東武鉄道

登録日:2011/09/16 Fri 18:50:24
更新日:2024/02/17 Sat 20:18:03
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東武鉄道とは、東京都墨田区に本社を構えている、日本の大手私鉄である。
東京証券取引所の鉄道部門で最も若い番号を持っている。


概要

東京都埼玉県千葉県栃木県群馬県の1都4県に鉄道路線を保有しており、総営業キロ数は463.3kmである。
この路線網の長さはJR以外の民鉄としては近畿日本鉄道に次いで第2位であり、関東では最長となっている。
また、相互直通運転を行なっている他社の路線も多く、地下鉄4路線、私鉄1社2路線、第三セクター3社3路線、さらに特急列車がJR東日本線に乗り入れている。
車両の走行エリアは北は福島県、西は神奈川県まで及び、大手私鉄が元々ない茨城県以外の関東全県に乗り入れる唯一の大手私鉄である。

「東の東武、西の近鉄」と言われるくらいに、数ある大手民鉄の中でも経営規模の大きさが桁違いである。
かつてはケーブルカー、路面電車に貨物営業まで手広く手がけていた。また保有車両も幅広いことや、料金制度や駅構造などに国鉄との共通点が多く、「ミニ国鉄」とも呼ばれていた。
現在も観光列車として蒸気機関車を保有しており、これは大手私鉄では唯一である。

関連会社として、東武グループなる東武鉄道を中心とした企業があり、東武百貨店、東武バス、東武動物公園、東武ワールドスクウェアなどがある。
東京スカイツリーは建設地が元々貨物ヤードの跡地であったことから、スカイツリーの建設にも深く関わっている。

マスコットキャラクターが複数存在しており、東武ポイントカードの「トブタン」や東武鉄道お客さまセンターの「姫宮なな」がといったキャラが存在する。
かつてはモモンガをモチーフとした「とぶっち」というキャラがあった。


路線

◆本線系統
伊勢崎線
浅草および押上から北千住、春日部、東武動物公園、久喜、館林、足利市、太田を経由して伊勢崎に至る、「東武本線」と呼ばれる系統の主幹路線。
その総距離は114.5kmと非常に長く、1路線としてはJR・旧国鉄路線を除くと最長距離である。
また、北千住~北越谷間の18.9kmは方向別複々線となっており、これはJR以外の鉄道では最長距離となる。
久喜(南栗橋)以南の急行・準急電車は、押上から東京メトロ半蔵門線を経由して東急田園都市線に直通し、中央林間まで乗り入れている。
また、東武動物公園(南栗橋)以南の各駅停車の大半が、北千住から東京メトロ日比谷線に直通し、中目黒まで乗り入れている。
2012年3月のダイヤ改正と併せて、東武動物公園以南に「東武スカイツリーライン」という愛称が付けられた。
東京都内を走る関東の私鉄の本線クラスでは唯一JR山手線と接続しておらず、山手線への足掛かりとなる北千住駅の利用者数は、山手線の主力駅クラスの多さとなっている。
東武線を代表する幹線であるものの、沿線に所在する東武百貨店は1つもない(池袋店→東上線、船橋店→野田線、宇都宮店→宇都宮線、栃木市役所店→日光線、大田原店→最寄駅がJR宇都宮線西那須野駅であり、東武沿線ですらない)。
ただし、かつては小規模店舗として東京ソラマチ店があったが、2016年1月に営業を終了している。

日光線
伊勢崎線の東武動物公園から分岐して、栗橋、栃木、新鹿沼、下今市を経由して東武日光に至る、94.5kmの路線。
東京と国際的観光地である日光を結ぶことを目的としており、特急をはじめとする優等列車が多い。
JRの特急「日光」と「きぬがわ」が栗橋の連絡線を介して宇都宮線から乗り入れており、東武の特急「スペーシアきぬがわ」と「スペーシア日光」もJR線経由で新宿まで乗り入れている。

鬼怒川線
日光線の下今市から分岐して、鬼怒川温泉を経由して新藤原に至る、16.2kmの路線。
名前の通り鬼怒川温泉街の玄関口となる路線であり、特急「スペーシア」は東武日光よりもこちらに多く入線する。
2017年8月から、約半世紀ぶりとなる蒸気機関車牽引列車「SL大樹」の運転が開始されている。
新藤原からは野岩鉄道会津鬼怒川線会津鉄道会津線に直通し、会津田島まで乗り入れており、会津観光の玄関口としての役割も担っている。
会津田島から先は非電化区間であり、他社から東武線に乗り入れている気動車によるJR会津若松(一部は喜多方)行きの列車もある。

