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豚少女

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ssmrowa

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その人は、ブタのように強い人だった。
ブタのようにかっこいい人だった。
ブタのようにたくましい人だった。
ブタのように素敵な人だった。
ブタのように―――




血で血を洗う殺し合いの舞台。
そんな場所に、その少女――雲竜あかりは一人ぽつんと立っていた。

「良牙様……」

最初のテリーマンという男が死んだその場所に、彼女が愛する男の姿があった。
その名を、響良牙という。
ハトヤマは、最後の一人になるまで殺し合いをしろと言っていた。
そんなこと、無理だ。
彼を殺してまで、最後の一人になる気などない。

「とにかく、良牙様を探さないと…」

この場での身の振り方を考えるのは後回しだ。
それよりも、一刻も早く良牙に会いたかった。
強い彼がそう簡単に死んでしまうとは思ってはいないが、それでも無事な姿を見て安心したい。





「まずは、荷物を確認しないと…」

今この場所には、いつも一緒にいるカツ錦はいない。
ゆえに、自分自身の手で身を守らなければいけない。
あかりは、デイバックの中を調べた。

中に入っていたのは、食料に水、地図といった共通支給されたアイテム。
そして…参加者ごとにランダムに配られた支給品。


「これは…ポテトチップス?」


一つ目の支給品。
それはうす塩味のポテトチップス。
彼女は知る由もないが、それは彼女と同じ名を持つこの殺し合いの参加者の一人が好きなお菓子であった。

気を取り直して再びデイバックの中を探る。
が、出てきたのはます寿司。
続いてコシヒカリという名の米。
最後が段ボールに入れられた青森リンゴだった。
全部食い物である。
主催者は何を考えて食べ物ばかり彼女に支給したのか。
これは怒っていい。


「まあ、これは……!」


しかし、支給された本人であるあかりは、出てきた食べ物たちをみて、うっとりとしていた。
顔も少し赤くなっている。
そう、彼女は気づいていた。
それが、自分にとってとても大切な思い出の品々であることに…


分からない人のために説明すると、先ほどの寿司、米、リンゴはこれで一つの支給品である。
この食べ物たちにどんな共通項があるのかと思われる人がほとんどだろう。
実はこの三つの食べ物は、響良牙の青森土産。
あかりが良牙との初めてのデートで彼からもらったプレゼント。
そう、二つ目の支給品は『良牙からのプレゼントセット』だった。


「あの時はうれしかったな…」


大好きな人と、待ち合わせをして。
一緒に歩いて。
プレゼントをもらって。
その全てが新鮮で、輝いていた。

「良牙様…」

愛するその人の名を、呼ぶ。
あの楽しくて輝いていた日々を、過去のものとして終わらせたくなどない。
これからも、彼との思い出を増やしていきたい。
その為にも、彼と共にここから脱出しなくては。



ガタゴト、ガタゴト。



「あら?」

何かが動いている。
どうやら音源は、青森リンゴの段ボールの中らしい。


「―――ギー!ブ―――!」
「なにか聞こえる…これは動物の鳴き声?」

あかりは段ボールに近づき、耳を澄ませてみる。
今度は、はっきりと聞こえてきた。


「プギー!ブヒー!」
「これは…ブタの鳴き声!?」


聞こえてきた鳴き声に、驚きの声をあげる。
まさか―――


「良牙様!?」


あかりは慌てて段ボールを開ける。
中に入っていたのは大量のリンゴと、そして…


「ブヒッ!」


それは、雲竜あかりの3つ目の支給品。
良牙ではない、黄色い子ブタだった。




「まあ!可愛いブタちゃん♪」

思わずあかりは、そのブタを抱きしめる。
彼女は、無類のブタ好きなのだ。


「あら?ブタちゃんの背中に何か貼ってありますね」


あかりはブタの背中に貼ってあった紙をはがした。
紙には、こう書いてあった。


メンチ:コロッケのバンク


それだけだった。


「あなたの名前は、メンチ?」
「ブヒッ!」

肯定。

「コロッケっていうのは、あなたの飼い主?」
「ブヒッ!」

再び肯定。


「ブヒッ!ブヒッヒヒ、ブヒヒ!?」

黄色いブタ…メンチはあかりに何か訴えていた。
当然ブタ好きとはいえ彼女にブタの言葉は分からないが、何を訴えているのかはなんとなくわかった。

「ごめんなさい、コロッケという人がどこにいるのかは分かりません…」
「ブヒヒ…」

あかりの返答に、メンチは肩をがくんと落とした。
その様子に、彼女の胸は痛んだ。

(きっと、コロッケという人はこの子の事をとっても大切に可愛がっていたのね…)

ブタを愛する少女には、メンチというブタの主人に対する信頼感がありありと伝わってきた。
それだけに、放っておくことができなかった。
だから……


「…決めました!私があなたの飼い主を見つけます!」
「ブヒッ!?」
「安心してください、メンチ。私がきっとあなたのご主人様を探し出してあげるから…」
「ブヒヒー!」

あかりの言葉に、メンチは嬉しそうな鳴き声をあげた。
そんなメンチの様子にあかりはほっとし、その小さな体を優しくなでた。


(すみません、良牙様…あなたには一刻も早く会いたいけど、その前にやらなければならないことができました)


何度も言うように、少女・雲竜あかりは無類のブタ好きであった。
だからこそ、目の前で悲しんでいるブタを放っておくことが出来なかったのだ。
もちろん、コロッケがこの殺し合いの場にいるのかどうか、彼女は知らない。
それでも、メンチをコロッケと会わせてあげたかった。
大好きなブタが悲しむ姿を、見たくはなかったから。


「行きましょう!メンチ!」
「ブヒー!」


こうして、雲竜あかりとメンチの、コロッケ捜索の旅が始まった!


【C-5/山中/一日目-朝】
【雲竜あかり@らんま1/2】
[参戦時期]良牙と相思相愛になって以降
[状態]健康
[装備]無し
[道具]基本支給品一式、ポテトチップス(うす塩)@ゆるゆり、良牙からのプレゼントセット@らんま1/2、メンチ@コロッケ!
[スタンス]脱出
[思考]
基本:良牙と共に、殺し合いの場から脱出する
1:メンチの飼い主(コロッケ)を探す
2:良牙と合流する
※響良牙が参加していることを知っています。
※どの方向へ向かっているかは、後続の方に任せます
※メンチに禁貨が入っているかどうかは不明です




天使か、悪魔か 投下順 麻雀とは、成長の遅い植物である。それが上がりという名の花を咲かすまでは、幾度かのムダヅモ・振り込み回避の回り道を受けて、耐え抜かねばならぬ。そしてそれ故に相手の花壇をクッソ荒らし、咲いてもいない花を摘み取り、相手の花壇で焼き畑農業始めるレベルの場外乱闘まであるので、やっぱり麻雀ってクソだわ。
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