ヴァニタス(キングダム ハーツ)

登録日:2010/05/28(金) 13:01:57
更新日:2024/03/28 Thu 01:56:21
所要時間:約 5 分で読めます




お前の力 見せてくれよ



KINGDOM HEARTSシリーズの登場人物。
初登場は『KH2FM』のシークレットムービーで『KINGDOM HEARTS Birth by Sleep』で本格的に登場した。
その特異な出生や強さ、劇中での活躍から悪役としてはシリーズでもかなりの人気のキャラクター。



概要

マスター・ゼアノートに師事するキーブレード使いの少年。
リクのDモードをさらに黒く染めたような筋肉繊維を思わせる姿をしており、素顔はヘルメットのような真っ黒いのっぺりした仮面に隠れている。

テラが旅立つ前、何故かヴェントゥスの部屋に現れテラに関わる不吉な言葉を残し、彼が旅立つきっかけを作った。
その後はゼアノートの失踪に伴って彼も姿を消している。


ヴェンとアクアの旅の中で何度か姿を現し、襲いかかってくる。
その実力は極めて高く、ヴェンを軽く蹴散らし、とどめを刺そうとしたが、ミッキーと共闘したヴェンによって撃退される。
またアクアを「予備」と言い、二度に渡って戦った。

性格は残忍かつ冷酷。目的のためにはあらゆる犠牲を強いるが、その行動には謎が多い。

ゼアノートを探し出したテラは、彼にヴァニタスは「均衡を乱す者」と教えられ、弟子であるはずのヴァニタスの討伐を命じられるが…

戦闘において

KH1時点でのリクと同じ右手の片手持ちの構え。
使用する武器は青い不気味な瞳のついた歯車のような漆黒のキーブレード。正式名称は未だ不明だが色違いで形状が瓜二つの「ヴォイドギア」というキーブレードが存在する。

炎系の魔法やキーブレードからの衝撃波、突然姿を消し不意打ちなどトリッキーに攻撃してくる。
墓場での決戦では無数のキーブレードに乗って攻撃することも。

ゲーム的にもかなり強い。
というのもKHシリーズのほかのボスと比べて、ボタン連打でのゴリ押しがあまり通用しないからである。
そしてある程度攻撃すると、残像だ・・・からの上にワープして反撃のコンボを行使して襲い掛かってくる。
ガードすればカウンターに持ち込めるのだが、反応が遅れてしまいがち。
(この反撃コンボの際に「諦めろ」というのだが。空耳で「アキラメロン」と聞こえるのがネタにされたりする。)

攻撃自体も素早く、場合によっては壁ボスとなりえる。
相手の攻撃をよく見切らなければならない。





以下KHBbsの重大なネタバレあり
未プレイの方閲覧注意










これで俺の体は滅び――
お前と融合を果たす
χブレードの誕生だ!



正体

彼の正体はマスター・ゼアノートがヴェンの心から抜き出した「闇」。ヴェンと彼は同一人物だったのだ。
ゼアノートの目的は、純粋な光と闇の交差で生み出される究極の鍵「χブレード」であり、心の闇を失って純粋な光の心となったヴェンに純粋たる闇であるヴァニタスをぶつけることで、χブレードを生み出そうとしたのがBbSの物語である。
物語途中でアクアと戦ったのは、ヴェンの成長が失敗した場合に「χブレードの素材の予備」として使えるか確かめるためである。

また、BbSで世界にはびこっていた魔物「アンヴァース」を操っていたのも彼。
アンヴァースは、ヴェンと別れた時に生まれた生命としてUnverse(精通されてない)なヴァニタスの感情の一部から生み出されたものであり、アンヴァースが倒されるたび、再びヴァニタスに感情が還元されていく。
このため、いくら倒しても意味はなかったのである。
これを利用してヴァニタスはアンヴァースを世界にばら撒き、3人を旅立ちの地から引き離しつつ、戦わせることで彼らを素材に相応しくなるよう成長させていたのだ。
メタなことを言うと、「なんでⅠ以前の平和な世界にモンスターがいるの」「なんでⅠの時点では居なくなってるの」「なんで倒してもいくらでも湧いてくるの」といったゲームや設定上の事情に辻褄を合わせるための設定である。まあ、ヴァニタス消滅後のラストエピソードでも湧いて出るから完全に辻褄は合わせられてないんだけど。