●亀戸線
伊勢崎線の曳舟と亀戸を結ぶ、3.4kmの路線。
東京23区内にあって運転本数もそれなりながら、全列車が2両編成という、都会のローカル線のひとつ。
開業当初は基幹路線として扱われており、短距離ながら路線のほとんどが複線なのはその名残である。

●大師線
伊勢崎線の西新井と大師前を結ぶ、1.0kmの路線。
初詣で西新井大師に向かう人にはお世話になっているだろう。
駅数はたった2駅のみで、亀戸線と同じく2両編成。改札は全て西新井で行なっているため、大師線内は切符なしで乗ることになる。
元々は伊勢崎線と東上線を繋げる路線として計画されていたが、様々な災難が重なった結果、この区間が開通したのみで頓挫した。
今後、2023年度から無人運転の実証試験が行われる予定。

●桐生線
伊勢崎線の太田と赤城を結ぶ、20.3kmの路線。
特急「りょうもう」の多くはこの路線を走る。また、各駅停車の多くは太田から小泉線の東小泉まで直通している。

●佐野線
伊勢崎線の館林と葛生を結ぶ、22.1kmの路線。
1日1往復のみ特急「りょうもう」が走る。かつては葛生から先に貨物専用線があり、多くの貨物列車が走っていた。

●小泉線
伊勢崎線の館林と西小泉(12.0km)、およびその途中の東小泉と太田(6.4km)を結ぶ、18.4kmの路線。
館林~太田間は伊勢崎線よりも距離が短いため、乗る電車によってはこちらのほうが早い場合もある。

●宇都宮線
日光線の新栃木と東武宇都宮を結ぶ、24.3kmの路線。
各駅停車の大半は日光線の栃木まで直通しており、かつては1日1往復で特急「しもつけ」が走っていた。
東武宇都宮駅とJR宇都宮駅は1.6kmほど離れているが、宇都宮市の中心部には東武宇都宮駅のほうが近い。
特急「しもつけ」の廃止に伴い、東武で初となる全運行列車のVVVF化を達成した路線だったりする。

野田線
大宮から春日部、野田市、流山おおたかの森、柏、新鎌ケ谷を経由して船橋に至る、62.7kmの路線。途中の春日部で伊勢崎線と接続する。
埼玉県と千葉県の主要都市を結び、沿線の大半がベッドタウンとなっている半環状線で、都心方面に向かう他の路線との乗り換え駅が多い。
元々柏で接続していた2つの路線を併合したのに加えて、かつては貨物輸送のために国鉄とも繋がっていたことから、柏駅がスイッチバックとなる配線になっている。そのため、基本的には柏を境に運行系統が分かれている。
他の路線で使われていた旧型車両が最後に送り込まれることが多く、2004年からは8000系だけの路線となっていたが、2013年からはリニューアル車を含む10000系列、さらに当路線では約70年ぶりとなる新型車両の60000系が導入され、急激に車両の近代化が進んだ。
このついでに2014年4月には「東武アーバンパークライン」という愛称も付けられている。
列車種別は長らく各駅停車のみであったが、2012年12月からは大宮~春日部間で伊勢崎線直通の不定期特急「スカイツリートレイン」が登場し、
さらに2016年3月からは同区間で途中岩槻のみに停まる急行が登場した。2017年4月からは平日のみ伊勢崎線から直通する特急「アーバンパークライナー」が登場した。
なお、柏と大宮を結んでいることから、サッカーチーム「柏レイソル」対「大宮アルディージャ」の対戦を「野田線ダービー」と呼ぶことがある。

