完全版商法

登録日:2010/11/19 Fri 17:30:46
更新日:2024/02/24 Sat 07:36:40
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完全版商法とは、主にゲーム業界で使われる用語であり、既存のソフトに追加要素や改善を加えて、新たに発売する商法のことである。
広義の意味ではグラフィックやシステムが最新化、シナリオが改良されたリメイクや移植等もこれに含まれるが、ハードやソフトの高性能化によるもの、リメイク元の次回作以降で改善されたシステムの流用等の理由がプレイヤーにも認知しやすいのでこう呼ばれる事は少ない。
詐欺の手口が「○○商法」と呼ばれることが語源で、お世辞にも良いイメージの言葉ではない
…そもそも明示的に使われるのは「完全版」に対して批判する時が大抵なので、そこまで間違ってはいないが。

ポジティブなイメージで使いたい場合であれば、単に「完全版」といった方が無難。
他にも、ディレクターズカット、アペンドディスク、アップデート版などと呼ばれることもある。
ダウンロードコンテンツ(DLC)が発達した現在では、完全版をDLCの1つという形で対応する事も多くなってきた。

PCゲームでは追加パッケージや有料MODは昔から多く、息の長いタイトルはむしろそうした追加パッケージを入れてからが本番というようなものもある。
後々抱き合わせで販売されることも珍しくないのだが、やはり後述のような要因があるとユーザーの反感を買うことに変わりはない。

最近では出版業界でも散見され、漫画の場合は連載時カラーページや特集・読者ページの再録・再現、小説だと詳細な加筆や著名人による作品解説なども見られるが、
単純に単行本のサイズが大判になり装丁や中の紙が多少豪華になっただけのモノである事も多い。

本項目では主にゲームの完全版商法について記述する。

問題点

追加要素や改善は、その作品のユーザーにとっては嬉しいものであり、諸手を上げて迎え入れられることも多いが、下記の内容が目立つと批判されやすい。

  • 元のソフト発売→完全版発売までの期間が短い
1ソフトのプレイ時間が長いRPG(クリアまでに膨大な時間がかかる)や逆にボリュームが少ない作品などに見られる。
どれくらいの期間を短いと感じるかは個人差があるが、発売から半年程度で発売される場合は、「それなら半年延期して最初から完全版出せよ」と言われることがある。

  • 追加要素が少ない、改善がされていない
完全版と謳っている割には追加要素が少なかったり、追加要素の魅力が乏しい物、元のソフトの不満点が改善されていないままだったりと、所謂「手抜き感」があるもの。

  • 値段が高い
完全版は言ってみれば既存ソフトの焼き直しなのだが、それにもかかわらず元より値段が同等又は高価な場合に言われる。
他の要因とも被ることが多い。
完全版はDLCと違い元のソフトも丸ごと売るので「本体+α」となるのは理屈として間違ってはいないのだが、ユーザーからすれば同じゲームを2本買わされるのも同然であり、決して財布に優しいとは言い切れない。
特に低年齢層向けのゲームでは、お小遣いだけで完全版が買えなかったり、保護者からの理解を得られないケースもあるだろう。
それなら「ベスト版+α」の値段でいいだろうという声もある。

  • ハードを跨ぐ
元の作品と完全版で出るハードが変わってしまうこと。
PS3やXbox360、Wiiなどの新世代ハードが複数登場する事や完全版販売前に次世代ハードが登場してしまう事によって、新たに問題として浮上した。
マルチプラットフォームの作品は珍しくもないが、同世代に近い各ハード間で発売時期が空いていて、かつ後から発売された方に追加要素があると問題視されることがある。
メーカーとしてはまだ持っていない相手にこそ売ろうという目的があるのだが、最初に買ったファンが置き去りにされている感は否めない。
好きなシリーズが出るから奮発してハードを買ったのに「やっぱり他のハードでも出します」となったら、最初からそう言ってくれと思うのも無理はないだろう。
もちろん最初に売り上げが確保されたからこそ移植する余裕が出た、という場合もあるが。
よく勘違いされるが、過去作を最新ハードで作り直す「リメイク」、もしくは内容をそのままの「移植」は、厳密には完全版とは言えない。


