パラレルワールドはあるのだろうか? 現在編集中


 現在、多世界解釈を含む観測問題について様々な文献を調査中であり、以下に展開している文章で間違った解釈をしている部分もあると思われる。私自身の理解が進むにつれて、少しずつ修正を加えていく予定であるが、文脈によって話が通らないところもあるであろう。観測問題はたいへんデリケートな問題であり、生兵法は怪我のもとかもしれないと思いつつ、文章を書いている次第である。


 パラレルワールドは本当にあるのだろうか? 私は、とても懐疑的に考えている。とてもあるとは思えない。しかし、量子力学はパラレルワールド(多世界解釈としてのパラレルワールド、一般のSFででてくるパラレルワールドとはいくらか異なるかもしれない。)の存在を示唆しているように見えることは確かである。

 近年の量子力学におけるパラレルワールド存在論が力を増してきている背景には、長年パラドックスとして未解決の状態になっていた波束の収束問題が、パラレルワールド(多世界解釈)の導入であたかも解決したかのように思えてしまうことであろう。私自身は懐疑的にしか考えておらず、そういう考え方もあるという程度にしか思っていなかったが、真実はどうなのか全くわからない。ただただ、まさかパラレルワールドが本当に存在するなんて・・・である。量子力学の理論における「観測問題」が引き起こす様々なパラドックス(シュレーディンガーの猫やEPRパラドックスなど)の不可思議さは筆舌に尽くしがたいほど深刻である。まさかとそんな馬鹿なの連続である。多くの有能な科学者がこの問題と取組み、廃人になってしまったほどである。(本当かどうかは知らないが、そんな噂が昔あった。) ちょっとかじった程度の私は努めてこの問題から遠ざかり、数式のみを信じて今日までやってきた。数式は数式、ただの道具だ。現実に適用して結果がうまく説明できればそれでいいじゃないか。量子力学の根本理論の物理的解釈よりも、結果がうまく説明できる数式をただただ信じよう。それだけであった。私自身の量子力学に対する直観的考え方は、どうしてこの理論が成立しているのかを説明するための数式や根本理論が不足しているため、現実を正しく捉えることができないのであろう。現実世界で起きる現象を説明する方程式は量子力学により与えられているが、それゆえただ計算すればよいのであるが、理論の根本に根差す未解明の部分が「観測問題」という様々なパラドックスを投げかけているにすぎない。という捉え方である。この考え方は、もしかすると「隠れたパラメータ」の存在を肯定する考え方に近いのかもしれないが、多くの人が漠然と抱いている感覚のような気がする。もちろん、「隠れたパラメータ」の存在を近年の多くの実験が否定していることは、私も知っている。それゆえ、決して声を大にして言うことができないジレンマなるものがある。

 私は、理論化学を昔専攻していた。原子や分子がなぜ安定に存在し続けるのか? その答えは量子力学が与えてくれたのである。原子核の周りを回る電子がなぜ原子核に吸い込まれずに安定に回り続けるのか? 通常の物理の本は、荷電粒子が回転すると電磁場を外部に放出してそのエネルギーを失う。それゆえ安定に回転し続けることはできず、いつかは原子核に吸い込まれてしまう。そのように古典物理学は教えてくれる。しかし、現実はそのようなことは起きない。原子・分子が太古の昔から安定に存在し続けていることは、量子力学によって初めて説明されたのである。ミクロの世界では電子は波のように振る舞い、粒子ではあるが、粒子性を失い、ボヤっとした雲のような存在になってしまう。観測すれば粒子、観測しなければ波ということではなく、観測しようとしまいとに関わらず、原子・分子は存在している。私はそのように考えているのであるが、間違っているのであろうか? とかく観測問題と量子力学の問題がクローズアップされて議論されがちであるが、量子力学によって初めて存在することができる原子・分子は太古の昔から安定に存在し続けている事実は決して無視できないであろう。電子を観測すると広がった波は消え(波束の収束)、電子は粒子になる。このとき、原子や分子は安定に存在できるのであろうか?量子力学つまり波の方程式によって説明される原子・分子の安定性はどうなるのであろうか? 観測問題を考えると、(正直、あまり考えたくはないが、) 化学の世界までが崩壊してしまいそうである。
( 現実問題として、電子の原子核付近の存在確率は量子力学の理論から 0 ではないことがわかっている。つまり、頻繁に電子は原子核と接触していると言える。しかし、電子が原子核内に取り込まれる反応は起きない。もし電子が原子核内に取り込まれたとしても、ただ単に何の反応も起きずにすり抜けて出てくると考えられる。+と-の荷電粒子が結合して中性の粒子ができると考えるように、陽子と電子が結合して中性子ができると考えられそうであるが、中性子の質量は陽子と電子の質量を合わせたものよりもいくらか大きいため、逆に中性子を生成するには莫大なエネルギーを必要とし、中性子が生成する反応は起きない。不思議なことだが、高エネルギー衝突実験は別として、陽子と電子をどんなにくっつけても水素原子ができるのみである。それゆえ、電子を観測して波束が収束し、電子が粒子として原子核に衝突したとしても、そのまま跳ね返ってくるだけであろう。 )

