トカゲロン

登録日:2011/10/02 Sun 17:11:01
更新日:2023/09/19 Tue 02:04:45
所要時間:約 2 分で読めます





俺一人にも敵わんお前が、11対1でどうやって勝てる?


出典:仮面ライダー/東映/第13話「 トカゲロンと怪人大軍団」/1971年6月26日放送

所属組織:ショッカー
モチーフ:トカゲ(毒トカゲ)
登場作品:『仮面ライダー
話数題名:第13話「トカゲロンと怪人大軍団」


【能力解説】

「旧1号編」最後の対戦相手となったトカゲの改造人間。
長い尻尾の生えた姿は、怪人というよりは怪獣に近い。身長190㎝、体重183㎏と凄まじい巨体であり、歩くたびにズシンズシンと足音が響く程。
え? 平成作品だとどうだって? 女性怪人のズ・メビオ・ダや空飛べるオウルイマジンですら172㎏とか128㎏とか平気でありまっせ旦那。

ライダーキックを弾き返すほどの頑丈な身体で、脚力を活かした巨大な岩石を蹴り飛ばす「必殺シュート」は仮面ライダーを敗北させるほどの威力がある。
なお、「ドクトカゲ」を素体に使ったのは本編で改造手術にかかわった団員が明言しているが、毒系の技は一切使わず。
前述の団員も「ドクトカゲの強靭な尻尾」とだけ言っているので、毒腺のほうは移植されなかった可能性もある。
ショッカーが再生した10体の怪人達を率いてライダーと戦う。(トカゲロンも含めれば11人で、丁度サッカーの1チームの人数と同じである)
当時としては珍しく人間態と同じく、怪人態の声も堀田眞三が担当している。

変身者はサッカー選手の野本健
選手としては非常に優秀だったが、性格があまり良いとは言えなかった。
ショッカー怪人としてはほんとに珍しいことにフルネームの判明している怪人である。
他にはさそり男ピラザウルスギリーラしかいない。苗字だけなら他にもいるが。
そのため『空想法律読本』ではショッカー怪人の人権を考える際の代表例として登場した。
ニュースキャスター「えー、自称『トカゲロン』こと、元サッカー選手の野本健容疑者(3X)は原発への爆弾テロを計画していたとして…」


【仮面ライダー】

第13話にてショッカーは復活させた蝙蝠男さそり男の報告から東海原子力開発研究所に張られたバーリア(バリア)を破壊する為に
バーリア破壊ボールを開発する。

しかし、破壊ボールを使用するには強力な脚力を持つ改造人間が蹴り込む必要がある、とショッカー科学員から語られる。
…金属製の玉なら、蹴飛ばすより投げる方が効果的である(『空想科学読本6.5』で柳田理科雄も指摘している)のだが、
科学陣は「20メートルの距離から投げるのは不可能」と断言し、コンピューターが選び出したサッカーのエースストライカー*1・野本健を死神カメレオン蜘蛛男を使い拉致し、改造手術を行うことで怪人トカゲロンを誕生させる。
……製作期間に差があるのかもしれないが、強力な脚力が必要ならもう一回仮面ライダー作れば良かったような……。
というか雑魚扱いされがちなショッカー戦闘員ですら成人男性の5倍の身体能力があるらしいので、普通に彼らに投げさせれば済んだ話である

さっそく作戦を実行しようとするが、研究所の見張りをしていた際に不審車を追跡し、屋敷の主に化けて再生怪人と共に潜伏していたショッカーのアジトに潜入した滝和也と緑川ルリ子を消す為、2人を急襲。
そこへ仮面ライダーが助けに現れるが必殺シュートが炸裂しライダーを敗北させる。

こうしてトカゲロンはすぐに破壊ボールを撃ちこんで研究所を破壊した…となるはずだが、なぜかそのまま基地に帰ってしまった
その間に敗れた悔しさから本郷はおやっさんと共に猛特訓に励み、ライダーキックを上回る新技「電光ライダーキック」を編み出してしまう。(両足蹴りに見えるが、よく見ると左足が前に出ている)

その後、再び研究所に破壊ボールを蹴りこむがライダーによって阻止されてしまい、再生した10体の怪人達と共に戦闘を開始。
だが、再生怪人はライダーに殆ど一撃で倒されてしまいヤケクソになったトカゲロンはなりふり構わずバーリア破壊ボールを蹴り込むが*2
ライダーが特訓で完成させた電光ライダーキックによって破壊ボールを弾き返されそれが直撃。
最期は大爆散を起こして敗れ去り、11人まとめて怪人は消し飛んだ。

