一人多役(配役)

登録日:2011/07/07 Thu 21:48:11
更新日:2024/02/03 Sat 15:57:31
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一人多役とは、同一作品において一人のキャストが複数のキャラクターを兼任する事を言う。

双子やクローン等、設定上で同じ声になりやすいキャラの場合は一人多役が一般的に見られるが、中には全くの別人を同じキャストが演じる事もある。
類義語に「声優の使い回し」がある。こちらはあまりいい意味では使われず、キャラが多すぎと批判される事も多かったりする。
某数字ッ子集団とか。




【俳優の場合】

ドラマでは一人多役状態になるのはそっくりさんや双子程度。
幼少期の主人公と主人公の子供、青年である孫と青年期の祖父など出番の被らない血縁者同士も定番か。
時代劇ではかつらと衣装に限りがあるためかモブが小道具を変えて何役も演じている。あと毎回違う役で斬られる福本清三とか。
有名どころでは『水戸黄門』で黄門様一向の誰かとそっくりな人物に旅先で出会い、瓜二つの外見が原因でひと騒動というのがお約束のネタである。
舞台の場合だと一人で全ての役を演じる一人芝居、主役とキーパーソンの兼任、脇役の兼任パターンがある。
歌舞伎や大衆演劇では主役が舞台袖や屏風の裏で素早く衣装を着替える「早変わり」で何役も演じる事がある。
スーパー歌舞伎Ⅱ「ワンピース』では市川猿之助がルフィ・ハンコック・シャンクスの三役を演じた。
舞台劇では役者の年齢性別や声など細かい要素はそこまで重要とは言えず、シルエットが男か女か、遠目に見た仕草が益荒雄か手弱女かといった点が最も重要になるためである。

特異な例として、ロバート・秋山竜次が男女問わず一人十二役を演じたドラマ「黒い十人の秋山」がある。
これは「クリエイターズ・ファイル」という秋山が様々なキャラクターになりきる人気コンテンツのキャラクターによる推理ドラマ。
このドラマでは秋山が“なりきる”こと…すなわち一人多役芝居が重要なコンテンツであり、その見た目が同じことは全く問題がなかったため出来たものである。

厳密には俳優ではないが、芸人のコントではボケ役の芸人が一旦舞台袖に引っ込んでまた別のボケ役として登場する展開も多い。


【声優の場合】

アニメにおいては、主に1960年代から1970年代にかけての作品によく見られる。
理由としては現在のように「声優」と言う職業の人間が少なく、アニメは子供の見る物とされ、
時代劇やドラマの「俳優」と比べ劣る職業として他からの協力が得られず、
また制作費も安い為、出演している声優を使いまわすしかなかった為。
野沢雅子によると「何役やってもギャラは一人の時と同じ」らしい。

またモブやガヤ等、態々もう一人起用するほどでもない役にも使われる。

最近では減りつつはあるが、それでも幾つかの作品に、一人多役で演じている声優はいる。
一人の声優が複数のキャラを同時に演じて会話しているシーンは、正に「声優の本気」を体験することが出来る
一方で、アニメ版『リトルバスターズ!!』や、ゲーム『スターフォックスアサルト』の様に、一部キャラの声優変更により多役でなくなるケースもある。

担当声優によってはEDを見た時に「え? 同一人物なの?」と、驚かされることもある。

スパロボ等のクロスオーバー作品では様々な作品が集まる都合上、
声優被りによる意図しない一人多役が発生する事が多々あり、同じキャストが担当された他作品のキャラ同士にネタが仕込まれるのもお約束。
スパロボMXではまさかのセーラームーンネタを某Gガンダムのガンダムにぶつけたりなどはっちゃけたり、
エヴァの出撃を電童のキャラクターがやったりとやりたい放題していた。

また同シリーズでは基本的に声優によるボイスは戦闘シーン及び一部のイベント分のみ収録されているのだが、
通常ならばボイス無しで登場するような非戦闘キャラクターや、
これまでにシリーズへ参戦したことがある為に大半のキャラクターが過去の収録音声を使いまわすライブラリ出演の措置が取られていた場合でも、
新たに参戦した作品のキャラクターとして音声の新規収録を行った声優についてはついでで収録する……なんてこともある。



●前述の本気に定評のある声優一覧

◆市原悦子&常田富士男
1975年から1995年までの20年間放送された『まんが日本昔ばなし』全1470話において、すべての声(ナレーションを含めて)を担当した二人組。二人しかいないので一人多役も自分同士の会話も毎回当たり前。
もはや一人何役とかカウントするのが無理です。


◆並木のり子
『Ragnarok The Animation』にて、カプラサービスのお姉さん達を担当。
カプラディフォルテ、カプラソリン、カプラグラリス、カプラビニット、カプラテーリング、カプラWの一人六役


桑島法子
機動戦士ガンダムSEED』にてフレイ・アルスターナタル・バジルールの一人二役。
よく聞けば桑島だと分かるが、見事な演じ分け。
フレイとナタルの両方が同一シーン中に発言した機会も何度かあるが、桑島は別撮りせず一度に収録したという。
但し、流石にこの二人が会話している場面は除くとのこと*1
続編の『DESTINY』ではステラ・ルーシェを担当し、SEEDシリーズでは計三役、
非レギュラーキャラクターのヴィア・ヒビキ(キラの実母)、幼少期のレイも含めれば計五役を演じた。
何の因果かこれらは全員死亡している

ベターマン(BETTERMAN)』では一人三役(都古麻御、へーちん、チャンディー)の兼役。
都古麻御は普通に女性役、チャンディーは音響効果付きの声で分けられているが、へーちんは 26歳の男性
しかも最終的に精神が壊れておかしな事を口に出し続ける役だった。
また、残り二人もラストは都古麻御がチャンディーに殺されるという桑島が桑島を殺す展開だった。


川上とも子
シャーマンキング』での碓氷ピリカ(ロリ)、ミイネ・モンゴメリ(お姉ちゃん)、ルドセブ・ミュンツァー(ショタ)の三役。
川上の逝去により、『シャーマンキング』のアニメ完全版が頓挫するのではないかという程重要。
なお、同作は講談社版に準じた再アニメ化が決定しており、2021年春に放送。
ピリカは日高里菜が、ミイネは永井真里子が、ルドゼブは富樫美鈴がそれぞれ引き継いだ。
というか当作は彼女や声優を退いた旧麻倉葉役の佐藤ゆうこを除いても主要メンバー以外は割と配役の変更が多い。