完全版の功罪

先に述べたとおり、完全版の存在自体は決して悪いものではなく、ユーザーとして見れば好きな作品の内容をより充実させ、より楽しめるものとして歓迎されるはずである。

逆に製作サイドとしても、予算や容量、開発期間等の不足から諦めざるを得なかった要素を改めて練り上げ実装できるのは嬉しいことだろう。

どちらも作品への愛があればこそ「より良いものに仕上げたい」「磨きあげられたものを体験したい」と考えるものである。

しかし最近では儲け至上主義とも取れるような完全版の売り方が目立つようになり、ファンやユーザーを蔑ろにする例が増えたため、それに対する批判の意味で「完全版商法」という言葉(蔑称)が産み出されるに至った。

シリーズものでこれをやった場合、後々通常版自体が売れなくなる可能性が高くなり、最悪シリーズの存続自体が危ぶまれてしまう。

近年はDLCの配信環境が整ったことで完全版を出すこと自体減ってはいるが、DLCもDLCで内容や売り方によっては批判の対象になる。

また、同じ作品でも海外版でローカライズやカルチャライズ以外の理由で要素が追加、調整される似たようなケースがあった。
(例:DQ8、FE蒼炎&暁の女神)
後年の作品では国内外で発売時期の足並みが揃うようになったので過去の話になりつつあるが、
このような海外版の変更要素を含めたバージョンが日本で販売されないことは少なくなかったため、やはり一部ファンからは批判されていた。


その他の弊害

昨今ではメーカー側が完全版商法をしすぎたせいか、新作が自分の気に入らないハードに出る場合それの発売前から別機種へ完全版を要求するという、過激な(自称)ファンが現れるようになった。
それがサードソフトならまだ可愛いものだが、中には常識的に考えれば絶対にありえないと子供でも分かるファーストタイトルの別会社のハードへの完全版を要求する輩まで現れており、酷い例になると一部のサイトがそれをさらに煽った結果、一時的に「他会社のハードで完全版が出る」という完全な大嘘が広まってしまった事もある。


主な完全版の例(良い例も含む)

SFCで発売されたストリートファイターⅡ(1992年6月10日)から一年と一ヶ月後(1993年7月11日)に発売さた。
四天王が使用できるⅡダッシュモードと、Ⅱダッシュを基盤としゲームバランス調整とゲームスピード変更が追加されたⅡターボモードの2バージョンで遊ぶことが可能。
カセットのロム容量の増加やSFC版の原作発売後にアーケードで実装されたターボの移植など当時としては画期的だった。

当時は完全版という呼び方自体が無かったが、近年では完全版の例の一つとして挙げられるケースもある。
…が、そもそもこれは「アーケード版が原作('TURBO。1992年12月発売)であり、それを移植しているに過ぎない」ため、完全版商法とは言い難い。
仮に言うとするならば「バージョンアップ商法」(当然ながら当時は家庭用ゲーム機で更新データという概念なんて無いが)であり、それもそもそも原作たるアーケード版がリリースされるペースを注視・問題視すべきである。

なおSFC版ターボにとどまらず、SFC版ターボの発売約1年後(1994年6月25日)にはスーパーストリートファイターⅡが出ていることや、メガドライブ版の'PLUS(1993年9月28日)とスーパー(1994年6月25日)なども同じ関係にあたる。
補足として、原作の最短のリリースのスパンは5ヶ月である。*1

ストリートファイターシリーズのみならず、対戦型格闘ゲームにおいては現在に至るまでバージョンアップ調整が途絶えることはなく、この販売形式が近年まで続くこととなる。


ペルソナ3』では発売から約半年後に既存の内容に追加要素を加えた『フェス』が発売された。
ただし既に『3』を持っている人のために廉価版のアペンドディスクも発売したため、売り方自体は完全版の好例として捉えられることが多い。
ただ、新規シナリオがかなりの賛否両論なのが玉に瑕。
なお、後に登場したPSP移植版である『ペルソナ3 ポータブル』は、UIなどを改善し女主人公を追加したが、新規シナリオ部分は収録していない。

ペルソナ4』ではVita移植時に追加要素を加えた『ザ・ゴールデン』が発売されたが、オリジナル版の発売から約4年が経過し、元々のハードであったPS2は既に後継機のPS3に主力を譲り、生産終了の日が迫っていた。
実質的なリメイクとも捉えられるため、然程批判はなかった。

ペルソナ5』では、オリジナル版発売から3年後にPS4でのみ追加要素を加えた『ザ・ロイヤル』が発売されたが、有償DLCでのアップデートによる補完といった『5』所持者へのフォローは一切行われなかった。


通常版のおよそ一年後に発売された。
海外版に実装されていた多数の追加要素に加え、専用OPムービーを収録。
それでいて値段は通常版の半額
通常版のセーブデータが流用できない等の問題点もあったが、通常版未プレイ層はもちろんファンからも概ね好意的に受け入れられた。


