ディエゴ・ブランドー

登録日:2010/01/10 (日) 10:30:13
更新日:2024/03/14 Thu 21:26:00
所要時間:約 9 分で読めます




くそ田舎者どもッ!オレは必ず社会の頂点に立ってみせる!
そしてオレを邪魔するヤツらは靴の中にシチューをもらう事より
もっと屈辱的に「誇り」を切り裂いて地面の上にはいつくばらしてやるぜッ!



ジョジョの奇妙な冒険第七部「スティール・ボール・ラン」に登場する人物。通称『Dio(ディオ)』。

CV:加藤将之(VOMIC版)
  子安武人(ASB、EoH)

概要

スティール・ボール・ランに参加しており、馬名はシルバー・バレット。
作者曰く、石仮面のない世界でのディオ・ブランドー

馬に乗ることに関しては天才だが、性格は他人を利用することを厭わない冷酷な性格で、レーススタイルにもその性格が色濃く現れている。

ディエゴはイギリスの貧民階級に生まれ、生活に困窮していた両親に一度は捨てられるが、考えを改めた母親によって救われ、母子で農村に身を寄せる。
しかし、農村で暮らし始めてからの5年後のある日、行き場のなかった母子を農村に住まわせた、農村を管理する男(妻子持ち)に性的な意味で迫られた母親が性行為を拒絶すると、
それを根に持ったその男から、母子の家にある全ての食器の底に穴を開けられるという嫌がらせを受ける。
穴が開いている食器では食事の配給時になっても食事を受け取ることができず、新しい食器を買おうにもお金が足りない。
困ったディエゴは自分の靴に食事であるシチューを注いでもらうことを思いつき、実際に注いでもらおうとするが、母親はディエゴの頬を張ってそれを止めさせ、
食器の代わりとして自らの手を器にし、熱いシチューで手に火傷を負いながらもディエゴに食事を与えた。
ディエゴの母親はその後働きに働き、その無理が祟ってか、上記の事件の一年後に破傷風で23歳という若さで亡くなった。

ディエゴは母親を殺したのは農場管理の男であると直感し、また、自分たちを捨てた父親や母子家庭ということで自分たちの窮状を傍観した農場の人間たちも母親を見殺しにしたとして恨み、
母親を殺した直接の原因と信じるその男を探し出して復讐することと社会の頂点に立つことを誓い、その達成のためならいかなる手段も用いる覚悟を決めたのであった。

貧しい生まれ故に幼い頃から生きるための全てを「奪う」ことで天才ジョッキーとしての名声を得た人物であり、勝利に対する「貪欲さ」は、凄まじく強い。
今の地位にも納得しておらず作中では大統領にニューヨーク市長の地位を要求したこともある。
祖先からの技術や伝統、血筋や使命を 「受け継いだ」ジャイロとは対比する形となっている。

目的のためには手段を選ばないが、馬乗りとしての価値観もあるのか、初戦ではジャイロ達の馬を直接攻撃することはなく、
その後の戦いでも、馬に対しては致命傷は与えずにレース続行を不可能にする程度の攻撃に留めている。





以下 ネタバレ注意



3rd.STAGEの際、馬から落ちるが、その後レースに復帰。

その夜、泊まろうとした村で突如「恐竜化」
ジョニィとジャイロに襲い掛かり、彼らを窮地に追い込む。


実はこれは、ジャイロたちを狙う刺客であるフェルディナンド博士のスタンド「スケアリー・モンスターズ」の効果によるものだった。


そして、ディエゴは博士の思惑通りジャイロ達を出し抜き、彼らが見つけた「聖人の遺体」の両眼部を奪う。
しかし、「聖人の遺体」の右眼部を博士から奪還したジャイロがスタンド能力『スキャン』を得たことで、博士はジョニィとジャイロのタッグに敗北してしまう。
博士が敗北したことでほかの村人同様、ディエゴの「恐竜化」も解除されるかと思いきや、
密かに手に入れていた「聖人の遺体」の左眼部の力で博士から『スケアリー・モンスターズ』を奪ったディエゴは、恐竜化してジョニィたちの前から逃走。
レースに復帰して優勝を狙うと同時に、「聖人の遺体」の収集も目論むようになる。