野沢雅子
我らが『ドラゴンボール』の主人公孫悟空の声優。
息子の悟飯悟天、劇場版のターレス、『超』のゴクウブラック、テレビスペシャルのバーダックや孫悟空Jrの声を使い分ける元祖一人多役声優の一人。
アニメですら凄いが、ドラゴンボールのゲームソフトでは悟空の少年期、青年期、壮年期、悟飯の幼年期、少年期、青年期等が別キャラクターとして登場し、
スーパーサイヤ人1~4潜在能力開放身勝手の極意といった各種形態への変身やゴジータベジットゴテンクスへの合体といった要因でもそれぞれ口調が変わる為、なんと数十種類の声を演じ分けている。
野沢によるとこれだけ演じてもギャラは悟空一人分だけだったとのこと。

ドラゴンボールZ Sparking! METEOR」では参戦キャラクター161人中35名を担当。
「ドラゴンボールファイターズ」では「野沢雅子オンリーチーム」どころか「野沢雅子オンリー大会」やら「野沢雅子チームvs非野沢雅子チーム対抗大会」まで開ける。なんだこれ。
なお、アニメではキャスト紹介時、野沢雅子が演じたキャラクター(悟空、悟飯、悟天など)は全員登場するが、それ以外の声優が演じたキャラクターが2人いる場合は、片方しか名前がない(例としてクリリンとヤジロベーならクリリンしか名前がない)。


中田譲治
TYPE-MOON作品には欠かす事の出来ないご存じ我らがジョージ。
残虐な吸血鬼を演じたり、謎の生物(ナマモノ)を演じたりと忙しい。
ドラマCDの一人六役の演技は圧巻。


大塚芳忠
新・光神話パルテナの鏡』にて、冥府神ハデスと戦車の主を兼役。
この二人は19章にて同時に登場するが、ノリの軽い陽気なおじさんストイックな老兵という真逆の配役を同画面内で全く違和感なくこなす達人技を披露している。
大塚が人気声優だけあって、すぐに気がついたプレイヤーは多いと思われるが、そうでなければ同声優であると気が付かないかもしれないほど。
ちなみに、冥府神ハデスの方が陽気なおじさんです。


若本規夫
サザエさん』でみんな大好きアナゴさん、花沢父、湯水、泥棒、三河屋主人も兼ねている。

なお、『サザエさん』はゲスト声優が少なく、番組レギュラーでなんとかする作品で、全体に兼ね役が多い。
大ベテランの桂玲子もイクラと大空かおりの二役、山田礼子もお軽さん、裏のおばあさん、タケオ、橋本の四役(ほか高齢女性、たまに少年のモブ)を演じている。
女性キャスト陣の年齢層がかなり高いため、比較的若い川崎恵理子は特に兼ね役が多く、中年未満の女性・少年・少女のゲストキャラクターやモブをほぼ一人で演じていた時期もあった。
(※タイコ・堀川役の塚田恵美子から小林さやかへの交代後は、女性と少年は2人でまかなっている)
メインキャストでも、ワカメ役の津村まことはたまにモブ役を演じている。


高山みなみ
魔女の宅急便』でキキとウルスラの二役を演じ、二人の会話シーンはリアルタイムで演じ分けた。
また、コナンの『人気アーティスト誘拐事件』や『ツバサ』のOVAでも一人で会話している。
天空のエスカフローネ』ではサディスティックな美少年であるディランドゥを鬼気迫る演技で表現する傍ら、幼い王子であるシド、そしてディランドゥの元の人格であるセレナを演じている。

特にキキとウルスラは、オーディションの結果、両者ともに高山しか適任者がいなかったという。恐ろしいことである。


新井里美
まほらば』で蒼葉梢、赤坂早紀、金沢魚子、緑川千百合、紺野棗の五役を演じている。


竹本英史
『モノノ怪』では主人公の装備武器+各エピソードのゲストキャラ一名というやや変則的な一人多役を行っている。
『モノノ怪』は全五話なので、旧『怪~ayakashi~』版の分も含めれば実質七役となる。


◆FROGMAN
基本的に蛙男商会制作作品(『秘密結社鷹の爪』等)における登場キャラの声殆ど全てを担当している。
一番地声に近いのはデラックスファイター。


水島大宙
さよなら絶望先生』の兼ね役王。
主役の神谷浩史は「大宙がいなければ絶望先生は無い」と語り、
音響監督のチャック亀山は抜いてくれと頼まなければ抜かない鬼畜だったらしい。
『絶望先生』では出演声優の大半が脇役や端役の声を兼任する事が多かった。中には一人で複数のレギュラーキャラを兼任した例もあり、後述の上田燿司の他、矢島晶子が新井智恵・糸色倫・糸色交の三役を担当していた。


◆上田燿司
『さよなら絶望先生』の影の功労者で、総理モノマネに定評がある。
ラジオ冒頭のミニドラマでは臼井、万歳橋、時田、甚六を通しで演じて視聴者を驚かせた。
現在ではアニメ出演も多いが元々は洋画の吹き替えを中心に活動。吹き替えで3役は当たり前とのこと。
サンプルボイスではX-MENを1人5役で演じている。


うえだゆうじ
おじゃる丸』や『ギャグマンガ日和』で主題歌からメイン・モブ何でもこなす変態声優。

なお、『ギャグマンガ日和』では前田剛、名塚佳織、矢部雅史、内藤玲も同じくメインからモブまでなんでもこなしている。
特に前田はメインシリーズのキャラクターである聖徳太子、曽良、クマ吉3人を演じている。


飛田展男
星のカービィ』ではコックカワサキを始め、多くのモブを演じている(ほかの共演者にも言えるが)。
また、本作の中でも屈指のカオス回として知られる49話ではカワサキがカブーを演じるという中の人ネタが出ている。


小西克幸
アニメ版『ポケットモンスター』(アニポケ)の初代から『ダイヤモンド&パール』まで、人からモンスターまで(♀の個体まで!)様々な役を演じ、
対決するポケモン同士役と審判役で画面にいるキャラがほぼ小西しかいない状態になることも。


◆西村ちなみ
アニメ版ポケットモンスターでは無印の頃からジュンサーといった人間キャラだけじゃなく様々なポケモンを演じている。


たかはし智秋
アニポケ『ベストウイッシュ』にて、順調に第二の小西になりつつある。
またリメイク版『ヤッターマン』の次回予告ではオモッチャマとネエトンの二役を演じた。


古島清孝
アニポケは勿論、『イナズマイレブン』でまさかの“オレサマイレブン”を結成。


◆佐藤正治
東映アニメーション作品(キン肉マン、北斗の拳)では数えることが不可能な位、数多くの脇役、端役を演じている。
某番組における声優の顔出し企画にて「あまりキャラクターについては覚えてはないんですよね……」と語ったエピソードも有名だろう。


