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バッカス(SC48~SC131)

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バッカス(SC48年~SC131年)
所属勢力:アスラン→アグデッパ→ララウィン→ブラウン→プロベット→抵抗軍→ショーン・プロベット連合

地球のバ族欧州分家出身。
バ族アラブ本家のバジール、バン、アベモイガは遠縁に当たり
同じ欧州分家のバーセムとは従兄弟同士に当たる。
だが本家とは疎遠であり、同じ分家のバーセムとは仲が悪く犬猿の仲であった。

「勝てば官軍」「効率的なことは良い事だ」「結果良ければ全て良し」
とは本人の弁。自信家で野心家であったバッカスは
軍務官僚を目指しサイモンの私塾へ入学。
そこで、大変な好成績を修めたものの、塾長サイモンの評価は低かった。
「結果論から言えば合格。だかその過程が大問題」とサイモンが言うように、
結果・効率を優先する余り、「脅迫する」「人質を取る」はまだ良い方で
「貯水池に毒物を混入する」「相手の敵対勢力に武器を横流しする(つまり、敵の敵は味方)」
「相手親族を誘拐し、痛めつける場面を見せる」など陰湿な行動が多く
他の生徒からの評判も頗る悪かった。
(特にバーセムは「一族の恥」「アイツと同じ家系なんて虫唾が走る」と物凄く嫌っていた)

極め付けが卒業テストの答案である。
『抵抗軍拠点を3ヶ月以内に制圧せよ』との問いにバッカスは
『直撃艦で跡形も無く吹き飛ばす』と回答した。当然、サイモンは
「抵抗軍相手に戦艦を使い奴があるか。幾ら掛かると思っているんだ」と激怒。
だが、バッカスは顔色一つ変えず「楽ですよ?無駄に長引かせて損害出すより
早くて効率的だと思います」と返答。
結果、『戦艦仕様は不可。予算上限を定める』と問題を変える羽目になった。
なお、問題変更後のバッカスの答えが毒物混入と誘拐だったのは言うまでも無い。

この様に、評価こそ低かったものの成績自体は大変良かった為に無事卒業。
分5位と言う高待遇でアスラン軍に仕官。海賊討伐や抵抗軍の鎮圧などで功績を上げ
20代の頃には分2位と、当時同じく頭角を現していた宗家のバンの分1位に次ぐ階級となった。
順調に出世を重ねエリート街道まっしぐらのバッカスだが、
その悪辣なやり方は、敵は愚か同僚や上司からも大いに嫌われた。
「勝ち馬に乗る」と言う理屈で皇太子アグデッパ派への入派を希望したバッカスだったが、
その悪名を嫌ったアグデッパから拒否される。
すると今度は、その皇太弟ブラウンを利用。ブラウン子飼いのハンに袖の下を送った。
結果、「悪い噂はあるが、奴にはそれを補う能力があり、役立つ男だ」と
ブラウンはアグデッパを説得、アグデッパ派に入ることに成功した。
そして、バッカスがアグデッパからの(一様の)信頼(+悪名)を得る切っ掛けとなったのが、
アスランの庶子でアグデッパの腹違いの弟アディス謀反の密告だった。

アスランには嫡出子のアグデッパ、ブラウンの他に、妾腹の庶子アディス、アキの計4人の子がいた。
王位継承権こそ4位と5位と低かったが、ブラウンでさえ貰えなかったア族の冠名を賜り
アスランの寵愛を受けていた。
また、粗暴なアグデッパ、ブラウンと違いアディス、アキの2人は温和で人当たりがよく、
領民からの評判がとても良かった。
するとバッカスは独自に内偵調査を行い、暗殺を恐れたアディスが謀反を計画していることを察知。
直ちにこれをアグデッパに密告し、自ら部隊を率いて同派の鎮圧へと向かった。
結果、計画が漏れたことを知ったアディスはザクソンへと逃走。
脱出を図っていたナオミや多くの支援者もバッカスの手により捕らえられた。
流石のアスランも寵妃と王子の叛乱に激怒。ナオミら首謀者に自刃を命じるが
既にバッカスの手により処刑された後であった。
これにより、アディスはオ族、コンラッド以外の有能な家臣を失い
ザクソンの地盤を固める事が出来なかったとされる。

