内亜柄影法プロローグ
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dangerousss3
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プロローグ
「……何だコリャ……」
アメリカへの出張から帰ってきた内亜柄をまっていたのは、崩壊した東京だった。
いや、そりゃあ例のウイルスのこともあってちょっと数年ほど出張してたわけだが、お出迎えがこれかよ……
乗ってきた飛行機(チャーター機だ、俺は金持ち……だったからな)もさっさと行っちまいやがった。
何の冗談だ?幻覚系魔人能力者のドッキリかなんかか?
とにかく事務所に帰ろう……疲れた体にウィスキーを流しこんでぐっすり眠ろう。
何の冗談だ?幻覚系魔人能力者のドッキリかなんかか?
とにかく事務所に帰ろう……疲れた体にウィスキーを流しこんでぐっすり眠ろう。
「……あァ、知ってた。大体わかってたっつーんだよクソ野郎……」
愛しの我が家(跡)に帰宅すると、大量の瓦礫が俺を出迎えてくれた。
ああなんて贅沢なお出迎えだ。ふざけんなクソアーメン。
検事生活で溜め込んだ地下の隠し金庫の全財産は外出中ときたもんだ。
おおかたその辺のモヒカンザコについていっちまったんだろう。ぶっ殺す。
ああなんて贅沢なお出迎えだ。ふざけんなクソアーメン。
検事生活で溜め込んだ地下の隠し金庫の全財産は外出中ときたもんだ。
おおかたその辺のモヒカンザコについていっちまったんだろう。ぶっ殺す。
「おい、そこのアホ面……おめーだよおめー」
とりあえず聡明な俺はそこにいたモヒカンAにインタビューをすることにした。
「ああ~ん!?俺様のことか~?ヒャッハー!」
周囲にはお前以外に人はいないんだからそうに決まってんだろアホ面。
「もう一回言ってみろよ~?よく聞こえなかったなぁ~?」
とかなんとか言いながら棍棒を振り回し始めた。
やれやれ、ちょっとお話を伺おうとしただけなのに面倒くさいやつだ。
やれやれ、ちょっとお話を伺おうとしただけなのに面倒くさいやつだ。
「お前頭だけじゃなくて耳も悪いんだな。同情するぜ」
俺の目の前に刃が生成される。
これが俺のクソ魔人能力、『ロジカルエッジ』だ。(ロジカルじゃないとかそういう意見は却下だ)
今回はちょっと『優しい』言葉をかけてやったからな。『優しい』切れ味のナイフだ。
これが俺のクソ魔人能力、『ロジカルエッジ』だ。(ロジカルじゃないとかそういう意見は却下だ)
今回はちょっと『優しい』言葉をかけてやったからな。『優しい』切れ味のナイフだ。
「なんだとぉ~!?ヒャッ……え?」
目の前の馬鹿が刃を気にも止めずに飛び込んできやがったので軽ーーーくその刃を突いてやった。
うむ、さすが優しい俺。ナイフの2/3ぐらいしか刺さらなかった。
うむ、さすが優しい俺。ナイフの2/3ぐらいしか刺さらなかった。
「お前のようなクサレ脳みそでも理解できるように優しくインタビューしてやる。
とりあえずこの一帯に何があった?」
とりあえずこの一帯に何があった?」
「な、何って…ひ、ひいい…お、俺に……ナイフが……」
「おいおいおいおい、質問に答えてくれよー。そうしねーと俺の手元が狂っちまうだろーが」
「ひ……、あ、あの…俺もよくわかんねえんですけど、なんか魔人の抗争があって、そんで、核が落ちて……」
「核ゥ!?」
「な、なんか外国から核ミサイルが飛んできたって……俺もそれしか知らなくって……」
……そういえば何かどっかのアホの要請でどっかのアホが核を発射したとかなんとかいう噂があったな。
さすがにそんなアホはいないと思っていたがマジだったのか。世も末だ。
全く、魔人ってやつは本当にどいつもロクな事をしやがらねえ。
