ディオ・ブランドーは静かに椅子へ腰掛けていた。
D-3エリアの洋館の、見るからに豪勢な一室でテーブルに足まで擡げさせながら、ディオは思考に没頭していた。
その表情を彩るのは殺し合いへの高揚でもなければ、命を失うことへの恐怖でもない。
ディオの目は、怒気に満ちていた。
彼がジョースター家に養子としてやって来て、それから見下し続けてきた少年に一方的に殴られた時と同等。
もしくはそれ以上の怒りを、ディオは双眸に宿していたのだ。
D-3エリアの洋館の、見るからに豪勢な一室でテーブルに足まで擡げさせながら、ディオは思考に没頭していた。
その表情を彩るのは殺し合いへの高揚でもなければ、命を失うことへの恐怖でもない。
ディオの目は、怒気に満ちていた。
彼がジョースター家に養子としてやって来て、それから見下し続けてきた少年に一方的に殴られた時と同等。
もしくはそれ以上の怒りを、ディオは双眸に宿していたのだ。
「随分とナメた真似をしてくれるじゃあないか」
ディオは貧しい家に生まれた人間だが、境遇と不釣り合いなまでに高いプライドを持ってもいる。
そんな彼にしてみれば、誰かの掌でいいように踊らされるなど不興どころの話ではない。
それはディオにとって、立派な侮辱である。
口許を獰猛に歪めて作ったその笑顔は主催者への共感を示すものでなく、憎悪の形だ。
もしもこれが石仮面という強大な『力』を得たディオであったなら、その力を見せつけるために乗っていてもおかしくはなかった。
しかし今ここに存在しているディオは、石仮面を被って義理の父を殺し、波紋戦士の青年に討伐された悪魔ではない。
義父に毒薬を盛るなどの悪どいことはやっているし、その後遺産を手にして人生を成功させるプランまで立てている。
それほどの狡猾さを胸に秘めているディオであるが、ここにいる彼は人間だ。
吸血鬼ではないし、頭どころか腹を撃たれても死ぬ。
気化冷凍法を始めとした多数の特殊な技もその触り程度さえ使えず、本来の未来で彼を討ち果たしにやってくる波紋戦士たちと戦おうとすれば、真っ向勝負ではまず勝ち目がない、ただの青年。
もちろん知略も運動神経も常人と比べればエリートと呼べる高さだが、その違いはディオという存在において大きかった。
力は時に人を狂わせる。
そんな彼にしてみれば、誰かの掌でいいように踊らされるなど不興どころの話ではない。
それはディオにとって、立派な侮辱である。
口許を獰猛に歪めて作ったその笑顔は主催者への共感を示すものでなく、憎悪の形だ。
もしもこれが石仮面という強大な『力』を得たディオであったなら、その力を見せつけるために乗っていてもおかしくはなかった。
しかし今ここに存在しているディオは、石仮面を被って義理の父を殺し、波紋戦士の青年に討伐された悪魔ではない。
義父に毒薬を盛るなどの悪どいことはやっているし、その後遺産を手にして人生を成功させるプランまで立てている。
それほどの狡猾さを胸に秘めているディオであるが、ここにいる彼は人間だ。
吸血鬼ではないし、頭どころか腹を撃たれても死ぬ。
気化冷凍法を始めとした多数の特殊な技もその触り程度さえ使えず、本来の未来で彼を討ち果たしにやってくる波紋戦士たちと戦おうとすれば、真っ向勝負ではまず勝ち目がない、ただの青年。
もちろん知略も運動神経も常人と比べればエリートと呼べる高さだが、その違いはディオという存在において大きかった。
力は時に人を狂わせる。
(あの会場……! ジョナサンの姿は確かにあった)
ディオはあのイかれた開会式の最中に、既に参加者の顔ぶれを大体ではあったが見渡し、把握しようとしていた。
もしもここに彼の義父であるジョージ・ジョースターⅠ世が参加していたなら、ディオは彼を暗殺することをもくろんだろう。
彼も当然、只ならぬ事態であると理解した刹那にジョージの存在を確認しようとした――彼の姿は、なかったと思う。
代わりに、ディオが見下す存在の顔はあった。
あっちはディオに気付いていないようだったが、青年――ジョナサン・ジョースターの姿をディオはしっかりと記憶していた。
ジョナサンに対して友情を覚えているかと問われたなら、ディオはほんの欠片さえも覚えていないと即答するだろう。
奴など、所詮は邪魔者の一つでしかない。
少年時代に自分を殴ってくれた恨みは今も忘れてはいないし、彼が邪魔者であるのは確定的に明らかなことであった。
もしもここに彼の義父であるジョージ・ジョースターⅠ世が参加していたなら、ディオは彼を暗殺することをもくろんだろう。
彼も当然、只ならぬ事態であると理解した刹那にジョージの存在を確認しようとした――彼の姿は、なかったと思う。
代わりに、ディオが見下す存在の顔はあった。
あっちはディオに気付いていないようだったが、青年――ジョナサン・ジョースターの姿をディオはしっかりと記憶していた。
ジョナサンに対して友情を覚えているかと問われたなら、ディオはほんの欠片さえも覚えていないと即答するだろう。
奴など、所詮は邪魔者の一つでしかない。
少年時代に自分を殴ってくれた恨みは今も忘れてはいないし、彼が邪魔者であるのは確定的に明らかなことであった。
(だが、ジョージの参加が確定していない今ッ……欲望をいきなり全面に押し出すのは、愚の骨頂!)