更に、この事件に触発されたカカラらアキ派の脱出も察知するが、
出兵中のカルハーンが寝返った事を知ると、アキの逃亡阻止は不可能と判断し
アキ派の人間で、アキにとって最も失って困る人物として
嘗ての学友で先輩であるアモスに目をつけ留め置きその脱出を妨害した。
(この時、後にお互いがよき理解者になろうとは両者と目夢にも思わなかった)
そして、アキの逃亡先がバースだと知るとマイスから先回りし
カルハーン艦隊の降下を妨害。結果カルハーンは降下を諦め行方を眩ませる羽目と成った。
これにより、アグデッパ、ブラウン兄弟の信認を得たバッカスであったが、
同時に他派閥からは『腰巾着のゴマ擂りクズ野郎』『得点稼ぎの出者張りメガネ』と嫌われた。
(なお、アディスとアキの謀反を未然に防いだとされるバッカスだが、
彼らを追い落とす為に「アグデッパが他王子の粛清を諮っている」と風聞を流した
と言う話もある。結果的にその後、数十年に渡る混乱の遠因とも言える)

この様に敵の多かったバッカスであったが、貧困対策や病院、孤児院の創設などの働きから
領民の受けは大変良かった。
その手腕は高く、テンオウによる地球制圧の折「ア族の定めた予算案を見直す」と発表した途端
各地で大規模な暴動が発生。落ち延びていたプロベットが帰還するまで続いたという。
「下々の人間がより良い生活をすれば、我々特権階級は尚良い生活ができる」
「優れた統治者とは下々の愚民どもをコントロールできる人間の事だ」
と本人は述べているが、虐げられる事の多かったこの時代の平民にとっては
理想的な統治者であり、平民達は尊敬をこめて「お眼鏡さん」「眼鏡閣下」と呼んでいた。
また、歴代地球王朝において「平民省の予算削減を考えるものは半年以内に死亡する」と言う都市伝説があった。
多くは事故死、病死とされるが巷では「お眼鏡さんの逆鱗に触れて葬られた」と実しやかに囁かれた。
故に少数だが協力者もおり
先の反乱鎮圧の功績で分1位に昇格したバッカスは数少ない理解者であったデムイやベンに推され
自らの派閥を結成した。当初こそ、先帝時代からの老将ダンリーが参加し支持者を増やすかに見えたが
バッカスのやり方に多くの者が着いて行けず、勢力は振るわなかった。

アグデッパ政権下では艦隊総司令に任命されイーズ制圧戦でも活躍する。
ナレッソ覇王アブダーが王妃アムを籠絡させる事や、バニモ覇王アソッド重臣マイクとバイアーの離間の計など
多くの策謀を巡らせた。結果アムはブラウンの手籠めにされ、バイアーはマイクに殺され掛け
スーザンと共に地球へ駆け落ちしてくるなどの成果を出したが、
そのやり方は当然多くの者の恨みと憎悪を買ったが本人は「効率的だ」の一点張りで
全く意に返さなかった。
だが、イーズ恒星系再制覇に貢献したのも間違いない事実であったため
アグデッパの頭痛の種であった。
しかし、アグデッパ自身バッカスは必要悪であると理解していたようで、
今際の際「軍務はチョーに内務はバッカスを頼れ」とララウィンに遺言していた。
だが、これに対しバッカスは約束履行の条件として昇格と長官職を平然と要求。
呆れたアグデッパだったが一階級の昇格と長官職の就任を約束。
アグデッパが死にララウィンが即位すると約束は履行され分将へと昇格。
経済担当長官の肩書を得てララウィンを補佐した。
だが、温和なララウィンはバッカスを嫌い全く重用しなかった。
ある歴史家に言わすと「もし、ララウィンが白濁液を飲む行為を(バッカスを重用)したら
歴史は大きく変わっていた。最悪の事態は避けられたであろう」との事である。
そして、バッカスを嫌ったララウィンはバッカスを更迭してしまう。
約束を反故にされたバッカスはブラウンに接近するようになる。

