「日本の将来展望:エネルギー不足をどう解決するか」についての私なりの考察

  太陽光発電の可能性と宇宙開発競争:
   小惑星帯からのレアメタル獲得競争はもう始まっている。
   究極の原子力発電は太陽原子炉である。太陽の効果的活用法とは?

  1.  化石燃料の今後
      石油や石炭などの化石燃料の埋蔵量は、減少の傾向にあるのは確かである。石油はあと50年は大丈夫とか、いや100年、いやいや200年は大丈夫などと様々な憶測が飛び交い、明確な答えはないが、ガソリン代がどんどんと値上がりしていることも確かであり、昔のようにジャブジャブ消費することはできなくなってきた。ガソリン代が値上がりすると、いままで掘削できなかった地下深くに眠る油田が新たに開発可能となり、海底に眠るメタンハイドレートなども開発対象となってくる。ただ一つ確実に言えることは、「全ての化石燃料を燃やしつくすことはできない。」である。なぜなら、COが大量に発生することになり、我々の住む地球は死の星と化してしまうことになる。太古の地球においてCOが大気の20%を占めていたという話がある。そこまで燃やすこと自体なんともお粗末な結末であるが、3~4%を超えると頭痛・めまい・吐き気をもよおし、7%を超えると数分で意識を失い、長時間経過すると死に至る(Wikiペディア参)。つまり、人類は高濃度のCOを含む大気では生存できないのである。ちなみに現在のCO濃度は400ppm(0.04%)程度である。医学的にどの濃度まで人類は耐えられるかが問題となるであろう。そして、そこから割り出される数値が、今後燃やすことが可能な化石燃料の値となるかもしれない。
      CO温暖化問題もあり、化石燃料の開発競争はそろそろ終止符を打たねばならないと思われる。しかしながら、おろかな我々人類(私も含め)は、空気が気持ちわるいとか言いながら、その便利性ゆえに化石燃料を使い続けることになるであろうことは容易に推察される。海底に眠るメタンハイドレートの掘削はどんなに慎重に行っても自然破壊につながり、漁業に打撃を与えかねない心配がある。ヨーロッパやアメリカで開発されているシェールガスにしても、地盤沈下や大規模地震への影響が心配されている。これ以上地球を死の星に近づけるのはやめようではないか。
     
