お嬢さんスリーサイズいくつだい?-ojosan three size ikutsudai?-

愛のランデブー


私の名はダンディキノコ。ダンディなキノコだ。


ある日私はある娘に恋をした。
私はその娘にダンディにアタックする事にした。


「娘さん、スリーサイズいくつだい?」

「きゃー!変態!!」

バチィ!!!


少しダンディ度が足らなかったようだ。ませた娘だな。
だが、私はこの程度の事で諦めはしない。
何せ、ダンディーだからな!(決めセリフ)

次の日も、そのまた次の日も…


「娘さん、スリーサイズいくつだい?」

「何度聞くのよ変態!!」


私は過去を気にしない男だ。
何せ、ダンディーだからな!(決めセリフ)

ある日のそのまたある日


「娘さん、スリーサイズいくつだい?」

「……B:100、W:50、H:300よ!これで満足!?」


そうか、これは噂のツンデレだったのか…余計に惚れてしまったではないか。
それにしてもなんて私好みの体系なんだ。


「私…どうかしてるわ……」

「何がだい?相談なら私がのるよ」

「私……貴方を見ると思わずよだれが出てしまうのよ…」

ピロピロピロリーン♪チャーーン!(ダンディキノコのテーマ)


やはりな…全てを語らずとも私はお前のギラギラした瞳を見ただけでその気持ちは分かる。
何せ、ダンディーだからな!(決めセリフ)
お前は、私の事が好きなんだろう!フフフ


「私、いつか貴方をフライパンで焼き焦がしてやりたいわ。」

「それはベッドの上で熱い夜を過ごしたいと言ってるんだね?」

「そしておいしくいただくわ!」

「私が攻められているんだね。まぁ、それもたまにはいいだろう。」


こうしてこの日は終わった。

次の日のまた次の日のそのまた次の日のまた次の日


「ダンディキノコ!」

「フフ、何だい?」

「今日はショッピングに行きましょう!フライパンを買いたいの。」

「あぁ、いいだろう。」


私に美味しいご飯でも作ってくれるんだろう。
なんて私は幸せなんだ!やはりダンディだからだな。

娘は私をフライパンに乗せたりして遊んでいた。
なんて可愛いんだ。


その数週間後、私の転勤が決まった。
場所は外国だ。
娘はいつの間にか私の子供を作っていたらしいから、連れて行けないのだ。
頬にキスだけで子供ができるというのは本当だったんだな…
それともその時に娘の言った「YAMETE!!KIMOTIWARUI!!!」という呪文で出来たのだろうか。


「ちょっと話があるの」

「あぁ」

「実は…あの時のスリーサイズ、嘘だったのよ…
 私の本当のスリーサイズは…B84、W62、H81なの!少しでも良く見せようと思って…っごめんなさい!」

「何…!?」


なんてことだ…私好みの体系ではなかったと…!?
いや、子供が出来てしまった所為なのだろう…
私達の愛の結晶の所為ならそんな事構わない!



とうとう私が出国する当日になった。
あまりの寂しさに私は早めに家を出た。待ち合わせ場所は近くの公園だ。
すると、まだ待ち合わせの時間より数時間早くそこに娘がいた。


「やっぱりこの時間に来たのね!この時間なら一つ早めの出港にも全然間に合うわ。それに彼は仕事の時間だし。」

「そうか…私が遅刻しないように気を使ってくれたんだな。」

「ダンディキノコ…貴方は行ってしまうのね…」

「フ…ッ心配する事ないさ。」

「心配なんかしてないわ。どうせこの後大金が手に入るんだもの」

「フフ、私の出世を期待しているということだね。あぁ、その期待に応えられるよう頑張るよ」

「このフライパンも…必要が無くなってしまうのね…」


娘はそう言ってカバンにフライパンを押し込んだ。


「私は…本当に貴方が珍しいキノコで良かったと思っているわ。」


私はその言葉に背を向ける。


「その事なのだが、実は私は…そこら辺に生えている毒キノコの一種だったのだ…!」

「!?」

「今まで言わなかった事は謝る。」


すると娘の強く握られた拳が震えだした。


「ゆ、許さねぇ…!!折角お前を売って大儲けできると思ったのによ!!チクショウ!」

「ど、どうしたんだ…!?」

「貴様を握り潰してやるうぅぅぅうう!!!」


娘は私が行ってしまうことが寂しいのだろう…。
娘はカバンの中に手を突っ込んだ。


チャキーンッ


という効果音と共に登場したのは拳銃…であって欲しい。きっとS&W M13だ。
少々形が男性器と似ているのは気のせいだな。
そのカッコいいS&W M13を私にプレズェントしてくれるのか?

「速攻射勢発動!!」

ビュウウゥァァァァァァアアアアアアンッ!!!!

愛の爆撃が放たれた。果たしてコレはS&W M13が発する音なのだろうか…。
私は愛の銃弾と共に公園の空へ舞い上がって行く。

「や、やめてくれえぇぇぇえええ」

私は高速恐怖症だ。あまりの恐怖に間抜けな声をだしてしまった。
銃弾が燃え上がっている。この炎は私達の愛の印だろう。
だが私は火恐怖症だ。

「死ぬぅぅううう」

「死ねぇぇぇぇぇえええええ!!!!!!」

オレンジに染まった空ではカラスが鳴いている。
公園で遊んでいた子供が指を指している。
あぁ、こんな所で命をかけた浮遊デートとは…私はなんてダンディなんだ…!





それからダンディキノコを見た者はいなかった。




HAPPY END
最終更新:2013年01月17日 16:50