ジョナサン・ジョースターは正義感の強い男だ。
紳士を目指すとか宣っていたあの男はまず間違いなく殺し合いに反抗する筈――それでジョナサンが死んでくれたならそれに越したことはないだろうが、ここで奴との『偽りの友情』をより色濃いものにしておくのもまた一つの作戦である。
ディオは義父ジョージの謀殺をもくろんでいる。
万一、本当に小さな万が一の確率で、あの紳士気取りの阿呆にそれがバレるようなことがあっては、すべてがおじゃんなのだ。
そんな万一の時のためにここで奴に――”紳士的な青年ディオ”の姿を間接的にでも見せておくのも悪くはない筈。
紳士を目指すとか宣っていたあの男はまず間違いなく殺し合いに反抗する筈――それでジョナサンが死んでくれたならそれに越したことはないだろうが、ここで奴との『偽りの友情』をより色濃いものにしておくのもまた一つの作戦である。
ディオは義父ジョージの謀殺をもくろんでいる。
万一、本当に小さな万が一の確率で、あの紳士気取りの阿呆にそれがバレるようなことがあっては、すべてがおじゃんなのだ。
そんな万一の時のためにここで奴に――”紳士的な青年ディオ”の姿を間接的にでも見せておくのも悪くはない筈。
(勘違いするなよ……このディオが奴に”媚びる”など断じて有り得ない! 協力するならあくまで対等、それ以外など認めるものか)
自らのプライドを崩さずに、ディオは決意する。
忌々しい話だが、ジョナサンと協力してこの殺し合いを打倒する。
そしてあの男――鳩山に、然るべき報いを与えるのだ。
忌々しい話だが、ジョナサンと協力してこの殺し合いを打倒する。
そしてあの男――鳩山に、然るべき報いを与えるのだ。
(このディオを利用しようとした罪は重いぞ、鳩山ッ! おまえはこの世から塵一片たりとも残さずに消し去ってくれる!!)
ディオのこの自信は、根拠無きものではない。
彼のディパックには、全支給品中でもかなり強力な部類に入るだろう重火器が入っていたのだ。
ディオの生きていた時代から幾分か進歩した兵器。
RPG-7V1。歩兵携行対戦車擲弾発射器だ。
まだ試射も行っていないし、できるなら一度性能の確認もしておきたいが、とにかく強力な武器であることは分かる。
彼のディパックには、全支給品中でもかなり強力な部類に入るだろう重火器が入っていたのだ。
ディオの生きていた時代から幾分か進歩した兵器。
RPG-7V1。歩兵携行対戦車擲弾発射器だ。
まだ試射も行っていないし、できるなら一度性能の確認もしておきたいが、とにかく強力な武器であることは分かる。
(見ていろよ鳩山……最後に笑うのは貴様ではない! このディオだッッッ!!)
【D-3/洋館/一日目・朝】
【ディオ・ブランドー@ジョジョの奇妙な冒険】
[参戦時期]:ラグビーの試合で勝った直後
[状態]:健康
[装備]:なし
[所持品]:支給品一式、不明支給品(0~2)、RPG-7V1@現実
[思考]
基本:殺し合いをする気は微塵たりともない。鳩山に報いを与える
1:ジョナサンと(嫌々だが)協力する
2:鳩山に踊らされるのは癪なので、プライドに懸けて反逆する。野望に向き合うのは全てが終わってからにする
【ディオ・ブランドー@ジョジョの奇妙な冒険】
[参戦時期]:ラグビーの試合で勝った直後
[状態]:健康
[装備]:なし
[所持品]:支給品一式、不明支給品(0~2)、RPG-7V1@現実
[思考]
基本:殺し合いをする気は微塵たりともない。鳩山に報いを与える
1:ジョナサンと(嫌々だが)協力する
2:鳩山に踊らされるのは癪なので、プライドに懸けて反逆する。野望に向き合うのは全てが終わってからにする
超越者 | 投下順 | 「氷上リングには支給品梱包時間の五分の三をつぎ込んだ」←一発で潰れたンゴwwwwwwwwwwwww |
GAME START | ディオ・ブランドー | 保護者ディオ |