立木文彦&くじら
らき☆すた』のモブの殆どを二人でこなし、更に演じたキャラクターが全てクレジットされる為エンドロールがカオス。


◆山田真一
勇者王ガオガイガー』にて、氷竜、炎竜、風龍、雷龍の竜型ビークルロボと、
その合体形態の超竜神、撃龍神、幻竜神、強龍神の一人八役を丁寧に演じきった。
他、『ガオガイガー」では声優の兼任が多数見受けられる。
これは音響監督の千葉耕市に「全ての登場声優に(一応、主演の檜山修之は例外。やったけど)二人以上の役を演じさせる」という考えがあったため。


◆坂東尚樹
勇者シリーズ作品での本格的な一人多役はこの人が先。
黄金勇者ゴルドラン』にて、四人組ロボットチームシルバーナイツとその合体後を一人で演じた。
山田氏の担当は兄弟ロボで声や性格が多少似ている設定だったのに対し、
こちらは単なるチームで、メンバーの性格も優等生、陽気、実直、お調子者とバラバラなので、
人数的に少なくても担当声優に求められる技量を考慮すればこっちも負けていない。
役得はスポンサーから貰える担当ロボの玩具を一人で四体分貰えたことらしい。
後の『妖怪ウォッチ』でもじんめん犬ロボニャン等数多くの妖怪に声を当てているそして2匹ともコマさんに説教される羽目に


◆垂木勉
『ガチンコ!』のファイトクラブやラーメン道他の「一体どうなってしまうのか!」等で有名なナレーションの人だが、
中井正広のブラックバラエティ』ではクレッシェンドくんを始め、多数の男性(?)色物キャラを演じ、
ナレーションの時とは(いい意味で)落差が酷い声が聞ける。


◆浦和めぐみ
デジモンアドベンチャー02』で火田伊織と彼のパートナーであるアルマジモンを兼役。
当然日常的に一人芝居状態となっており、挙句キャラソンでは一人デュエットというちょっと何言ってるのかよくわからない状態に。


岸尾だいすけ
デジモンクロスウォーズ』にてゼンジロウ、ベルゼブモンブラストモンを兼役。
作中でゼンジロウがブラストモンの物真似をしようとする場面があった(止められたが)。
ちなみにベルゼブモンは勇者王、ブラストモンは若本御大と間違えられ易い。
ネタではあるが某ラジオでは一人100役をこなした。
このほかにもデジモンシリーズ(特に初代と続編の02)は声優の本気による一人多役が多い。


青野武
天地無用!魎皇鬼』にて、柾木勝仁(天地の祖父)と柾木信幸(天地の父)の二役。
三期の会話シーンは流石ベテランの演技力。


民安ともえ
リトルバスターズ!』において、直枝理樹(主人公)、
棗鈴(メインヒロイン)、笹瀬川佐々美(メインヒロインのライバル)と言うありえない三役をこなした。
『リトルバスターズ!』のWebラジオ、『ナツメブラザーズ』では、パーソナリティとゲストを行うという神業までやってのけた。


◆すずきけいこ
智代アフター』において、坂上鷹文、河南子のカップルを一人で演じ分けた。
同keyブランドの『リトルバスターズ!』においては三枝葉留佳二木佳奈多の双子ヒロインを見事に演じ分けている。
そしてkey作品キャラが一堂に会する『かぎなど』8話においては上記四人に加えてRewrite中津静流planetarianのほしのゆめみも加えて1人6役のすずきけいこ劇場を演じてのけた。


◆『ガイキング LEGEND OF DAIKU-MARYU』の声優全般
48人もいる大空魔竜のスタッフに多くの敵キャラクター。
流石にキャラ全員別々に個別に声優を当てる訳にもいかないので、
ほぼ全ての声優が何かしらのキャラを兼役している。


ゆきのさつき
ひぐらしのなく頃に』において、園崎魅音園崎詩音の双子姉妹を一人で演じ分けた。
こうした場合、二人の掛け合いシーンではキャラごとに別々にアフレコするのが通常だが、彼女の場合キャラを切り替えながら同時にアフレコしたという。


林原めぐみ
一人他役で有名な閣下の出演作品と言えば『新世紀エヴァンゲリオン』とアニポケであろう。
特に初期のアニポケでは出てくるポケモンが、閣下を筆頭にメインキャラの兼役ばかりだった事も珍しくなかった。


◆三木眞一郎
アニポケでコジロウや初代ポケモン図鑑など多数の役を担当。
特に各期でのサトシや仲間のポケモン役も演じてきた結果、それらが再登場した上にゴウのポケモンまで複数演じた最終シリーズでは小西氏や林原氏共々かなり忙しいことに。


山寺宏一
日本一の声優として君臨し、七色の声を持つと言われる、我らが山ちゃん。
『それいけアンパンマン』にて主要人物であるチーズ、カバ夫くん、かまめしどんの他にも、あさりどん等の一回きりのゲストキャラクターも多く担当。
さらに2019年8月の増岡弘氏の退任後はジャムおじさんも担当するようになった。
またゲームの『キングダムハーツ』では、原作で自身が演じていたドナルドダック、ジーニー、ビースト、セバスチャン、スティッチ等も務め、
一つのシーンの全キャラのアフレコをたった一人でこなした等の逸話を持つ。

これ以外ではリメイク版『ヤッターマン』で、
ナレーション、ヤッターワン、ヤッターキング、ヤッターペリカン、ヤッターアンコウ、ヤッターモグラ、ヤッタードラゴン、ヤッターコング、
ヤッタージンベエと全てのメカや、おだてブタ、おほめブタ、なげきブタ等のコクピットメカを演じた。

アニポケ映画作品では『おはスタ』の司会者を勤めていた縁で全作品にメイン級のキャラで特別出演しており、クレジットで彼の名前を見ない作品はない。
上記の件もあって、業界では「困ったときの山寺」*2という言葉も生まれたとか。


後藤邑子
真剣で私に恋しなさい!!』にて、黛由紀江&松風の二役を演じている(松風はまゆっちが腹話術で喋っている設定)。
アニメ版においては第3話Bパートのほぼすべてまゆっちと松風がひたすら会話していたのだが、それをテストなしの状態で通しで一発録りした。

嶋崎はるか
主にタカラトミーの玩具、プラレールやトミカに関わる作品への参加が多い女性声優だが、
代表作とも言えるアニメ『超特急ヒカリアン』では主人公ロボットの300系のぞみ号と、
人間ヒロインの神田ミナヨをするという前代未聞の演じ分けをしてみせた。
30分番組内のコーナーアニメなので他にも兼役は多いとはいえこの組み合わせは流石に珍しい。