ハードをXbox360→PS3に変えたことで批判を浴びた。しかしシステム面は格段に改善されており、擁護する声も。
因みに3も完全版商法……ただゲームバランスの見直しや致命的なバグの修正、新キャラの追加に新たな隠しダンジョンと結構なボリュームになった。


ゲームキューブ→PS2へとハード変更。OP曲変更に加え追加要素もあってそれなりのボリューム。
ファンタジアがSFC→PSでリメイクされた際に追加要素があったがこちらは移植と見られており、テイルズにおいて完全版商法が生まれたのはこの作品からと見ていいだろう。


これもXbox360→PS3とハードを変えたが、なぜかXbox360版の通常版のプログラミングコード内に完全版の追加要素が存在していたり、
容量が1GB近く余っていることから、通常版=削除版とまで言われ、さすがのファンもブチキレ、署名運動にまで発展した。

2019年にはリマスター版としてPS4・Switch・XboxOne版が発売されたが、こちらはPS3版準拠で移植された。


Wii→PS3へこれもハード変更。PS3版ではバグの修正の他に本編の後日談を描いた新シナリオに、新技の追加とかなりのボリューム。
Wii版が珍しく無料でバグ修正された直後の発表だったため、この無料修正は火消しだったのではとも。


通常版が出た後に追加要素を加えた「G」が出る事で有名。
追加要素にはボリュームがあり、通常版が発売された事から「G」への期待も大きい。
実際、MHP2は、「G」で倍近く販売数を伸ばしている。
一方で、あまりにも繰り返しすぎたために「どうせ"G"が出るだろ…」と思っているファンも少なくない…というより、最初からGが出る事を前提に通常版をプレイしている事の方が普通であり、批判も少なからずある。
ハードを跨った(それも据置→携帯機)ために通常版とデータを共有しないMH3G、その一方でG出すだろと散々予想されたが、開発側はこれ以上の拡張が望めず出なかったMHP3というケースも存在する。

しかしMHWorld以降は展開方法も変わり、MHWorldの『アイスボーン』(MHW:I)、MHRiseの『サンブレイク』(MHR:S)はいずれも“超大型拡張コンテンツ”と称されている。
追加要素がマスターランク(MR)の実装や新モンスターの追加等なので、これが実質「G」に相当する。
そういう意味ではオンラインゲームのパターン(例として挙げるとFF14に近い)に近くなっている。
MHW:IのPS4版は新規プレイヤー向けに作品本体と拡張コンテンツのセット「マスターエディション」も販売されているが、既にMHWorldを持っているプレイヤーであれば、ディスク版で欲しい場合でもない限り、
拡張コンテンツだけ、つまりMHW:I単品のダウンロード購入すれば済む話であり、わざわざ完全版ディスクを買う必要は無い。

モンハンはRPG作品の完全版とは異なり、他プレイヤーとの協力プレイが前提となる上に、拡張コンテンツの要素の開放には上位クエストを一通り終わらせている必要がある(作品によってはオフラインの上位開放に下位を進める必要もある)ので、
「Gが出るから通常版やらなくていいや」なんて浅い考えで放置すると、拡張コンテンツの要素を開放するために普通の作品1本分のボリュームをこなしてやっとスタートラインに立つことになるのである。
熟練者に付き合ってもらって楽に進める事もできるっちゃできるが、装備やらなにやら整えるのまで含めると結局面倒だし、プレイスキルが整わない内に高ランクのクエストに来られるとそれはそれで地雷になりかねない。


通常版発売後、無印シナリオ後の後日談を追加した完全版にあたるBURSTが登場し、更に歪だったゲームバランスが改善されている。
また、通常版所有者向けに(安価な)アペンドディスクが販売された他、大量の追加要素を随時無料で配信し続けており、追加要素の量を鑑みればゲーム界屈指の良心さであった。
が、2の後にRAGE BURSTが発売されたことなどで批判されることも増えている。


PSPで通常版を発売後10日かからずPS3で完全版の発売を発表。サブだったヒロインが攻略できるようになったり、後日談が追加されたりしたが、
新OPは通常版の使い回しだったり、モーションポートレート機能による表情描写は一部でしか使われない上、読み込みが遅くなったりと、宝の持ち腐れがち。