 初等量子力学の始まりの部分で登場する光の干渉実験や電子線干渉を通して、観測問題を再度議論してみたいと思う。そして、パラレルワールドの導入で解釈がどのように変わるのか考えてみたい。また、水素原子などにおいて展開される波動方程式とその解の解釈、実際のスペクトル観測などの議論の中でパラレルワールドが与える影響も検討してみたい。ちょっと大風呂敷を広げてしまったが、私自身の認識をどの程度修正しなければならないのか考える時期にきているように思う。

 原子・分子を取り扱う場合、シュレーディンガー方程式なるものが登場する。通常、原子核の運動は電子に比べて大変遅いので、原子核は止まっているものとして考え、電子の運動のみに注目して方程式を解いていくことになる。シュレーディンガー方程式には定常状態の方程式と時間発展の方程式がある。時間発展の方程式をそのまま解くことは大変難しく、定常状態の方程式を解いてから、時間発展を考えるというやり方が一般的のようである。水素原子の定常状態のシュレーディンガー方程式は、完全に解くことができ、一般解が得られているが、その他の3体以上の系では解析的解は得られず、近似的解法に頼ることになる。

 水素分子イオンの定常状態のシュレーディンガー方程式の解は藤永茂著「分子軌道法」1)により高精度に計算されているが、ここに面白いことがある。水素分子イオンは H・H+ で記述されるように、水素原子とプロトン(H+)の結合体であり、水素原子核2個に対し電子1個の極めて単純な分子である。安定状態は左右対称の電子分布となり、電子は両方の原子核に等しく分布していることは極めて当然の結果であると、ある程度化学をかじったことのある者は考えるであろう。ところがである。この著書では、2個の水素原子核の間の距離を遠くに離した、ほとんど化学結合が起きないであろう距離まで引き離したときの電子分布の計算結果も載せているが、この場合の電子分布もなんと左右対称である。どこがおかしいの? 左右対称は当たり前ではないの? と言う人もいると思うが、化学を学んだ者はこの結果にある種の違和感を感じると思う。つまり、この結果が指し示す電子の分布は、H+/2・・・H+/2を指し示しているのであって、電子が半分ずつ両方の原子核に分かれて存在していることを示しているのである。電子分布はそれぞれ球状で水素原子の分布と酷似していて、というよりもほとんど水素原子の電子分布を表していて、単に電子が半分になっているのである。これは、H・・・H+ と H+・・・H の2つの状態が等しく含まれている波動関数が得られていると解釈できる。シュレーディンガー方程式に用いられる演算子のことをハミルトニアンと呼ぶが、これが左右対称なので、解も左右対称になると言われればそれまでのことであるが、どんなに原子核同士を引き離しても、左右対称の波動関数しか得られない。つまり、電子はいつまでたっても1/2個のままである。このことは、以下の議論によって、理解できる。
 