◆金田明夫
STAR WARSにて賞金稼ぎジャンゴ・フェットの日本語吹き替えを担当し、
当然ながらジャンゴのクローンであるクローン・トルーパーの吹き替えも兼役した。
映画本編においてクローン・トルーパーが会話するシーンはあまり多くなかったのだが、
アニメシリーズの『クローン大戦』や『クローン・ウォーズ』ではクローン戦争を中心に描いているため、戦場で戦うトルーパーの会話シーンは激増した。
特にこのアニメシリーズでは映画本編における脇役にもスポットが当てられるため、クローン・トルーパー達が主役の話もあったりする。
5~6人のクローン・トルーパーが集まって同じ声で話し合うシーンはそこはかとなくシュールな光景である。
おまけに戦う相手がドロイド(ロボット)である関係上か、トルーパー一人一人に強烈な個性(粗暴だったり気弱だったり)が与えられており、
それを同じ声で違和感なく演じ分けてみせる様は圧巻である。


◆チャールズ・マーティネー
人気キャラクターのマリオを中心としたヒゲキャラクターを兼役しているが、実はキノじいもこの人。
またベビィの頃や過去にドンキーコングを兼役した事がある。


千葉一伸
アニメでは千葉和伸を中心とした複数の脇役を担当するが、
格闘ゲームではジェダ=ドーマやDIO、風間仁と言った主要人物を多く兼役した。


◆一龍斎貞友
ちびまる子ちゃんにおいて、さくらすみれ(お母さん)と小杉の二役を演じている。
随分印象が違うため、初めて知った人は結構驚く。


◆下田麻美
『アイドルマスター』で双子のアイドル双海亜美・真美を、『VOCALOID』で男女コンビのボーカロイド鏡音リン・レンの声を担当。
特に2人のリン+レンが共演する楽曲『South North Story』をカバーした際は事実上の1人3役での歌唱をこなしている。


田中真弓
子供番組『おーい!はに丸』にて、主人公はに丸(子供声)の声を担当する傍ら、画面に出て「魔女おばさん」(きり丸風声)等としてはに丸と共演した。
またお供「ひんべえ」の担当声優の安西正弘も似た様な事をしていた。2人とも劇団「テアトル・エコー」出身だったので出来たことだろう。
後年に同じく子供番組の『マホマホだいぼうけん』では更にホーキー(人形キャラ)の声とウィッチー(実写出演・毎回声のみで芝居をするシーンもあり)という兼ね役で出演している。


風間俊介
遊戯王武藤遊戯と彼に宿ったもう一人の遊戯こと闇遊戯を演じた。
最初ははっきり言って下手すぎたがメキメキと上手になり、ラストデュエルの遊戯VS闇遊戯の演じ分けは見事としか言いようがない。

また後のシリーズでも遊城十代/覇王十代(KENN)、アストラル/ブラック・ミスト入野自由)、榊遊矢/ユーリ/ズァーク小野賢章)のように二面性の役を演じる人がいる。


上坂すみれ
アズールレーンではサラトガ、クイーン・エリザベス、ウォースパイト、ドイッチュラント、明石を演じているが、このうちドイッチュラント以外はアニメで重要なポジションにあり、特にクイーン・エリザベスとウォースパイトは会話が何回も存在する。
誰が言ったか「上坂すみレーン」。
また、同じ艦艇擬人化ゲームである戦艦少女Rでキャラボイスが実装された際、響/ヴェールヌイ、レシーテリヌイ/長春、キーロフの3人、つまりボイス持ちロシア艦は全員上坂が担当。。彼女が大のロシアオタクであることに因んだキャスティングであろうことは想像に難くない。


内田真礼
乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…における、カタリナ・クラエス役がある意味該当する。
このアニメ、カタリナの脳内会議という形で本体のほかに5人の思考パターンが出てくるのだが、その全て(議長・強気・弱気・真面目・ハッピー)に
それぞれ【カタリナ・クラエス(〇〇) 内田真礼】とクレジットが打たれている。それも毎回。
一応、全員カタリナ・クラエスなことには間違いないのだが、クレジット上では大抵の回で一人6役をこなしていることになる。
カタリナの前世やアレクサンダーやポチも担当しているため、第1期の第7話や第2期の第9話と同第12話では7役、劇場版では8役状態となっていた。
カタリナ本人の演技も5歳の時と幼少期(8~10歳)と15歳以上の3種類があるので、合計で11通りの声を出していたことになる。
メシ声では、#29『出汁沁みまくりおでん!8つの具材の頂点は?!』で大根・たまご・ちくわ・がんもどき・白滝・はんぺん・ウインナー・こんにゃくを演じている。


置鮎龍太郎
上記無双シリーズ以外にも、スーパーロボット大戦で多数のキャラを演じている。
いろんなアニメが参戦している以上兼役が出るのは当然…と思いきや、置鮎はオリジナルキャラだけで14役も演じている
余りにもやりすぎた為、スカルナイト立候補時には「置鮎さんやり過ぎなんで今回はご遠慮ください」とスタッフに言われたらしい。…そのスカルナイトはちゃっかり演じているが。
名探偵コナンでも沖矢昴綾小路文麿の2役を演じており、初期に複数回登場したマジシャンの真田一三を含めると3役を演じている。


森川智之
様々なゲーム、アニメで声をあてていた彼であるが、アニメ「神々の記」では主題歌から、ナレーション、登場する人物、神様、果ては敵国の指揮官からモブ兵まですべて一人で演じきった。
OPのキャストがすべて「森川智之」だけなのはまさに衝撃。
デジモンアドベンチャー02』では悪役である及川悠紀夫、その部下マミーモン、真の黒幕ベリアルヴァンデモンを見事に演じ分けている。(余談だが、彼らの声が同じなのは偶然ではなく設定上の理由。)

◆伊藤彩沙
少女☆歌劇 レヴュースタァライト -Re LIVE-とバンドリ! ガールズバンドパーティ!とのコラボレーションで花柳香子と市ヶ谷有咲を一人で演じ、愛城華恋が「前世が一緒とか?」とつっこまれる事案が発生し、専用のスチルまで作られた。


◆天津向
本職は芸人だが、ちょぼらうにょぽみ原作作品のあいまいみー、不思議なソメラちゃんで声優を担当。
男性声優が彼一人の作品もあり、ナレーション、男性、謎生物などを多数演じている。
演じた多数のキャラやナレーションの台詞を挟んだカオスなキャラソンもある。