ちなみに、あと一歩で作戦が遂行できたのに余裕ぶっこいてたせいでライダー側のパワーアップを招いてしまった例としては、平成作品だと『仮面ライダークウガ』第6話の初代ライダーに激似なバッタ怪人ズ・バヅー・バなどがいる。


映画『仮面ライダー対ショッカー』では、予告編では姿を見せていたが、肝心の本編には未登場。

ゲーム版(SFC)では再生個体が登場。1面のボスとして登場し、大量のバーリア破壊ボールを蹴り込んでくる。


仮面ライダーSPIRITS

本編ではバダンの再生怪人として登場。
当初は東京に出現した黒いピラミッドで暴れていたが、『新』においてショッカー編で海底基地に召喚された。
1号との決着をつけるために執念を燃やし、邪魔だと判断すればショッカー怪人たちを躊躇いなく殺しまくる地獄大使/ガラガランダ
斬り捨てることを決意した暗闇大使により、量産されたバーリア破壊ボールを次々に蹴り飛ばして攻撃してくる(これにより、1号を襲撃していた蜘蛛男を始めとする再生怪人もビルごと吹っ飛ばされてしまった)。
しかし、駆けつけた仮面ライダーZXにボールを蹴り返され、重ねていた予備ボールに引火して誘爆、大爆発に巻き込まれて消し飛んだ。

番外編の旧1号時代にも登場し、第13話終盤戦の劇中シーンが描かれた。
なお、本作においては同時期に本当にショッカーライダーが作られている
なんでこっちに回さなかったのかは永遠の謎だが、多分ショッカーライダー最後の1人の改造完了を待っていたのだろう。


【余談】

演者の堀田眞三氏は後に暗黒大将軍やゼネラルモンスターを演じた人物でもある。

外見がどっからどう見ても人間に見えないのは、藤岡弘、の事故に伴い東映が今後の製作方針について協議した際、
「怪獣ブームに乗ってライダーが巨大化するというのはどうか」という案を出されたからで、それが一時的に通りかけた名残りらしい。
事実、第13話におけるトカゲロンの演出は明らかに巨大感を意識したものが幾つか散見される。

ちなみに、当時のスチールの中にはトカゲロンが砲丸投げよろしくバーリア破壊ボールを片手に構えている写真もあったりする。「そのまま投げれば良かったのでは?」などと突っ込んではいけない

映画『仮面ライダー×仮面ライダー W&ディケイド MOVIE大戦2010』の『仮面ライダーディケイド 完結編』に登場したスーパーショッカーの精鋭怪人は旧ショッカーの敵怪人と同じモチーフで構成されているが、トカゲロンの枠はサンゲイザーファンガイアが担当している。

後に『仮面ライダーフォーゼ』ではどことなくトカゲロンに似た、竜座モチーフのドラゴン・ゾディアーツが登場。
変身者の名前は「野本仁」、ライダーの攻撃も通じない鉄壁の表皮、鉄球攻撃(ただし、鉄球は砲丸投げの要領で投げる)など数多くのオマージュが見受けられる。



―――追記・修正を怠る者には死、あるのみ。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • 仮面ライダー
  • 旧1号編
  • ショッカー
  • 怪人
  • 改造人間
  • トカゲ
  • 蜥蜴
  • 堀田眞三
  • ※怪獣ではない
  • バーリア
  • サッカー選手
  • リザードマン
  • ドラーケンの正体ではない
  • 爆外伝ファンホイホイ
  • トカゲロン
  • 必殺シュート
  • ドラえもんのひみつ道具ではない
  • ドクトカゲ←モチーフ被ってるじゃん
  • ライダー怪人
  • ショッカー怪人
  • ゴーゴー仮面ライダー

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2023年09月19日 02:04

*1 放映当時、数年前にメキシコオリンピックで日本代表が銅メダルを獲得するなど、注目を集め始めた時期であった。厳密にはプロサッカーではないが、リーグ制のJSLは1971年当時にも存在している。

*2 あわよくば研究所のバーリアを破壊しようなど毛頭なかった様子で、完全に明後日の方向にいたライダーに向けてぶっ放した。