◆東上線系統
東上本線
池袋から和光市、川越、坂戸、森林公園、小川町を経由して寄居に至る、75.0kmの路線。通称「東上線」。
上記の本線系統は観光列車が比較的多いのに対して、こちらは純然たる通勤通学に特化している。座席定員制の速達列車「TJライナー」が看板列車。
和光市~志木間の5.3kmは複々線となっている。
小川町以南の特定の急行・各駅停車および一部の快速急行は和光市から東京メトロ有楽町線、同副都心線に直通しており、前者は新木場、後者は東急東横線東急新横浜線・相鉄新横浜線を経由してみなとみらい線の元町・中華街、相鉄線の海老名、湘南台まで乗り入れている。
東上線内快速急行・副都心線内急行、東横線・みなとみらい線内特急となる直通列車には「Fライナー」の愛称が付く。
伊勢崎線を中心とする本線系統とは線路が直接繋がっておらず、実質的には全く別の路線。
池袋は前述の通り東武本線には存在しない山手線接続駅であり、東武線全線における1日の乗降客数はダントツの1位。
元々は東上鉄道という会社の路線で、かつては本線系統と東上系統の部署の交流が深くなかったこともあり、本線系統に比べて設備や接客などの面で長いこと遅れを取るなど冷遇されていたが、次第に潜在力の高さが見直されるようになってきた。

●越生線
東上本線の坂戸と越生を結ぶ、10.9kmの路線。
ローカル色の濃い支線だが、沿線に高校や大学が多く、輸送需要はそれなりに高い。
JR八高線が乗客を奪われているのはだいたいコイツのせい。仕方ないけど。

◆廃止路線
●伊香保軌道線
高崎線、前橋線、伊香保線の3線。いずれも路面電車。

●日光軌道線
日光市内を走った路面電車。

●日光鋼索鉄道線
日光市内にあったケーブルカー。

●矢板線
鬼怒川線の新高徳駅から国鉄東北本線の矢板駅までを結んでいた。非電化。

●熊谷線
国鉄高崎線・秩父鉄道線の熊谷駅から妻沼駅までを結んでいた。本線・東上線系統両方とも接続しておらず、最後の非電化旅客路線となった。本来は小泉線まで接続させる予定であった。

●啓志線
東上本線の上板橋駅から分岐してグラントハイツ(現在の光が丘)までを結んでいた、GHQ職員用の非電化路線。

他にも、数多くの貨物線を有していたが、いずれも廃止となっている。


車両

現行の車両

◆特急用
●N100系
2023年7月にデビューした日光・鬼怒川線用特急車両で、愛称は「スペーシアX」。
日光東照宮陽明門の胡粉をイメージした白い車体が特徴で、先頭車はXを模した側窓形状を持つ。
東武の特急車両では初となる前面展望構造を採用しており、コックピットラウンジ、1+2列のプレミアムシート、2+2列のスタンダードシート、全車個室と6両で4種類の座席配置が存在し、スペーシアを上回る豪華な仕様となっている。
6連4本が導入予定で、JR線への直通対応は未定。

100系
日光線系統特急用。愛称は「スペーシア」。
個室などの豪華設備がある、バブリーな東武を代表する名車。
2011年12月から車内設備がリニューアルされたことに伴い、従来のオレンジ帯の配色が変更され、「サニーコーラルオレンジ」に加えて、特定の編成がスカイツリーのライトアップをイメージした「粋」(青帯)・「雅」(紫帯)となり、計3種類のカラーリングとなった。
さらに2015年4月からは、「日光東照宮四百年式年大祭」の開催を記念して、日光二社一寺の建造物のイメージに基づき、金色の車体に黒と朱色の帯を配したド派手な特別塗装車「日光詣スペーシア」が登場した。
2021年からはオリジナルカラーへのリバイバルが開始され、更にDRCのリバイバルカラーも登場し、リニューアル3色は姿を消した。
主に「けごん」と「きぬ」で運用されており、一部はJR直通列車「スペーシアきぬがわ」と臨時列車「スペーシア日光」でも運用されている。
また、500系と共に浅草~春日部間の「スカイツリーライナー」にも使用される。
1991年鉄道友の会ブルーリボン賞受賞。

●200系
伊勢崎線特急「りょうもう」用。
文字通り、東京と栃木・群馬の両毛地区を結ぶビジネス特急。
200系はDRCこと1700系・1720系のモーターや台車を流用して造られたため、足回りがややゴツい。
そのため車歴は50年以上に及ぶ。
赤いためかパッと見は旧世代の小田急ロマンスカーに似てなくもない、かもしれない。
2016年6月から2018年12月までは台湾の鉄道機関・台湾鉄路管理局との友好協定締結記念の一環として、200系の1編成が自強号(特急)「普悠瑪(プユマ)」をイメージした塗装に変更されていた。
老朽化に伴い500系導入後は廃車が進められている。

