劇場版 機動戦艦ナデシコ -The prince of darkness-

登録日:2009/06/06(土) 04:07:27
更新日:2024/02/11 Sun 21:31:23
所要時間:約 7 分で読めます





星の数ほど人がいて



星の数ほど出会いがある



そして



――別れ――







【概要】

1998年8月8日に東映系で公開された、テレビアニメ『機動戦艦ナデシコ』の3年後の話を描いた劇場作品。
キャッチフレーズは「キミノオモイデニ、サヨナラ」同時上映は『スレイヤーズごうじゃす』。

前日譚として角川スニーカー文庫から出された『ルリ AからBへの物語』、セガサターンで発売された『機動戦艦ナデシコ The blank of 3 years』がある。
最も後者は正史√以外どうやっても『AからBへの物語』や劇場版に繋がらないが。


【ストーリー】

ボソンジャンプによる新航路開発計画『ヒサゴプラン』。巷では、そのヒサゴプランに関連するコロニーを襲撃する神出鬼没、正体不明の機体“幽霊ロボット”が噂になっていた。
ホシノ・ルリは自身が艦長を勤める戦艦〈ナデシコB〉で、ヒサゴプラン関連コロニーの一つ〈アマテラス〉の調査に向かうが、そこに件の幽霊ロボットが現れる。
幽霊ロボットの出現と同時に、コロニー内の至るところに表示される『OTIKA』というウィンドウ。

その言葉の意味とは…………。

新たな事件発生に伴い、元ナデシコクルーが再集結する。



【登場人物】

主要人物

ホシノ・ルリ
CV.南央美
「こんにちは」
主人公。もう一度書くぞ、主人公。
ナデシコBの美少女艦長。階級は少佐。TV版に比べて髪が非常に伸びた。
可憐な容姿で有名らしく、子供達から絶大な人気を誇り、『電子の妖精』と呼ばれる。また、視聴者に挨拶してくれる。
この時年齢は16歳なのだがどう見ても中学生ぐらいにしか見えない(特に私服姿)。
あんまりにも人気があるので、彼女の交通安全ポスターが町に貼られたらしい(リアルに)。当然と言うべきか、盗難が相次いだ模様……。


◆マキビ・ハリ
CV.日髙のり子
ナデシコBのブリッジ要員(11歳)。かわいい。階級は少尉。
普段は髪を下ろしており明神弥彦を女性的にしたような外見だが、乗艦の際にはオールバックにする。
ルリと同様の生まれの少年で、ルリにとって弟のような存在。本人はルリの事が好きな模様。
純情で、サブロウタによくからかわれる。
名前の由来はガラスの別名「玻璃」より。

◆タカスギ・サブロウタ(高杉三郎太)
CV.三木眞一郎
木連軍人で現在はナデシコB所属のエステパイロット。階級は大尉。
昔(テレビ時)は角刈り熱血兄ちゃんだったが、色々あって金髪ナンパ男に。変わりすぎ。


テンカワ・アキト&ユリカ
CV.うえだゆうじ桑島法子
佐藤竜雄監督と大月俊倫プロデューサーの陰謀の最大の被害者
めでたく結婚したが、新婚旅行で乗ったシャトルが事故で爆発。帰らぬ人になった……。


旧ナデシコクルー

◆スバル・リョーコ
CV.横山智佐
パイロットを続けており、現在は統合軍のエステバリス部隊「ライオンズ・シックル」隊の隊長。
昔よりさらに髪を短く切り、緑に染めていたのが黒に戻っている。
『ルリ AからBへの物語』によればアキトが上記の事故で死んだ後にそうしたらしい。
サブロウタとフラグが立った。

◆アマノ・ヒカル
CV.菊池志穂
現在は人気漫画家。23世紀にもなって万年筆とインクで原稿用紙に漫画を描いて洗濯ばさみで干している*1
だが腕は衰えていない。ブランク回復の格ゲーでリョーコをフルぼっこ。

◆マキ・イズミ
CV.長沢美樹
バーのママをやっている。相変わらず貞k(ry
もちろん強い。

◆ハルカ・ミナト
CV.岡本麻弥
現在は教師で、白鳥ユキナと一緒に住んでいる。おっぱいにハーリー君がダイブした。
昔は目立たなかった操舵士テクニックを披露。

◆白鳥ユキナ
CV.大谷育江
木連の英雄・白鳥九十九の妹。和平後はミナトと一緒に暮らしている。今ではピチピチの女子高生(服装的な意味で)。

◆アオイ・ジュン
CV.伊藤健太郎
相も変わらず損な性格の軍人。素手で壁にヒビを入れた。
ようやく春が来たかと思われたがユキナには異性としては全く意識されてないという相変わらずの不遇っぷり。

◆ホウメイ
CV.一城みゆ希
『日々平穏』という飲食店を経営している。
キーボード担当。

◆イネス・フレサンジュ
CV.松井菜桜子
「説明しましょう」
ご存じ説明おばさん。アキトとユリカの後に事故死した。
実は生きており、「火星の後継者」から身を隠すため、ネルガルに匿ってもらっていた。

