ここでは主に公式で言及されている讃来歌・セラフェノ音語に関する情報などをまとめています。
 参考資料:このへん

●セラフェノ音語
 セラフェノ音語。もしくはセアフェノ音語。
 いつどこの地方で誰が想像したかも突きとめられていない、最後の不可触言語(ミスティック)。
 名詠に用いられた起源は不明だが単語自体の解析は進められており、文法はほぼ100%、単語においては、わずか1語を除いて完全に分析されている。
  (編者注:設定内の話)
 逆に言えば、その1語だけは未だ人智の領域の外にある。
 辞書においては、その1語+その単語を絡めた熟語らしきものの部分だけが空白(ブランクルーン)となっている。
 その1単語が、この物語を巡る最大の謎の一つでもある。
 ちなみに、「Keinez」・「Ruguz」・「Beorc」・「Surisuz」・「Arzus」については、実はセラフェノ音語ではなく別の言葉。
 詠の歌詞はあくまでセラフェノ音語だが、最後の結びはネイトたちの世界の通常言語。
 イヴ名詠の詠に「Ezel」という通常単語が最後まで使われないのは、実はそれが理由。
 真なる詠は、純粋なセラフェノ音語によってのみ構成される。

●名詠式の色について
 ・赤(Keinez)
  名詠式の基幹とも言うべき、五色の音色の一つ。そのイメージは「炎」と「血」の二説があり、学派によって異なっている。
  炎は希望、血は誓い。過去の咎めを炎が焼き、新たな結びを血が拓く。
  時として出会い、時として別れる。
  ゆえに──『至上の願いは灼熱の誓血でもたらされることとなる』

 ・青(Ruguz):
  名詠式の基幹とも言うべき、五色の音色の一つ。そのイメージは「海」であり、派生して「水」ともされる。
  水は世界を巡り生命を育み、世界は生命に満ちていく。
  生命は野を駆け空を渡り種を遺し、そして最後に海へと還る。
  だからこそ──『生命はその身体の内に海を含む』

 ・黄(Surisuz):
  名詠式の基幹となる、五色の音色の一つ。目に眩い色とされ、そのイメージは「黄金」。
  これは金塊というより「光輝ける物、高貴な物」としての金。
  黄は輝けるもの。光と友成し玉座を彩るべきもの。
  転じ──『黄は力の証となる』。

 ・白(Arzus)
  名詠式の基幹となる、五色の音色の一つ。
  光の三原色を融和させた時、そこには白が生まれる。純白は穢れを拒み、弱き者を守る。
  『反面、最も傷つきやすい色である──だからこそ、その担い手は最も気高い』

 ・緑(Beorg)
  名詠式の基幹となる、五色の音色の一。そのイメージは「森」。
  誰も立ち入る事なき樹海の奥深く、そこには未だ知られざる神秘があるという。
  草は吹き、花は踊り、木々はざわめく。その森には全てがあり、来る者の遍くを受け入れる。
  転じ、その神秘を授かったものが世界の王となる。

 ・夜(Ezel)
  全てを表すべき五色に存在しない、ただ唯一の例外。異端たる音色。
  何を以て夜色なのか。そのイメージは知られていない。
  だが、夜色の少女はその息子にこう伝えている。
  「夜とは透きとおった宇宙(そら)の色。ふだん太陽のせいで見えないだけで、本当はわたしたちに最も身近な色」、と。
  識られざる悲壮の調べ。それは真夜の極にて奏でられる。その歌い手は孤独。
  だからこそ──夜の真精は彼を護る。たとえ、自らの全てが消えようとも。

 ・灰色(Isa)
  人を石化させる名詠生物を詠び出す、正体不明の名詠色。
  攻撃的な名詠生物の少ない白色名詠が変異したものという推測が成りたつが、真偽はいまだ不明のまま。
  真精を含め、詠びだされる名詠生物の一体一体が強力。
  既存の五色で対抗しようとした場合苦戦を強いられることが予想されるが、その一方で石化を回復できる反唱を極めた祓名民が天敵となる。
  逆に捉えれば、これは対名詠士用に特化された色とも言うことができる。

 ・虹色
  五色を極めたカインツに与えられた名ではなく、五色とは次元を逸した輝かしき音色。
  その〈讃来歌〉、触媒、効果、名詠物。全てが未知に包まれている。
  カインツがレデュグリムに向けて放った虹色の光は〈讃来歌〉を要しなかったことから、
  第一音階名詠ではないと思われる。
  つまり第二音階名詠。あるいは────

 ・空白
  始まりの色。全ての生まれる子供たちが抱く色。
  世界をそのまま映しだす透きとおった色。アマリリスが真精とされているがその詳細も不明。
  シャオとアマリリスのみが使用する名詠色。