◆伊武雅刀
学校のコワイうわさ 花子さんがきた!!(無印)において、花子さんとホワホワ以外のすべての役を担当。
基本はナレーションだが、小学生の女の子だろうが幽霊・妖怪と言った人外の存在だろうが関係なく演じる様はなかなかにシュール。
ちびっこだった当時は何とも思わなくても、大人になってから事実を知って衝撃を受けたという人は少なからずいるのではなかろうか。


◆せいじろう
デスクリムゾンの主人公コンバット越前役だが、実はゲーム内ボイスの大半を演じている
ダニー!グレッグ!生きてるか!
ああ、なんとかな!
の会話は声色を変えんとする努力こそ伝わるものの、やはり同一人物が演じているのがバレバレである。


上田麗奈
てさぐれ!部活もので園田姉妹を始めとするモブキャラの多くを演じた。園田姉妹は長女の萌舞子以下18人(六つ子が三組)という人数だけで個々のキャラは決まっていなかったため、他の出演者のアドリブで決まった設定に合わせて演じさせられたこともあり、シリーズ全体では20人を超えた。明らかに姉妹じゃない園田一族も混ざっている。


本渡楓
魔女の旅々の主人公イレイナ役だが、アニメ最終回で22人のイレイナが一堂に会した。「主人公のイレイナ」以外は本編と異なる旅路を経験したため性格や口調が変わっており、中には人間をやめてしまった子もいる。


高木渉
ロックマンX6にて4役演じ、ロックマンシリーズ全体で見ると11キャラを演じている。ロックマンシリーズではここまでやっている声優は他にはいないだろう。


◆横山智佐
ロックマンDASH』シリーズの外伝作品『トロンにコブン』にてコブン40体を演じ分けた。


松本保典
ロックマンX4で明らかに声質が違う仮の姿と真の姿両方のダブルを演じ分けた。


◆水橋かおり
日本一ソフトウェアの看板作品であるディスガイアシリーズでは初代主人公のラハールを演じ、その他にも同社のゲームでは多数のキャラクターを担当していた。
ディスガイアシリーズは世界観のスケールが壮大であり、DLCでは過去作のキャラクターはもちろんのこと自社コラボによる他シリーズからの参戦も行われており、CV水橋かおりのキャラが6~7人いる事もザラにある。

◆島田敏
エルドラン+2役ずつ演じている「エルドランシリーズ」、ヘムヘム(10期以降)ほか多数を演じる「忍たま乱太郎」、ワポルフォクシー等を演じる「ONE PIECE」、活弁士のごとくナレーションと大半の台詞を担当した「ウルトラスーパーファイト」など。特徴的な声色ゆえによく聞けば分かることも多いが、声質を変え見事に演じ分けている。


●前述の本気を見られる作品一覧

ONE PIECEの声優陣
メインメンバー達による本気のお遊び。
一味以外のキャラをどこかしらで演じており、キャラクターによっては『粗忽屋○○店』名義で担当している。元祖はカルーを演じた平田広明
第二部冒頭に登場する偽物の一味の声は、『粗忽屋』関連名義の本家声優陣がシャッフルで担当した。
矢尾一樹はジャンゴ→ボンクレーを経て自分がいつ一味に入れるか作者に問うた後、アニメスタッフが矢尾の起用を前提としたキャラクターの登場を尾田に要望した結果、本当にフランキーとして加わることに。
なお、チョッパー役の大谷育江やブルック役のチョーも、レギュラー出演前にゲスト出演を経験している。
『ONE PIECE』は長年放送が続いている関係上、一度出演した声優が後に別役で再起用されるケースが珍しくない。
キャスティング担当である青二プロダクションの所属者の場合、新人・無名時代に群衆やガヤといった端役で出演していた声優が、後に主要キャラで再出演という事もある。第1話に端役で出演していた神谷浩史は、やがてトラファルガー・ロー役に抜擢された。
なお、青二プロ所属者ではないが、園部啓一も多数の役柄を演じた声優の一人であり、レイリー役に抜擢される前はイガラムやマッキンリーといった様々なキャラクターで度々出演していた。


艦隊これくしょん -艦これ-の声優陣
旧帝国海軍の艦船をモチーフとしたキャラが多数登場する艦これ。
稼働当初からの艦娘は同型艦を、追加艦娘はゲーム中で同時期の実装艦を基本的に同じ声優が演じている。
そのため数が少ない戦艦や重巡洋艦は姉妹兼役が多く、姉妹艦が多い駆逐艦は実装が長期に渡り姉妹で声優がバラバラになりやすい傾向がある。
ただし建造時期などの歴史的経緯由来で、同型艦でも最初から異なる声優が演じている場合もある。

今のところ複数の役を受け持っていないのは伊401役の伊瀬茉莉也、親潮役の本渡楓、Intrepid役の久保田ひかり、Fletcher役の宇民祐希、Hornet役のファイルーズあい、梅役の梅澤めぐとごくわずかで他は全員が何かしらの役を兼任している*3
比較的若手が多いながらも演じ分けされており、特に藤田咲(一部陽炎型、扶桑型、赤城など)や、
井口裕香(天龍型、前期長良型、利根型、加賀など)、味里(伊19、伊8、武蔵)がまるで違うタイプを演じている事に驚いた人も少なくないのでは?
ちなみに最も担当キャラが多いのは日高里菜で夕月(艦これ未実装)を除く睦月型全てと龍驤の合計12役。
味方のキャラ(艦娘)だけでなく、新規艦娘が初登場した際のイベントのボスの声も同じ声優が担当することも多い。

ドラマCDやキャラソンでもキャストは原作ゲームと同じで、そのほとんどが同型艦が多数出演する(歌う)もの。
そのため東山奈央佐倉綾音洲崎綾、宮川若菜らはその場で複数のキャラを演じ分けて(歌って)いた。
2015年のアニメでも例によってキャストは原作と同じであり、多くの出演者が1話中で複数の名前ありの役を演じている。
場面によっては画面に映っているキャラ5人が5人とも佐倉綾音なんてシーンもある。
そのためエンドクレジットでは通常とは逆に「声優の名前を先に置いてその声優が演じた役名を列挙」という特殊な表示形式が取られた。
実際のアフレコではキャストの負担軽減のため一発撮りはせず、ワンシーンごとに収録。
同じ声優のキャラクターが二人以上で掛け合いするシーンが出た場合は、
ひとつのシーンで一度収録した後にもう一度同じシーンで別のキャラを演じるという措置を取っている。
ただし、井口裕香は劇場版の際に「その場で切り替えて掛け合った方がやりやすい」という考えだったため、まとめて録った事を明かしている。
なお同作にて井口キャラが掛け合う場面はほとんどなかったが、「奈央ちゃんもその場で切り替えるタイプだったはず」と東山奈央もまとめて録っていたらしきことを示唆している。
実際、とあるドラマCDでは東山奈央が演じた金剛型四姉妹+高雄型四姉妹+金剛型四姉妹の口調シャッフルverという事実上の一人12役をほぼ一発録りで収録していたらしい。