H・・・Hの状態をΨA とし、H+・・・H の状態をΨB の波動関数で表されるとしよう。化学の常識で考えれば、原子核を遠くに引き離せば、分子は形成されず、電子はどちらかの原子核と結合した状態ΨA かΨB のどちらかと考えられる。 しかし、両者の波動関数をハミルトニアンで挟んで得られる分子積分<ΨA ||ΨB >注1)は厳密には 0 にはならない(原子核間距離が離れれば離れるほど無限に 0 に近づくが完全に 0 にはならない)ので、AとBの混合状態の波動関数Ψ=ΨA  ΨB のエネルギー値は、AまたはBの状態のエネルギー値よりも低くなる。(このことを、化学の世界では共鳴効果と呼ぶ。) つまり、電子は、たとえ2つの原子核が互いに遠くに離れて化学結合を作らなくても、片方の原子核にまるまる1個存在している状態よりも半分ずつになって存在しているほうがほんの少しだけエネルギー的に安定になっているのである。化学の常識から考えるととても考えられないが、定常状態のシュレーディンガー方程式からはそのような結果が得られる。量子力学教徒は、量子力学は正しい、それゆえ電子は半分で存在していると考えるのは正しいと簡単に結論付けてしまうかもしれない。いや、ちょっと待ってほしい。どうしてこのようなことが起こるのかもっと深く考えてみようではないか。

注1) 量子化学や量子力学の入門書を参考にすれば、ブラケット記法(<>)の解説があるので、それを参考にしてほしい。ここでは単なる全空間積分を表している。

 定常状態のシュレーディンガー方程式とは何なのであろうか? この方程式には時間項が含まれていない。つまり、時間的には変化しない波動関数が存在すると仮定した場合の解を出していることになる。これはどういうことを意味しているのであろうか? はたして現実にこのような解の状態が存在しているのであろうか? 化学の世界で電子が半分の状態の物質を見つけたなどの報告を聞いたことがない。我々の世界の普通に存在している物質は、絶え間なく変化する外界にさらされ、厳密な意味で定常状態が常に成立しているとは言えないのではないか? それゆえ、ほとんど解離状態の水素分子イオンの波動関数は時間的に変化している、と考えるほうがより現実に近いのではないか? などの疑問がでてくる。 この問題をある程度すっきりと解決してくれるのが時間発展の方程式である。(ある程度と言ったのは、まだすっきりしない部分が残っているからであるが、それは、以下の話が終わってからにしよう。)

 系の時間変化を表す波動関数をΨ(t) とし、以下のように記述できるとする。

Ψ(t) = cA(t)ΨA cB(t)ΨB 

ここで、初期状態を Ψ(t=0) = ΨA とし、左側は水素原子、右側は水素原子核の状態としよう。この初期状態から出発して系の時間発展のシュレーディンガー方程式の解を求めると、

|cA(t)|2= cos ( ℏ-1A ||ΨB > t )
|cB(t)|2 = sin ( ℏ-1A ||ΨB > t )

