のもじTHEアキカン・クイーン・ヘッドSS(第一回戦)

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dangerousss

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第一回戦第七試合 のもじTHEアキカン・クイーン・ヘッド

名前 魔人能力
姦崎双 なし
のもじTHEアキカン・クイーン・ヘッド 超強奪拘束裁判~DP奪取ver
石田歩成 伊藤流・盛上駒踊り食い

採用する幕間SS
なし

試合内容

●フィールドは世紀末
時は20XX年フィールドは世紀末、ハルマゲドンの炎により、人類は死に絶えたか
に見えた。だが、変態と触手は,ほろんでなどいなかった―
タタタターン 
世紀末窮起死回生手伝説   タタタタタタタタン
『 ホ ナ リ の ト金 』

●今日より明日――Sで列なる世紀末――
愛。

共存愛。

明日を共に生きようとする気持ち。

「ヒャハー、アイツらどこに行きやがった」
「ヒャハー、完全に見失ったゼ―」
「ヒャハー、まだここらへんに隠れていやがるぜ逃がすな―」(注1

なんでこんなことに…姉のソドムは自分達を襲った凶事に息を吐く。
二人は対戦相手の不意をつくため、潜むのに適した場所を探していたところ、
モヒカン達に発見され「晩飯だ―」と執拗な追撃を受けることになったのだ。
姦崎姉弟は1対1での戦いはともかくモヒカン達との乱戦となると分が悪かった。
というのも一人に触手を突っ込んで絶頂にいたらしめても、残りのモヒカン達は
何も考えず味方諸共、二人に容赦なく殴打を繰り返してくるからだ。
そうやって囲まれたところでの釘バット、とっさに弟を庇った姉はそれで強かに
殴られ、負傷。そして現在に至る。

「このトーナメントが終われば、産んだ子供たちを分けてあげられる。そしたら、
みんな分けへだてなく気持ちよくなれるのに。なんでそんな簡単なことが判って
貰えないのかしら…」
「彼らに何を言っても無駄だよ、姉さん。彼らは僕達触手の個体認識すらできて
いないんだよ」
哀しそうにいう優しき姉に、また悲しき現実を告げる弟。

ガッガッガッ…
突如不快な音が響き、次の瞬間、ガコンと扉が、乱暴な音を立てこじ開けられる。
廃車の中に潜んでいたのが彼らに見つかったのだ。

「ヒャハーこんなところに隠れてやがったぜ」
「ヒャハー。晩飯再発見だぜ」
「触手は丸焼きだーーーーーーーー」(注2

ゾワリ
「姉さん!!危ない」
尋常でない危険を感じた弟は姉を庇い前にたち、そこに向けられた火炎放射機の
一撃をその身に受ける。身をくねらせ、もんどりうって倒れる二人。
「今日より明日――――」

それが姉が聞いた弟の最後の言葉(テレパシー)。彼は最後の力を振り絞ると
不毛な地に自らの種を撒くちらす。そうまるで、その種により、実り豊かな明日
が生まれると信じているように

「ああ、ごもら…どうして」
そして彼女は弟の先ほどの言葉が真実の一端を示していたことに最後まで気付
かなかった。その事実に気が付けば或いは触手達にも手の打ちようがあったかも
しれない。それは”彼らには僕達の区別すらついてすらいない”という言葉。
それは自分たちにも言えることなのだと。

だが現実は非情だ。
二人は一心同体、姉もまたすぐ弟の後を追うことになる。

●胸にマグネット盤を持つ男―Mで繋がる世紀末―

一方、石田歩成もまたモヒカン雑魚に絡まれていた。触手達とは違い、台詞は
「ヒャハー晩飯だぁぁー」ではなく「水と食料をよこしやがれー!」だったが。

確かに歩成は今回フィールドに水と食料を持ちこんでいる、体力に自信のない彼に
とっては当然の用心なのだが、どうもそこをモヒカン達に嗅ぎ付けられたようだ。
恐るべきモヒカンの嗅覚といえた。ただ水や栄養補給は自分にとって重要な生命線、
ただでくれてやる道理はないし懐柔も不可となれば、とるべき手段は決まっていた。
歩成は意を決し一礼をする。

「それでは、お願いします。」
「あーーーん」

耳慣れない台詞を前にして耳に手を当てよく聞こえんなのポーズを取るモヒカン。
だが、次の瞬間、
PUPUPUPU
モヒカンのほほはひまわりの種を溜めこんだ栗鼠のほおのように突如膨らんでいた。
躊躇なく、口に入った中身をぺぺぺと吐き出すモヒカン雑魚AとついでにB。
これを見、歩成は宣告する。