魔法少女リリカルなのはStrikerSの声優陣
登場人物の大量増加もあって一人多役を務める声優も一気に増える形に。
特にナンバーズ(魔法少女リリカルなのは)はドゥーエを除いてその全員が多役声優の演じ分けによるものである。

ギンガ・ナカジマ、ウーノ、トーレを演じた木川絵理子、
スバル・ナカジマ、クアットロ、ノーヴェを演じた斎藤千和
エリオ・モンディアル、チンク、ウェンディ担当の井上麻里奈
ユーノ・スクライア、セイン、ヴィヴィオ担当の水橋かおり
ルーテシア・アルピーノ、オーリス・ゲイズ、セッテ、アルフ担当の桑谷夏子
シャリオ・フィニーノ、オットー、ディード担当の伊藤静
アルト・クラエッタ、ディエチを演じた升望。

また、ナンバーズ担当声優を除いても、
ティアナ・ランスター、メガーヌ・アルピーノ、ラグナ・グランセニックの中原麻衣
シグナム、ミゼット・クローベルの清水香里
シャッハ・ヌエラ、マリエル・アテンザの阪田佳代。
リインフォースⅡ、ルキノ・リリエのゆかな
カリム・グラシア、アイナ・トライトンの高森奈緒。

更に変わったところでは、
無印やA'sを跨ぐ形になるが高町士郎とザフィーラ一条和矢
主と召喚竜という形で演じ分けたキャロ・ル・ルシエ、フリード担当の高橋美佳子
デバイスの担当声優に追加してサブキャラの声も貰えたレヴァンティン、グラーフアイゼン、ストラーダ、ラッド・カルタス担当の柿原徹也

などなど、羅列するととにかくキリが無いといった有様である。
というかナンバーズ内ですら同一の声優が演じている場合が多いのに、そのどれもにしっかり個性が現れている辺りが流石プロといったところか。
兼任役の大半が喋った時間は全話通して数分足らずのチョイ役ばかりとか言ってはいけない。

余談になるがスバルとノーヴェは境遇や戦術が非常に似通った関係であることや、作中でも直接相対していたことなどから、
誰が呼んだかその光景を痴話喧嘩ならぬ千和喧嘩などと言ったりすることも。


トランスフォーマーシリーズの声優陣
コンセプト的にシリーズを通して名前持ちのキャラが非常に多く、必然的に一人多役が頻繁に見られる。
声が同じ敵と味方がいたり、同じ声同士でいがみ合う奴がいたり、上司と部下の担当声優が同じ人だったりするのはしょっちゅう。

◆アニメ版『キン肉マン』の声優陣
初代アニメ版は敵も含めると登場人物が多いため、主役であるキン肉マン以外は大抵は主演陣の兼役。
例えばテリーマン役の田中秀幸はペンタゴンやスプリングマン、プラネットマン、カレイヤスなども演じている。
委員長役の北川米彦はカナディアンマン等も演じているが、悪魔将軍とビッグ・ザ・武道も演じており2シーズン続けて大ボスを演じることとなった。
アナウンサーが解説してるかと思いきや五分刈刑事だったという声優ネタもあったりする。

ガールズ&パンツァーの声優陣
キャラ数が非常に多いためか、上坂すみれ喜多村英梨などは、他校の生徒+大洗の生徒を兼ね役で演じていた。
ガールズ&パンツァー 劇場版』では、ノンナたちが戦線離脱し、一人気張ろうとするカチューシャを上坂氏演じるぴよたんが励ますシーンがあり、
上坂はこのシーンを録る際、「これ私が言うんだ」と兼ね役の面白さを感じたという(上坂はノンナとぴよたんの兼ね役)。
アヒルさんチームの近藤妙子を担当する吉岡麻耶はアンチョビと兼役だが、これはアンチョビは元々は一言呟くだけのガヤ同然の役だったため、
メイン声優から「誰かやりたい人いる?」と募集をかけたら真っ先に手を挙げたのが吉岡氏だったため氏に選定されたとの事。
アンチョビは後にOVAで対戦相手側のメインキャラとなり、続く劇場版やドラマCDなどでも大活躍する大出世を果たしたため、
下手をすると本来の担当キャラよりもサブ担当キャラの方が台詞が多い可能性があるという珍しい事態が起きている。

特筆すべきは井澤詩織で、カモさんチーム(風紀委員チーム)を全て一人で演じる一人三役をこなした
ちなみに見た目こそそっくりだが性格は各々違うため、同じ声優とは思えないシーンが多々ある。
一方、井澤としては自分の担当キャラも戦車に乗ると聞いて他に誰と組むのかとワクワクしていたら、
他のチームメンバー二人も自分で当てると聞いて激しく落胆したという。
しかし劇場版のクレジットではまとめて表記せずに別々に表記されて嬉しかったとか。

なお、アニメ版でのクレジットは一人一役でしか登場しない為、主に他校の生徒を演じている大洗女子のメンバーは登場しない事が多く、妙子とアンチョビを演じた吉岡は、OVAでのクレジットはアンチョビしかなかった。

最終章では「相手高校の車長」の描写が格段に増えたこともありそれに比例して兼役も非常に増えた。
主人公チームであるあんこうチームのメンツもみほ以外全員がメイン以外の誰かしらを演じているレベル。
恐らくは試合を観戦しているだけなのでセリフが少ない声優を遊ばせるのは勿体ない為にこのような形になっていると思われる。

但し、キャラの台詞の量に関係なく一役のみを演じている声優も多い。中でも、作中では滅多に喋らない無口キャラとして知られる丸山紗希役の小松未可子は、TVシリーズ最終回での一言及び劇場版での二言のみの出演となっている。
他にも東山奈央はエクレールとして登場しているが現状セリフが数個しか無い。果たして次の出番はあるのだろうか。


たまごっち!シリーズの声優陣
多くのたまごっちは各シリーズの同じ声が多く、一人多役が頻繁に見られる。
めめっちやくちぱっち等の声優は兼役した事がなかったが、まめっちやラブリっち、メロディっち等の主要人物が圧巻である。


