氷結界の龍 ブリューナク

登録日:2009/06/30 Tue 02:18:45
更新日:2024/04/18 Thu 23:34:40
所要時間:約 4 分で読めます







氷結界の龍 ブリューナク

シンクロ・効果モンスター
星6/水属性/海竜族/ATK2300/DEF1400
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):手札を任意の枚数墓地へ捨て、捨てた数だけ相手フィールドのカードを対象として発動できる。
そのカードを手札に戻す。

【概要】

遊戯王OCGに存在するカードの1つ。

氷結界の名を持つシンクロモンスターであり、背景ストーリーでは封印されていた3体の龍の一角でもある。

封印されていた設定に恥じない強さを持ち、遊戯王OCG屈指のフィニッシャーにして凶悪な「ループコンボの化身」として名を轟かせていた。

レベル6のシンクロモンスターとしては《ゴヨウ・ガーディアン》と双璧を成し、ともに第6期第7期の環境を荒らしまわった。

手札を好きな枚数捨てることで、その数だけフィールドのカードをバウンスする効果を持つ。
問題なのは1ターンに1度の発動制限がないこと。
すなわち手札の許す限りいくらでもバウンスを撃てるので、相手のフィールドを一気に空にすることができる。一斉攻撃前の露払い役として1ショットキルに貢献していた。
おまけに当時の「マスタールール」では「モンスターの召喚、反転召喚、特殊召喚に成功したタイミングでの起動効果の発動」をターンプレイヤーが優先的に行う事が可能(所謂「優先権で~」である)であり、たとえ汎用除去《奈落の落とし穴》を伏せてあったとしても効果自体を防ぐ事ができなかった事が暴れっぷりに拍車をかけていた。

しかも捨てる手札の枚数は任意
様子見で1枚だけバウンスして、相手の出方によってはさらにバウンスはもちろん、
除去されるのを見越して一気にバウンスするなんて芸当も可能。

これだけでも強力だがよりにもよって自分のカードをバウンスすることも可能だった

例えばLPと手札が続く限り《早すぎた埋葬》を発動できる。
《未来融合-フューチャー・フュージョン》(エラッタ前)を使い回して大量の墓地肥やしをすることも可能。

生還の宝札》や《D-HERO ディスクガイ》(エラッタ前)といった緩い条件のアドバンテージ稼ぎカードと組み合わせれば、手札コストの問題も解消され、むしろ手札がもりもり増えていく。

シンクロアンデット】での働きぶりは非常に有名。《ゴブリンゾンビ》でサーチした《馬頭鬼》をすぐに捨てることができ、何度も何度もモンスターを蘇生することができた。

このように簡単に有限&無限ループの極悪コンボが組めてしまうのである。

これだけ強力なら素材指定がある...と思いきや、そんなことはなかった。

属性指定はおろか、他のいっさいがっさいの縛りがないため、
チューナーを投入したデッキなら大抵シンクロ召喚できる。

レベル2チューナーの《ゾンビキャリア》と適当なレベル4モンスターを使えば簡単にシンクロ召喚できる。

レスキューキャット》1枚からでも《X-セイバー エアベルン》とレベル3の獣族でシンクロ召喚できる。

その強力な効果と緩すぎる召喚条件を持って《大地の騎士ガイアナイト》をゴヨウしていったかの権力の象徴、《ゴヨウ・ガーディアン》も容赦無く吹っ飛ばす


シンクロ系デッキが登場してすぐに活躍できたのはこのカードの存在が大きい。
一度フィールドに出たが最後、フィールドを滅茶苦茶に荒らされそのままゲームを終わらせられることも珍しくない。

以前より存在していたあらゆるバウンスモンスターを凌駕した《N・グラン・モール》も泣いていることだろう。
また、「早すぎた埋葬」と(エラッタ前の)「D-HERO ディスクガイ」を利用した有限ないし無限ドローコンボも存在し、
これらのカードもこのカードの規制の一因を作ったとも言われる。

元々バウンスはシンクロが登場した時から非常に強力な効果であり、1対多交換が可能なこのカードの恐ろしさはお分かりだろう。

このカードにかかれば大半のモンスターは凡骨同然。
スターダスト・ドラゴン》ですらこのカードの前では無力。
せっかく苦労して出したモンスターが一瞬にしてバウンスされていく姿を見るのは涙に耐えない。