スタンド:スケアリー・モンスターズ


破壊力:B
スピード:B
持続力:A
射程距離:D
精密動作性:C
成長性:B

対象の体のどこかを傷つけることにより、対象を恐竜に変化させて使役する能力を持つスタンド。
これにより、命令を帯びさせた恐竜を偵察に出して情報収集をしたり、単純に戦力増強を行う。
ジョニィやジャイロ達にとって倒せない敵というわけではないが、恐竜は恐竜。ただ数を増やされるだけでも相当厄介な脅威となる。
その性質から、実質的に擬似的な自動型の群体スタンドとしての使い方も可能である。

また、恐竜化を自分に適用して身体能力を強化することもできる。
特にディエゴは強化された身体能力の内、嗅覚を有効活用しており、微かな匂いから分析した情報をレースに役立てたり、戦闘に応用したりしている。
恐竜化した本体はもちろんスタンドへの攻撃も可能で、正面切っての戦闘では高ステータスのD4Cを相手取り優位に立てるポテンシャルを持つ。
殴る蹴るというよりは、鋭い爪による素早い斬撃を主体とする。

なお「超常的な身体能力」「他者を人外化させて使役する」など、第一部のディオの(気化冷凍法以外の)能力をスタンドに落とし込んだような能力でもある。

名前の由来はデヴィッド・ボウイのアルバム『Scary Monsters』もとい同アルバムに収録された同名の楽曲。



以下更にネタバレ




その後、フィラデルフィアでディエゴと同じく遺体の総取りを狙うアメリカ合衆国大統領「ファニー・ヴァレンタイン」と対決するが、
そのえげつないスタンド能力には敵わず、命からがら逃げ延びた。
しかし、逃げ延びる際にその能力の弱点を見つけていたディエゴは、今度は列車内で大統領と対決する。
ホット・パンツと共に大統領を追い詰め、大統領が列車内の窓から逃げようとするところを追い、とどめを刺そうとするが、
ラッキーにも自分が意図せぬ形でスタンド能力が発動した大統領により、列車の車輪に引きずり込まれる。
そして列車に轢かれ上半身と下半身が真っ二つになり、最期まで自分は大統領に負けていないと言いながら死亡した。



更に更に以下、ネタバレ






スタンド:THE WORLD


基本世界のディエゴ・ブランドーは、この大統領との戦いによって死亡してしまうこととなったが、
ディエゴのその類まれなる上昇志向を気に入っていたヴァレンタイン大統領は、ジョニィの『牙』(Act,4)に完全敗北を喫する直前、
基本世界に戻った自分がジョニィを説得できず*1、彼に敗北して死亡した場合に備え、
自身のスタンド能力『D4C』を使って、密かに取引を交わした並行世界のディエゴを基本世界に召喚する手はずを整えていた。
その取引とは、「ジョニィから「聖人の遺体」を奪った上で、その恩恵をもって自身の後継者としてアメリカ合衆国を支配しろ」というもので、
それを受諾したディエゴは、大統領の算段で彼が死亡した瞬間に、『D4C』の能力によって基本世界に召喚された。

この並行世界のディエゴ(世界ディエゴ or Dio)は、見た目や性格こそ基本世界のディエゴと大差なく、若干野心が薄いくらいであるが、
スタンドは完全に異なり、『スケアリー・モンスターズ』ではなく、5秒間だけ自分以外の時間を止める能力を持つ『THE WORLD』となっている。

もはや完全に別物だが、第三部のDIOと掛けたファンサービスだろう。
フェルディナンド博士からの継承ではなく、独自にスタンド能力を開花させた結果こうなったのかも知れない。
ゲーム等では、スタンドの違いからか基本世界のディエゴとは別枠扱いで参戦していることもあり、
アイズオブヘブンでは「並行世界から来たディエゴ」という名称で略して「世界ディエゴ」とされている。
BGMも、野生的な恐竜ディエゴと対照的に三部のDIOを未来的にアレンジしたような感じで、いかにも「並行世界からの来訪者」感がある。



THE() WORLD(ワールド)

オレだけの時間だぜ



死亡した基本世界のディエゴに代わって、基本世界のSBRへと乱入。
ジョニィがジャイロの遺体を探そうとしている間に「聖人の遺体」を盗みだし、それを追うジョニィと最終決戦を繰り広げる。