「伊藤流駒並べ参百年の伝統―お前はもう『詰んで』いる。」

「お前、なにをいっ――――てやがるぅさんにひなりぃーーーー」
「ペペペ…ぉっぉ、ごてのてばんでごぅよんふぅぅぅーーー」

もんどりうって倒れる二体。
これが石田歩成の魔人能力『伊藤流・盛上駒踊り食い』である。
体力を具現化した駒を相手と己の口内に具現化させ、そのやり取りを通じ、勝敗の
認識を押しつける能力だ。多少難易度が上がるが二面指し三面差しも可能だ。
倒れる仲間の様を見たモヒカン達はエアヘッドを沸騰させ、いきり立つ

「ヒャー!なんだコイツおかしな拳法を使うぜ」
「仲間を呼べーーー」

モヒカン達は仲間を呼ぶ、するとどういう理屈かヒャハ―ヒャハと援軍が現れる。
うわー本当に湧くんだ、とうんざりした歩成だったが、現れた援軍たちの会話を
耳にし、その表情を改める。
彼らは叫び声と共に『触手』という言葉を発していたのだ。

「ヒャハー!そこで触手を1匹(?)殺ってきたぜ」    とモヒカンC
「ヒャハー!でも晩飯にしようとしたら消えやがったぜ」 続いて、モヒカンD
「ヒャハー!触手は丸焼きだ!!」               最後にのもじA

おそらく彼らのいう『触手』とは対戦相手の姦崎のことだろうと歩成は思考を
巡らせる。姦崎の攻略法を決めあぐねていただけに、このリタイアはかなりの
朗報といえる。これで、後は残りの対戦者の攻略に集中すればいい。
もう一人の相手は、確か同い年くらいの女の子で――

――阿野次さんといったか。写真で見た感じ結構可愛かったし、これは…
――合法的に駒を女の子の口の中に詰め込む、またとない好機!
――そしてあんなことや、こんなことをして虐めちゃったりして、歩歩歩―

歩成は自身の内から湧きおこった変態的妄想に期待と股間をト金型に膨らます。
それに合わせ落ちたテンションもまた急上昇。そうと決まればと話は早い。
まずはモブ敵の一掃し、対戦相手を探し出すことにしよう。

「お願いします。」
そして彼は自身の能力『盛上駒踊り食い』を再度発動させる。モヒカンもまた何
の疑問もなく駒を吐き出しあばーと同じように倒れる。見事な学習能力ゼロぶりだ。

「ヒャーなんだコイツおかしな拳法を使うぜ」
そしてテンプレ台詞を繰り返す増援モヒカン×2。
「―将棋の駒の具現化による身体異常認識の押しつけ。警戒に値する能力だぜ」
こちらは冷静に能力効果の分析を行う増援のもじA。

???

増援のもじA?

ガビーーーン!!
モヒカンザコの中に対戦相手がいつのまにか混じってる!あまりの展開に歩成
へ思考停止の衝撃が襲う。確かにそれらしきメイクをしているし、モヒアキカンの
メットも被っている。けど、気付かないなんて、なんて迂闊な…
自身の不明を疑う、歩成。

いや、迂闊なのではない。
あまり自然に溶け込んでいたため今の今まで気が付かなかったのだ。

ヒャハー!×1 ヒャハー!×1(注3) ヒャハー!×1

なんか、ありえないレベルにモヒカン雑魚だった。違和感がまったくのゼロなのだ。
これは歩成の知るすべのないことであったが、
阿野次が彼女の自身のスキル特性『パンクロッカー』を活用することによって自らを
モヒカン雑魚として演出・偽装。のもじはフィールド遭遇後、他の参加者と異なり
ごく自然にモヒカン雑魚のソウルメイトとして彼らの輪に加わったのだ。
無論食料はビスケット一つ持ち合わせていない。もし持ちこんでいれば彼女もまた
モヒカン達に襲われる運命になっただろう。世紀末では食料は保有するものではない
取引に使うものでもない、奪い合うものなのである。
恐るべきはパンクロッカーとしての彼女の才能、そして環境フィールドに対する彼女の
順応力であった(「いやほぼ全部、素のままやってただけだろ、お前 by女王ツッコミ」)

「魔人能力、確かに見せてもらったゼ―
という訳で

D・P・戦・略ぅーーーー」

そして歩成の開いた口が塞がるより早くのもじにより『開廷宣言』がなされたのだった。
―後手―
石田選手、1回目の拘留時間に入ります。

●間奏曲『Dangerous crossover』    
                      (作詞作曲:阿野次のもじ)
Dange-rous crossover!
Dange-rous crossover!
Beyond this point.no life is in danger ahead!!

   ☆¡Ole!☆

逝く者問わず、去る者追わず、生き続けて来た。

傷つきを踏みつけ、危険警告を蹴飛ばしながら~
今日も明日も、俺たちは煽り合っていく。

殴り、壊し、叫び、駆ける、今も炎の雨が降る。
古つわものが夢のあと~

破壊、慄き、常識(いま)を、砕き、紡ぐ物語の調べ~
今日も学園に殺戮の風が往く~♪

Dange-rous crossover!
Dange-rous crossover!
Beyond this point.no life is in danger ahead!!