その素顔は、黒髪で金眼であることを除けばソラそのものこれがホントの他人のソラ似。
これはヴァニタスが作られてヴェンの心が欠けた時、ヴェンが生まれたばかりのソラの心で欠けた部分を補い、ヴァニタスにその影響が出た為。
後のインタビューによれば、心を埋めた存在が仮にリクだった場合はリクの顔に、また別の誰かだった場合にはその人物の顔になったとのこと。
CVもソラと同じ入野自由である。しかしソラと演技が全く違うのでわからなかったプレイヤーも多い。
また、当時演者は悪役をやってみたかったらしく、かなり生き生きした演技をしている。

その性格は残忍で冷酷であるが、自身の存在がχブレードとなってしまうことも厭わない狂気や、自分自身に執着のない虚無的な不気味さももち合わせている。
上記のソラと同じ顔をしているが、彼に見られた茶目っ気や絆への信頼などが全く見られず、具現化した純粋な闇そのものに相応しい悪役っぷりをみせている。

長年待たされた影響からか、意外と短気な一面もある。
ヴェンの成長が思ったより芳しくないと判断するや否や、すぐさま消そうとしたこともあった。
ただし、すぐに頭を冷やして情勢を見つめる理性は持ち合わせているようである。
アクアとの二度目の戦闘時は状況からしていわゆる死んだフリをしていたと思われる*1が、完全に気絶したアクアに止めを刺さずに姿を消しており、暇潰しを優先しつつも本来の目的を忘れずにある程度手加減していた。


小説版では誕生当初はアンヴァースと同じ顔をしており、後にソラの顔に変化したらしい。
またヴァニタスを純粋な闇として育てようとしたマスター・ゼアノートによって、孤独と憎しみを植え付けられるように育てられ、自らがχブレードになる事が唯一の救いだと教え込まれていたらしい。全体的に心情描写が多く、彼に対する見方が変わること必須。
ただし、小説版には独自解釈の設定や描写も多いので公式設定かどうかは微妙なところ。そもそも純粋な悪役としての人気もあるので、あまり心情描写をしてほしくなかったという意見も。


BbS終盤での活躍

ヴェンがχブレードの素材として十分に育ったと判断したヴァニタスは計画実行の為、「テラとアクアの最後を見せる」と嘯くことでキーブレード墓場へとヴェンを導き、師であるゼアノートと共にテラ・ヴェン・アクアと激しい戦闘を繰り広げる。
不意打ちで気絶させたアクアの命を奪おうとするヴァニタスだったが、彼女を守るため自身の光を強めて覚醒し、ゼアノートの魔法から自力で脱したヴェンとの戦いの末に敗れ肉体は消滅する。
しかし、この時χブレードが誕生する条件を満たしてしまい、自身の素顔やアンヴァースの真実を語った後ヴェンと融合。とうとうχブレードを手にしてしまう。
この時のヴァニタスの体にヴェンの首が乗った姿はいろいろ衝撃的。*2

しかし、二人の融合はまだ不完全であり、χブレードもまだ不完全であった。
現実世界でχブレードを使い、アクアとミッキーを襲うもアクアの起こした奇跡によりχブレードを破損させられてしまう。
それによって完全に目覚めたヴェンと心の中で最終決戦を繰り広げることとなる。
ヴェンにより完全に敗北したヴァニタスは手元から離れたχブレードを名残惜しそうに求めるも、χブレードを破壊され、ゼアノート達の野望は防がれたのだった。
だが、ヴェンの心は傷付き、昏睡状態になってしまった。
ヴァニタス自身は決戦の後に消滅した後、ヴェントゥスの心の園のステンドグラスが広がっていく描写があるため、おそらくはヴェンの心に戻ったと思われる。

ヴェントゥス編の最終戦限定だが、なんと彼とD-LINKできる。(と言うか強制だが)
しかも他のと違ってシュートロック含めて全て専用のものに変わる。
攻撃をぶつけゲージを伸ばし、フィニッシュ技を決めれば勝ちだが回復コマンドが無いため事前に回復できていないと危ない。
また、相手の技とぶつかると、せめぎ合いが発生することがあり、押し切れるとケージが一気に伸びる。
しかしフィニッシュ技が時々スカるので、油断しないように。