類は友を呼ぶという言葉がある通り、尊大なバッカスと横暴なブラウンは気が合い
違う派閥ながら親しい仲であった。
「ブラウンの悪名の半分はバッカスによるもの」という歴史家がいるほど良好な関係であり、
ブラウン主催の宴が催された際、他派閥長にも拘らずNo2のハンを差し置き上座に座れる程だった。
だが、平民省の予算を縮小し軍備に回すよう求めるブラウンを
「税金の無駄遣い」「馬鹿の一つ覚え」「金は湧くものだと思っている馬鹿」と内心嫌っていた。
だが、ララウィンに嫌われている事を知っているバッカスは主君といえど、ララウィンに忠義を尽くすより
ブラウンの専横に協力すれば出世できると見込んでいたようである。
皇太后キャサリン暗殺やジュリアへの近親相姦の事実を知りながらこれを黙殺。
特にキャサリン暗殺は事前に情報を突き止めたにも拘らず、本人やララウィンに知らせず、
検死が済む前に遺体を火葬し墓に埋葬するなど間接的にブラウンを助けた。
ジュリアが孕まされた事実をララウィンに告げた際、
怒り狂うをララウィンを止めるどころか放置し、ララウィンが殺されブラウンが即位すると
「陛下は乱心し、止む無くブラウン殿下が応戦した。これは正当防衛である」と証言した
(誤解なき様に言っておくがバッカスの証言に嘘はない)。
そして、ブラウンから再度長官職に任命される。

即位したブラウンだが、戦意過多、戦略過少の武力一辺倒で、
ツルマを降したまでは良かったものの、ラーを有するアキ軍に苦戦。
バッカスもアモスと共に作戦の見直しと地盤固めを進言するが、聞き入れられず
遂にはラーの策略でアイタペの謀反とイーズ属領を喪失してしまう。
結果バッカスはブラウンに責任押し付けられ処刑されかけるも、
チョーやアモスの擁護もあり処刑こそ免れるが再度長官職の更迭を言い渡される。
ブラウンに愛想の尽きたバッカスだったが、ある時、部下である下士官から
八卦衆や王妃アム、アモスらが密会している事実を聞かされる。
調査を命じたバッカスは、これがブラウンに対する謀反計画だと知ると
「これを手土産に陛下の信用を勝ち取ってください」と言う下士官に恩賞として鉛玉を賜り、
旧友アモスの伝手でプロベット派の会合に参加する様になった。

ブラウンがマカーフィに暗殺されると(一説ではマカーフィの正体を知ってたとも言われる)
バッカスは将軍位への昇格と長官職の再任をされると、すぐさま行動を起こし
チョーと共に旧ブラウン派の幹部たちを次々に拘束し粛清を行い規律の一身を行った。
そして、アモスと共にラーと同盟を組むことを進言。だが一足違いでラーがテンオウと組むと
嘗てのアグデッパの様に内需拡大を行いイーズ平定を行うことを進言した。
その効率・結果重視の姿勢はプロベットから
「過程が良くても結果が伴わなければ意味がない」と高く評価され
自らの結婚式の仲人を頼まれるほどであった。
この様にバッカスの出世街道も順風満帆かの様に見えたが
ナレッソ、ザクソン間に宇宙航路が開拓されると事態は一変、
テンオウ軍と直接戦う事となった。
もう先が無い事を知り国を去る者や降服する者が相次ぐ中、部下から
「この国も先が見えた。そろそろ潮時ではないか?」と持ち掛けるも、バッカスは
「せっかく手にした官位と長官職を手放すわけにはいかない」としてこれを拒否した。
愛想を尽かした部下は寝返りを行うも処刑された事を考えるとこの選択肢は正しかったようである。
そして、タイタン、ガニメデを失いテンオウ軍が目前に迫る中、
自らの命と引き換えに、家臣の身の安全を保障することを条件に降伏する事を決めたプロベットに
「もし、私が陛下に再度仕える事になったらどうしてくれますか?」と問い、プロベットが
「もし再度、卿が余に仕えたら今の官位と長官職を渡すだろう」と言うと
「その約束、忘れないでください」とプロベットに腹パンをかまし、敗走の手引きをし自らも野に下った。

