新々漫画バトルロワイアル @ ウィキ

天使か、悪魔か

最終更新:

匿名ユーザー

- view
だれでも歓迎! 編集
  パーフェクトリバース
「 完 全 再 生 !」

最早何度目になるかわからない叫び声と共に、頭の部分の皮を鷲掴みにする。
そしてそのまま、日焼けの後を剥がすように、ボロボロになった表皮をぺりぺりと脱ぎ捨てた。
脱皮、としか表現しようのない行為の後には、今迄負った傷が一切合財消失した綺麗な姿。
角のようなとんがり頭に滑らかな体形、くりくりした瞳に浮かぶ余裕は最初から変わらない。
心なしか光沢を放っているようにさえ見える。
それまで全身を襲っていた痛みと苦しみが綺麗さっぱり消え去った同時に、口端を吊り上げ余裕の表情でアンチョビはニヤリと笑う。

内心を悟られないように、最大限の演技力でもって。


「ちっっきしょー! HP全回復とか卑怯じゃねーのかよソレ!!」

五メートルほど先から掌を突き出していた女は、笑顔のアンチョビとは対照的に悔しさ全開といった表情で吐き捨てながら、空中から大地へと降り立つ。
ミシリ、ミシリ、ミシリ。
罅割れんばかりの――いや、実際に大地に亀裂を生みながら地団駄を踏む少女。
小柄な体躯からは想像も出来ない力を発揮しながら、親の仇でも見ているかのように睨みつけてくる相手を油断なく視界に収めつつ、胸の中で毒づく。

(卑怯なのはどっちだ……! この化物女!)

この戦いが始まってから既に、完全再生(パーフェクトリバース)を十回は使用している。
どれだけ強大な力で傷を負わせようとも、その力が強ければ強いほど徒労に終わった時の落胆は大きい。
自らの与えた痛みが端から消失していく様を見せ付けられれば、どんな強者の瞳にも諦めの色が宿ると言うのに、目の前の女の瞳からは一切輝きが損なわれない。
それどころか、獣のように唸り声を漏らしながらヒートアップしてすらいる。

「いい加減……諦めやがれッ!!」

その姿が以前自分を倒した相手とダブって見え、心中に苦いものが浮かぶ。
言葉にならない苦々しい思いと共に右手から光剣を生み出すと、体を捻って大きく振りかぶる。
そのまま全力を込めて放たれた高密度の力の塊は、使用されたあらゆるエネルギーを威力へと変えて女へと襲い掛かる。
敵へ向けて一直線に突き進む光の剣は、触れればそれだけで消しとんでもおかしくないレベルの威力を孕んでいる。

「だぁぁぁ!! そっちこそさっさと諦めてお縄に着きやがれこのUMA野郎!」

だが、光剣は不可視の力であっさりと薙ぎ払われる。
目の前の女は、ただ右手を軽く振るっただけ。
たったそれだけの行為でアンチョビの放った力は雲散霧消し、ついでのような勢いで周囲の木々がへし折れたのが目に映る。

この戦いに負ける気なんて更々ない。
相手がどれだけ強かろうと、完全再生(パーフェクトリバース)がある限り有利なのはアンチョビの方だ。
受けた痛みも傷跡も、纏めて捨て去れるこの技がある限り負けはない。

例え、全方位どこから攻撃がくるのか掴めない不可視の力であろうと。
例え、こちらの攻撃を一方的に防ぐ鉄壁の防御力を誇る力であろうと。
例え、たったの一撃で家屋を粉々に壊してしまう脅威の力であろうと。
どんな力で傷付けられようとも、その傷自体を捨て去れるアンチョビを相手に勝てる道理は存在しない。
痛みや怪我といった敗北に繋がる要素は全て捨て去れる、それは即ち負けないことに他ならない。

そして、負けがないのならば、後は自分に勝ちの目が出るまでサイコロを振り続ければいいだけ。
相手の疲労であれ、或いはそこからくる判断ミスであれ、はたまたいつまでも終わらない戦いへの根負けであれ。
そこに至る過程はともかく、勝利という結果さえ得られればどんな形でもそれで良し。
この戦いも、いずれは自分の勝ちであり結局は決まった結末に向かう予定調和の物語でしかないと、アンチョビは本気でそう思っていた――否、そう理解していた。
完全再生(パーフェクトリバース)を手に入れた時から、無数の猛者を相手に得てきた勝利の数がその証明。
そして、それはたった一度の戦いだけではなく、アンチョビの歩むべき道筋でも同じこと。

