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友を想う、一人ぼっちはさみしいから…

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匿名ユーザー

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「…………」

森の中、少女は地面に腰を落としていた。
その表情は蒼白で、呆然としていた。
突然どこだかよくわからない場所に連れてこられたと思えば、殺し合いの開始が言い渡され、一人の男の首が…

「……ウッ」

あの時の光景を思い出し、思わず嘔吐しかけるが、なんとかそれに耐える。
ただの中学一年生に過ぎない彼女…古谷向日葵にとってはあれはあまりにも衝撃的な光景であった。

「と、とにかく、移動しませんと…」

しかしそれでもなんとか気力を振り絞った向日葵は、デイバックを背負い立ち上がる。
こんなところに座り込んでいたら殺し合いに乗り気な人物に襲ってくださいと言っているようなものだ。
それに…とにかくなにかしていないと、またあの光景が蘇ってきそうで怖かった。


ガサッ


「だ、誰ですの!?」

ビクリとしながら、音のした方を振り返る。
そこにいたのは、一人の少年だった。
歳は自分より少し下だろうか。
服装は軽装で、頭には赤いヘルメットのようなものをかぶっている。
そして…その少年は険しい顔をしながら…


「うおおおおおおおおおお!!」


こちらに向かって走ってきていた!

「きゃっ!」

思わず後ずさりながら、両手を顔の前に出して防御とも呼べない防衛のポーズをとる。
デイバックの中は未だ確かめておらず、手元には武器などない。
とっさのことに、他に取れる行動などなかった。
そんな向日葵に構うことなく、少年は彼女に向けて走り、その距離をどんどんと縮めていき……


「……あら?」


…通り過ぎていった。
やがて数メートル先の茂みで走るのを止めた少年は…


「はぁ~~!間に合った~!」


…小便をしていた。





こうしてコロッケと古谷向日葵は出会った。
あの後、ズボンを下ろして小便をするコロッケに向日葵が顔を赤面させるなどといったことがあったりもしたが、お互い敵意はないことを確認し、行動を共にすることになった。
そして二人は現在…


「このイカ焼き、上手いな~」
「………」


朝食中であった。
ちなみにコロッケが食べているのは彼の支給品である「はずれ」と書かれたイカ焼きである。
一方の向日葵は、先ほどから共通食料であるパンを手に持ったまま、手を付けていなかった。

「ヒマワリ、食わないのか?」
「え、ええ…ちょっと食欲が」
「だめだよ、ちゃんと食べないと大きくなれないって父さんも言ってた」
「…そうですわね、いただきます」

コロッケに促され、パンを口に運ぶ。

「あの、コロッケさん」
「ん?なんだ?」
「コロッケさんは、誰かお知り合いの方がこの場所に呼ばれてますか?」

あの場には知り合い同士が呼ばれていると鳩山ユキヲ(本当にあの元総理大臣なのだろうか?)と名乗った男は言っていた。
あいにく向日葵は、何が起こったのか混乱していたこともあり、知り合いを探す余裕などなく誰がいるか分からないのだが…

「う~ん、少なくともフォンドウォーって名前の仲間は見かけたよ」
「フォンドウォーさん…ですか」
「うん、背が高くて黒ずくめの格好だからすぐに見つかったよ!」
「く、黒ずくめの長身…」

聞く限りの印象では怖そうなのだが、どういう知り合いなのだろうか?

「ヒマワリは誰か知り合いが呼ばれてるのか?」
「残念ながら、分かりませんわ…」

そう言いながら、脳裏に浮かんだのは一人の幼馴染の姿だった。
バカで非常識でわがままで。
だけれども…いや、だからこそ放っておけない大切な存在。


(櫻子………)

心中で、その幼馴染の名を呼ぶ。

(もし、櫻子が死んでしまったりしたら…)

そんな想像をしてしまって、慌てて首を振った。
そんなこと、考えたくもなかった。


(どうか、無事でいて…)



一方のコロッケ。
比較的能天気そうな様子を見せているが、それでも不安が無いわけではなかった。
いや、彼の場合、不安以上に…その胸に宿るのは怒りだった


(仲間で殺し合いなんて…そんなの絶対に駄目だ)


かつてピザの斜塔で禁貨をかけて行われた【裏バンカーサバイバル】
そこでは、脱落者が次々と壁の一部にされて死んでいった。
コロッケ自身が手を下して死んでしまった仲間もいた。
それでも戦いを拒む事などできず、無理やり生き残りをかけた戦いを強いられた。
この殺し合いは…そんな忌まわしき戦いの再来と言ってよかった。


(みんなで、帰るんだ)


最初の場所で、ユキヲという男は最後の一人になるまで戦えと言っていた。
その話を聞いたとき、コロッケの脳裏に浮かんだのは、雨の中動かない父の姿。
呼べども呼べども起きることのない父。
メンチがずっと一緒にいてくれたとはいえ、その瞬間だけは、確かに彼は孤独だった。


(一人ぼっちは、さびしいんだよ…)





朝食を終えた後、ひとまず二人は森を抜け、近くにある博物館を目指すことにした。
誰がいるかわからないとはいえ、知り合いを探そうと思えば、地図上にある施設に向かってみるのが最適だろう。


「それじゃあ行きましょう、コロッケさん」
「待って」

デイバックを背負って歩き出そうとしていた向日葵の腕を、コロッケがつかんだ。

「どうしたんですの?」
「う、うう……」

コロッケはうめき声をあげていて、身体も震えていた。
そんなコロッケの様子に、向日葵も心配になる。
朝食の時は元気そうだったとはいえ、やはり自分よりも幼い子供。
やはり、殺し合いというこの舞台が怖いのだろうか。

「大丈夫で……」



ぷう~~~~ん



「……え?」

突然聞こえてきた声に、思わず向日葵は目を点にした。
辺りに立ち込める臭い。


そう…それはおならだった。


「あ~、スッキリした~!」
「お、女の子の前で、お下品ですわ!!」


【B-4/森/一日目-朝】


【コロッケ@コロッケ!】
[参戦時期]:グランドパーティ終了後~バーグと再会する前
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、不明支給品(0~2)
[スタンス]:対主催
[思考]
基本:仲間と合流して殺し合いを止める
1:向日葵と共に博物館へ向かう
2:仲間を探す
【備考】
※支給品の一つ【はずれのイカ焼き@コロッケ!】を消費しました


【古谷向日葵@ゆるゆり】
[参戦時期]:不明
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、不明支給品(1~3)
[スタンス]:対主催
[思考]
基本:知り合いを見つけたい
1:コロッケと共に博物館へ向かう
2:知り合いを探す、特に櫻子が心配
【備考】




影の功労者達 投下順 黒い白馬に跨った詐欺師が少女と共に前へ前へとバックした
GAME START コロッケ 信じていいの?
GAME START 古谷向日葵

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