綿月 豊姫

登録日:2011/05/17 Tue 01:47:47
更新日:2024/01/25 Thu 23:41:30
所要時間:約 12 分で読めます





穢土に生まれ、悪心に操られし穢身、お前の浄土はここではない!



東方Projectの登場キャラクター。

東方儚月抄に登場する月の住人。



読み:わたつきのとよひめ

二つ名:海と山を繋ぐ月の姫

テーマ曲:綿月のスペルカード



【概要】



月の姫にして、“月の頭脳”こと八意 永琳のかつての教え子の一人。曰く「天性の幸運で富に恵まれ何不自由なく暮らす」
現在は妹の依姫と共に月の使者のリーダーとして活動しており、地上に落とされた罪人の監視や玉兎達への教育を行っている。
稽古は依姫に任せっきりで、稽古の休みの日にだけ顔を出している。稽古をする気はおそらく無い。
そんな豊姫だが依姫と比べて優しく、話が面白く、稽古中に桃やお菓子を差し入れてくれるためレイセン達からは人気の様子。


性格は天然で怠け癖あり。食欲旺盛。特技は早寝。
兎や門番とも平等に接し、月人にしては珍しく地上人をあまり見下したりしていない。
白い帽子に依姫と対になる青いサロペットスカートのような服を着用。ウェーブのかかった長い金髪に金眼であり、その姿はどこか八雲 紫に似ている。
また、ZUN帽着用キャラにしては珍しく帽子を脱ぐことが多い。
神主曰く幻想郷の姉妹と違って、綿月姉妹は妹の方が普通なキャラなんだとか。
なお、東方の世界の史実では浦島太郎が竜宮城と思っていた場所は月の都であり、つまり東方の世界では乙姫は彼女と言うことになる。







【戦闘力】



神主の原画の時点で中々の戦闘力を持っていることがわかる。え?そっちじゃない?
月の民ということで基礎スペックは高いと思われるが戦闘では道具と能力しか使ってないのでどの程度かは不明。


持ち物


  • 扇子
迷いの竹林を一振りで無に返す風を生む扇子。
それなんて月光蝶?

永琳に言わせれば迂闊に振り回すと幻想郷が壊滅の危機に陥るほど危険なもの。
因みに月人、玉兎、月の都は対象外。
要するに敵味方識別MAP兵器。
「この扇子は、森を一瞬で素粒子レベルで浄化する風を起こす
 そんな月の最新兵器相手に貴方は何ができる?」


  • フェムトファイバー

「フェムトわかりやすく言うと須臾
須臾とは生き物が認識できない僅かな時のことよ
時間とは、認識できない時が無数に積み重なってできています
時間の最小単位である須臾が認識できないから
時間は連続に見えるけど
本当は短い時が組み合わさってできているの
組紐も1本の紐のようだけど
本当は細い紐が組み合わさっているもの
認識できない細さの繊維で組まれた組紐は
限りなく連続した物質に見えるでしょう
そのとき紐から余計な物がなくなり最強の強度を誇る
さらには余計な穢れもつかなくなるのです
この紐をさらに組み合わせて太い縄にすることで
決して腐らない縄ができる
その縄は遥か昔から
不浄な者の出入りを禁じるために使われてきたのよ」


…わかりやすく…?
言い回しがどことなく謙虚なナイトに近い気がしないでもない
要するに絶対切れないすごい縄。古くから月に逆らう反逆者を封じてきたらしい。
かつて国津神の大国主をも封じたという由緒ある縄。
この事から、月人=天津神と考えられているが、月人と天津神は違う存在とも取れるセリフがある為、正確には不明。東方ではよくある事である。

作中ではこれで紫と藍を捕縛した。
なお、紫は自分が囮になることを考えて敢えて脱出しなかったのか本気で脱出できなかったのかは不明。






能力:海と山を繋ぐ程度の能力

広範囲の空間置換能力。紫のように空間に裂け目を作り別空間と接続することも可能。
人数も距離も結界も無視して一瞬で工程を済ませるため移動能力に関しては紫のスキマより遥かに上。
紫のそれを二つの空間を繋ぐどこでもドアとするならこちらは空間ごと書き換える能力である。
海と山を繋ぐと言っているが実際のところ能力にはさして関係ない。海は天、山は地を表し神主は「どこでも移動できる能力」と称した。
作中では裏の月に侵入してきた鴉を酸素の無い表の月に転送して窒息死させた。ちなみに東方史上初となるリアルタイム殺しである。
他には紫のスキマを乗っ取って行き先を勝手に操作したり、レイセンを本人も気づかぬ間に地上に転送したりした。