ヴァニタスの思念


キーブレード墓場の荒野で戦うことができる、BbSの裏ボス
白黒のボディと、仮面に描かれたアンヴァースのエンブレムが特徴。

初見ではHPケージの短さに驚くだろう、何しろストックが無くHPケージ1本だけなのだから。

だがすぐ倒せるという甘い考えはすぐに消え去ることとなる。
攻撃力が異常に高く、リーブ系アビリティがなければ一撃で即死。

特に厄介なのは、追加された技「クローンバースト」で闇に包まれたヴァニタスの思念(この間は当然無敵)が闇の分身による斬撃をいくつも繰り出してくる。すべてガード不可。
コンボリーヴ予防に攻撃タイミングをずらしてくる鬼畜さ。絶望しろ!した。

そして防御力も凄まじく高く、半端な攻撃力では殆どダメージが通らない。
今作屈指の壊れコマンドシュートロックコマンドにも完全無敵。
さらにこいつはこっちがケアル系を使用すると、同じく回復を使ってくる為アイテムなどのケアル系以外のコマンドで回復しなければならない。
だがこいつで一番厄介なのは処理落ちという超常の能力である。

こいつを正攻法かつノーダメで倒せる奴は、キーブレードマスターを名乗っていい。

シリーズ最強のボス…と思いきやなんとトルネド3発やデトネ系であっさり瞬殺できる事が判明。
空中でグルグル回り、地雷を避けること無く踏み抜いて宙に浮かぶ彼の姿はあまりにもシュール。
ヴァニタスェ…。
ヴェントゥスなら回復と攻撃をこなせるホーリーも有効。

もっとも物理特化型のテラだと魔法力がさほど上がらないため、上記の異常な防御力も相まって
中々ダメージが与えられないこともあり隙を見つけて殴るという正攻法で攻めざるを得ない。

2FMの「留まりし思念」を超える難易度を目指したらしく、テストの段階で見つかった攻略法を一つ一つ潰していったらしい。
ただし、スタッフのインタビューにて、「余りにも強過ぎると攻略不可能になるプレイヤーも出てくるだろうから、ある程度楽に勝てる必勝パターンを故意に残した」といったコメントもされており、先述のトルネドやデトネで楽に倒せる仕様は狙ってやったものらしい。


オリジナル版では倒すと「秘められし原石」がもらえた…だが、これは雑魚敵からでも普通に手に入る。いまさらこんなものもらっても…。
FM版では、勝利すると「ヴォイドギア」と呼ばれる攻撃特化のキーホルダーが手に入れる。これはヴァニタスのキーブレードをモノクロカラーにしたもの。


そのほかのシリーズでの活躍


KINGDOM HEARTS 3D [Dream Drop Distance]

ソラ編でちょっとだけ登場。青年ゼアノートに惑わされる青空の前に幻覚として姿を現す。
本当にこれだけの出演にもかかわらずエンディングにも出ている。

しかし、今作で語られた「真ⅩⅢ機関」は
  • ゼアノートの心が入ったものが所属しており、皆金眼である。
  • 純粋な闇の存在である
  • χブレードを作るための組織
とヴァニタスにあてはまる要素はかなり多く…

KINGDOM HEARTSⅢ


奇妙な姿できづかなくて悪かった 兄弟

大方の予想通り、真ⅩⅢ機関の一人として復活。
正確にはBbSでヴェンと融合する前の時間のヴァニタスが時間移動の能力で心だけ現代に飛ばされ、レプリカの体で活動しているもの。
今作では機関員特有の黒コート姿も披露。フードの下にヘルメットって…
ソラのことを兄弟と呼ぶが…。

モンスターズ・インクの世界「モンストロポリス」にて過去に貯蔵されていた人間の子供たちの悲鳴を利用して増幅させたアンヴァースをばらまき、サリーたちに復讐しようとしたランドールに陰ながら手を貸していた。そのためこの世界は彼にとってかなり居心地がよかったらしい。
そのためこの世界での主な敵はハートレスでもノーバディでもなくアンヴァースとなる。
この世界ではソラが姿を変えていたため、なかなか気が付かなかった様子。ソラはお前の方が奇妙だろと言い返している。確かにその通り。

