黄樺地 セニオプロローグ

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dangerousss3

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【プロローグ:あの頃、僕らはチャラ男だった】

 かつて。

チャラ男1「ウェーイ! オツカレィ!」
チャラ男2「ダーツガチデ」
チャラ男3「サイヨー! ちぃーっす、ウェイウェーイ!」
チャラ男4「ちょアレマジアレじゃね?」
チャラ男5「アレテ! アレすぎっしょ!」


 五年前。
 衛星兵器による関西滅亡。

チャラ男1「チョイチョーイ、店員サァーン、このシャツ、同じのアッチでもっと安く売ってたんだけどさあー! ウェーイ」
チャラ男2「カラオケガチデ」
チャラ男3「いいじゃんいいじゃん! ねえ君ら、ちょっと付き合ってよ~」
チャラ男4「ダイッジョブダッテ! ナニモシナイッテ! カラオケするだけするだけ! よっしゃマジ! OKデマシターっ! 女子確保~ッ!」
チャラ男1「お、ナイスー! ウェーイ!」


 五年前。
 東西大戦。

チャラ男1「ウェーイ!」
チャラ男2「ボーリングウェーイガチデー!」
チャラ男3「ソレテ…………チャラッチャラッチャラ~♪」
チャラ男1「ダレカラダレカラ~ッ? デデデデーンッ!」
チャラ男3「チャーチャーチャー! 彼女でぇーす!」
チャラ男1「ハ? ネーワーネーワー!」
チャラ男2「今日はトリオ・ザ・ボーリンガー! 連行系連行系~!」
チャラ男3「ヤメロッテ! チョ待てよォ!」
チャラ男1「ウケすぎワロッシュ!」


 五年前。
 核による関東滅亡。

チャラ男1「ウェーイ!」
チャラ男2(メール)『悪い、今日用事出来た。しばらく連絡取れんかも(´Д`|||) ドヨーン』
チャラ男1「ウッソマジ? マジ勘弁~。空気読めよ空気」
チャラ男1「…………」
チャラ男1「ちょwwwww皆どこ行ったしwwww」
チャラ男1「…………探しに行っちゃるかー!」


 約一年前。
 パンデミック。総人類の三割死亡。

チャラ男1「ウェーイ! 見つけたぜ~っ!」
チャラ男5→肉体労働者A「お、久々だな。なんだお前、まだそのノリかよ?」
チャラ男1「ウェ、…………」

チャラ男1「ウェーイ! ヒサッシーじゃぁん~」
チャラ男4→組織の鉄砲玉A「おお、懐かしいな! ……お前、まだそれなのか?」
チャラ男1「ウェ、…………」

チャラ男1「ウェーイwwおいおい超ロックじゃんその髪wwww」
チャラ男3→モヒカンA「ヒャッハァー!! 水を寄こせェー!」
チャラ男1「!?」

チャラ男「ウェーイw」
チャラ男2→野良魔人A「ハ? お前何? まだそのノリなの? うっぜ。死ねよ」
チャラ男1「…………」


 約一年前。

野良魔人A「ガッ……ぐは……何で……俺の力……」
チャラ男1「これしかなかったんだよwww魔人とかマジ勘弁ww」
野良魔人A「クソ……ふざけんな……ンな理由で……」
チャラ男1「ちょ待てよお前wwほらwwwカラオケガチデ!」
野良魔人A「……何言ってんのか分かんねえよ……畜、生……なんでこんな……チャラ男、なんかに……セニオなんかに、俺の、気持ちが分かるかよ……ごふっ」
チャラ男1「……………」


 約一年前。

チャラ男1「――――…………」ドドドドドドドド

  ↓

 ガシャン!

  ↓

黄樺地セニオ「ウェーイwwwwwwwwwww」


 数カ月前。
 銘刈耀のスカウト。

「――登録、確かに承りました。
 ザ・キングオブトワイライトの概要は後ほど正式に書類を送らせて頂きます。
 既に説明した通り、優勝者には、10億円の賞金と、スポンサーが可能な限りの望みをひとつ叶えるという副賞があります。それに関して、今のうちの望みはありますか?」
「副賞? 10億!? ガチデ?」
「ガチデ……ああ、本当ですよ。それだけの力が、この大会にはありますので」
「ウェーイ、チョー最高じゃん! 何すっかな何すっかな――」

 結局、彼はかつての環境に戻ることは出来なかった。
 この時点で既に、チャラ男言語を話せるのは、日本では彼ただ一人となっていた。
 ゆえに、彼の願いはただ一つ。

「――だったら、世界平和とかアリじゃね?
 ワカル? セカァー、ウィー、ヘェイー、ワー! ヒュゥー!
 オレマジ天才すぎウェーイ!」

 黄樺地セニオ。
 世界平和――『世界を平和にし、チャラ男文明を取り戻す』為に。
 ザ・キングオブトワイライト、参戦。

「ねー、メカルさぁん、この後ヒマ? 時間アル? 飲みとかドーゥ?」
「申し訳ありませんが、選手の方への必要以上の接触は、大会の公平性のため、丁重にお断りさせて頂いております」
「うぇーいw」








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