またこの能力は持って生まれた力ではなく、永琳の生み出した量子理論の応用であり後天的能力である。
あるいは豊姫が持つ天性の幸運との合わせ技という説もある。
これも量子理論のちょっとした応用だ。






【劇中の活躍】



月面にて紫が飛ばした式である鴉を能力によって窒息死させて登場。
その後はなんやかんやで月面に着陸したロケット組の相手を依姫に任せ、
自分は綿月の屋敷に忍び込もうとした紫と藍をスキマの上書きによって行き先を地上の竹林に変更し、対面した。


豊姫「浅はかなものよ 私と一戦交えるかね」
「この扇子は、森を一瞬で素粒子レベルで浄化する風を起こす。そんな月の最新兵器相手に貴方は何ができる?」


紫「あーはっはっ!もう降参 降参!戦う気なんてないわ、最初からまともに戦ったら勝ち目がないんだから」
「敗れた側がこんなことを言うのもおこがましいかも知れないが…全ては愚かな一妖怪の所行 地上に住むすべての生き物には罪はない」
「どうかその扇子で無に帰すのは勘弁願えないだろうか」


豊姫「ここに住む生き物に罪がないはずがありません 地上に住む 生きる 死ぬ それだけで罪なのです」
  「お前への罰は月に持ち帰って考えるとして… 地上の生き物への罰は――一生地上に這い蹲って生き 死ぬこと」


そして例のフェムトファイバーの解説で10ページを消費し、紫を縛り上げて竹林に放置。
そんなもんにページ割くならもっと描くべきことがあったんじゃね?

だが紫の策はロケット組だけでなく自身も囮にして幽々子に綿月の屋敷に空き巣に入らせることにあった。
計画は成功し、めでたくお酒を盗まれたのでした。ぎゃふん







と、妹と比べてかなり薄味な活躍である。(進んで裏方に回ったので仕方ないといえば仕方ないのだが)
神主より求聞口授の巻末インタビューにて「桃食ってるのと超兵器持ってるイメージしかない」と言われてしまうほど。
桃MGMG 太りますよ。やめな。



しかし当時の二次創作において底の見えない作中最強格の裏ボスポジションとされていた紫にクラウチングスタート土下座をさせた(というか紫が勝手にした)場面は界隈に大きな衝撃を与え、上から目線で処罰を言い渡した場面は依姫無双と並ぶ悪い意味での語り草となった。

勘違いされがちだが、実際月に対して喧嘩を売ったのは紫の方で、豊姫は地上から見れば気に障る言い方かもしれないが内実は温情をかけて無罪放免にしてくれたのだ。地上で生きて死ね=不問にしてやるからもう悪戯すんなよの意。ちなみに紫への罰は結局うやむやのまま。


にも関わらず紫は形だけの土下座と口だけの謝罪でその場を凌ぎ、その間に友人に窃盗を依頼していたのだった。
オイコラ








幻想郷の内輪で起こる異変と違って、月人達は空気を読んで遊びに徹する必要も負けてあげる必要もない。
なぜなら彼女らの存在は幻想郷を拠り所としていないため、極端な話豊姫の裁量で中の人妖ごと結界を消し飛ばしても月には何の影響も無いのだ。
ではなぜしなかったかというと、まず「子供の悪戯に暴力で答えることが無粋である」という価値観と、
「紫を消してしまえば幻想郷が維持できなくなる=敬愛する師匠がまた追われる身となってしまう」ことの危惧からだと思われる。