となったような記憶がある。(随分昔にどこかのノートに書いたのであるが、そのノートが見つからないので、朧げな記憶で申し訳ない。たぶん、いくつか数式上の間違いがあるかもしれない。初等量子力学で解ける範疇なので、簡単に導出できると思う。) また、かなり粗い近似計算でいくつかの核間距離での計算をおこなった記憶がある。これも、昔のノートが見つからないので、大体こんな感じだったということで話を進めることにする。
上記の数式は、ある周波数で変化する振動解となっていることがわかる。数十Å以上離れると、
A ||ΨB >の値はたいへん小さくなり、数年から数万年、もしかすると数億年の単位で振動する解となる。つまり、我々が実験室で観測している時間内では、電子は一歩も動かず、ΨAの状態をずっと続ける結果しか観測できない。逆に、核間距離が接近すると、<ΨA ||ΨB >は急激に大きくなるので、振動数も急激に大きくなり、109回/秒程度(記憶が定かでないので、大体このぐらいであったということでご勘弁願いたい。時間的余裕があれば、再度計算してみようと思う。)の高速振動する解が得られるようになる。つまり、電子が左の原子核から右の原子核へ超高速で行ったり来たりするようになる。これは、パイ中間子が陽子と中性子を結合するときの交換相互作用による結合力の説明と同じようである。つまり、電子を交換粒子として、2つの水素原子核が結合する様子を示しているように見える。不確定性原理により電子が二つの原子核間を行ったり来たりすると解釈できるのかもしれないが、とにかく、時間発展シュレーディンガー方程式からこのようなことが起こると言えることは大変面白い。
 しかしである。初期状態をΨ=Ψ
A  Ψの電子が半分ずつに分かれている状態から出発すると、時間発展の解は、単に複素空間で位相が変化するだけの解となり、電子が行ったり来たりの解は得られない。とすると、Ψ=ΨA  Ψはいわば特別な状態と言える。ハミルトニアンの固有関数であればそうなる。逆に、Ψ(t=0) = ΨAはハミルトニアンの固有関数ではないので振動解が得られたとも言える。注2)

注2) 核間距離が近くなると実際の波動関数は水素原子の波動関数では表せなくなる。上記の議論はあくまでも近似計算による大雑把な議論である。

 ところで、上記の議論の方程式には輻射場との相互作用の項が含まれていない。片方は水素原子、もう片方は水素原子核(プロトン)として、最初は遠く離れたところから次第に近づけていって、ある程度近づけば電子が2つの原子核間を行ったり来たりし始めることになることは、時間発展方程式からわかることであるが、どの時点で光を放出して安定化するかはわからない。実際にこのような実験がなされているのかどうか調査してみたいが、輻射場との相互作用を考慮した時間発展方程式を解かねばならないであろう。既に誰かがこの研究を行っており、私の単なる勉強不足であろうとは思うが、興味のあるところである。おそらく、真空中に原子やイオンをビーム放出する実験で、水素原子を放出するビームとプロトンを放出するビームを交差させ、そこから放出される光もしくはマイクロ波などの長波長電磁波を観測すれば、どの時点で Ψ=ΨA  Ψの電子が半分ずつに分かれた状態になるのか解るのではないかと思われる。連続的にエネルギーを放出しながら遷移していくのか、それとも不連続なのか。電子移動が観測されるのかされないのか、ビームの速度が遅かった場合と速かった場合で異なる結果がでてくるのか(つまり、電子の運動に比して原子核は止まっていると見做せるのか見做せないのか)、など、調査できないであろうか?(誰もこの研究をしていないのであればやってみたいと思うが、そういうものの、私は実験べたなのでうまくはいかないであろう。しかし、まずは、文献調査が先か。)(注3)

(注3) エネルギーポテンシャルの中を動く剛体モデルで考えると、エネルギーが低い方向に原子核が加速されながら動いていくことになる。それゆえ、光を放出して状態間の遷移が起こらなくても、運動エネルギーに変換されながら電子状態の変化が起きることも考えられる。電子の交換が実験室内の時間内で起こるようになったら電子状態の変化が生じるのか、もっとそれ以前に起こるのか、もっと接近しないと起こらないのか、正直全くこの辺のこともよくわからない。水素原子にある電子は、接近するプロトンの電場をかなり遠くでも感じているであろうから、ほぼ瞬間的に波動関数が変形していくことも十分考えられる。水素原子ビームやプロトンビームを完全には交差させず、ある一定距離をすれ違った場合に、電子の移動がどの程度起きるのか、それとも全く起こらないのか、調査する必要がありそうである。もちろん、水素原子とプロトンビームの運動量を一定に保つ場合、不確定性原理から位置が不確かとなり、位置を観測するような装置を設定すると運動量が不確かとなることは十分考慮しておくべきであるが、早く結果を知りたいものである。

