに光明を見出した!
差し出された握手に、がっしりと応える! そして決意するッ!

(そう――このロビンマスクと共にッ!)



【C-3/森/一日目-朝】

【ジョナサン・ジョースター@ジョジョの奇妙な冒険】
[参戦時期]:ウィンドナイツ・ロットでディオを倒し、石仮面を破壊した後
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品*1、不明支給品(1~3)
[スタンス]:対主催
[思考]
基本:エリナのもとに帰るため、殺し合いに反逆する!
1:ロビンマスクと語り合わなければ。
※エリナと結婚の約束をしています。

【ロビンマスク@キン肉マン】
[参戦時期]:不明
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品*1、不明支給品(1~3)
[スタンス]:対主催
[思考]
基本:殺し合いに反逆する。
1:ジョジョと語り合う。



Hideaway ―逃亡者― 投下順 影の功労者達
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――以上61名、当選確実です ロビンマスク

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