月の都創った八意先生ならやろうと思えば結界管理人くらい十二分にこなせるんじゃね?ってのは無しで

しかし豊姫ならば絶対にしないであろうという確信はあったのだろうが、
作戦の成否の全てを相手の匙加減に任せ自分と結界の全てを人質にしてまで作戦を敢行するとは流石妖怪の賢者、大した胆力である。
これは永琳や綿月姉妹が理解できなくても仕方ないだろう。
……こう書くとなにか壮大で一世一代の大博打のように思えるかもしれないが、実質「大人が怒らない範囲で悪戯を仕掛けて成功させた」ぐらいでしかないのだが。






◇小説版にて



私は千五百年以上前の話でも思い出せますよ  ほら、地上の人間が静の海から亀に乗って現れたのを



本編より1500年ほど前、瑞江浦嶋子と名乗る漁師(浦島太郎)が、月の静の海に現れた。
本来ならばそうやって神隠しにあった人間は豊姫の能力ですぐに故郷に帰す決まりだが、
彼が竜宮城(月の都)に興味を持ち、豊姫もまた地上人に興味を持っていたのもあり、永琳に内緒で匿ったのである。

彼は都で三年ほど過ごした後、帰郷を希望した。
豊姫としては帰すのも吝かではなかったが三年の行方不明期間から、彼の話を聞いた地上人が月の都の存在に興味を持つ事を危惧して、豊姫は永琳に相談した。 永琳は最初に即断で 「(浦島を)殺すのが良い」 、と言ったが、自分が匿ったせいもある事から豊姫がそれ以外の方法を求め、永琳は「300年の冷凍睡眠の後、玉手箱を持たせて地上に帰す」事を提案した。300年後に冷凍睡眠から目覚めさせられて地上に帰らされた浦嶋子は、周りに知る者の居ない悲しみから空けてはいけないと言われていた玉手箱をすぐに開け、中に入っていた物質の影響で老人になった。

老人になった事により、300年前の話を知っている上に竜宮城の事を話す彼は村で生ける伝説となり、その噂は時の天皇にも届いた。
天皇は竜宮城=伝説の蓬莱国だと考え、彼から直に話を聞きに行こうとしたが、その前に彼は老衰で亡くなってしまった。
天皇は蓬莱国から帰還した功績を讃え、彼の為に神社を作らせて筒川大明神という神号を送った。ただの人間の漁師だった彼は死後に神の仲間入りを果たしたのだ。


豊姫の地上に対する興味や自分が匿った人間への慈悲など、月人としてはかなり異端の価値観が見てとれる一幕である。







以下余談

元ネタは海神の娘、豊玉姫。正体は鰐(現代で言うと鮫)の姿だったという。
本編終了後のうどんげっしょーでは姉妹共々地上へ。
その動機は「八意様に会いたくなったから」それでいいのか。
桃の早食いをしたり一瞬で寝たり扇子をなくしたり地上の兎をお持ち帰りしようとしたり等、本編での出番の無さが嘘のように活躍した。
また、扉絵では結構なサイズの胸が確認できた。依姫も魅惑の腰つきを披露。乳の姉、尻の妹。

求聞口授では個別記事はなく、妹共々巻末で不遇キャラの一人として語られた。
他に豊姫と関係のある記述は永江 衣玖の所属する竜宮が月の都であることが明らかになったくらいか。
月には高貴な神様及び龍神様、幻想郷には親しみやすい土着の神様が居るらしい。
絡めるキャラが増えるのはいいことである。

結界も距離も無視して自在に空間を行き来するという能力の性質や元ネタのタマヨリヒメからの類似から豊姫自身が龍神に近しい存在と見られることも。 






【二次創作】



割と不遇。
大抵は妹がメインで姉がメインに来ることは少なく、登場は基本的に妹やレイセンとセット。
大食いで巨乳のおっとりお姉さんと言うと幽々子とキャラが被るのも使いづらい要因か。
依姫やレイセン以外では、(一方的な)因縁のある紫、大食い繋がりで幽々子、桃繋がりで天子と絡むケースがある。
他には門番や兎を性的に食ってたり。
作中で依姫が無双して強烈な印象を残していたのに対し、
豊姫自身は出番がやけに少なかったこともあり、姉の方は別に…とか言われてネタにされてたりした。











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最終更新:2024年01月25日 23:41