シャノン・カスール

登録日:2011/09/12(月) 12:10:22
更新日:2024/04/03 Wed 09:01:58
所要時間:約 6 分で読めます




「俺達が、護る」




年齢:21歳
誕生日:10月23日
血液型:B型
身長:183cm
体重:64.8kg
趣味:楽器演奏
CV:三木眞一郎(アニメ)


腰まで伸びた黒髪と黒瞳、長身痩躯が特徴の青年。
作中の舞台であるダストヴィン大陸の辺境の村、マヌーリンに居を構える『カスール武具店』の長男。
主人公パシフィカの兄であり、ラクウェルとは双子。シャノンが弟に当たる。


幼少の頃から父であるユーマに剣術を叩き込まれており、本人の才覚もあって超一流の剣術の持ち主。
また端正な顔立ちをしている為、村の女性人気はかなり高い。

しかし本人は妹のパシフィカから『若年性老人症』と罵られる程に老成した性格で、二言目には「……面倒臭い」という言葉が出てくる。

本人としては縁側で茶を啜っているのが一番の幸せだとか。まるっきりジジイである。


パシフィカとはしょっちゅう喧嘩をしてはいるが、実際には重度のシスコン。
妹が嫁に行ったらガチで泣きそうなタイプらしい。
本人は否定してはいるものの、恋愛感覚に疎いパシフィカに安心している描写がちゃっかり存在する。

早い段階でパシフィカが実の妹ではない事は知っていたが、それでも彼女に注ぐ愛情は本当の兄妹以上のものがある。
パシフィカが歴史から抹殺された《廃棄王女》だと知った後もその愛情は揺らがず、ラクウェルと共に命を賭けて彼女を護ると誓った。


ラクウェルから『天才肌』と称されるだけあり、基本的に何でもひとりでこなす。
剣術に始まり、洗濯や料理などの家事、果てはリュートの弾き語りまで。

唯一魔法に関して苦手意識を持っているが、魔力──『意識領域』そのものは『魔法ヲタク』と称されるラクウェル以上のものがある。
単に魔法の制御技術に難を抱えているだけで、その分をラクウェルからの魔法で一時的に(濫用すると危険だが)補って貰う事で複雑な魔法も使える。


これに加えてイケメンなのだからモテない方がおかしい……のだが、本人は身内に強烈な女性がふたりもいるせいで「女性に幻想が持てない」らしい。
一応村では仲の良い女性が何人かいたらしいが、いずれも重度のブラコンであるパシフィカの攻撃によって仲が進展した事はない。


およそ欠点らしい欠点がないが、それ故に集団行動などの『人に頼る』行動が苦手。
また実は結構な意地っ張りで、一度決めたら退こうとしない性質が良くも悪くも作用する。

旅の途中では徐々にそれらの欠点が露呈していくが、周囲の人々の助けもあって克服し、成長していった。


父の遺言からパシフィカが『世界を滅ぼす』とマウゼル教の《託宣》で告げられた《廃棄王女》だと知った後は、彼女に『何か』が起きる16歳の誕生日まで護り抜く事を誓い、共に放浪の旅に出る。

当然刺客が襲ってはくるが、パシフィカが『自分のせいで他人に被害が出る』事を恐れる事を知っているシャノンは『人を殺さない』と決めている。
(本当に止むを得ない状況で咄嗟に『普通なら喰らえば死ぬ』攻撃を放った事はある)
事実、作中で彼が直接手を出して殺した『人間』はいない。
……とばっちりやら自滅で死んだ人間はいるが。

また、もし本当にパシフィカが『世界を滅ぼす』というような存在になるならば、その時は自らの手で彼女を殺す、とも誓っている。


余談だが、作品の主人公はあくまでパシフィカである。
しかしシャノン視点の文が多く、むしろシャノンが主人公だと思っている読者も多い。
事実、読み切り時はシャノンの一人称視点であり、実質的に主人公と言っても差し支えないかもしれない。


【原作での活躍(ネタバレ注意!)】






◆旅立ち(1~3巻)

父ユーマが何者かに殺害され、その葬式から物語が始まる。
遺言からパシフィカが《廃棄王女》である事を知り、村に職業的暗殺者がやってきた事を切っ掛けにアテもない旅に出た。
特務戦技兵クリストファなどの強敵を退けつつ、旅を続ける。

◆《竜機神》と《秩序守護者》(4巻~8巻)

旅の途中、シャノン達の前に『神の御使い』──《秩序守護者(ピースメイカー)》が現れる。

『人を超えた力』に一度は窮地に陥ったが、「パシフィカを失いたくない」という強い想いを《竜機神》アーフィ・ゼフィリスに認められ、《竜騎士(Dナイト)》──伝説にある『終わりの魔獣(ドラゴン)』、《竜機神(ドラグーン)》の御者たる資格を得た。