  2. 太陽エネルギーの開発競争 現状の分析
      化石燃料の代替エネルギー源として、最も安価で簡単に利用可能なものは太陽光エネルギーである。なぜ最も安価と言うのかであるが、水力発電や風力発電もおおもとは太陽光エネルギーであり、原子力や地熱発電はそうではないが、火力発電も含めほとんど全ての発電は太陽光エネルギーの直接的および間接的活用である。直接、太陽光エネルギーを活用する方法として、光半導体素子を用いた太陽光発電があり、これはまだ高価と言わざるを得ないが、エネルギー変換効率の向上と大量生産によるコストダウンが進んできた現在、たいへん有望な発電方法として将来性は高い。今後この方面の発展が期待されている。しかし、忘れてはならないのが、太陽光エネルギーによって育った植物からの代替エネルギー生産である。この方面の研究も着々と進んでおり、植物経由の太陽光エネルギー利用も将来性は高い。エネルギー変換効率の比較をしたいところであるが、非常に変換効率の良い菌類や藻の類もあるであろうし、植物の組み合わせや配置をうまく調整すれば、植物の方に軍配が上がるような気もする。森林の奥深いところでは、真夏のうだるような暑さのときでも、とても涼しかったような気がするので、やはり、自然を守る立場からは、植物に軍配を上げたい。数値だけで判断してはならないと思う。半導体素子を使った太陽光発電は、植物の育たない砂漠地帯か、都市部のビルの屋上や壁面、民家の屋根などに活用するべきであろう。まさか、森林を伐採して太陽光発電パネルを大規模に設置するなんて、誰も考えないと思うが・・・・・
      さて、このように考えていくと、様々なスタイルの太陽光エネルギー活用法があることがわかる。直接電気に変換する発電スタイルだけではなく、太陽光を効率よく吸収してアルコールなどの代替エネルギーに変換する植物利用スタイル、その他のスタイルとして、昔流行った太陽熱温水器は、直接太陽光エネルギーで温水を作るスタイルである(この方法のほうが、太陽光エネルギーから生物を経由して作られた石油を燃やして電気に変え、その電気を使って温水を作るよりもエネルギー変換効率はずっといいかも)。その場その場に見合った太陽エネルギー活用法を考えていけばよい。電気エネルギーの場合は送電時のロスや保存の難しさがある。必要な時にすぐ使えるようエネルギーを溜めておくには、ガソリンやガスまたはアルコールなどの有機燃料として保存するのが最もロスが少ない。燃やせばCO2が発生する弊害があるが、化石燃料を使わなければよい。CO2→植物→燃料→CO2のサイクルで地球温暖化には影響しない。近年のリチウムを使った蓄電池は効率が良いようであるが、自然放電によるエネルギー損失がかなり大きいことはよく知られたことである。
      今まで石油に頼ってきた日本の取るべきスタイルは、国土が狭く膨大な量の石油製品を輸出してきた日本が取るべきスタイルは何であろうか? おそらく石油産業は今後衰退していくであろうと思われるが、プラスティックや合成繊維の産業がなくなっては困ることになる。ただ燃やすためだけのガソリンや火力発電所の燃料として化石燃料を使うことだけはやめなければならないが、代替燃料をどのようにして調達していくのかが大きな課題である。広大な面積の土地を持つ国からアルコール燃料などを輸入していくことになるであろうが(今のところ、アメリカから問題のあるシェールガスを輸入する話が持ち上がっているが、これは化石燃料なので、死の地球を演出することのお先棒を担ぐことになる。それ故、いつかはアルコール燃料の輸入に切り替ええねばならない。)、コスト高となり、工場での電気料金が高騰して輸出産業に打撃を与えることになる。そのため、現在でも起きていることであるが、日本国内の多くの企業は電気料金が安く、税金も安い国に工場を移転し多国籍企業として生き延びることになる。このため、産業の空洞化がますます進み、日本国内での雇用がどんどんなくなる。そして、日本国自身はますます衰退することになる。原子力発電の危険性が謳われ、将来的に原子力を無くすことになれば、必然的にこうなってしまう。安い電気エネルギーを供給できる体制を早急に作らなければ、モノづくり日本は、モノ作らない日本になることは必然である。日本を取り巻く現状はかなり悲観的である。(私は原子力発電がいいとは決して思っていないが、突然やめてしまうことには反対である。段階的に将来ビジョンに合わせながら停止していくことが望ましいと思う。)
      ここで、日本が取るべき態度として、いくつかの選択肢を挙げてみたい。
    ① このまま成り行きに任せる。
    ② 太陽光エネルギーを国内で確保するための方策を早急に講じる。
    ③ 産業の空洞化を無くすための措置として、税金の減免措置や保障制度を設けて、外国に移転した工場を国内に呼び戻す。
    ④ モノを作らない新規産業を育成しながら、文化や芸術または観光の国として、細々と生き延びていく。
    ⑤ 商業の国、日本として世界にまたがる商人を育成し、ゆくゆくは日本が世界を動かす大国となる。
    まだまだ沢山の選択があると思うが、正直、どれが成功するか全くわからない。やれることを全てやってから、最後④になるのならしかたがないが、①の選択だけはやめてほしいと思う。
      さて、②は私が推奨する選択である。どうやって狭い日本において膨大な量の太陽エネルギーをかき集められるかを必死になって考えなければならない。ここに知恵をみんなで出し合って考えていかなければならない。


―>日本の将来展望:エネルギー不足をどう解決するか②

 

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最終更新:2013年02月07日 18:25