さすがにそんなアホはいないと思っていたがマジだったのか。世も末だ。
全く、魔人ってやつは本当にどいつもロクな事をしやがらねえ。
「……んで、ここの地下にあった金庫のことはお前知ってるか」
「き、金庫?お、俺じゃねえ!俺が来た時にはもう!」
「……あっそ。じゃあお前もういいぞ」
そう言ってそいつの胸からナイフを引き抜く。
「あ……あべしっ!!!!!」
モヒカンは爆発四散。
まあモヒカンだからな。仕方ない。
それにしても俺がいない間に色々あったもんだ。このままじゃ動き出せねぇ。
まあモヒカンだからな。仕方ない。
それにしても俺がいない間に色々あったもんだ。このままじゃ動き出せねぇ。
しかしこの天才たる俺がいつまでもこんなところで立ち止まっていては世界の損失だ。
なによりまずは金だ。金がなきゃあゆっくりすることもできねえ。
そこらじゅうでヒャッハーうるっせえクズどもからちょっとお借りしようと思ったが
当然のごとく金もっていやがらねえ。使えねえクズだ。RPGの雑魚敵の方がまだマシだ。
なによりまずは金だ。金がなきゃあゆっくりすることもできねえ。
そこらじゅうでヒャッハーうるっせえクズどもからちょっとお借りしようと思ったが
当然のごとく金もっていやがらねえ。使えねえクズだ。RPGの雑魚敵の方がまだマシだ。
「内亜柄影法様ですね」
「!?」
いつの間にかそこにいたスーツの女(おっぱいがでけえ)が唐突に声をかけてきた。
そもそも名乗ってもいないのにこちらの名前を知っているだけで怪しい。
まあ俺くらいのレベルになると世間に名前が知れ渡っていても疑問の余地もないが、
どう見てもこのおっぱいは俺のファンって感じじゃあねえ。
そもそも名乗ってもいないのにこちらの名前を知っているだけで怪しい。
まあ俺くらいのレベルになると世間に名前が知れ渡っていても疑問の余地もないが、
どう見てもこのおっぱいは俺のファンって感じじゃあねえ。
「私、とある機関のスカウトをしております銘刈耀と申します。
先程から拝見させていただいたところ、お困りの様子でしたので声をかけさせて頂きました次第です」
先程から拝見させていただいたところ、お困りの様子でしたので声をかけさせて頂きました次第です」
「まァな……ンなもん見りゃあわかって頂けると思うが」
「そんな内亜柄様にこちらの大会のご案内を、と思いまして」
「大会だぁ?」
――『ザ・キングオブトワイライト ~夕闇の覇者~』。
なんとも気の抜けた大会の名前だ。どうせクソみてえな魔人共のちょっとしたお祭りだろう。
ほら見ろ、優勝賞金も10億円だとよ。ガキの小遣いにもなりゃしねえ。
なんとも気の抜けた大会の名前だ。どうせクソみてえな魔人共のちょっとしたお祭りだろう。
ほら見ろ、優勝賞金も10億円だとよ。ガキの小遣いにもなりゃしねえ。
……10億?
いやまて、何だその金額は……
いくらなんでも印刷ミスだろう……
いくらなんでも印刷ミスだろう……
「――当然、印刷ミスなどではございません。優勝者には10億円、そして副賞もプレゼントいたします」
……副賞?
『優勝者の方には、賞金10億円と、スポンサーが可能な限りの望みをひとつ、叶えさせて頂きます』
マジかよ。
「ご確認いただけましたでしょうか?内亜柄様にとっても、これはチャンスかと存じますが。
……いずれにせよ、この荒廃した日本で野垂れ死にされるよりは有意義だと思いますわ」
……いずれにせよ、この荒廃した日本で野垂れ死にされるよりは有意義だと思いますわ」
おっぱいちゃんが薄ら笑みを浮かべる。
「……めんどくせぇ……」
本当に面倒なことになっちまったもんだ、全く。
「ああ、参加するよ!是非参加させやがれ!」
断っておくが、金に釣られた訳じゃねえぞ!
俺はクソ魔人共を一人でも多く有罪にしてえんだ!
俺はクソ魔人共を一人でも多く有罪にしてえんだ!