●500系
26年ぶりに新造され、2017年4月から登場した特急車両。多様性を意味する“Variety”と自由度を意味する“Liberty”を合わせた造語「リバティ(Revaty)」が愛称。
全て3両編成。併結して6両編成にすることも可能で、途中で分割して異なる行先へ走らせることができるなど、目的に応じた多種多様な運行ができるようになっている。
当形式の導入に伴い、6050系・300系・200系・100系の4形式が置き換えられている。
主に日光線系統の「リバティけごん」号と、野岩鉄道・会津鉄道直通の「リバティ会津」号で運用されるほか、「リバティきぬ」号、伊勢崎線の「リバティりょうもう」号、ホームライナー的列車の「スカイツリーライナー」、野田線直通の「アーバンパークライナー」にも使用される。
2018年鉄道友の会ローレル賞受賞。

◆旧快速用
●6050系
東京近郊の私鉄には珍しい2ドアクロスシート車。全て2両編成で、増解結による柔軟な運用が可能なのが特徴。
後述する6000系を野岩鉄道乗り入れに際して冷房化と車体更新を実施した。後年機器類も新造した編成も登場している。
直通する先の野岩鉄道と会津鉄道も同型の車両を所有しており*1、所属による区別はされておらず共通運用となっていた。
29編成(+野岩鉄道3編成、会津鉄道1編成)が製造され、このうち2編成は観光用車両「スカイツリートレイン」634型に改造された。
かつては日光線の快速および区間快速、深夜帯の区間急行、新栃木以北と鬼怒川線の各駅停車用として使用されていたが、2017年4月のダイヤ改正で快速と区間快速が消滅したことにより、南栗橋以北限定の急行・区間急行・普通用となり、浅草口に入線する定期運用はなくなった。
老朽化が著しいことから2017年から廃車が開始され、年を追う毎に減便および20400型への置き換えが進み運用が減少。
2022年3月のダイヤ改正で上述区間での運用は終了し、東武車は定期運用を離脱。会津鉄道所属編成も引退し、定期運用は鬼怒川温泉以北で野岩鉄道所属編成が残るのみ。

◆普通用
8000系
1963年に登場してから半世紀以上に渡り活躍している、東武の汎用主力電車。現役の通勤車両では唯一の鋼製。
一系列で712両という製造数の多さから、同様に大量生産された旧国鉄の103系になぞらえた「私鉄の103系」の異名を持つ。
長い年月の間にちまちまと改良が行なわれてきた&全車に修繕工事を実施したため、原型の前面形状を留めている車両は東武博物館所有の1編成のみ。
レジンを車輪に押し当てて止めるブレーキ構造のため、制動時にやたらと焦げ臭くなることがある。
各駅停車のワンマン運転を行なっているローカル線では、ワンマン対応の改造車が使用されている。
派生形式として、8両固定編成をローカル線用として3両編成に改造した800型と850型がある。

●9000系
有楽町線直通車として登場した、東上線用のステンレス電車。
東武初の10両固定編成かつ12年ぶりの新形式車両となった。
副都心線開業後は同線にも乗り入れている。
VVVFインバータ制御を採用したマイナーチェンジ版の9050型もある。

●10000系
8000系の後継車であり、東武の主力となっている汎用車両。
作られた時期によって車体のデザインや搭載機器が微妙に変わっている。
派生形式として、軽量ステンレスの採用とデザインの変更が行なわれた10030型、VVVFインバータ制御の試作車の10080型がある。
2007年からは修繕工事車も登場したが、一部の車両は8000系よりも先に廃車が始まっている。

●20000系(20400型)
日比谷線直通の2000系置き換え用として1988年に登場。
全車3ドアでチョッパ制御の20000型・編成前後2両ずつが5ドアになりVVVF制御を採用した20050型・全車3ドアに戻されシングルアームパンタを装備した20070型の3グループに分かれる。
後述の70000系の導入により短編成化・ワンマン対応改造を実施し、全車20400型に変身した。
改造の種車から20410~20440型に区分され、5ドア車は無理やり扉を埋めて3ドア車に変身した。
鬼怒川線・日光線南栗橋以北と宇都宮線に導入され、同線の6050系・8000系を置き換えた。
ちなみに改造から外れた中間車の一部は改造されて何とアルピコ交通に譲渡された。