一方、使用者の立場からすればかなり爽快な気分を味わえる。

今まで対処に苦労してきたカードが一瞬にして消え去るのだ。
相手のフィールドを一掃しシンクロモンスターを複数体並べた時の相手の顔を見ると心が踊るよう。

やがて2009年3月をもって制限カードに。
順当すぎる規制であり、元から複数積むカードでもなかったので特に問題はなかった。

1枚制限になってもその強さは変わらず、2010年の選考会で《スターダスト・ドラゴン》に次いで採用数第二位となった。

その後、同じぐらいの問題児であった《ダーク・ダイブ・ボンバー》が参戦し遊戯王OCG史上最速スピード(当時)で
禁止カードに指定される。
だが《氷結界の龍 ブリューナク》は制限カードの座に止まり続けた。

しかしこのカードはこのころから遂に危険な領域に本格的に踏み入ることになる...。そう登場初期から自分のカードをバウンスして使える点...、
ずばり「ループコンボの起点」として暴れ始める。

【マテリアルゲート】を筆頭に、ループギミックが生み出されるたびにだいたい取り上げられ、当時のあらゆるループギミックに関わっているといっても過言ではなかった。
シンクロ関連の展開が一旦終わり、エクシーズの時代になってもむしろエクシーズモンスターを使い回すために引っ張りだことなっていた。(主な活躍先はやっぱりループに定評のある【インフェルニティ】など)

シンクロ淘汰の流れもあったが、それ以上に1キルないし先攻制圧まがいを可能とする汎用ループコンボエンジンとして悪用された結果、
ついに2012年9月より禁止カードの仲間入りをすることになってしまった。悔しいでしょうねぇ。

そもそも同名ターン一回制限がまだ普及しきっていなっかた当時の流れでもこの効果で「一ターンに一度」がない方がおかしいし、散々禁止化する噂が出ていたにもかかわらずゴヨウよりもしぶとく生き残っていたのが不思議なくらいであった。
更に言うと制限カードとなってから禁止カードになるまでの間にマスタールール2への移行があり、「優先権を行使しての起動効果の先撃ち」ができなくなって多少の弱体化があったにもかかわらずの措置であった。

いずれにしろ、数あるシンクロの中でも極悪極まりない効果であり、
ゴヨウが禁止になってからこいつ自身も禁止入りするまでの間、星6のシンクロモンスター最強枠としてその名を轟かせた……。


【余談】

氷結界」3大龍はこのカード、《氷結界の龍 グングニール》《氷結界の龍 トリシューラ》がいる。

前者はこのカードの調整版のような性能だが、後者は3枚ものカードを除外できる性能から一度は禁止カードを経験し、解除後も長らく制限カードになっていた。


強力な効果に加え、DUEL TERMINALでの収録であることからシングル価格が高かったため、歴代の強力なカードを集めたGOLD SERIESにて再録された。

だが、封入率操作のされたノーレアでありシングル価格は大きく下がらなかった。(2BOX中に1枚)


「遊戯王タッグフォース」などでCPUにこのカードを使わせると、うまく扱えない。必要のないカードまで手札に戻して勝手にハンドレスになることもザラ。


デュエルターミナル第13弾にてヴェルズ化してしまった。

ランク4/闇属性/ドラゴン族/攻2350/守1350
「ヴェルズ」と名のついたレベル4モンスター×2
1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除き、
相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動する事ができる。
手札から「ヴェルズ」と名のついたモンスター1体を捨て、選択した相手モンスターのコントロールを得る。

デュエルターミナル第1弾で、《A・O・J カタストル》と共にデュエルターミナルにおけるシンクロの開祖とも言えるこのカードが……
正義の為に解き放たれたこのカードが……黒い枠のエクシーズモンスターになり、闇に堕ちた姿はなんとも言いがたい。

ちなみに、こちらでもヴェルズの切り札といえる効果であり、上記の通りコントロール奪取の効果を持っている。
詳しくは《ヴェルズ・バハムート》の項目参照。



時は流れて第9期、今度はコスプレ鎧になって帰ってきた。

ブリューナクの影霊衣(ネクロス)
星6/水属性/戦士族/攻2300/守1400
「影霊衣」儀式魔法カードにより降臨。
「ブリューナクの影霊衣」以外のモンスターのみを使用した儀式召喚でしか特殊召喚できない。
「ブリューナクの影霊衣」の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードを手札から捨てて発動できる。
デッキから「ブリューナクの影霊衣」以外の「影霊衣」モンスター1体を手札に加える。
(2):エクストラデッキから特殊召喚された、フィールドのモンスターを2体まで対象として発動できる。
そのモンスターを持ち主のデッキに戻す。