オリジナル版が1997年1月発売でインターナショナル版と銘打った実質完全版が1997年10月発売。
無印版のセーブデータが引き継げ、ムービー、イベント、隠しボスの追加やシステム調整がされており概ね好評だが、できなくなったテクニックや裏技も存在している。


FF7と同じでバランス調整、隠しボスが追加されたインターナショナル版が発売されたが、ボイスが英語になっており無印版と差別化するようにしている。
追加ボスは設定があやふやでラスボスより強いのにシナリオ途中でもうっかり出会ってしまう可能性があるためやっつけ感が強く、やや不評。


無印同様に英語ボイスのインターナショナル版が発売された。
追加要素として新しいドレスフィアやリザルトプレートのほか、ボス含むほぼ全てのモンスターや人間キャラを捕獲・育成しユリパの代わりに戦闘に参加させることができる「クリーチャークリエイト」が追加。
さらに本編とは独立したモードとしてローグライクダンジョンに本編の後日談(こちらは日本語音声)が描かれた「ラストミッション」も追加された。
元から豊富なやりこみ要素が存在していたが、これらの追加要素によってFFシリーズでも屈指のボリュームを誇る作品となった。


非公認完全版商法という特殊なパターン。
旧作については完全版商法をやっているわけではなく、移植のついでにバグを修正しつつ追加要素を増やしている。
が、GBAに移植する際に大失策。致命的なバグだらけな上に追加要素は何かしらバグるといった状態のまま売り出してしまった。
しばらく後にひっそり対応して、多くのバグが修正され裏側の銘板の末尾が「E3」から「E4」へと変わったバージョンを出荷し出したが、この際「E3」「E4」などというバージョン違いは存在しないという対応を取って交換には一切応じていない。
修正前を不良品でなく商品として扱ったということはつまり完全版商法をやったと言えるが、その情報をユーザーに与えていないのでやり方としては悪質である。
「E3」そのものは普通に中古で出回っているため、買う時には必ず銘板も確認したい。

後に発売されたPSP版は
  • ドット絵、演出などほぼフルニューアル
  • オートモードの追加などシステム的にも洗練
  • GBA版の要素はすべて遊べる
  • 続編であるジアフターを同時収録。
  • ジアフターはこれが初パッケージ化かつ追加要素もあり
  • さらに2つの物語を繋ぐオリジナルストーリーも収録
と大盤振る舞いであり、これでいてお値段は据え置き。
このためPSP版の演出やドットが気に入らず、なおかつSFC版になかった要素を楽しみたい以外にはGBA版の立場がなくなってしまった。

インターナショナル ゾディアックジョブシステムなる完全版が発売された。
イベントの追加はないがシステムが改善され遊びやすくなった…なんてレベルではなく別ゲークラスでシステムが変更されており一緒なのはグラとシナリオだけといってもいいほど違う。*2
一方で遊びやすい緩めのバランスになったのも事実であるが、無印版の洗練されたバランスをこよなく愛するプレイヤーも多く賛否両論といったところ。
後のリマスター版はインター版準拠の移植であるが、いわゆる「順番待ち」が廃止されたことで上級魔法が大幅に強化されており、ゲーム性が変化している。また、Switch版・XboxOne版ではライセンスボードの複数選択とリセットが追加され、これが実質的な完全版にあたる。


開発のトップが「Xbox360版は日本では発売しない」と発言していたにもかかわらず発売決定。
しかし、内容は海外Xbox360版に日本語字幕を付けてイージーモードを追加しただけで、
PS3版と比べて明らかに劣悪なグラフィックやサウンド、英語音声はそのままであり、完全版というよりは不完全版というべきものとなってしまった。
PS3版にも後にイージーモードが無料配信されており英語で楽しみたい場合以外はあまり価値のない一本となってしまい、それゆえか販売本数は13,000本とFF本編にしては振るわなかった。
以上のこともあって当初はPS3版より安価に購入できるくらいしか勝る部分が無かったのだが、後にMSの努力もありFFⅩⅢシリーズ3作品がまとめてXbox one X enhancedに対応することで現役機種で遊べるようになっただけでなく4Kグラフィック化をはじめ別ゲーと言って差し支えないくらいにクオリティが大幅強化、更にⅩⅢ-2とライトニングリターンズはXbox Series以降の機種ではFPSブーストの恩恵を得ることができる。このため現在ではXbox360版の方が需要が高くなる逆転現象が起きている。
元々好みの割れやすい作品ではあるが、どちらかというとスクエニの企業態度のせいで批判されがちの一本。