 このようなことを書いて、いったい何が言いたいのか、読者は訝っているかもしれない。解離した水素分子イオンでは電子が半分ずつになっていることがもしかすると確認できるかもしれない。(もっと大きな分子で行うともっと容易に観測できるかもしれない。) しかし、電子を観測すると、突然波束が収束して、電子は1個になる。もしくは、2つのパラレルワールドが発生し、その一つを選択することになるのではないか。ということである。ここで注目すべきは、観測することで系のエネルギー変化が起こることである。Ψ=ΨA  もしくは Ψ=Ψはエネルギー的に高いからである。しかし、もう一つの問題、電子を観測すると、系にエネルギーを与えてしまうであろうことである。そうすると、単なる状態変化が起きたと解釈できてしまうので、あまり面白い結果はでないかもしれない。またしかし、電子を観測した直後、光を放出して再安定化するかもしれない。このときの核間距離と放出されたエネルギーがわかれば、なにかしら何か見えるような気がする。このとき、波束が広がった、もしくはパラレルワールドが増えたことになるのであろうか?
 ( ここで言う電子の観測は直接観測を意味しない。水素原子かプロトンかがわかれば、その時点で波束が収束し、Ψ
A  ΨBの状態が確定する。水素原子の場合は水素原子特有の光の吸収と発光があるので、それで確認できる。)

   ――― コーヒーブレイク ―――

 理論物理学の世界において、11次元のM理論(超ひも理論の拡張理論:超膜理論?)が注目されているようである。その内6次元は小さく巻き上げられ、残りの5次元の世界(時間を含む4次元の世界にもう1次元足した世界)に我々の住む4次元宇宙が膜状に存在しているらしい。リサ・ランダルという女性理論物理学者がこの理論を熱心に研究・発表し、世界的に注目されている。理論物理学の最先端を理解することは、私の能力の限界を超えているが、様々な解説書を通して、少しでも真実に近づきたいと願っているところである。
 さて、もしかすると、5次元目の新たな次元が、量子力学の理解につながるような気がしている。素人考えで申し訳ないが、我々の住む4次元の世界(3次元空間と時間の次元を足した世界)では、粒子と波の関係は、ニールス・ボーア流の相補的という表現で表される、人間の理解を超えたところの関係であるように見えるが、5次元の世界で考えると意外とそうではないかもしれない。もし5次元目の方向を見ることが可能ならば、たくさんの薄い膜で表される4次元世界が重なって見えることであろう。それぞれの膜のどれかひとつが我々の住む世界であり、他の膜は平行世界である、と考えるのか、それとも、それぞれの薄い膜が厚く重なり、この厚い膜の重なり全体が我々の住む世界であると考えるのか、である。私としては、後者のほうが無限に発生すパラレルワールドより単純であり、合理的のような気がする。それぞれの膜の世界は微妙に粒子の位置がずれており、5次元目の方を透かして見ると、波動関数で表される粒子の存在確率密度分布に対応したボヤッとした濃淡のある雲のように空間的に広がった粒子の姿が見えるかもしれない。一枚一枚の膜の世界では、エンタングルしたEPR現象が観測されるように、つまり古典的粒子としての因果関係が成立するように粒子が観測されるが、たくさんの膜を重ねると量子力学的波の現象が観測されるようになる―――と考えられないであろうか? なんとなく、多世界解釈とボームのガイド波説(波乗り理論とも言われ、サーファーの波乗りに例えて、粒子が波動関数の波に乗って動いていくという説)を合わせたような考えであるが、波束の収束問題と無限の多世界が発生する煩わしさの問題はなくなるような気がする。今のところ、直観で話しているので、理論的裏付けは何もない。そんな気がする程度であり、訳のわからない量子力学が解りやすくなったらいいなあという願望であり、おそらく間違っているであろう。量子力学を、理解できるように古典的描像を付け加えながら説明すると、ほとんど間違ってしまうのが、過去の歴史が示すところである。

 


1)藤永茂: 分子軌道法, 第1章 (岩波書店, 1980)

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最終更新:2014年07月01日 09:50