◆ウリバタケ・セイヤ
CV.飛田展男
「こんな事もあろうかとってな!」
合流しないと見せかけて先回り。新造艦のメンテをしていた。燃える展開に一役買うが、ご都合主義の代償として奥さんにはひっかかれた。

◆メグミ・レイナード
CV.高野直子
アイドル声優。そばかすが消えた。
直接ナデシコに復帰はしないが、別の場所で活躍。

◆ホウメイガールズ
今は5人組のアイドルグループとしてデビューしている。

ネルガル重工

◆プロスペクター
CV.小野健一
「お水の中からこんにちは~」
ナデシコメンバー再集結に尽力するチョビヒゲナイスガイ。
ギター担当。

◆ゴート・ホーリー
CV.小杉十郎太
「久しぶりだな、ミナト」
墓にカモフラージュされたSP。

◆アカツキ・ナガレ
CV.置鮎龍太郎
「金持ちを舐めんなよ」
相変わらず良い奴か悪い奴か分からない胡散臭いネルガル会長。
スペシャルゲスト。

◆エリナ・キンジョウ・ウォン
CV.永島由子
ネルガル会長秘書。
ほとんど出番なし。昔「3年以内にネルガルのトップになる」とか言ってたがまだ秘書。

◆月臣源一朗
CV.森川智之
元木連の軍人だが、現在はネルガルに所属している。
木連式柔の使い手。
TV版とは激しくキャラが変わった。

連合宇宙軍

◆ミスマル・コウイチロウ
CV.大塚明夫
現在は連合宇宙軍大将。
ユリカの父親。余りにも若くして散っていった娘夫婦の墓に献花するところから物語が始まる。

◆秋山源八郎
CV.松本保典
かつての木連の幹部でサブロウタの元上官。木連軍の多くが統合平和維持軍に移る中、宇宙軍少将となっている。
かつての上司である草壁の決起を受け「申し訳ない」と頭を垂れた。

◆ムネタケ・ヨシサダ
CV.真殿光昭
階級は中将。TV版には写真のみ登場したムネタケ・サダアキの父。
コウイチロウ、秋山とおっさんトリオを結成。

統合軍並びにアマテラスの人々

◆アズマ准将
CV.飯塚昭三
ハゲ。アマテラスを統括するお偉いさん。元は非宇宙軍出身の将校で、宇宙軍にライバル意識を燃やしている。
ライオンズシックルの上官であるが、リョーコと同じくらい気が短いので喧嘩が絶えない。

◆マユミ
CV.三石琴乃
おっぱい。アマテラスのガイドを務める美人さん(軍人ではない)
火星の後継者が決起した際にはルリルリをバイクで運んであげる気のいい一面も。
ちなみに中の人はミサトさんだが、綾波っぽい声のマスコット(ヒサゴン)もいる。
スーパーロボット大戦MXでは声とバイク繋がりでベガさんが代役を務めている。

ユーチャリス

◆幽霊パイロット
CV.???
謎の黒いロボット・ブラックサレナを操る黒衣の男。
スパロボやってると勘違いしがちだが、本作での出番は非常に短い。合計しても5,6分あるかないかくらい。
ただし、その限られたシーンはいずれも本作を語る上で外せないものであり、存在感は保っている。

◆ラピス・ラズリ
CV.仲間由紀恵
ユーチャリスを操作する金の瞳を持つ少女。
CVは黒歴史

火星の後継者

◆草壁春樹
CV:安井邦彦
本作の諸悪の根源その1。
木連の中将で実質的なタカ派のリーダーであったが、3年前の「熱血クーデター」でハト派に追い出された…はずだった。
しかし北辰やシンパと共にクリムゾングループと結託。密かに統合軍を内部から食いつぶし、地球連合へのテロを決起する。

北辰
CV.山寺宏一
本作の諸悪の根源その2。
幽霊ロボット事件の影にいる怪しい男。ナデシコキャラとは思えないほどシリアス外道で、ナデシコシリーズにおけるラスボスとも呼べる存在。
左目は義眼で異様にパッチリしている。

◆ヤマサキ・ヨシオ
CV.若本規夫
コロニー開発公団の次官だが実は火星の後継者の幹部。
説明おじさん。


【登場メカ】

火星の後継者のメカニックについてはそちらの項目を参照。

《ナデシコB》
ナデシコ級の実験艦。
カラーは白に青。オモイカネも健在。試験艦であるため武装はグラビティブラストのみ。だが一部ゲームではミサイル持ってたりする。

《ナデシコC》
ウリバタケたちが持ってきたナデシコ級新型艦。
鋭利なデザインだったBを少し丸くしたような見た目で、カラーリングは初代と同じ白に赤。
本領が電子戦なこともあって武装はBと同じだが、ゲームではどこに押し込んだのか相転移砲を装備していることも。