野に下ったバッカスは地球に留まり、反テンオウの抵抗運動を起こす。
元地球軍将軍の落ちつぶれた姿に
「出世に目がくらんで、落ち目を見抜けず結局落ちつぶれた」と失笑を買い
また、同時期に覇王となっていた従兄弟のバーセムを引き合いに出され
「バ族の成功者と失敗者の好例」と言われる事もあったがバッカスだが、
「私を三流の野心家と一緒にするな。私は聡明であり一流の天才なのだ」
「私は出世コースから外れた事は無い。常にトップを走っているのだ」
と大見得を切っている。しかし、バーセムが独立後まもなく滅亡したことや
バッカス自身のその後の人生を見ると、あながち間違っていないとも言えるだろう。
バッカスの抵抗運動は地球を制圧したテンオウ軍に対し常に優位であった。
と言うのも、テンオウが「ア族の行った全てを抹殺する」と宣言した為、
悪習ばかりか善行まで否定した為、その恩得を得ていた民衆たちは返って反発。
バッカスの民衆懐柔政策が功を奏したのである。
また、民衆たちもバッカスや旧ア族家臣達の抵抗運動に協力的で取り締まることができず
テンオウ軍は思うように地球の地盤固めが出来ずに苦慮する事となる

地球制圧後、テンオウがあっけなく暗殺され替え玉のバイオノイドとすり替わっていることが発覚し
大分裂を起こすと、「これは天佑なり」と攻勢に転じ火星を掌握。
落ち延びていたプロベットに同行していたアモスと連絡を取り、
プロベットを帰還させ僅か1年半で国を再興させた。
当然バッカスは敗走の際に交わした約束の履行を要求、プロベットも笑いながらこれに応じた。

火星で再興してから間もなくバッカスはプロベットから呼び出しを受ける。
この時、プロベットは2人の女性の対応に苦慮していた。
旧アキの妃ラブとその娘でラー妃ジェニファであった。
彼女らの国は元々テンオウ軍と同盟関係にあったが、
同軍の壊滅後は後ろ盾を失いクルトニオ軍に滅ぼされた。
祖国追放後、ドーラ軍に身を寄せようとしていたが、
艦隊と逸れ地球の勢力圏にまで迷い込んできたと言う。
「我が国への亡命希望者なら受け入れるがそうでも無い
 かと言って人質として使おうにも彼女らの故国は存在しない
 何か良い方法はないか?」
プロベットが問うとバッカスは自信満々に
「お任せ下さい。小官に妙案があります」と返答した。
ジェニファの元を訪れたバッカスは彼女にこう言った
「今日からお前は我が妻だ」そう言ってジェニファと一夜を共にした。
翌日、満面の笑みで「夫婦になりました」と言った両者に
ジェニファの母であるラブばかりか主君プロベットも引いたと言う。

ここで、気付いた読者も多いだろうがこの時バッカスは独身である。
当に60歳を過ぎたにも拘らず初婚であったと言う
バッカス自身モテない訳では無かった。何方かと言えばモテた方だった。
知的でメガネの似合う男前であり、事務方の女性士官達から人気もあり、
バッカス自身、何人かと付き合った経験もあった。
だが、バッカスの性格に難があったあった様で、いずれも長続きはしなかったと言う。
バッカスと交際経験のある元女性仕官はこう証言している
「一度、彼の部屋に言ったことはあるが、部屋にはベッド、机、仕事用のPC、冷蔵庫と
生活に必要な最低限のモノしか無く、テレビすらおいて無かった」
「バッカス自身は公務と政治の話しかしなかった。私が話題を変えようと他愛もない話をすると
彼は『興味がない』と言って話を遮った。
ただ、ゴシップネタは好きだったようで他人の交友関係や噂話は食い入るように聞いていた」
多くの女士官達はバッカスの思考回路に着いて行けなかった事もあるが、
バッカス自身、女性を謀略の道具或は自らの足枷と見ていた様であり、
ある時、交際していた女性に「私の為に不幸になってくれ」と言い、怒らせたと言う話もある。
だが、彼の友人であり学友であり部下であったアモスは言う
「彼と付き合うならその女は命がけだ。いつ謀略に巻き込まれるか解らないからな」
「女に素っ気無いのは彼なりの優しさなのだろう」
この時代、妻を上司に寝取られ殺し殺されの血みどろの争いが繰り広げられていた。
バッカスとしてはそう言うのに巻き込まれるのは嫌であったし、
巻き込まれ無いようにする優しさであったと言う。
その点、ジェニファは頭も良く、男勝りで気が強く、自らの身は自分で守れ、
ラーの妻として戦略・政略の経験も豊富でアキの娘と家柄も良いと
バッカスからしたら女として妻として最適であった。