プリティーシリーズの声優陣
伊藤かな恵はプリティーリズムのゲーム筐体時点からりずむと赤井さんのニ役をこなしており、アニメオーロラドリームでは天宮りずむ役こそ降板したものの神崎そなた、久里須かなめ、ナレーションと四役を兼任し、ディアマイフューチャーでは更にヘイン役も兼任して一人五役となった。
他には明坂聡美が藤堂かのんとチェギョン役を兼任しているほか、Prizmmy☆(アニメ)メンバーそれぞれのペアチャムは対応するアイドルの役を演じている声優が兼役している。

プリパラでは南條愛乃が愛媛なお、白井ななみ、徳田ねねとサブキャラ三役を兼任し、 寺島拓篤はマネージャーのウサギとひびきの執事安藤玲とレギュラー二役を兼任している。
また、赤﨑千夏ファルル・鍋島ちゃん子と(準)レギュラー二役、佐藤あずさは緑風ふわり・ファララ・ア・ラームと2ndシーズンとアイドルタイムプリパラの中心人物で二役、上田麗奈黄木あじみ・ジュリィ・地獄ミミ子と2ndシーズン以降の追加キャラを各シーズンにつき1人、計三役を兼任しており、3人は演じた役全てでライブシーンも演じている
アイドルタイムプリパラではらぁら役の茜屋日海夏を除くi☆Risメンバー全員が新登場のマスコット役を兼任。若井友希・久保田未夢の2人は更に準レギュラーとして登場するゆいの周りを囲む知人すず、はなもそれぞれ兼役している。

極めつけは田中美海で、(全員同一人物とはいえ)真中のん、じゅのん、ぴのん、かのんの四役を演じ分けている。更に作中のライブシーンどころか現実のライブにおいても、1人でその場で声を変えて三者三様の歌い分けをこなすという芸当を見せている。

ちなみにシリーズ内でクレジットには一人一役ぶんしか表示されないという決まりがあるが、田中だけは例外的に全員同一人物ということもあってきちんと4回クレジットされている。


キルミーベイベーの声優陣
チョー氏・新井里美女史がそれぞれ「エトセトラボーイ」「エトセトラガール」として
ナレーションの他、その回のゲスト・その辺のガヤから、動物の鳴き声・SEまで担当した。


デュエル・マスターズVSシリーズの声優陣
基本的に、実体化したクリーチャーの声やモブキャラの声はレギュラー・準レギュラー陣が兼任することが多い。
特に、ホカベン役の菅原雅芳や土瓶先生役の三戸耕三、破道ロクロー役の木島隆一らは多くのクリーチャーの声を兼任している。
滝川るる役の丹下桜は、一度だけクリーチャー役として《O・HA・NA・P》の声を演じた他、
VSRのバレンタイン回にて脳内会議で冷静・喜び・悲しみ・怒りの人格を一人で演じ分けた。
同一人物であるデュエマウスと、その中の人である忠次郎は、性格及び喋り方が真逆になっているため実質小林ゆうの一人多役となっている。
高木渉は、VSRFの第1話にてハムカツとカツドンの両方を演じた。
他にも、
ルシファーと中ジローを兼任している水沢史絵
佐々木コジローと《爆竜バトラッシュ・ナックル》《奮戦の精霊龍 デコデッコ・デコリアーヌ・ピッカピカⅢ世》といったクリーチャーを兼任している檜山修之
たーくんと呉間ジャマ代を兼任している菊池正美、
エリカッチュと大ジローを兼任している優希、
レナと小ジローを兼任している奈波果林、
ヘレンとアリスを兼任している冨岡美沙子、
等々。
なお、兼任するキャラが上手くばらけているため、担当声優が同じキャラが一つの話に同時に登場する事はほとんど無い。
例外は小林由美子のVSRF最終回の切札勝太VS切札ジョーだが、これは勝太からジョーに主役がバトンタッチする回であったため必然である。


フューチャーカード バディファイトシリーズの声優陣
主役格の水野まりえ・大畑伸太郎からして、
全くの別のキャラのマスコットポジション・サブレギュラー・その回限りのゲスト・名も無きエキストラとシリーズを跨いで演じた。
2人の演技方針は制作陣からも「シリーズの顔的存在」とみられていた。
2人に続け、と制作陣・声優陣が思ったのかどうかはともかく、
レギュラー格を演じる橘田いずみ・斉藤壮馬・陶山章央・森嶋秀太・佐々木未来・山本和臣・斎賀みつき三宅健太能登麻美子
名前を出せばキリがない程に、幾多のベテラン声優達が全く異なるキャラを長期スパン且つ同時進行で最後まで演じ切った。
中でも安元洋貴に至っては、主役・悪幹部・サブレギュラー・ラスボスという花形から、話数の限られたゲスト・クレジットされないエキストラまで、元々特徴的な声質でありながら、つながりが全く無いのに、時には同じ話数で、巧みに演じ分けた。


妖怪ウォッチの声優陣
基本的に妖怪の声を複数人で分け持って受け持っており、例を挙げるとジバニャン役の小桜エツコはその他に「ブシニャン」・「モモタロニャン」等類似キャラと「雨女」等他のゲスト妖怪の声も担当、
遠藤綾は人間キャラの「フミちゃん」の他コマさんコマじろう兄弟や「ふぶき姫」等、
主人公「天野ケータ」役の戸松遥も他にもう一人の主人公「未空イナホ」の友人「石ノ森ユウカ」役を演じ、そのもう一人の主人公「未空イナホ」役の悠木碧も「ネコ2世」を演じ…というか、一人多役してないのが石塚運昇だけ と言った方が正しいかもしれない。


◆無双シリーズの声優陣
戦国無双シリーズや真・三國無双シリーズは兼役がかなり多い。
例えば夏侯惇と典韋はふたりともCV中井和哉
この2人は同じ魏所属の武将な上夏侯惇が典韋の噂を聞きつけて一騎打ちというシナリオまであるのだが、見事に演じ分けられており目を閉じてもどっちが喋っているかわかる程。
他にも一般兵やモブも、無双武将の声優が兼役として声を当てているケースがある。最近ではモブ専門の声優が起用されることも多いが。
中でも戦国無双2Empiresの「扇動された民」(CV:緑川光)は必見である。
ちなみに置鮎龍太郎戦国無双の長曾我部元親、三國無双の司馬懿*4と司馬師、そしてOROCHIに登場する遠呂智の合計4人も演じている。
石川英郎も三国の周泰、賈ク、戦国の豊臣秀吉、毛利元就の4人を演じており、賈クと元就が共演するステージもあったりする。