通常版が2016年11月に発売。ロイヤルエディションと銘打った完全版が2018年3月に発売。どちらもPS4。
結構期間の空いた発売であり、追加要素自体は描写不足だった今作の補完並びに設定のすり合わせがされており、比較的好評だがここで批判されるのはそのお値段。
通常版は発売当初約9800円。加えて各種DLCのセットのシーズンパス:2700円。さらに通常版をロイヤルエディション相当にアップデートするロイヤルパックは2200円。
ロイヤルエディションはその全てが詰まって約8500円

1997年に発売されたFINAL FANTASY Ⅶのリメイク作品群の第一弾で、主にミッドガルの物語が納められた作品。
2020年4月10日にPS4で発売、そして2021年6月10日にユフィ視点の物語が追加されグラフィック性能が向上したINTERGRADE版がPS5で発売された。(INTERGRADEとは「移行・中間」という意味)
このユフィ視点の物語は有料DLCとして購入可能なので完全版商法の項目には入らない…はずだった。
なんとPS4版では追加DLCがプレイできないのである。
PS4版からPS5版へのアップグレードは100円(日本の景品表示法に合わせるための価格設定)で行えセーブデータも引き継げるが当時はPS5が品薄状態でプレイしたくてもできない人が続出。
2021年3月度にPS Plus加入者向けにPS4版がフリープレイで配布(このフリープレイ版はPS5版にアップグレードできない仕様だったが同年12月22日にアップグレード可能に)されたことも火種になり、批判が集まってしまった。
2020年12月にはDQ11の完全版商法が問題視されていたことも合わさりスクエニへの批判は強かったが、PS5への「移行」を品薄状態でも推し進めるSONYの意向があったのではとSONYを批判する意見も見られた。
なお本作は数量限定ながらPS4本体同梱版が発売、PS5発売が2020年11月だから当然ではあるが……

1・2・バースバイスリープでファイナルミックス版なる完全版を発売。
FF10と同じくボイスは英語になっているが、こちらはディズニーキャラをオリジナルの声優が当てているため価値が高い。
イベントや隠し文書の追加が行われシナリオ的にもわかりやすい部分が多くなっているほかアビリティの追加・調整が行われかなりバランス調整がなされている。
1FMには難易度選択の追加、2FMには更なる難易度クリティカルとEXPゼロの追加などシステム面でも大きく調整が加えられている。
また隠しボスの追加がされ無印版で持て余していた強さを存分に発揮できるようになる。というか一部ボスは鬼畜すぎる
登場するハートレスの色合いが必ず変わっているのも特徴。
シリーズ恒例シークレットムービーの追加など総じて大幅に手を加えられることが多くファンも楽しみにしている面も大きい。さらに2にはRe:COMというリメイク作がついて値段はほぼ据え置きという良心さ。
PS3でのHD版でも過去作にちょこちょこ手が加えられている。
ただし、近年ではFM版出す前提で作っている節もありやり玉に挙げられやすい。


恐らく最も有名な完全版商法ゲームの一つ。
初代『赤・緑』→『青』・『ピカチュウ』の頃はともかく(特に後者は金銀の延期とも関係してくる)、以降は『金・銀』→『クリスタル』、『ルビー・サファイア』→『エメラルド』、『ダイヤモンド・パール』→『プラチナ』とマイナーチェンジ版の発売を繰り返しており、完全版商法と見なす向きが強い。

任天堂も流石にまずいと判断したのか、『ブラック・ホワイト』では完全版ではなく続編の『ブラック2・ホワイト2』を出した。
BW2は登場人物や各ダンジョンこそ多く共通するものの、ストーリーや登場ポケモンなどまさしく続編といっていいほど様変わりしており、
またBW2からはいわゆる完全版らしきものは作られなくなった。
しかし完全版の印象が強すぎるせいか、例えば『X・Y』に対する「Z」*3
『オメガルビー・アルファサファイア』に対する「デルタエメラルド」等、新作が出るたびに完全版が出るんじゃないかと噂されつつ結局出ないのが恒例になっていた。
恐らくキュレム・レックウザ・ジカルデ・ネクロズマの様に第三の伝説ポジションが未だに出続けているのも影響しているのだろう。

『サン・ムーン』に対する『ウルトラサン・ウルトラムーン』は一部のストーリーを共有しているため完全版と見られることもあるが、新要素や変更点も多い*4のでどちらかといえばBW2のような続編に近い立ち位置。
完全版として「スターズ」が出るなどと言われていたが、案の定出ないまま次世代の新作が発表された。