「今日からお前は我が妻だ…」そのあとには続きがある
ジェニファを押し倒したバッカスはこう続けた。
「お前には私と共に不幸になる資格がある。その名誉を与えてやろう」
これにジェニファは問い返す
「不幸になった見返りは何なのかしら?」
「お前が不幸になる事で得られる、あらゆるモノ、あらゆる力、全てをくれてやろう」
バッカスはこう答えた。これを聞いたジェニファは満足気に
「いいわ、何処までも堕ちてあげる」と満面の笑みを浮かべた。
交際期間0年と0日、0時間0分0秒の超ハイスピード婚であった。
経緯や方法に問題のある結婚であるにも拘らずこの夫婦の仲は良好であり、
3人の子宝に恵まれたのだから驚きである(内1人が後にイーズ恒星系政府元首となるダラムである)。

後にジェニファが「もし、あの時に私が結婚を断ったらどうしたのか?」とバッカスに聞いた事があるらしく
これにバッカスは「お前が断らない事を知っていた。だから断られた時の事など考えていない」と返答。
「ですが、普通の女性なら断ります。母も『同じ立場なら断る』と言ってました」とジェニファが返すと
バッカスは「当たり前だ。お前は自分が普通の女だと思っているのか?」と返し
ジェニファが「聞き捨てなりません」と言うとバッカスは続けた。
「人間は短期的にしか物事を考えない凡人と長期的に物事を考える天才の2種類が居る。
 我が国においてアスラン王の時代から因縁ある旧アキ・ラー王朝の亡命者たちの待遇は良いとは言えない。
 もし、お前が短期的に物事を考えて私との結婚を断った場合、
 お前ばかりかラブや付いて来た旧臣達の立場も更に悪くなるだろう。
 お前はとても聡明な女だ。旧臣達に苦行を強いるような事は絶対にしない。
 長期的に考え私との結婚を了承した場合は、帝国の功臣である我が妻及びその一族として
 大いに優遇される事くらい容易に理解できる筈だ。
 それに私も歳だ。女で若いお前の方が長生きするのは誰の目にも一目瞭然だろう。
 私がくたばったら、私が手に入れた富も名誉も財も全てお前の物になる。
 お前は頭も良いし、物事を確りと考える女だ。こんな良い条件の結婚を断る筈がない 
 ラブが『同じ立場なら断る』と言ったのは彼女は頭は良いが
 性格が捻くれてて、頭のネジも2本くらい取れているから断るといったのだ」
「では、この条件を飲むなら相手は誰でも宜しかったのですか?
 私がアキの娘だから、私がア族の姫だから選んだのですか?」
とのジェニファの問いにバッカスは
「私は一流の天才であり、欲しいのは人も物も一流のモノだ。
 三流の安物の女がこの条件を飲むはずが無いし、そもそも、三流の女に私が声を掛ける事は無い。
 お前がアキの娘で家柄が良いと言うのが理由の一つである事は否定し無い。
 しかし、いくら家柄が良くとも、それしか誇るものが無い出来の悪い女なら、それは三流以下である。
 だが、お前は才能があり、物事を深く考えることが出来、尚且つ自分の事は自分で考え守る事が出来る。
 お前は聡明であり一流の女だ。だから私は、お前を選んだ」と返答した。
これを聞いたジェニファは嬉しそうに部屋を出たと言う。

バッカスはプロベットに対し「妻の父アキは陛下の父ブラウンの弟君に当たります。
 つまり我が妻は陛下の従姉君にあたるわけで、相応の身分が必要と思われます」
とジェニファとラブに王族位を与えるよう要求。
どうせバッカスの事だから自分にも寄越せと言うのだろうと思っていたプロベットの予想に反し
バッカスは「私には王族と言う身分は不要です。今のままで結構です」と言い辞退したと言う
(本人曰く「王族と言う身分は制約がかかるから面倒臭い。陛下も小官如きと一族なんて嫌でしょう?」)。
ジェニファはバッカスとの結婚生活をこう語る。
「夫は陛下に頼み私に王族の身分をくれ、屋敷を用意してくれて、何不自由ない生活をさせてくれた。
 私には何が不幸なのか解らなかった。
 今思うと、夫は自身に関わる事を不幸になると思っていたのかもしれない」