●30000系
10000系列の後継車であり、連結も可能な車両。4両編成と6両編成があり、連結して10両編成になる。
元々は半蔵門線との直通用に作られた車両だが、連結時の中間の運転台の存在が東急田園都市線の混雑においてネックとなったため、直通用の機器を50050型に譲って直通運用から離脱し本線で使用されていたが、2011年以降は全て東上線に転属しており、全車10両に固定化された。

●50000系
東上線用の増発用に作られた車両。派生形式も含めて、全て10両固定編成。
日立製作所の鉄道車両製造技術「A-train」によって作られた。最初の編成のみ非常用の貫通扉を持たない。
アルミ合金のダブルスキン構造により、遮音性の向上と車体の軽量化による省エネが図られている。
30000系と入れ替わる形で2編成が半蔵門線直通用として本線系統に転属している。

●50050型
半蔵門線との直通用である30000系に代わる車両で、東武本線用としては初の10両固定編成。
一部の編成を除き、直通用の機器を30000系から流用している。製造時期により側面の窓の形状が違っている。

●50070型
東上線の有楽町線・副都心線への直通増備用に作られた車両。
東武の車両で初めて行先表示器にフルカラーLEDが採用されている。

●50090型
東上線のTJライナー用に作られた車両。時間帯によってはその他の種別でも使用される。
関東私鉄では初のデュアルシート車で、座席は乗務員の操作で切り替え可能。
TJライナーや川越特急、一部の快速急行などではクロスシートとなり、それ以外はロングシートとなる。

●60000系
本線の中古ばかりが導入され、車両面で長らく不遇であった野田線に専用車として導入された次世代車両。
前身の会社の時代から約70年ぶり、東武野田線としては初の新型車両となる。
50000系列をベースにしつつ、より一層の省エネとバリアフリー化を追求して新設計され、数々の最新技術が導入されている。
今後新車の導入に伴い5両に短縮され、余った1両は新形式に編入される予定。

●70000系
20000系列の後継車となる日比谷線直通用車両。
20m4ドアの7両編成であり、直通相手の東京メトロの13000系とはほとんどの設計が共通化されている。
この車両の導入により、車両長とドア数の違いというネックを解消することで、日比谷線共々停車駅のホームドアの設置が進められる予定。

●70090型
70000系のうち、日比谷線直通ライナー「THライナー」用に作られた車両。
座席がロングシート・クロスシート両対応となっており、(ry

◆その他
●634型
特急「スカイツリートレイン」用として、6050系の2編成計4両を改造した車両。「634」の読みは「ムサシ」であり、東京スカイツリーの全高634mにちなんでいる。
屋根から回り込む形の展望窓が設置され、座席はペアスイート・シングル・ツインに分けられている。また、サロンやイベントスペースなども設けられている。
2017年4月を最後に特急「スカイツリートレイン」としての運行を終え、現在は原則団体専用車両となっているが、時折臨時特急に入ることも。

●C11形207号機
日光・鬼怒川地区の活性化を目的としたSLの復活プロジェクトのために、JR北海道から借り受けたSL。
また、九州を除くJR各社から客車やディーゼル機関車・施設などを譲り受け、
2017年8月から鬼怒川線の下今市~鬼怒川温泉間を走る観光列車「SL大樹」で使用されている。

●C11形325号機
真岡鉄道から譲り受けたSL。
こちらも2020年7月から鬼怒川線の(ry

●C11形123号機
かつて江若鉄道で運用されていた蒸気機関車。
国鉄C11形と同一設計の機関車で、東武入籍後にこの車番に改名した。
2022年7月から(ry

●DE10形
JR東日本から譲り受けたディーゼル機関車。
蒸気機関車を運転する際に必ず最後方に連結される他、蒸気機関車の不調時やメンテナンス時に「DL大樹」として代走する。
2両のうち1両は寝台特急「北斗星」のDD51形に似せたカラーリングに塗り替えられている。

●14系客車
「SL大樹」用の客車で、JR東海とJR北海道から譲り受けた車両の2種類が存在し、塗装はオリジナルだが内装は前者はほぼ原形、後者は急行「はまなす」用に大幅改修されている。

●12系客車
同上。JR四国から譲り受けた車両で、大規模な改造をしたうえで展望車として使用されている。1両は青塗装にグリーン帯、1両は茶塗装に赤帯とかつての客車1等車を彷彿させるカラーリングとなっている。