『ソード・シールド』ではハードの移行など様々なシステム環境の変化と同時に、ようやくアップデートによる追加シナリオなどに対応した。
ただし追加コンテンツはシナリオのプレイ権のみが有料DLC扱いで、追加シナリオで初めて登場したポケモンのデータは作品自体の無料アップデートの一部として、DLC未購入のプレイヤーの通信交換や対戦には支障を来さないようになっている。

タイトルの後ろに「猛将伝」が付く。これ単体では追加要素部分しか遊べず、値段もやや安い(5000円程度)。それと同時に無印版を含めた完全版(「with猛将伝」と言うタイトル。こちらはフルプライス)が出るため、それを待つファンも多い。ガンダム無双と真・三國無双5・6についてはPSPにて「special」と付いた物(実質with猛将伝と同じ)が発売された。
戦国無双3はWiiで発売したが、Wiiの猛将伝発売と同時に3ZをPS3で発売、さらにその後「special」と題したソフトをPSPでも発売した。
また無双OROCHI2は無印→Special→Hyper→Ultimateとハードを変えつつ要素を増やしながら発売されたために
ユーザーが「Ultimateで本当に最後の完全版なのか……?」と疑心暗鬼に駆られることとなった。

なお、コーエーは無双シリーズ以前から信長の野望・三國志を筆頭に「パワーアップキット」が販売されるケースが目立ち、昔からの得意技という感じである。こちらでも当然のように「with パワーアップキット」が存在していた。


無印に追加イベントなどを加えたもの。
無印の発売から約9ヶ月後という早さで発売された。
当初はDSiLL同梱版が速攻で売り切れるという期待ぶりだったが、
夏の行楽シーズンに合わせて発売するために開発を急いだのか、頻発するフリーズや無印のバグが消えた代わりに増えた新たなバグなど不満点も多く、
リアルタイムを強いるイベントもあって無印に戻る人も見られたりと、発売前の期待に比べると残念な結果となった。


  • 実況パワフルプロ野球シリーズ
開幕版=別名有料体験版。ユーザーにデバッグをさせた後、シーズン後に決定版という+αの名目で正規版がリリースされる。10では「"超"決定版〜2003メモリアル」と言うこれだけ特別なタイトルになり、ロゴもとある球団をモチーフとしたものになったりと、また別の疑惑を引き起こした。
ただ、プロ野球という題材の関係上、「毎年欲しい」「開幕に合わせて今期の選手を出して欲しい」「今シーズンの成績を反映して欲しい」という、ユーザーの需要と合致しているためか、あまり文句を言われる事はなかったりする。
最近では、野球人気の低下もあってか決定版どころか毎年出ることすらなくってしまった(2015・2017・2019・2021は未発売。選手データは最新版にアップデートできる)。


完全版商法ながらほとんど批判を受けていない珍しい作品。
理由は価格がベスト版相当であるのに、EDや一部イベントのハイクオリティムービー化や新イベント、隠しダンジョンの追加など、
新規のみならず通常版プレイ済みの人でも楽しめる所である。


DC版の発売後に、DC&PS2版が発売された。ただし、完全版というよりはウェスカーのファンディスクと言った方が正しい。
というのもゲーム内容は一切変更無し。
セリフや一部ファイルがシナリオに合わせて若干修正されている程度で、実際にはウェスカー関連のムービーが増えただけである。
しかも新規ムービーを追加するために美麗だった既存ムービーを一部削除したり、エンディングムービーを途中で切って新規ムービーを挿入。
それが終わってからエンディングムービーの続きを流すという暴挙に出た。
このため既存と新規の継ぎ接ぎとなったムービーには違和感があり通常版の方が実は完成度は高かったりする。


日本語音声を含めた有料DLCのプロダクトコード詰め合わせパックや特典DVDを同梱したスペシャルパッケージ版(という名の廉価版兼完全版)が1年足らずで発売。
DLCという形での追加なので致し方ないことではあるが、日本語音声と大元の日本語字幕が噛み合っておらず、8月発売にもかかわらずプロダクトコードの有効期限は年内と短期間であったことで、
本作の情報公開と同時に発売日も発表されていたため、「有料DLCは元々同梱予定だったが、開発が間に合わず急遽路線変更したのではないか」という憶測を呼んだ。
『6』そのものが「バイオシリーズとして迷走の極致に達した」「原点回帰を謳いつつサバイバルホラーはプロローグだけで、大量のQTEを筆頭に最早何のゲームを目指しているのかカプコンは完全に見失っている
と元々批判が殺到していたこともあってか、或いはCAPCOMサイドの明らかにユーザーへの配慮を欠いて勘違いを起こしている発言の数々もあってか、後発シリーズ作品で評価を回復するまで『バイオ』シリーズの評価が落ち込むことになった。