●讃来歌(オラトリオ/Oratorio)
 名詠者(名詠士ではない)が名詠を行う時に詠う歌。歌である理由は、外部に「音」と「詩(情報)」を同時に発生させられるから。
 ──と、現状では説明がなされている。真偽は不明。
 簡略的な歌はミドルスクールで習うが、ハイスクール以降では自分なりに讃来歌をカスタマイズすることが求められてくる。
 その言語は現代語ではなく、太古から存在したという『セラフェノ音語』であり、そうなった起点は不明。
 真精の名詠になくてはならない、三重連縛を解くための最重要鍵。
 その性質は大別して定鎖式と願響式、無韻(刻印)式がある。
 ただし、イヴ名詠に関してだけは、他に見られない「至讃」形の構成となっている。

 ・定鎖式
  Isa lor besti redi ende keofi - l - lovier
  のように、三つの属性決定鍵を歌の中に組みこんだもの。呼び出す物のイメージが既に脳裏で明確化されている時に用いる。

 ・願響式
  自分が望む物の姿が決まっていない時、自分が相手に望む要素を属性固着鍵で絞りこむのがこの形。
  特に第一音階名詠では、名詠者はどの真精を呼ぶか選べないことが多い。真精の方が、自分の好む相手にのみ真名を授けるという背景がある。

 ・無韻(刻印)式
  声に出すことなく、特殊な形で〈讃来歌〉を刻むタイプ。黎明の神鳥などがこれに相当する。

●触媒(カタリスト)
 名詠に用いる代償物。基本法則として、一度触媒に使用した触媒はその効果を失う。
 正確には、名詠を行った後の名詠門(チャネル)が、一度閉まる際に以前に増して固く閉じられてしまうため。
 上級者ならばむりやり名詠門をこじ開けることも可能。
 が、それでも第二音階名詠ほどの名詠は難しいとされる。
 ただし、その例外が炎。これは炎が常に外部へと熱エネルギーを放出しているため、名詠門の閉鎖が緩いためである。

●真精について
 名詠を志す者が夢見る、名詠式の一つの完成形──各色における支配者級の生物たち。
 伝説やお伽話に出てくる生物たちが多いが、これらは名詠者がかつて名詠した生物が人々の目に止まり噂話が時を経て伝説化したケースが非常に多いため。
 特定の触媒、特定の讃来歌という条件を満たした上で最後に適格者条件という特定の感性を持つ者だけに真精自身からその真名を授かるという。
 名詠者が真精を選ぶのではなく、真精が名詠者を選ぶと言った方が近い。
 真精自体は各色に複数いるが、一度真精を呼びだしてしまうとその色ではその真精以外呼びだせないのも特徴。
 第二音階名詠と異なり、上記の三重連縛と呼ばれる限定条件を達成しない限り名詠は不可能(と、思われている)。
 しかしカインツは独自の疑念を持っており、そうは考えていない。既存の解釈のままでは〈孵石〉が真精を詠んだ理由を説明できないからである。

●セラフェノ音語・真言の発音に関して(散文・追記求む)
 セラフェノに関する正確な発音規則は不明。『ドラマCD 氷結境界のエデン 楽園幻想』などで巫女言語が聞けるので聞きこめば分かるかもしれない。
 また、セラフェノ音語について以下の情報がある。

 1.neightという単語はghの部分を発音せず「ネイト」と発音する。
 2.zarabelという単語は「ツァラベル」と発音する。

 1.から英語における"night"(ナイト) や"bright"(ブライト) と同様の母音の発音を行っていること、
 2.からドイツ語における"zwei"(ツヴァイ)や"zimmer"(ツィマー)と同様の子音の発音を行っていることがそれぞれわかる。
 これらのことから、セラフェノの発音は一般的に"ドイツ語の子音+英語の母音"という規則から成っていることが予測できる。

 また、『黄昏色の詩使い』4巻にてKeinezという単語は一般的に『ケイネズ』と発音するが、
 地方の訛りが入ると『カインツ』と発音するという記述がある。
 『ケイネズ』という発音の場合、"英語の子音+英語の母音"という規則であり、上記の規則に反する。
 対して『カインツ』という発音の場合、"ドイツ語の子音+英語の母音"の規則となり、上記のものと一致する。
 ただ、どちらの場合でも子音に関して英語・ドイツ語ともに一般的発音に即していないため厳密には一致しないといえる。

 ページ上部の「詠の歌詞はあくまでセラフェノ音語だが、最後の結びはネイトたちの世界の通常言語」という記述から、
 『ケイネズ』という発音がセラフェノにおける発音と違っている可能性もある。

 文法・発音を踏まえてメタ的に言えば、セラフェノは英語・ドイツ語が属するインド・ヨーロッパ語族の派生言語のうちの1つとなる。
 『黄昏色の詠使い』にて「ソフィア・オブ・クルーエルネット(sophia of cruel net?)」というフレーズが出てきたことから、
 作中の世界には英語も存在するのではないかと考えられる。

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最終更新:2014年02月19日 15:10