「よし、好きなもん頼め」
2005年12月24日、クリスマスイブの夜、街はイルミネーションで染まる。
お店や通りは人で賑わう。石井家もその中に紛れていた。家族4人揃って近くのファミレスへ。
ジューーーー
「うわぁ!!!おいしそう!!」
亜連が頼んだのは大好きなハンバーグ。
「こらこら、そんな急いで食べたらブタさんになっちゃうわよ」
ママの言葉で食卓は温かい笑いに包まれた。
「ごちそうさまぁ!!」
ほんの数分でハンバーグを食べた亜連は口にソースをべったりつけながら満足そうな笑みを浮かべた。
「こら亜連、ポテト残ってるわよ?」
「えーお肉だけでいいもん!あさみあげるよ!!」
亜連は付け合せのポテトを残していた。
「だめよ!しっかり食べなさい」
ここで普段、口の少ないパパが
「そうだぞ亜連、ポテト食べないとじゃがいもみたいな顔になっちゃうぞ」
しかし、結局亜連はポテトを残した。
親の言うことは聞いておいたほうがいいものだ。