南京事件




   ■日本軍に感謝する宣教師たち

    中国の軍閥のプロパガンダ目的に利用されたこれらのいくつかの宣教師
   たちの恐怖の手紙と、著しい対照をなしているのは泰安から来た二つの手紙
   である。書いたのは戦争を最も恐ろしい段階で経験していた司祭たちである。
   彼らは日本でなく、中国の兵隊によるアトロシティー(残虐行為)を非難して
   いた。いわゆる非正規兵であるが、匪賊とほとんど変わらない程度の連中で
   自国民を獲物にしていたのだ。彼らは書く。

   「こちらの情況に関するアメリカの新聞報道は一方的であり、大げさすぎ
   ます。しばしば本当のような嘘が反日のためのプロパガンダとしてはびこって
   いるのです。我々は中国人に捕まり、殺された囚人の首が棒の先に突き刺さ
   れているのを見ております。中国の農民は中国の非正規兵による掠奪で一番
   苦しんでいるのです。もう匪賊とほとんど変わらない程度の軍隊なのです。
   大都会の爆撃は中国軍の将校が密集地帯に軍隊の宿舎を割り当てて、軍需
   物資、支給品などを置いているから起きたのです。軍需品が町のど真ん中に
   高く積まれていることはしょっちゅうなのです」

   「私たちの経験によれば」と二人のカソリック宣教師は続ける。「日本兵は
   統制が取れています。そして我々をどんな形でも決していじめたりしません。
   だから我々は喜んでこの善意の中国人たちと共に留まっております。しかし
   ながら日本人についての真実は語られておりません。彼らは私たちに親切
   です。泰安の爆撃の間、私たちの伝道施設はひどく破損しました。町の陥落
   の後、日本軍将校たちがやってきて、遺憾の意を表明しました。そして教会
   の再建用にと三千円を提供してくれました。また役に立つからと車を提供
   してくれました。彼らがやってくる前に悲惨な体験をしていましたから、これは
   私たちにホッとした気持ちを抱かせてくれました」

   中国の戦争宣伝の内幕 フレデリック・ヴィンセント・ウィリアムズ著 田中秀雄訳
   中国の戦争宣伝の内幕―日中戦争の真実


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最終更新:2013年06月05日 11:07