Fate/Grand Orderの声優陣
ソーシャルゲームなので既存キャラの派生が出れば当然兼役になるのだが、FGO以前から型月作品に関わっていてFGOにも出演している声優陣は大体何かしら別キャラの兼役をしている。
例えば上述の置鮎氏であれば以前から担当していたZeroバーサーカーの他にカエサルApoヴラドロムルスを担当している。
セイバーで有名な川澄綾子氏も例外ではなく、主な役どころはアン・ボニー大量のアルトリア亜種キャラクター
さらに彼女はなんとマスコット役のフォウくんも演じている。
その為バレンタインイベントがフルボイスになった際、自分の演じる大量のキャラ(合計14人)の台本の後、フォウくん分の台本が追加で渡される羽目になったとか


クラス全員マヂでゆりの声優陣
フルボイスだけど声優の声と人数を減らしてできるだけお金を浮かせようという魂胆が丸見えの18禁ゲーム。
エロゲにしては珍しく、大抵の声優は二人以上キャラを演じている。
とはいえ演じ分け自体はしっかりと出来ている。少ないボイスにも手を抜かないプロ根性を感じさせる。


彼岸島Xの声優陣
1話3分のショートアニメだが、なぜか声優1人で全ての声を担当する狂気に満ちた構成となっている。
3話ごとに速水奨→千葉繁→関智一→山寺宏一と声優が変わり、特別編は石田彰が担当した。


オトギフロンティアの声優陣
ブラウザゲームという関係上、主要キャラのキャストも含め兼役は当たり前なのだが、主人公パーティに参加しているメインキャラの声優陣に関しては「メインキャラと衣装だけはそっくりなニセモノ」、「メインキャラの闇堕ち状態(アビス)やロリ化状態(リリィ)」、「メインキャラの心の闇から生まれたそっくりな容姿の分身(アルター)」も全て演じている。
基本的に「ニセモノ」はドスの効いた声で、「アルター」はダウナー系の声で演じているのが特徴。
よく聞けば同じ声優が演じていると分かるのだが、メインキャラの一人でロリ声で喋る「エミリー・グリム」とそのニセモノで少年のような声で叫びまくる「エシリー・グリル」は本当に同じ人物が演じているのかよく聞いたところで絶対に分からないレベルの演じ分けになっている。
エシリーの時の声は地上波アニメで聞いたことがあるって? 生き別れの姉妹か何かじゃないんですか?
このエミリーはアビス状態でも、声のトーンをいつもより微妙に低くすることで「同じキャラなんだけど普段と比べて明らかに様子がおかしい」状態を表現しておりプレイヤーからの評判も高い。

また、同じくメインキャラの一人で『長靴をはいた猫』の猫をモチーフとする「リル」というキャラは、初登場からしばらくの間は猫を被った可愛らしい声で喋っていた。
メインストーリーの進行に伴い彼女の真意が明らかになって以降はドスの効いた低い声で喋るようになり、各種イベントでもそちらの声で登場するようになっている。
ところが月イチで開催されるすごろくイベントでは初期の猫被り時代の音声が使いまわされているため、メインストーリーを放置して遊んでいる新規プレイヤーの中には「リルの声優は変更になった」と勘違いしている人も多いようだ。
そのリルのニセモノの「リルンゴ」というキャラは、普段からドスの効いた声で喋っている以上どう表現するのかと思われていたが、担当声優自ら「今まで出したことの無い声で全力で演じました」とSNS上で報告したほどの予想外かつ体当たりな演技となっていた。


◆閃乱カグラの声優陣
ゲーム版では女性陣は全員に個別の声優が当てられているが男性陣は藤原啓治氏の霧夜を除き山本兼平や佐々健太といったEARLY WING所属の声優が兼任しており、特に山本氏は半蔵、村雨、道元、霧夜(藤原氏の病気による代役)など大半の男性キャラを演じている。
アニメ版は村雨や道元の声優が変更された一方で半蔵役は山本氏がそのまま演じた。

●兼役による思わぬ事例

BLEACH雛森桃、アパッチはどちらも佐久間紅美が演じたが、後に2人がバトルする展開となった。キャスティング時は音響監督もこうなるとは思わなかったという。ほとんどの場面で同時収録がなされ、感情の切り替えが難しかったり2人同時に喋る場面は別録りだった。

ONE PIECEのジンベエは当初、郷里大輔が演じていたが郷里が急逝、2代目として宝亀克寿が起用されたが彼は同じ王下七武海ゲッコー・モリアを既に演じており、声優交代後にマリンフォード頂上決戦で2人がバトルすることになった。急なことあまり猶予がなかったのかもしれないが七武海同士で声優が被るのは...。ただ、2人は声色は結構違うため声優に興味がなければ兼役に気付かなかった人も多かったかもしれない。
また白ひげ役の有本欽隆が逝去した後に、サー・クロコダイル役の大友龍三郎が後任になっているが、有本が存命の頃に頂上決戦で2人がバトルした事がある。

ドラゴンクエスト ダイの大冒険の旧アニメではアバン先生キルバーン田中秀幸による兼役であった。打ち切りによりアニメでは実現しなかったものの、原作終盤において両者の対決やアバンによるキルバーンへの変装といったシーンが描かれている。


●その他、兼役の関連事例や類似例

男性キャラの子供時代(女性声優)→大人時代(男性声優)など、一人多役の逆「数人で一役」で演じられることもある。
一人でも大きく変わったキャラを演じられる声優がおり、声域の広さに驚かされる。

シルバー・チャリオッツ・レクイエムのように「キャラの人格が入れ替わる」展開になった場合、別キャラの人格が入ったつもりで演じねばならず、声優の本気が見られる。

二人一役の極めて特殊な事例として、法律による子役の労働時間の制約を回避する為、双子の赤ちゃんに一人の役を交代で演じさせた『フルハウス』のミシェル・タナーがある。



追記・修正は、他にご存知の方がお願いします。

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最終更新:2024年02月03日 15:57

*1 フレイの言葉を遮ったり、泣いているフレイにナタルが話しかける場面すらあるが、これを同時収録は物理的に不可能であろう

*2 元々は山寺の尊敬する先輩であり、幅広い演じ分けを行う羽佐間道夫に対する称賛なのだが、その羽佐間からも「俺の二代目」と認められている。

*3 厳密にはファイルーズあいと梅澤めぐはそれぞれの担当艦をモデルにしたイベントボスの深海棲艦の声も担当している。

*4 元々は滝下毅氏が担当していたが逝去後は置鮎氏が引き継いだ