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概要
かつて魔導が栄えていた遺跡に男女6人の友人共々突然送り込まれ、時空転移現象によって過去と現在を行き来する中で過去世界のアルルやその仲間たちと出会う一方、現在の遺跡に置かれている彼女たちによく似たミイラと戦闘を繰り広げ、これらの因果関係を疑いつつも徐々に遺跡の最深部へと歩みを進めていく。やがて、遺跡最深部に引き籠っていたサタンによってそれらが彼女たちの過去と現在の姿であることを知るが、一方でそんなこんなしているうちにサタンの死によって脱出の好機を失い、遺跡の出口も見つからないまま犬死にしてしまう。
完全版以降のバージョンではこの結末が複数の種類に分かれ、サタンの元へ至るまでの行動次第でアルルたちの生存に働き掛けようとしたり、あるいは途中から参入する倉山恭子に殺されて主人公の座を奪われたりするが、いずれにしても無事出口に辿り着くことはない(詳しくは極・魔導物語(完全版)/ストーリー分岐を参照)。
人物
いつも暴言を吐く上に性格が異常に悪くちょっとした事で激昂するので、作中で全く会話が進まない事や会話の内容が全くプレイヤーに伝わってこないのは彼の余計な発言による所も大きい(勿論それだけでは無いが)。暴言や挑発は当たり前で他人に対して理不尽に責任を押し付ける事もしばしば。作中の理不尽な展開に対しキレ気味にツッコミを入れるが本人も本人なのでさほど共感できない。悪さが過ぎる際は尻高事朗に殴られる事も。
過去の世界の村にある教会の扉を調べた際の本人の発言によるとモルモン教を信仰しているらしく、完全版以降の教会に泊まるイベントではキリスト教や仏教を激しく批判する。なお、モルモン教では肌の黒い人々を「前世で罪を犯した人」としていたが、肌の黒い田中とモルモン教の因果関係は作中で明らかにされていない(ちなみに、さすがに問題があったのか、モルモン教は2013年にこの教義を放棄すると発表した(*1))。
不良を自称してはいるが、人や仲間の死に対して誰よりも悔しがったり、過去の世界の屋敷において屋敷の主人の奴隷にされていたラリーを放っておけず解放してあげるなど、情に厚い一面を持っている。また、そんな彼と常に意見の対立を起こす倉山恭子に対しては露骨に敵意をむき出しにする。だが、過去の世界の儀式室にてサタンにヴゼルを倒すための犠牲にされそうになるときには、西村次郎や揚羽木葉を身代わりにしたいかのような発言をするため、自分の命を犠牲にしてまで他人を助けるという事はNGなようだ。
過去の世界では何故かモテており、魔導物語の女性キャラ達と面識を持つことになる上、アルルから一緒に寝るように求められたりもする。アルルがこのような行動に出たのは、「田中がアルルの生まれ変わりであるため、強い親近感を持った」という事が後にサタンの話によって明らかになる。ただ、彼はアルルを「コスプレをしたアバズレ」、「ペンギンビッチ」などと罵倒しているため、彼自身はアルルに対して親近感は全くと言って良いほど持っていないようだ。ちなみに、『極・魔導物語物語』では田中がアルルの生まれ変わりだという設定はあくまでも仄めかす程度に抑えられている(『極・魔導物語(仮)』では削除されている)。
二次設定
『ANGEL DEAD』では原作や物語物語から継承したもののほかにいくつか物理系の技を覚え、ある一定のレベルで魔法も使えるようになる。人に暴言を吐くのは相変わらずだが、ヤクザの総長に拾われてからは人望が厚くなり、借りは返すのが当たり前という義理堅い性格になった。白山吾作とは仲が良過ぎていつも喧嘩をしそうになる。また、白山の姉である白山理恵に好意を持っており、理恵が西村を助けて崖から転落した際には西村を責め、落ち込んでしまう。ラスボスである佐野恭子と対面した時は完全版以降の時の彼自身の記憶を持っているような事も話す。
作中での言動
分岐以前
- 初期段階版のプロローグでは、「テストはどうだったか」と聞く母親に堂々と「だるいからサボった」と告白し、母から「勉強しない奴はゴミだ!!」と襲い掛かられる。なお、この母親は父親が帰ってくるとなぜか急に態度を変え、「田中が白地癌時とHしていた」と意図のわからない嘘をつく。
- 遺跡に転移して間もないうちは現実が受け入れられず、そのこともあってか西村次郎や白地癌時を脅かしたり、遺跡がラピュタではないかなどと邪推したりと呑気な発言を繰り返す。