戦い方はスタンド能力が酷似していることもあって、第三部DIOと同様に時間停止中に罠を仕掛けたりするものだが、
お馴染みのナイフ投げに加え、ワイヤートラップ、ガソリンぶちまけ→マッチ投げ→引火など、トラップはより危険性を増しており、
承太郎と違って停止した時間内の行動をジョニィが把握できないのもあって、ジョニィとの戦いを優位に進めた。

もっとも、ここまでジョニィを苦しめられたのは、Dioの『THE WORLD』にとって「競走しながら戦う」ことが前提となっているSBR中の戦いは有利ということもあるが、
事前に大統領からジョニィの『牙 Act,4』や『無限の回転』の危険性と威力を聞いており、それらを警戒して必要以上に近づいたりしなかったことが大きい。
Dioの性格からして、もしも『牙』の詳細を知らなかった場合、油断して射程距離内に入り、反撃をもらってあっさりと敗北してしまっていた可能性も高い。

もちろん、『THE WORLD』の時間停止能力も『牙』に負けず劣らず強力であり、かつ、ジョニィは承太郎と違って「時間が止まった世界」を最後まで認識できなかったのだが、
それでも、ジョニィは観察・推測を重ねて「Dioは数秒程度時間を止められる」ことを突き止めてからは戦況を巻き返し始めている一方、
ジョニィの『牙』及び『無限の回転』は、実際に喰らわないと威力が分かりにくいが、喰らったら即敗北という初見殺しにも程がある能力ということを考えると、
事前に大統領から『牙』の詳細を聞けた(情報面でアドバンテージを得られた)のはDioにとってラッキーだったといえるだろう。


そしてレース最終地点にて、Dioはジョニィを馬から落とすことに成功するが、自身も足に『牙』の『無限の回転』を喰らってしまう。
そのままジョニィの勝利かと思われたが……。


そうしたつもりだろう?それがお前の『計画』

黄金の回転……これしか破る方法が無いとはな

だが『勝利』に『犠牲』はつきものだ

無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァーッ!!!


なんと、わざと足に『牙』を喰らい、足を切断してジョニィにぶつけるというとんでもない方法で『無限の回転』をジョニィに返すことに成功。
ジョニィに完全勝利する。

近年では珍しい、悪役が主人公に完全勝利したパターンである。

その後、スティール・ボール・ランレースにも一着で勝利を収めたDioは、
集めた「聖人の遺体」を保管するために大統領の保有する地下シェルターへ向かう。
しかしそこでDioを先回りしていたルーシーが登場。
彼女が『この世界』のDioの遺体の生首を持っていたために、『D4C』の性質(同じものが出会うと対消滅する)を受けて、頭部が『消滅』し、死亡した。
皮肉にもジョニィに勝利するために足を切断していたせいで、時を止めても逃げることができなかったのである。


「THE WORLD」離れろッ! 時を止めるんだあああーーーー!!!


やめろオオオオオオWRYYYYYYYYーーーーーッ



死体と言えど、鉈で首を切って持ってくるルーシーの胆力は度を超えている。
ある意味、今作の中で彼女もまた最も成長した人物かもしれない。

ちなみにその後、基本世界のディエゴが乗っていた馬がゴール以外の場所で見つかったことで、
「馬を乗り換える」という反則を行ったとレース運営に見做され、「スティール・ボール・ラン・レース」の優勝者という栄冠も剥奪されてしまっている。


余談だが、荒木氏が狙ったのか偶然か解らないが1部の結末と全く逆になっている。

1部→ジョジョ勝利するも死亡、DIOが首だけになって生き残る
7部→ジョジョ敗北するも生存、Dioが首が消滅して死亡

オールスターバトルRには、並行世界のディエゴ(Dio)は発売時点では登場していなかったが、オールスターバトルモードで恐竜の方のディエゴがDIOに勝利すると、
「『時を止める』スタンド…この力があれば、間違いなく優勝できるな」と、Dioを連想させる台詞を言っている。
そして後に、ダウンロードコンテンツとして、このDioの参戦も決定した。


THE(追記)EDIT(修正)
オレだけの世界(Wiki)だぜ

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最終更新:2024年03月14日 21:26

*1 この段階で大統領は既に『牙』の「無限の回転」を喰らっており、最早ジョニィを説得して逆方向の「無限の回転」を自分に撃ち込んでもらう以外に生還する術は無くなっていた。