●盤上裁判~SとMで成り立つ世紀末~
『 きっと無罪を主張する被告席に告げる。』

朗々たる声が響く中、歩成が目を開けるとそこは未知の空間だった。

「あれ?あれ?あれぇえーーーーー」

素っ頓狂な声を上げつつ、まず目の前に手錠で拘束されている己の両手を確認し、
そして両手をオーバーアクションに持ちあげつつ周囲と自分の状況を把握する。

(確認)
  • 10m四方の盤の上に将棋の駒のオブジェがところどころ乱立している地形。
  • 自分は棋会用の一張羅の着物を着て、膝待ついている状態。
  • 装備品は手元にない。

これは特殊空間の発動パターンだ。
駒のオブジェはモヒカンにつかった能力の駒が彼女の空間に取り込まれた結果。
服装が変わっていることも恐らく能力の影響だろう。
この時点ですでに歩成は冷静さを取り戻していた。

そして前方の階段をカッカッカッと音を立て降りてくる対戦相手。
先ほどの声は彼女であろう、彼女の朗々たる声は続く

『ダンゲロスポイントを手に入れろ―――DPなくして無罪なし。』

見上げると、対戦相手の衣装もモヒカンルックから様変わりをしていた。
彼女の衣装は黒を基調とした和風テイストKIMONO。何故かアキカン帽子は
そのままだったがモヒカンヘアーの代わりに『女王』とかかれた大駒をティアラ
代りに装着し、額を彩らしている。なんというかパリコレの有名デザイナーが
よくやるジャポンを目指して『やっちゃいました』的な衣装の感がありありと
でているデザインだった。

(追記)
  • DP入手がクリアー条件らしい、多分
  • 女王のもじ(仮)接近中&ハイレグ気味で足露出大。だがそこがいい。

あとは…と、彼女の接近を確認し、彼はふぅーと息を吐く

「お願いします。」

能力が発動するかどうか、そこが問題だった。

==================================
「うう、ううう」

結論から言うと異空間内でも歩成の能力は正常に発動し、その効果を対象の
クイーンのもじに及ぼすことに成功した。

「うう、うううう」
だが、歩成は呻く。

「もごもご(残念だが、その技は一度見ている)」
そうクイーンは能力の発動を確認するとモヒカンマスクを手元から取り出し、
そのままさっくり装着したのだ。これでまず駒が口から零れることはない。

「う、ううう」
能力を見せたタイミングが致命的だった。彼女はあの一瞬で彼の能力の性質
を大まか見破き、素早くぶっ倒れているモヒカンザコからマスクを奪いとり、
対応策としてこちらに持ち込んでいたのだ。
そして未だ膝待ついたままの彼の前に仁王立ちで立ち塞がる。

隙は見当たらなかった。だが、歩成は諦めない。まだ何か手があるはず。
―残り5秒―
彼はそのプロ棋士並みの思考力をかつてないほどフル稼働させ、現状を
打開する勝ち筋を模索する。何百、何千というその思考は過去未来、
渾然一体となって絡み合い、彼の中で溶け合う。

勝ち筋、勝ち筋…
3、2、1…0。
ジャスト0秒、その時、彼の中でかつてない『天啓』が閃いた。
それは今までの自分では通常選択しえない解であった。その解とは―

(状況分析)
  • 手錠で拘束され和服姿で膝まずかされている自分
  • そんな自分を感情の篭ってない眼差しで見やる、口に駒を詰め込んだKIMONO少女
  • そして1秒後に和風姿でその少女に嗜虐的にイタぶられる自分のビジョン。

ふっと微笑む。

―これってある意味、勝ってね?―

M。
石田歩成、彼奴もまた変態であった。

「もごもご(ふむ覚悟を決めたか)」
対する女王は、黒シルクの手袋をキュと引き、まるでオペを前にした名医のように
片手のみぎゅっと数度握り返す。…なんだか全く笑ってない目が怖い。

「あ、あ、あ、」
―そう目が凄く怖い。

「もごもごもご(坊や、初めてなんだってな。まあ、ゆっくりしていけや)」

―凄く怖い、でも
「あ、あ、あ、」

ROCK ♪ ROCK  ♪

♪ ROCK on A-HOLE~~♪

ズキュ。


「あ、あっーーーーーーーーっーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!」


           こうして僕の戦いは幕を下ろした。

     今まで産み育ててくれた父さん母さん本当にありがとう。

        そして将棋に捧げた11年間にさようなら。

           でも、みんな心配しないでほしい

     ボクは今日、また新しい(性癖の)一歩を踏み出したのだから。



      『石田歩成:DP玉をひっこ抜かれ敗訴。有罪確定』(注4

――――――――― (バタン)=閉廷=(バタン) ―――――――――――


                                             完
(注釈)
注1:阿野次のもじの発言
注2:阿野次のもじの発言
注3:阿野次のもじの発言
注4:なにか絶対運命的なモチーフ描写。ただしDPは尻から出る。


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