地球奪回の際には、地球に「ミカドが故障して『ア』の字の付く名を持つものは出生を問わずに殺害する」
「『ア』メリカに住むものはアの字の場所に住んでるから殺害される。『ア』フリカも同様で、
2つも付いてる『ア』ジ『ア』は皆殺し」と噂を流布する。
子供じみた嘘だが、ミカドがバイオノイドだと露見し、
同軍の締め付けが激しくなっている事を知っていた地球市民はこれを信じ各地で暴動が発生。
ミカド側にも「バースァはア族に組した『バ』族の一員で日本人を売ろうとしている」と噂を流し
唯でさえ人望の無かったバースァの信用を失墜させ、制圧戦を終始優位に運んだ。
そして、惑星直撃艦サイナスを奪取。ミカド軍帝都を爆撃すると言う過去の答案を
そのまま実行して見せたという。

地球を奪回すると瞬く間にソース恒星系を再平定し、イーズ再進出を計画するも
ドーラとクルトニオに阻まれる。
ドーラに同盟を打診するも拒否されると、内部工作を実施。
テンオウの娘リヨンヒが亡命している事、それが原因で同盟が破棄された過去を知ると
「ドーラはリヨンヒと国民を天秤にかけ国民を売ろうとした」
「集めた海賊、抵抗軍ら傭兵たちは捨て駒」と離間の計を実行。
結果、ドーラ王朝の諸将の間で猜疑心が芽生え、ドーラ死後の大分裂や
盟友と言われたショーンとマカーフィの仲違いの遠因となる。
しかし、その一方でプロベットを「信頼できる」と述べたショーンを
「ドーラ亡き後、後を継ぐのは彼であり、陛下が真に組むべき相手」と見据えていた。

ドーラが暗殺され銀河史上3度目の大分裂が起こった際、
プロベットから「ショーンの提唱する連合に参加しようと思う」と聞かされると
「陛下も真に組むべき人間を見出せるだけの人になられましたか」と笑いながら
ジェニファやラブと共に条件付きでこれを支持した。
「我が軍に置ける将兵たちの身の安全を保障すること
 現状の身分・官位を保障すること」がバッカスの出した条件であった。
そして首脳会談当日、ショーン側にバッカスの一連の工作や黒い噂や悪名の数々が発覚
ショーンには「嫌いなタイプだが、有能で役に立つ人材」と一定の評価をされる一方で
リヨンヒからは「最悪」と嫌悪感を露わにされた。
だが、一方でショーンの妻アーメイからの評判は良く、裏工作や悪名を問いただされるが
バッカスは堂々と弁明(開き直ったとも)。
これを聞いたショーンもアーメイも納得しバッカスの行いを不問とし
バッカスの官位と現状の身分を保証したと言う。

選民思想が強く、平民たちを愚民・俗人共と蔑むバッカスだが、
連合の盟主となったショーンとは以外と気が合った。
「政治に君主制も民主制も関係ない。要は愚民どもを如何に上手く操作できるかだ」
「馬鹿な愚民どもを野垂れ死にさせる位なら、施しをやって恩義を売って駒にすればいい」
「五月蠅い乞食のガキどもは、子供を失った哀れな俗人ともに呉てやれば効率的」
と以前と変わらぬ尊大な物言いだが、ショーンは
「一般市民がより良い生活をすれば国が栄えるとの考えは理に適っている」
として、国有企業の賃金を上げ経済を活性化させ、孤児院を創設した。
後に恵まれない子供たちに生涯を捧げたプロベットの娘ミライ王女は
「バッカス将軍が居なければ、今の私は無いだろう」と振り返っている
ちなみに、連合政府におけるバッカスの序列は盟主ショーン、副盟主プロベットに次ぐ第3位と高かった。
連合政府は当初、平民代表(旧ショーン派)、ア族代表(プロベット派)、日本民族代表、旧アイタペ派(バイアー・アイアワ派)と
バッカスの属するアキ・ラー家の5つの代表による合議制が取られたが、
後にア族代表プロベットと日本民族代表リヨンヒが婚姻した事でア族・日本民族連合が成立し4つに減った。
バッカスの属するアキ・ラー家の代表はあくまでも妻のジェニファ王女であったが
ジェニファ王女が夫バッカスに全権委託していた為、事実上アキ・ラー家=バッカス派と言って差し支えなく
議会にもバッカスが代表(表向きはオブザーバー)として出席していた。
故に議会勢力はでア族・日本民族連合(プロベット派)に次いで高かったが、
バッカスがショーンやプロベットと仲が良かった事から運営に支障を来すことはなかった。
しかし、その一方でその物言いから当然嫌う者も多く、
特にプロベットの重鎮であったバイアグラとは、マカーフィと対立させ殺す様仕向けたその経緯から
骨の髄まで憎まれており、「人間のクズ」「プロベット陛下の右腕でなければとっくに殺している」
とバイアグラが公言するほどで、一連の出来事に怒り心頭のバイアグラを煽り
殴り飛ばされた事もあったと言う。