家族を失ったアンチョビにたった一人残された大切な、大切な、何よりも大切な兄であるカラスミ。
戦いの果てにその命を失った彼を生き返らせるためだけに、アンチョビの歩むべき人生のレールは広がっている。
何を犠牲にしても――例え同じ目的のために歩んでくれている仲間を、自らの手で犠牲にしても。
立ち止まらずに、振り返らずに進むとその心に刻み込んでいる。
たとえどれだけ傷付いた身体を捨て去ったとしても、その想いだけは失わないようにしっかりと。
その先に兄の復活が見えているのならば殺し合いに乗ることすら厭わない。

加えて、アンチョビの生きてきた状況も彼を後押ししていた。
彼の住む世界では、禁貨を集めることでバン王と絶対的な呼ばれる存在に、あらゆる願いを叶えて貰うことが出来る。
そのバン王を呼び出すためにはバンクに禁貨を集める必要があり、彼らは願いのために禁貨を集める存在――バンカーとなる。
禁貨の収集手段は地道な探索から恐喝まで多岐に渡るが、最も効率が良いのはバンカーサバイバルや裏バンカーサバイバルなどの大会に出場することだろう。
勿論、状況によりけりではあるが、主催者の繰り出す試練を越え、たった一人勝ち抜いた先には莫大な禁貨が褒賞として与えられる。
実際に、これらのバンカーサバイバルを勝ち抜いたコロッケはバン王を呼び出すに足る禁貨を手に入れ願いを叶えて貰っている。

そしてもう一つ。
この、これらの大会における主催者の繰り出す試練は過酷なものであるが、断る権利が参加者にはないのだ。
禁貨を得るために、願いを叶えるためにはどんな理不尽も享受しなければならない。
その結果誰かが誰かを殺し、誰かが誰かに殺されることだって少なくはない――寧ろそれは普通とすら言える。
ハトヤマとやらが主催するこの大会も、『勝てば願いが叶う』『そのために他者を切り捨てる必要がある』という点ではこれまでの大会となんら変わりない。
当然、殺人に対する忌避感や優勝報酬に対する疑念など浮かぶ余地は欠片もない。
故に、アンチョビがこの殺し合いに参加するのは当然であり必然だった。

これまでの大会での経験上、アンチョビよりも強い参加者は何人か存在してるのだろう。
目の前の相手だって、完全再生(パーフェクトリバース)が無ければとっくに負けていたっておかしくない。
アンチョビだって弱いわけではないが、決して強いと言うわけではない。
単純な戦闘力ならばアンチョビ以上の存在なんてこの世界には数え切れないほどいる。
だがそれでも、勝利とは強さに依存するだけではないことを、自分自身の特性を活かせば勝ち残ることが出来ることをアンチョビは知っている。
だからこそアンチョビが浮かべるべきは余裕の表情であり、自身に満ち溢れた笑顔だ。

「ぶっ殺して、コメリカの研究所送りにしてやる!」

だと言うのに。

 サイキック
「念動力ぅぅ――ハエ叩きアターック!!」

いつしかその顔に色付く余裕は余裕でなくなり、笑顔は演技へと変えられていた。

空間がたわむ音と共に全身を襲う破壊的な痛み。
虫けらを潰すような気軽さで放たれた力は正確にアンチョビの全身を押し潰していた。
抗おうと力を込めるが立ち上がることすら出来ない。

「が、は……っ!?」

声を出すことも出来ずに、口腔から漏れ出すのは言葉を形造る以前の何か。
熱い抱擁を交わしている地面は、それに耐えかね無数の罅割れを刻んでいる。
どれだけの信念をその胸に抱えていようと、それごと押し潰すかのような圧倒的暴力。

「かーらーのー」

勿論、嵐のような暴力はたった一撃では終わらない、終わる筈もない。

 サイキック
「念動力――スーパーボール……っ!」

放たれた言葉と同時、唐突に全身を包み込む浮遊感。
抵抗の間もなく建物の二階程度の高さまで持ち上げられると、今度は再び地面へと急降下。
距離と速度をそのまま勢いに変換した一撃は当然のように硬い地面へアンチョビをめり込ませ、再び急上昇。