  • ドラゴンズドグマ
無印版から1年後に完全版として、日本語音声と無印版からの引き継ぎ前提の難易度の新規ダンジョンを追加したダークアリズンを発売。
…したのだが、海外ではDLCで追加できる要素だったり、多くのプレイヤーが使っていたアイテムの「密閉瓶」を店買いできなくしたりと賛否両論。
一方、話しかける回数が膨大になるため主人公との好感度が上がりすぎて高確率でくっつく(くっつかされる)宿屋のおっさんとのEDフラグが公式にへし折られた点は評価されることが多い。


無印発売から僅か3ヶ月で、同一ハード(PSP)にて完全版となる『ダンボール戦機BOOST』が発表。
更にそれから半年後にハードを3DSに変更して『完全版の完全版』である『ダンボール戦機爆ブースト』を売り出すなど、
子供向けソフトとは到底思えない売り方には流石に非難の声が相次いだ。
(『爆』発売までの過程で無印の延期とハードの世代交代を考慮すると若干見方が変わるかもしれないが)
DLCが完全無料で、ゲーム購入後は一切課金要素が無いのが唯一の救い。
ちなみに、当時コロコロコミックをフラゲしてBOOSTの情報をリークした人は、
余りにも度が過ぎた完全版商法を信じてもらえずに『嘘バレするな』と袋叩きに逢ってしまったとか。


よほど儲かるのか、「2」においてダンボール戦機と同じ手を使った。
しかも今回はもともとが「元祖」「本家」の分割商法であった上、妖怪メダル等による間接的な課金要素も存在する為にえげつなさは倍増している。メダルの件はQRコードなのでインターネットで調べればなんとかなるし、旧バージョンから真打へのデータ引き継ぎも出来る。
元祖本家だけでも、無料アップデートを施す事で、真打の追加妖怪も一部を除き登録出来るのが救い…と言おうと思ったが、結局全部買わないとコンプリートは出来ない。(詳しくは脚注を参照→*5
ちなみに脚注に書かれたのは全てこの真打などの完全版絡みだけでの話であり、実際は真打でコンプリートを目指そうものならさらに過酷になり、最低でも3DSが2台ないとコンプリートは出来ない。
尤も、とある妖怪の入手にサ終済みのソシャゲが絡んでいる影響で、2021年時点で完全新品からのメダルコンプリートは未来永劫不可能なんですけどね!
ここまでが「2」だけでの話。

完全版商法は「3」でも継続。なんと今回は、完全版の「スキヤキ」と同時に「バスターズTパック」なるものも発売。
これは「スシ」「テンプラ」のパッケージ版2本が両方入って6400円(今までは片方だけで4800円)というもので、通常版からたった3ヶ月しか経っていないのに事実上の廉価版である。
(ポケモンにある「ダブルパック」と考え方が似ているが、あちらは通常版と同時発売、かつ価格もきっちり2本分)
この頃の妖怪ウォッチは既に全盛期ほどの勢いを失っていた為、稼げるうちに稼いでしまおうということだろうか。

実際にブームから間を開けた後の4にはバージョン分けがない。
約半年後に完全版となる「++(ぷらぷら)」は出したものの、通常版から安価でアップデートできる良心的な仕様になっている。


ガストの代表作品。初作であるマリーのアトリエの他、アーランドシリーズ、黄昏シリーズの各三部作で行われた。Plusとつくのが特徴。
マリーのアトリエは初作を出した後移植時に要素を追加→PSに逆輸入という形で行われ、他の作品は据え置きで出した後しばらくしてDLCを全部追加したversionをVitaなどで出すというのを全てでやらかした。
値段は一般的な価格そのままなのでPlusを買う人にはありがたいが、DLC全部込みでお値段据え置き(もしくは価格ダウン)は通常版購入者への当てつけかと疑いたくなる。
値段については初代から続く伝統でもあるが、見直してもいいのでは?
近年ではついにデジタルデラックス商法というパッケージ版購入者を煽るような商法までやりだした。