増田が離脱し、倉山が合流しないルート
- 食料保存庫で偽物の尻高事朗に増田太郎が殺された際は、偽物の尻高を本物の尻高と認識した上で殺そうとする。偽者を倒した後、本物の尻高を目の当たりにすると、田中はその尻高さえも「人殺しの屑」、「バイキンマン」などと罵倒して殺そうする。それどころか、白地に制止されるまでは尻高の潔白に気付かない。
- アルルから最初に名を聞かれた際に「神の子」だと不真面目な回答を返し、尻高から「ダニの子」だと切り返されるとそれを聞いて笑い出したアルルを「アバズレ」と罵倒する。さらに、アルルがその様子を「シェゾとウィッチの喧嘩を超えていた」と話すと、田中はシェゾとウィッチの喧嘩が何なのかすら知らないはずなのに激昂してアルルに襲い掛かる。しかし、木田に下剤を注入すると脅され何とか思い留まる(分岐によっては倉山に脅される)。
- アルルたちとミイラとの間にある因果関係に関する木田の指摘がオカルトチックで信用できず、鬱陶しく感じるあまり「クソカルトワカメ」「死んでしまえ」などと罵倒するが、直後木田が死んでしまうと罵倒したことを強く後悔し、「もういじめたりしないから」と言って深く悲しむ。また、先を急ぐよう促した中山仁に対して「イカれた教授」と罵倒して軽蔑したり、過去の世界において木田の消息を聞いてきたアルルに対して冷たく当たる。
- アルルと仲睦まじく喧嘩を繰り広げるシェゾを初めて目の当たりにした際には彼を「コスプレおっさん」と呼ぶ。また、完全版ではシェゾを「変態」だと罵倒し、シェゾのフルネームを「ダサい」と一蹴した揚羽に便乗して、「変態は変態らしく覗きでもしてろ」と言い放つ。
- 過去世界の宿でモンハンを遊ぶ際、「ヤマツカミ死ね!!」と発言している事から、『モンスターハンターポータブル 2nd G』をプレイしている可能性が濃厚である。
- 過去世界の屋敷の奴隷であったラリーに対しては好意的らしく、彼女の前では自分の仲間たちをボディガード扱いしたり、彼女を笑わせるために尻高の恥ずかしい話をもダシにしたりして(分岐によって尻高が既に死亡していても同様)、やたら彼女と親密になる。しかし、屋敷の食料を盗み出そうとしてラリーに制止された際には彼女を殴ろうとする。駆けつけたウィッチとアルルから屋敷の主人の凶暴さを聞かされた田中はラリーの解放を試みるが、ラリーから自身の取引価格を聞かされるとまたしても逆上しそうになり、しまいには断念する。
- 完全版まででは、過去の世界から元の世界に戻ると、過去の世界に置いて来た持ち物が必ず戻ってくるという場面があるが、彼がアルルに貸したウォークマンだけは戻ってこない。
- 仲間が死ぬたび中山仁に八つ当たりするが、暴力を振るおうとすると必ず尻高事朗に制止される。それでも、叱りつける尻高を逆ギレで殴りつけ、白地までも怒らせることがある。ほかにも、仲間を失った悲しみを隠そうと努める白地を心なく罵倒した結果、殺されるほどの勢いでボコボコにされてしまうが、白地の制止で何とか殺されることは免れる。
- 勝手に屋敷に侵入して主人に咎められた際に罰として指を切って渡すよう求められるが、過去の世界では珍しかったらしい腕時計を渡すことによって何とかそれを免れ、更にラリーまで解放させてしまうというファインプレイを見せる。
- ラリー救出後、現代世界でミイラとなって襲ってきたラリーを倒した際は「ごめんな」と謝罪の言葉を口にする。ただしラリーに一度も出会わなかった場合、ここでの田中の台詞は「なんだこいつ!!いきなり上から降ってきやがって!!!」というものに変化する。
増田が離脱し、倉山が合流するルート
- 田中を利用して世界を救おうとするサタンに対して必死に抵抗して戦闘に突入し、敗北した末にはサタンの思惑通りに犠牲となるが、彼の慈悲によって並行世界で女性として生き続ける資格を与えられる(考えようによっては並行世界で田中が生存することは当然なので、サタンが慈悲として彼を並行世界で生かそうというのは詭弁に過ぎない可能性もある)。また、この戦闘で勝利しても、結局はアルルたちのデスタムーアによってヴゼルを倒すための犠牲となってしまう。が、この場合のヴゼルはサタン曰く完全に倒されず、現代に至るまで、その残存部分からモンスターを生み続けることとなる。