急上昇、急降下、急上昇、急降下、急上昇、急降下、急上昇、急降下、急上昇、急降下。

アンチョビには状況を理解する由もないが、正しく名前通りに振るわれる暴力の後、乱雑に投げ捨てられ周囲に生えた樹木の一本へと叩きつけられる。
どれ程の負荷が与えられたのか、ミシリと嫌な音をたてて崩れ落ちる樹木とアンチョビ。
枝が突き刺さるだとかめり込んだ石が逃げ場を失い体内に入り込むだとかそんな軽度の話ではなく、全身余すところなく損傷し、ボロ雑巾もかくやと言った風貌へと変えられる。

完全な、誤算だった。
この場所に飛ばされて最初に出会った相手――明石薫と名乗った相手は幼い容姿をしていた。
無論、アンチョビの住む世界では強さに年齢など関係ないし、実際アンチョビ自身も目の前の相手より幼い姿をしていたコロッケに敗北している。
それでも、自分の相対する相手がこれ程までに常識の範疇外にいる化物とは予想もしていなかった。

道場で無防備に荷物を漁っていた相手を、せめて苦しまないようにと一息に殺すべく光剣を振るった。
入り口に対して完全に背を向けていた相手に交わす術なんてある筈もなく、そのまま首を撥ねて終わる筈だった。
だが、アンチョビの目に映る結果は、失敗。
光剣は身体に触れることなく防がれ、その原因を理解する間もなく唐突な道場の壁に叩きつけられた。
その後も、不可視の力に避ける術もなくいたぶられ、決死の思いで行った反撃もまた不可視の力を越えることが出来ない。
圧倒的な力を前にいつしか戦場は道場の外へと移っていたが、それでも状況は変わらない。
周囲の木々や――以前は道場と呼ばれていた建物すら一撃で破壊し尽くした暴虐の嵐は、崩れ落ちた柱た樹木の破片をも利用して更に強力な暴力へと進化していく。
その結果周囲は更に破壊されていき、へし折られた木々や建造物の欠片はこれでもかとアンチョビを打ちのめした後に所狭しと散らばっていて、無数に刻まれたクレーターのような跡がこの場の凄惨さを雄弁に語っている。

自信も、何もかも踏み滲られていた。
アンチョビを受け止め、倒れ伏した巨木は運良くアンチョビを避けていたのだが、それでも座り込んだまま立ち上がれない。
受けた痛みとは別の何かが、身体の奥底から湧き上がってくるのを感じる。

何度も繰り返したことなのだが、完全再生(パーフェクトリバース)がある限りアンチョビに負けはない。
あらゆる傷を無に返すこの技は、最強と称しても過言ではないレベルの能力ではあるが――

――それでも、負けないと言う手札(カード)を切るのには限界がある。

完全再生(パーフェクトリバース)はその手の能力の例に漏れず、三日を超えると今の姿から元の姿に戻ってしまい、使用不可になるのである。

勿論、例え限界を迎えたとしても、傷を捨て去ったアンチョビと傷だらけの相手ならば勝ち目は存在するし、十全とまではいかなくても悪くはない状況ではある。
寧ろ、それこそがアンチョビの常套戦術であるとすらいえる。

だが、目の前の相手には傷を負わせることすら出来なかった。
今までの戦いで負けの目が見えなかったのが嘘のように、今のアンチョビには勝ちの目が見えない。
このまま戦い続ければいずれ限界を迎え、なす術もなく殺し尽されてしまう。
そのことを本能的に理解してしまったのだろうか、持ち主の意思に反して小刻みに身体が震えだす。

恐怖とは全ての生物に備わった感情であり、なんら恥じるべきものではない。
圧倒的な力の差を見せ付けられ、自らの縋るべき切り札を破られる未来が見えてしまい、死が目前に迫った状況で身体が震えて、責められる者などいるわけがない。
誰だって死にたくない、叶えるべき夢があるなら尚更だ。
命の喪失と夢の喪失。
この二つを目前に突き付けられて恐怖を覚えない生物なんて存在する筈もない。