《竜機神》は古の昔に人が創った兵器システムであり、正式名称はARFFI・M4《竜機神》。

作中の世界──《封棄世界》の管理者であるマウゼルと《秩序守護者》を倒すべく、5000年の昔に送り込まれていた。

また5巻で独りぼっちの黒髪の少女「スィン」を拾い、途中でパシフィカがつい彼女に嫉妬しながらも絆を深めていくが、実はスィンの正体は《秩序守護者》の一つ「シーズ・アーティラリィ」。
迎えに来た《秩序守護者》サテラによって覚醒したシーズはパシフィカと「スィン」がシャノンから貰い分け合った「ある願掛け」が籠もったイヤリングを残しながらも《秩序守護者》としてあっさり去り、カスールきょうだいに深い痛みを残す事になる。

◆確執(9~12巻)

力を得たシャノンは《秩序守護者》とも戦っていく事になるが、途中で「今の『パシフィカを守りたい』という気持ちは、竜機神を作り『廃棄王女』こと「律法破壊者」が生まれる原因を作った人々によってばら撒かれた『守護者因子』で操作されたもの」という事実を知り、ゼフィリスとの間に確執を抱くようになってしまう。

それにより全力を発揮できなくなった隙を突かれてパシフィカやラクウェルと分断され、唯一側にいたゼフィリスも信用できないシャノンは完全に孤立。
パシフィカ探しの時シーズと再会し監視のため同行されながらも姉妹発見には至らず(その途中で、その時は気づかなかったがパシフィカを一時保護し彼女達を庇って逃がした少年ヒューレ・タクトの遺骸に遭遇し、弔意を捧げている)、
その状態でクーデター中の王宮までクーデター勢力によって連行されるも、「人類はやり過ぎた」と判断して人類の激減を決断した2体の《秩序守護者》を前にし、全力を出せずに惨敗を喫した。

しかしラクウェル達と合流した時、以前戦ったクリストファが『仕組まれて』いないにもかかわらず、『自分の意志で』パシフィカ達に協力している事を知ったシャノンは完全復活。
ゼフィリスとのわだかまりも消え、全力の《竜機神》で《秩序守護者》の一角サテラを葬り、その少し後再び捜索に乗り出した後(本人には知らされなかったが)実母に命と引き換えに庇われた直後のパシフィカを救出している。

◆最終決戦(13巻)

パシフィカの16歳の誕生日を目前にして、皮肉にも《秩序守護者》が間接的に追い詰めた事で決意を固めてしまった王子にして実兄フォルテスによって、彼女が瀕死の重傷を負いフォルテス自身も自傷して昏倒。
「もし本当にパシフィカが『世界を滅ぼす』というような存在になるならば、その時は自らの手で彼女を殺す」という自分の誓いが兄による妹との無理心中という最悪の形で果たされてしまう衝撃を前に、手当もさせぬと生き残りの《秩序守護者》が襲来する。

だがそれと同時に、彼女の死を切っ掛けにゼフィリスすら知らなかった最後の仕掛《封棄世界破壊プログラム》が作動。
シャノンと《秩序守護者》は宇宙空間に放り出され、その場で最後の決戦を行った。…が、宇宙で休眠待機していた無事な他の《竜機神》達の助けで勝利はしたものの、最期に斃れたシーズが最後まで約束のイヤリングを身に着け、なのに降伏する事なく命を投げ出すように果てた事に、やりきれない想いが残ってしまった…。
そして、「ある奇跡」によってパシフィカはゼフィリスを介して全裸で再生。兄妹が地上に帰還するのと同時に、フォルテスの傷も治るのだった。

◆後日談(サプリメント)

マウゼルと《秩序守護者》達に勝利した後は、クーデターが諸々の騒動でなし崩し的に終わり前王が行方不明のためフォルテスが新たな統治者となった王家に招かれるも、『英雄』としての王宮暮らしを辞退して田舎に一度は戻っている。

が、数年後にパシフィカが正式に『王女』となった際は、宮廷仕えをしている姿が描かれていた。
そして平和が戻ったカスール家には、ある遺跡でラクウェルが「拾った」子供…スィンが新しく加わっている。


【余談】

前述した通り、コイツはかなりモテる。建築士である。

しかしパシフィカがかなりのブラコン──というかぶっちゃけ兄妹仲を超えかねないレベルなので滅多に女性と進展しない。後日談では新たな小さい妹も出来たので結婚は遠そうである。

パシフィカ曰く、「シャノンと結婚する相手は自分があらゆる面で尊敬できる人間がいい」との事。無茶言うな。


そんな彼、読者間では《竜機神》のインターフェースであるゼフィリスとのカップリング人気が高い。
『サプリメント』5巻では人気を受けて、作者自らがシャノン×ゼフィリス話を書き下ろしている。

「相手兵器じゃねーか!」というツッコミはごもっともだが、《竜機神》はあらゆる物質に干渉する『形相干渉能力』を持つので、遺伝情報を1から作り出す事も可能(竜騎士の許可が必要だが)。

実際、歴史上では《竜機神》と結婚した上、子供まで作ったという変態……もとい猛者すぎる《竜騎士》もいたらしい。
夢を追いかけすぎだろ人類……



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最終更新:2024年04月03日 09:01