ヴェントゥス そんなところに隠れていたとはな

ソラの心の中に潜む自身の半身…ヴェントゥスを狙うもサリーとマイクの機転でドアの中に追放され、そのドアも別のドアに追放され…を繰り返され逃げられてしまう。*3

アクアが闇の世界から救助された物語終盤にてヴェンを狙い再び登場。
アクアと激戦を繰り広げるも、昏睡しているヴェンを狙う卑劣な手段で彼女を倒す。
しかしかえってその行動が眠ったままのヴェンを目覚めさせてしまう。さすがにキーブレード使い3人と戦う気はなかったようで撤退。

墓場での最終決戦ではテラ=ゼアノートと師弟コンビを組み、ヴェントゥスとアクアを迎え撃つ。
ソラの助力もあり、ヴァニタスは敗北。その破損した仮面から素顔をソラに見られることとなった。

そこで「欠落した存在である自分はヴェントゥスの心を補ったソラから姿を補った」真実を語る。
ソラを兄弟と呼んだのはが自分たち3人が欠落を補い合った兄弟同然であると考えていたため。
自分が闇だからこそソラ達は光として存在し得ると挑発するも、ヴェントゥスから「そんなことは頼んでないし、光と闇に分けなくてもいい。自由に生きればいい。」と論破される。

ああ自由に生きてるさ こうしてな

闇であることが自身の生き方であることを最後まで譲らず、空虚に笑ったその男はへと消えていった…。

ちなみに墓場での決戦では珍しく、テラ=ゼアノートを先に倒してもテラノートは気絶したことになり、必ずテラ復活イベントの前にヴァニタス消滅イベントが入る。

戦闘的にも相変わらず強い…のだが、そんなにBbSの頃と変わっておらず、逆にシリーズが進みソラが強くなっているため最後までたどり着けるプレイヤーなら問題ないはず。
攻撃もBbSに忠実だが、裏を返せばほとんど変わってない…

DLCのリミットカットエピソードではリミカ版と戦える。
行動パターンは判定は強いもののやはりBbSに忠実。
ただしクローンバーストを逆輸入し使ってくるようになった。クローンの攻撃はガードできるが、ガード不可のキーブレードライドを交えてくるようになったので油断は全然できない。
一方、乗ろうとした瞬間に攻撃すると叩き落して不発にできる弱点も生まれてしまった。



余談

名前の由来はラテン語で「空虚」を意味する「vanitas」から。
ヴェントゥスと似た響き、空虚には空…ソラの字が入っている、空の読み方には何もないことを現す「から」があるなどもはや奇跡的にネーミングをしている。

専用戦闘BGM「Enter the Darkness」はロック調で激しいリズムのカッコイイ曲だが、実はヴェントゥスロクサスソラのテーマ曲と同じフレーズが入っている。特にソラのテーマ「Sora」は一番長い。このあたりで正体や素顔に気がついた人もいるのでは?
また、Bbsヴェントゥス編ラストバトルの「Unbreakable Chains」、モンストロポリスでのイベント曲「Dual Hearts」、Ⅲでの戦いの際やリミカ版で流れる「Enter the Darkness -KINGDOM HEARTS III Version- 」などなど結構アレンジされている曲。




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最終更新:2024年03月28日 01:56

*1 設定が固まっていなかった1作目最序盤を除いて、キーブレード使いが完全に気絶したり戦闘不能に陥ると、その主の心で出来ているキーブレードは一旦姿を消す。しかし、ヴァニタスが倒れてもキーブレードは地面に刺さったまま残留し続けたことからして、相応に痛手を被ったにせよ継戦可能な状態は保っていたようである。

*2 メタなことを言うと、ヴァニタスとヴェントゥスが融合したと一目でわかるようにしつつ、ヴァニタスの素顔バレをアクア編で避けるための処置。

*3 この時サリーとマイクは、ヴァニタスがソラに気を取られてる隙にこっそり姿を消して奇襲のチャンスをうかがっていた。KHシリーズでありがちなディズニーのゲストキャラが話の本筋からやや外れがちになる展開を逆手に取った演出であり、二人の活躍がなければソラは確実にやられてた。