過去の車両

●1700系・1720系
イノシシを思わせる顔つきの特急車両。「DRC」の愛称がある。
国鉄との日光への旅客輸送対決の切札として投入された。
戦後の頃から様々な新型電車やサービスの投入により対決してきたが、この車両の登場によりシェアのほとんどを奪い国鉄に勝利した。
1700系はもともと貫通扉付きの箱型車体で登場したが、DRC登場後に機器類を流用してDRCと同じ車体に更新された。
スペーシアの登場に伴い引退した後、足回りは200系に再利用され、後に第1編成の先頭車が東武博物館と野田市の清水公園に展示されている。
譲渡された車両の中には、わたらせ渓谷鐵道の神戸(ごうど)駅最寄りのレストランとして転用されたものがある。
業平橋の地下秘密基地に競技専用編成が置いてあるというのは全くのデマである

●250型
1998年に登場した「りょうもう」用車両。
車体の見た目こそ200系と同じだが完全新造された車両のため、モーターや台車などの主要機器は当時増備されていた30000系と同じものが採用されている。
500系の導入に伴い2022年に廃車となってしまった。

●300系・350系
急行「りょうもう」用だった1800系を改造した車両。
6両編成が300系、4両編成が350系となる。
日光線の補完特急「きりふり」号、鬼怒川線の臨時特急「ゆのさと」号、宇都宮線のビジネス特急「しもつけ」号用や夜行列車「尾瀬夜行23:55」「スノーパル23:55」などに使用されていた。
300系は2017年4月のダイヤ改正で、350系は2022年3月のダイヤ改正でそれぞれ引退した。

●1800系
急行「りょうもう」用の車両。
赤い車体に白い帯をつけた車体が特徴で、「ペコちゃん」という通称があった。
200系登場後は一部が300系・350型に改造されたほか、なんと普通列車用に格下げ改造を受けた編成も登場した。
最終増備車の1819編成のみが波動用として1800系のまま残り、ゴールデンウィークや紅葉シーズンに運転される臨時列車として使用されていたが、2018年5月をもって引退した。

●5700系
1951年に登場した日光線用の特急電車。
当初は湘南型の非貫通2枚窓と貫通型の2種類の前面が登場したが、後に全車貫通型に改造された。
優等運用離脱後も団体臨時列車用として長らく活躍し、1991年に引退。
大手私鉄の吊りかけ車で、しかも優等列車向け車両が平成期まで運用された珍しい例であった。
現在は湘南型に復刻された1両と貫通型の前面部分*2が東武博物館に保存されている。

●6000系
日光線の快速用電車として1964年に登場。
8000系をベースとして2ドア片開きの車体、セミクロスシートの内装にしたもの。
1985年から6050系への更新工事が開始され、1986年に引退。
2019年には6050系で本形式のツートンカラーをリバイバルした編成も登場した。

●7300系・7800系
昭和期の東武鉄道を代表する吊りかけ通勤車で、73系・78系とも呼ばれる。
7300系は国鉄から割り当てられた63型電車を更新したもので、それをベースに自社で改良を加えたのが7800系である。
セイジクリーム塗装時代には煤けた屋根との対比から「カステラ電車」の愛称でも親しまれていた。
廃車まで一貫して第一線で使用され、東上線には80年代初頭まで池袋駅に最大8両で乗り入れていた。
7800系は1979年から8000系と同等の車体である5000系列に更新され、2004年まで活躍した。

●5000系・5050系・5070系
で、その7300・7800系の車体更新車がこちら。
7300・7800系の機器を、8000系にほぼ準じた車体に取り付けた車両である。
地味に大手私鉄最後の新造された吊り掛け駆動車でもある。
2006年に5050系が定期運用を離脱、翌年に解体されたことにより消滅。

●3000系・3050系・3070系
乱暴に言ってしまえば「18m版5000系」。
東武形車両とも呼ばれた、旧式の小型車の部品を流用し、8000系と2000系を足して二で割ったような車体に取り付けた車両。
種車が様々なため、見た目は同じでも制御シーケンスが合わないため併結できない組み合わせがあるなど複雑怪奇な形式。
1996年に東武線からは引退。一部が上毛電鉄に譲渡されたが、こちらも2000年に引退している。
前橋市のとある幼稚園に何故か保存されている。