- つまり、アルルたち全員が犠牲となっても完全に倒しきれないヴゼルは、実は田中一人の犠牲で完全に抹殺できてしまうということになる。これについては過去にもプレイヤーから疑問が呈されたことがあるが、作中でのサタンの説明によると、アルルたちはヴゼルを倒すために全力を出し切ることができていなかったらしく、田中一人の犠牲でヴゼルを倒すことができるのは、現代のサタンが力の使い方を熟知しているためらしい。
増田が離脱せず、倉山が合流するルート
- 倉山に対しては初対面からすごい勢いで突っかかっており、自身が遺跡へやってきた経緯を説明してもなかなか信用を得られないため「何度も言わせんなクソババア!!」と逆上するほか、倉山の通信機が交信不能となった現実を突きつけられそうになった際にも、倉山の話を何度も遮ってその現実を受け入れまいとする。
- 出口を目前にしつつも人ならざる倉山に増田を殺害されて行く手を阻まれるが、ここで彼が戦闘に勝利するか敗北するかで後の展開は変わる。勝利した場合でも深手を負ってしまうため、出口へ歩くうちに日常生活に戻る幻覚を見た挙句力尽きてしまう。
基本ステータス
原作版から完全版にかけてはパーティキャラクターたちの能力値が全員同じであったため、能力値における特徴などはなかったが、物語物語では多くのキャラクターたちの能力値に個性が付いた中、田中はあまり能力値に特徴のない、いわゆるバランス型となった。強いて言えばHPが少し高い。さらに、特殊技能が2つ追加されている。ANGEL DEAD 〜極・魔導物語〜で彼は攻撃力の高いキャラクターとして仲間になるらしい。
基本情報 | 原作〜完全版 | 物語物語 |
---|---|---|
名前 | 田中一郎 | 田中啓介 |
肩書き | 不良 | |
キャラ画像 | ||
顔画像 |
基本装備 | 原作〜完全版 | 物語物語 |
---|---|---|
武器 | (なし) | |
盾 | (なし) | |
鎧 | (なし) | |
兜 | (なし) | |
装飾品 | (なし) |
能力ステータス | 原作〜完全版 | 物語物語 |
---|---|---|
初期レベル~最高レベル | 1~50 | |
必殺確率 | 1/30 | |
最大HP変動域 | 40~600 | 48~738 |
最大MP変動域 | 40~600 | 31~572 |
基本攻撃力変動域 | 15~150 | 15~192 |
基本防御力変動域 | 15~150 | 15~157 |
基本精神力変動域 | 20~300 | 17~209 |
基本敏捷性変動域 | 20~300 | 19~238 |
覚える特殊技能
レベル | 原作〜完全版 | 物語物語 |
---|---|---|
1 | サック | |
6 | ブチギレる | |
16 | ファビョる | |
21 | Sサイキックパンチ | |
26 | 超Sサイキックパンチ | |
※ | ナイフ |
※原作や完全版以降の倉山を仲間にしないルートの中盤でアルルの遺体から首を切り取るために覚えるが、終盤のシェゾのミイラが池に尻高を引き込む際に忘れてしまう。
名前 | 消費 | 説明 | 備考 |
---|---|---|---|
サック | 5 | パンチの2倍 | 正式には2倍ではなく通常の攻撃力+18ダメージの威力。威力も燃費も良く使い勝手がいい。 |
ブチギレる | 10 | 笑いながらキレて敵に強烈な蹴りを叩き込む。 | サックより燃費が悪く威力が低い。ハズレ技 |
ファビョる | 15 | 激しくキレて敵全体を攻撃する | まあまあ強い。全体攻撃なので使い勝手もいい |
Sサイキックパンチ | 20 | 念動力を纏ったパンチで相手を殴る攻撃らしい | あの技。威力は高いが、命中率は低め |
超Sサイキックパンチ | 28 | 打撃と衝撃波を同時に与える攻撃らしい | 上記の技の強化版。命中率もこちらの方が高いので、できれば覚えておきたい技 |
ナイフ | 0 | 刃物で相手を斬る | 敵にかなりのダメージを与えられるが、ある条件でなければ使えない |
備考
作者のドクマムシは単純に不良というステータスが好きらしく、のちに公開した小説『帥丙ラジカル』でも不良高校生を主人公としているほか、他にはレッドレイトン名義での小説でも不良のようなオラつき方のキャラを出している。ドクマムシの別名義と疑われているレインコートの『怪談金玉袋』における主人公・野獣もまた田中のようなオラつき方をする。