だが、アンチョビを襲う恐怖はそんな、自らの死なんて下らない理由が原因ではなかった。
結局の所。アンチョビが負けると言うことはカラスミが生き返らないと言うことだ。
カラスミを生き返らせることを背負っているアンチョビの敗北は、そのままカラスミの敗北に繋がってしまう。
アンチョビが生き返らせられなければ、カラスミの夢が、想いが消え去ってしまう。

弱く、ちっぽけな存在だった自分をこれまで守ってくれた兄一人救えないなら――

――アンチョビには生きていた意味すら失ってしまう。

その恐怖が今、アンチョビの全身を震えと言う形で襲っていた。
暴力よりも何よりも痛みを伴う、恐怖として。

(嫌だ、嫌だ、嫌だ……オレは、オレがカラスミ兄さんを生き返らせるんだ!)

それでも、アンチョビは諦めない。
恐怖に負けそうになっても、諦めの感情だけは欠片も浮かび上がらない。
一ミリ動く度に発狂しそうな痛みに襲われるが、無視した。
亀が這うより遅い速度だが、それでも確実に身体を動かす。
諦めない限り可能性は失われないと言わんばかりに、その手を伸ばし――

「死んで、たまるか――――」
「――――ううん。アンタは、ここで殺す」

――容赦なく踏み潰された。

「アンタを生かしてたら、皆本が殺されちゃうかもしれない……
 自分のために、誰かを殺そうとするアンタを、このまま見逃せない」

踏み潰されたと、脳が自覚する前に両腕を襲う激痛。
完全再生(パーフェクトリバース)の仕組みに気付いたのだろうか、アンチョビの両腕が強引に結ばれている。
ご丁寧に、両足まで結ばれていた。

これで、終わり。
唯一の可能性は、断たれた。

認めたくない事実を反芻している間に目の前の相手の準備は終わっていた。
先端を尖らせた大木が一人でに浮かび上がるが、今更驚きはないし結果を考えるまでも無い。
完全再生(パーフェクトリバース)が封じられた状況で、あんなモノを突き刺されたら間違いなく待っているのは死だ。
夢も、理想も、何もかもここで潰えてしまう。

せめて最後の抵抗とばかりに相手の顔を真っ直ぐ見据える。
これから人を殺すというのに目を逸らさない相手のその背中に、輝く天使の翼が生えているような錯覚を感じて、アンチョビは薄く笑った。
目の前の相手が天使ならば、それに裁かれる自分はきっと悪魔なのだろう。
兄を生き返らせたいと言う願いも、何もかも、断罪されるべきものだったのだろう。
そんな他愛もないことを考えて、アンチョビはその時を待つ。

「カラスミ兄さん……ゴメン」

















ぐしゃり。


その瞬間、明石薫が見たのは不思議な光景。
目の前にいるのは、グ○イみたいな宇宙人としか表現しようのない奇妙な姿をした何か。
籤引き気分で荷物を漁っていた自分を躊躇わずに殺そうとした危険人物。
生きていて、喋っている相手を殺すことに後味の悪さを感じながらも、それでも確かに自分の意思で止めを刺そうとした瞬間、目の前が真っ暗になった。

その直後に訪れる、鋭い痛み。

反射的に痛みの発信源に視線を移せば、背中から生えた翼が石柱に貫かれていた。

「―――――――は?」

何で背中に天使の翼? とか、んなことよりスッゲー痛ぇ!? だとか、そんな感情が浮かぶ暇すらなく訪れる唐突な状況変化。
正しく状況を認識する間もなく、翼を貫いたソレより巨大な石柱が薫を取り囲むように空中から無数に落下してくる。
円を描くように落ちてきた石柱がまるで檻を作っているみたいだと呑気に思ったのも束の間、全てに蓋をするように巨大な落石が石柱の先端に落下してくる。
そして、目の前に現れたのは片眼鏡をした大胆スリットを見せ付ける女性。
理由はわからないが、一方的に見下ろされて、見下されて、睨まれているのは薫にも理解出来る。
反射的に掴みかかろうとした瞬間、右手が右側の、左手が左側の石柱から伸びた紐のような何かに縛り上げられ身動きが取れないことに気付く。