元のバウンス効果は相手のEXデッキから特殊召喚されたモンスター2体までに限定されてしまったが、それでも破壊耐性持ちを簡単に除去できるのは十分強い。とはいえ影霊衣のEXメタなら《クラウソラスの影霊衣》や《ユニコールの影霊衣》の方がもっとお手軽かつ強力なのでこいつをフィールドに立てることは少ない。
問題は(1)の効果。影霊衣儀式モンスターは全員手札から捨てることで発動する効果を持っているのだが、こいつは何と影霊衣モンスターを何でもサーチできる
しかもサーチ先には儀式魔法をサーチする《クラウソラスの影霊衣》がいるので実質万能サーチとなる。
自分自身も例によって《マンジュ・ゴッド》や《儀式の準備》でサーチできる。リリースされた際に戦士族影霊衣をサーチできる《影霊衣の術士 シュリット》に至ってはお互いがお互いをサーチできる関係にある。「サーチができるサーチカード」の恐ろしさは決闘者諸兄らはよく知っていることだろう。
案の定デッキを回すエンジンとして大暴れした結果、あっという間に制限カードにぶち込まれてしまい、インフレが進んでも長らく緩和されることはなかった。




更にその時は突然やって来た。
なんと、2017年1月でブリューナクの制限復帰が決定。
並び称された権力や、シンクロの立役者たるネコさんと一緒に戻ってきた。

エラッタ後の能力はこんな感じ。

氷結界の竜 ブリューナク
シンクロ・効果モンスター
星6/水属性/海竜族/ATK2300/DEF1400
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
1ターンに1度、手札を任意の枚数墓地へ捨て、捨てた数だけ相手フィールド上のカードを選択して発動できる。選択したカードを持ち主の手札に戻す。

1ターン1度の回数制限がつき、バウンスできるのは相手のカードのみと変更された。

この順当なエラッタにより、自分のカードを戻して使い回すことはできなくなっている。むしろ《ファイアウォール・ドラゴン》を見てわかるように今までどうしてできてしまったとも言うが。

しかし1ターン1度とはいえ、強力な除去であるバウンスを軽いコストでできるのは大きい。手札さえあればまとめてバウンスできるという強みも相変わらず。

さらにエラッタされて素材指定が追加された《ゴヨウ・ガーディアン》と違い汎用シンクロのままなので、シンクロを使うならデッキを選ばない利点はそのまま。一緒に制限復帰した《レスキューキャット》がいれば1ターンで出せるのも同じ。

今後は純粋に強力な汎用除去カードとして活躍していくであろう。
レベル6シンクロとしては《瑚之龍》あたりが対抗馬となるか。

制限復帰後は目立った活躍をしなかったため、4月には準制限、7月には無制限になっている。

エラッタはされたものの、唯一のシークレット仕様であるクロニクル版の相場は高く維持している。

ターン1かつ相手のみとはいえで手札の許す限りバウンスできる効果は魅力であり、また同時にエラッタ解放された《ゴヨウ・ガーディアン》と違い素材指定もないため幅広いデッキでの採用ができるためだろうか。


更に2023年には過去の有名カードリメイクの流れに乗って、このカードもリメイクされて登場。


氷魔龍 ブリューナク
シンクロ・効果モンスター
星6/水属性/海竜族/攻2300/守1400
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードがS召喚した場合、手札を1枚捨て、フィールドのカード1枚を対象として発動できる。
そのカードを手札に戻す。
(2):このカードが墓地から特殊召喚した場合、手札を1枚捨て、フィールドのカード1枚を対象として発動できる。
そのカードを手札に戻す。

バウンス効果が起動効果ではなくシンクロ召喚時及び蘇生時に発動する誘発効果になり、更に1度にバウンス出来る枚数が1枚に減る代わりに自分の場のカードもバウンス出来る様になっている。
また、シンクロ召喚時と蘇生時のバウンスが同じターン中でも発動出来るため、上手くやれば2枚バウンスも可能。
どちらかと言えば自分のターンでバウンスするよりも、相手ターンにシンクロ召喚もしくは蘇生させるカードと組み合わせる事で相手ターンの妨害を得意とするカードとなっている。

ちなみに効果の元ネタは“当時は優先権を行使して召喚・特殊召喚した際に起動効果であるバウンスを発動出来た”事と“早すぎた埋葬で墓地から蘇ったり他のモンスターを蘇生した際にバウンスで回収していた”事と思われる。




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最終更新:2024年04月18日 23:34