●2000系・2080系
日比谷線への直通運転開始に備えて投入された車両。
東武初の高性能車で、東武の鋼製通勤車では最後までセイジクリームの塗装が残された。
後継の20000系に置き換えられて1993年に全廃。
経年の浅い中間車に関しては一部先頭車への改造を行い、2080系と新規に形式を付与して野田線へ転用し新塗装化も実施したが、無理な改造が祟ったのか本家より早く1992年に全廃された。
登場から廃車まで非冷房であり、2080系への改造後もこれは変わらなかった。

●キハ2000形
1954年に登場した熊谷線用かつ東武唯一の新造気動車。
もともと熊谷線の列車はその鈍足ぶりから「カメ」の愛称がついていたが、気動車でスピードアップしたせいかこの車両も「特急カメ号」と呼ばれていた。
1983年の熊谷線廃線と同時に引退し、現在は1両が熊谷市立妻沼展示館に保存されている。

余談

クレヨンしんちゃん』や『らき☆すた』など、埼玉県を舞台とする漫画やアニメの作中で、東武の電車が登場することがある。
前者は伊勢崎線・日光線では2016年11月から2017年10月までの期間限定で、50050型による『クレヨンしんちゃん』のラッピング列車が登場し、後者は2012年1月から3月まで、秩父鉄道との合同企画で『らき☆すた』と『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』の記念乗車券が発売され、これに合わせて200系1編成に『らき☆すた』のヘッドマークが付けられたことがある。
伊勢崎線の堀切駅周辺はドラマ『3年B組金八先生』の舞台としても知られる。

車両は更新やリニューアルを頻繁に実施し*3、落成から半世紀以上使用するため関東の私鉄では他社への譲渡電車が少なく、むしろ蒸気機関車や電気機関車の譲渡が多いという不思議な現象が起きている。
現在他社に譲渡されて運用されている東武車は、岡山電気軌道に移籍した元日光軌道線の100形とアルピコ交通に移籍した20000系がある。

かつての茶色の制服のデザインを手掛けたのはあのドン小西。雑踏に混じっても利用者が駅員を見つけやすいというメリットがあったが、社員からは目立ちすぎて不評だったとか。

社内で早くから目を付けていたのか、鉄道の制服を着る女性キャラクターコンテンツ『鉄道むすめ』でやたらと優遇されており、

「栗橋みなみ」(東武鉄道の駅務係。名前の由来は南栗橋駅)
「渡瀬きぬ」(東武トップツアーズのステーションコンシェルジュ。名前の由来は渡瀬駅+特急スペーシア「きぬ」)
「春日部しあ」(東武商事のスペーシア車内販売員。名前の由来は春日部駅+特急スペーシア)
「栗橋あかな」(同上。名前の由来は南栗橋駅+日光線の旧有料急行「あかなぎ」)
「川越あさか」(東武鉄道の東上線車掌。名前の由来は川越駅+朝霞台駅)
「鬼怒川みやび」(東武鉄道の特急スペーシア車掌。名前の由来は鬼怒川温泉駅+特急スペーシアのカラーリング「雅」)
「大桑じゅり」(東武鉄道のSL大樹機関士。名前の由来は大桑駅+「大“樹”+り」)

と、東武グループだけで7人もいる。さらにゲスト参加として、前述の
「姫宮なな」(東武鉄道のお客さまセンターコミュニケーター。名前の由来は姫宮駅+七里駅&七光台駅)

宇都宮線沿線の栃木県壬生町おもちゃのまち活性化キャラクターの
「壬生えみこ」(東武鉄道の駅務係。名前の由来は壬生駅+おもちゃのまち駅前の静態保存SL「A3形58号機」)

も含めると総勢9人にもなり、この人数の多さは他に類を見ない。

関東の私鉄はゆるキャラをメインに展開し、鉄道むすめは設定されてもかなり忘れ去られてしまっている事業者が多いことを考えると異例であり、沿線の町おこしなどを兼ねた関連イベントの開催にも積極的であるなど、その力の入れようには並々ならないものがある。



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最終更新:2024年02月17日 20:18

*1 この編成は監督官庁への書類手続きの省略するため、名義上東武から2社へ譲渡されたことになっている。

*2 元々はアルナ工機に保存されていたが、同社の分社化・会社解散に際して東武に引き取られた。

*3 東武では機器類を流用して車体を載せ替えた車両を更新、車両の内外装を改装したものを修繕車またはリニューアル車と呼ぶ。