そのイメージは一瞬だった。

何が起こったのか理解する間もなく、薫の視界から石柱や女性の姿は消えていた。
だが、それに気付くと同時に薫の全身を奇妙な違和感が包み込む。

怖い、とも違う。
悲しい、とも違う。
奇妙で、耐え難い感覚。

まるで、生まれた時から傍にいた大事な親友を失ってしまったような、そんな何か。

けれど、明石薫がその正体に気付くのはもう少し先のお話。
突然の衝撃に気を失う寸前に薫が見たのは、確かに自分の超能力で制御していた筈の大木が、よりにもよって自分の真上に落ちてくる光景だった。


臼沢塞には、それが悪魔に見えた。

轟音と爆音に引き寄せられて訪れた場所で、視界に飛び込んできたのは大木に貫かれんとしてる奇妙な――宇宙人のような姿をした何かと、それに相対する少女。
人間である塞にも意図が理解出来る言葉を話していると言うことは、あの宇宙人のような何かも同じ人間なのだろうか。

そんな疑問に答えを出す間もなく、ピシッと罅割れる音が目の前から聞こえる。
発信源は、自らが掛けている片眼鏡のレンズ。
全国大会の舞台で戦った薄墨や銘苅の時のような、曇るどころの話ではない。
宇宙人のような何かと相対する少女と彼女が纏う力を見た瞬間、全身が総毛立つのを確かに感じた。
それは確かに、恐怖と呼ばれる感覚。

彼女の背中から生えているもの――それは正しく悪魔の翼だ。

こんなにも常軌を逸した力を、見たことなんて無かった。
だけれど、悪魔の力を以て振り下ろされんとしている大木と、よく見れば逃げられないよう固く結ばれている両手両足を見て、悠長な思考なんて出来るわけがない。
人語を話す何かを、悪魔の翼を生やした何かが殺そうとしていて、自分にはそんな言葉に出来ない力を塞ぐ力があって。

故に、本当に可能なのか、それとも不可能なんて考える以前に塞いだ。
その正体が何なのか、行動の結果を考えることもせず、とにかく塞いだ。
薄墨の能力を封じ込めたように、塞いだ。
塞ぐことが出来たから、塞いだ。

これはただそれだけのお話。


「――何が、起こった?」

ほんの一瞬、瞬きをした刹那の瞬間に状況は一変していた。
ぐしゃりという鈍い音の直後。
アンチョビの眼前には、今まさに自分を貫かんとしていた大木に押し潰された、少女の姿。

あの状況から何がどうなってこうなったのか、疑問に答えられる相手はいない。
唯一可能であろう大木の下敷きになっている少女は気を失っているらしく、質問どころではない。
例え目を覚ましていたとしても、アンチョビの質問に答えたとは思えなかったのだが。
可憐な外見とは真逆の攻撃性を身をもって体感したアンチョビとしては一刻も早く息の根を止めたかったが、両手両足を縛られえては身動き一つとることも出来ない。
結果として、何とか結び目を解こうともがくことしか今のアンチョビには出来なかった。

「この……くそっ、解けろ…よ!」

吐き捨てるような言葉にも答えるものはいなかった。



【B-5/道場周辺/一日目-朝】
【アンチョビ@コロッケ!】
[参戦時期]:裏バンカーサバイバルにてTボーンを倒した後
[状態]:疲労(大)、全身に裂傷、両腕と両足が固結びにされている
[装備]:なし
[道具]:なし
[スタンス]:無差別マーダー
[思考]
基本:カラスミ兄さんを生き返らせるために皆殺す。
1:……生きてる?

注1:道場周辺が根こそぎ破壊されました。
注2:支給品は破壊に巻き込まれたためどうなったかは不明です

【明石薫@絶対可憐チルドレン】
[参戦時期]:不明
[状態]:疲労(中)
[装備]:なし
[道具]:基本支給品×1、不明支給品×1~3
[スタンス]:不明
[思考]
基本:不明
1:不明

注1:破壊に巻き込まれる前に自分の支給品はどこかに隠したようです

【臼沢塞@咲 –saki-】
[参戦時期]:全国大会二回戦終了後
[状態]:健康
[装備]:不明
[道具]:基本支給品×1、不明支給品×1~3
[スタンス]:不明
[思考]
基本:不明
1:不明

注1:二人からは少し離れた位置にいます




「問題児たちが異世界から来たそうですよ!?」「Yesハトが呼びました」 投下順 豚少女
GAME START アンチョビ 信じていいの?
GAME START 明石薫
GAME START 臼沢塞

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

記事メニュー
目安箱バナー