エステバリスカスタム》
エステバリスⅡをカスタムした機体。リョーコ達が使う。
基本設計や開発プランは“あの”エクスバリスである。

《スーパーエステバリス》
サブロウタが駆る青いエステバリス。3年前のアカツキ機の改良型である。


ブラックサレナ
黒百合の名を持つ機体。
巷を騒がせている幽霊ロボットの正式名称。単体でボソンジャンプ可能。
普段は黒い花のような突撃形態で高速移動し、装甲パーツを外すことで戦闘形態に変化する。
真っ黒な上にやたらとデカいので画面上でも目立つが、実は映画作中では冒頭(しかも連合軍と戦う)と終盤でしか登場しない。
スパロボだと長年第2飛影枠だったが、初登場作のRや近年の作品ではすぐに味方になる他、
前者では技術の前倒しによりTV版のアキトを乗せることも可能。

《ユーチャリス》
ブラックサレナの母艦。ナデシコタイプに似ている。

《アルストロメリア》
月臣の使うエステタイプの機体。単体でボソンジャンプ出来る。
火器を持たず、両腕に装備したクローを使った接近戦を行う。


【用語】

《連合宇宙軍》
TV版で一般的に「軍」ってよばれてた人たち。主人公であるルリも当然ここ所属。
蜥蜴戦争終結後、他軍→統合軍と立場が逆転し、吸収される日も遠くないと思われていたが……

《統合平和維持軍》
通称「統合軍」。宇宙軍以外の陸海空軍と、地球連合に加盟した木連軍による統合組織。
宇宙軍とはあまり折り合いが良くない。

火星の後継者
本作におけるワルモンであり、太陽系征服を目論むテロリスト。
要するに木連のタカ派の残党と、地球連合に不満を持つ人たちの集まり。
統合軍内部でクーデターを起こした。

《ヒサゴプラン》
ボソンジャンプを実用化すればどこでもドアみたいに太陽系内行き来が楽になるんじゃね?という計画。
勿論そんなに都合のいい計画なわけがなかった。

《A級ジャンパー》
火星生まれで生身のボソンジャンプが可能な人間。演算ユニットに明確なイメージを伝えられるとして、様々な組織に狙われる。
服ではない。

なぜなにナデシコ 劇場版》
ナデシコと言えばこれ。もちろん劇場版も存在するのである。
説明するのはもちろん……。



【主題歌】

『Dearest』(松沢由美)
有森聡美(作詞)/大森俊之(作曲)

ある人物が想い人へとむけた直向きな愛が籠った歌。
映画を見終えた後だとそのあまりの歌詞の重さに打ちひしがれること請け合い。

余談だが某カラオケ機種では本楽曲の映像として劇場版が使われている。
それは当然なのだが、TV版OPやゲキ・ガンガーの楽曲まで同じ映像(しかもルリの入浴シーンもある)なので先にそちらを歌うと面食らうであろう。

【機動戦艦ナデシコ ルリAからBへの物語】

テレビ版から本作までの間を描いたノベル作品。
終戦後、身寄りのないルリのその後の生活や、アキトとユリカの結婚の行方などが描かれる。
……が、上記の通りアキト達が新婚旅行で死亡するので、これ単品だとかなり鬱(最後のシーンが二人の葬式)。



※以下ネタバレ























実はアキトとユリカは生きており、事故に見せかけて〈火星の後継者〉に誘拐されていた。
二人はボソンジャンプの演算ユニットにイメージを伝えられる〈A級ジャンパー〉であったためボソンジャンプの実験台にされ、
ユリカは演算ユニットに他の人間のイメージを伝える人型翻訳機にされてしまった。そしてアキトは、ネルガルに救出されるも実験の影響で五感が著しく低下してしまった。

アキトはユリカを奪い自分をこんな目に合わせた奴らに復讐するためにネルガル協力の元、〈ブラックサレナ〉を駆り復讐鬼となったのである……。




ちなみに劇場版のその後の話をTVシリーズで作る企画があったが、いろいろあって結局中止になった。
いろいろってなんだよこんちくしょう……!
大人の事情!?そんなんで片づけられてたまるかってんだ!!!





「君の知っているテンカワ・アキトは死んだ………彼の生きた証……追記・修正してほしい……」

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • 機動戦艦ナデシコ
  • ナデシコ
  • アニメ映画
  • キミノオモイデニ、サヨナラ
  • 劇場版
  • シリアス
  • ギャグ
  • 星雲賞
  • お久しぶりですね~
  • 熱血
  • 名作
  • ルリルリ=電子の妖精
  • ルリルリがヒロイン
  • 黒い王子様
  • 復讐劇
  • うるるん
  • ルリルリの入浴シーン
  • 仲間由紀恵
  • スパロボ
  • 瑠璃
  • 玻璃
  • ラーメン
  • ブラックサレナ
  • The prince of darkness
  • 北辰
  • 女性が主人公のロボットアニメ
  • スパロボ補正の権化
  • 完結編
  • 祭りの後
  • BからCへの物語
  • アニメ
  • 映画
  • 佐藤竜雄
  • 東映
  • 鬱展開
  • スパロボ参戦作
  • 夏が来れば思い出す
  • お盆
  • 同時上映との凄まじい温度差

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年02月11日 21:31

*1 放映当時、デジタル画材はまだ普及が遅れており、よほど売れている漫画家(寺沢武一とか士郎正宗とか)でない限りまず使うことは無かった。