しかし、バッカス自身も思う所があったのか
SC130年、派閥の者と一族を集めてこう宣言した。
「私も歳でもう疲れた。来年一杯で退役する事にする。
 その為に決めておかなければならない事がある。
 私は従兄弟バーセムの息子マクガイバを養子に迎える事とし、
 彼に家督を継がせようと思う」
バッカスは数年前からバーセムの息子マクガイバを引き取り彼に様々な知識を与えた。
周囲からは『実の親子』と言われるほど可愛がったと言う。
だが、当然ジェニファは猛反対した。
「アナタ待って下さい。ダラムはどうなるのですか?
 確かにマクガイバは頭も良いし派閥の者達とも上手くやっています。
 ダラムも同じですアナタや私が一生懸命に育てた我が子です。
 そんな事ならば何故、私との間に子などもうけたのです?」
バッカスはダラムの方を向くと彼にこう問いかけた
「ダラムよ。お前は母の事が好きか?」
「はい、大好きです」
これを聞いたバッカスは「そうか」と答えると続けた。
「ダラムはまだ若い。様々な事を経験し更に教養を身に付ける必要がある。
 だが、私ももう歳だ。それを行うことは困難だろう。
 ジェニファよダラムをしっかり育てて欲しい。お前ならきっと彼を立派な男に育ててくれるだろう。
 そしたらダラムにはお前の家アキ・ラー家の家督を継がせると良い。
 これで万事解決だ。私がお前と意味なく結婚し子をもうける筈がないだろう」
これを聞いたジェニファは笑いながら答えた。
「だから私はアナタの事が嫌いなのよ。まるで全てを見透かしたかのようなアナタが」

そして退役の迫った翌年、最後の仕事は惑星ナレッソの視察だった。
ナレッソの荒れた大地を歩きながら指示をするバッカスの胸を突如銃弾が貫いた。
銃弾が飛び交い、薄れ逝く意識の中でバッカスが聞いた言葉は
「思い知れ!!これが父マカーフィの恨みだ!!」
これを聞いたバッカスは全てを理解し笑みを浮かべると、助けようとする部下に
「無駄な事は止めろ。致命傷を負ったことぐらい自分でも解る。
 友が呼んでいる。どうやら話し相手が足りぬようだ」と呟くと意識を失った。
地元地上正規軍が抵抗軍の鎮圧とバッカスの救出に駆けつけるも、
時すでに遅く、既に息を引き取っていた。享年83歳
最終階級は将軍位11000、経済長官であった。
バッカスの死を聞かされたジェニファは泣き崩れ、ラブも持っていたカップを落とす程
深く悲しんだと言う。

「私に反感を持つ者も多いだろう。葬儀は国葬ではなく質素に行ってほしい
弔問も誰も来なくていい。私の骨は、無縁墓地か畑の肥やしにでもしてくれればいい」
と言い残していた為、葬儀の場所・日程ともに非公開で密葬が施されるはずだったが
多くの人々が弔問に訪れた。
後にバッカスが派閥長を務めていたアキ・ラー家を中心に報復が主張された。
比較的穏健派であるアキ・ラー家から強硬論が出た事からも彼の功績の大きさが伺えるだろう
後に報復は承認されナレッソに潜伏する抵抗軍は一掃され数千人の人間が逮捕・処刑されたが
マカーフィ軍残党を名乗るグループは存在せず、以降確認されることも無かったと言う。






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