  • ラングリッサーシリーズ
Ⅰ&Ⅱ、Ⅳで、SS・PS間での移植時にそれぞれ行われた。
Ⅰ&ⅡはMDでデアを再録する際にⅠのシステムをデア仕様に変更したものをPSでも出したものだが、SSへの移植時にⅡ側に追加要素が加えられており、PS版が安かろう悪かろう状態に。
ⅣはSSで出した後PSでⅣ&Ⅴとして出す際、システム面でⅤをベースに大きく変更が加えられ遊びやすくなった。どうせならリスティルも描き下ろしてくれたら良かったんだが
最初はセガハードという拘りを見せたが最後の最後で裏切る結果となってしまい、PSを持っている人にとってはⅢが出せずじまいで消化不良というどっちにとってもややありがたくない結果のままシリーズは完結し、開発チームはそっくりそのままアトラスへ移籍した。
そういうことなので後から何か出ても関係者が関わっていたとしても何一つとして関係ない他人が勝手にやったことでしかない。


  • 侍道シリーズ
初代から「侍〜完全版〜」が発売されるもバグフィックス版、廉価版としての側面が強くイベント追加などがあったのも事実だがどう変わったのか誰もよく知らない状況だったりする。
続編侍道2には2P対戦、刀の追加、システムの改善が行われた「侍道2 決闘版」、侍道3にはイベント、エンディング、伴侶の追加やシステム調整の行われた「侍道3 Plus」が発売されてる。
侍道4にも「侍道4 Plus」が発売されたがこちらは無印でのDLCが全部入ってバグ修正した程度。
どれも廉価盤発売であり知名度もあまりないことからそこまで批判はされてない。
また初代と2にはPSP版での移植版が発売され刀の追加やシステム改善が実装されたが、オリジナルから年月の経った発売であるため批判は多くない。


  • どうぶつの森
2001年4月にNINTENDO64で無印発売後、同年発売の次世代機ゲームキューブにて新要素を追加した「どうぶつの森+」が2001年12月に発売。この間わずか8か月。
ただこれは売る側の事情も関わっており、当時NINTENDO64は最末期でハードの市場拡大が見込めないうえ、ロムカセットが時計機能を仕込んだ特注仕様(これが無いと作品として成り立たない)なのも相まって再生産も十分にできなかったところ、想定外に人気が出てしまったため、新ハードの年末商戦用ソフトとして移植を急いだ、というのがある。
新規購入者目線でも終わりかけの旧ハードより、グラフィックが向上し今後のソフトリリースも期待できる最新ハードでプレイしたい、となるのは当然の流れだろう。
さらにはカードeリーダー+やSDメモリーカードアダプタへ対応した「どうぶつの森e+」が「+」からおよそ1年半後に発売。値段はカードeリーダー+本体を同梱し同額と、実質値下げされている。
「+」の完全版となるが、海外版をベースにしており、イベントやオブジェクトは海外仕様のまま、従来作にあった日本的な要素は払拭されていたため、賛否分かれた。
また、SDメモリーカードにゲーム画面や村のお出かけデータを保存できる機能があるものの、『あつまれ どうぶつの森』が展開されているNintendo Switchなど、近年のハードでは作品毎に個別に制限を掛けられていない限りは本体機能で当たり前のように出来るウェブ上への画像掲載も、当時は禁じられており、いまいち活用しきれない残念機能となっている。


プリティーリズム・レインボーライブの頃に発売され、北条コスモの初出でもある「プリティーリズム・レインボーライブ きらきらマイ☆デザイン」の完全版。プリパラの主人公である真中らぁらをメインにし、プリリズシリーズのキャラクター総出演の新規シナリオに加え、レインボーライブの人気キャラ・速水ヒロでプリズムショーができるモードを追加している。
その上、プリズムストーン*6が経年劣化で読み込みが困難になったことの対策も兼ねている為、プリティーリズムに登場したほぼすべてのコーデアイテム*7を組み合わせてオリジナルコーデを作成する事ができ、それをQRコードとして出力して後継作のプリパラやプリチャンに読み込ませることができる。
バージョンアップで追加されないとアイテム総数が1450に満たないという問題点こそあったものの、役割を終えてプリパラにバトンタッチするプリティーリズムの総決算としてふさわしい逸品となった。
なお「キンプリ」としてプリリズが再始動することになるのはこのゲームの発売から8か月ほど後のこととなる。


アーケード稼働から1年3か月後となる1995年12月に通算5回目の移植であるSFC移植版「す~ぱ~ぷよぷよ通」が発売したが、3か月後の年明け3月にモードの追加・BGMやキャラボイスの刷新を施した「す~ぱ~ぷよぷよ通 リミックス」を発売。定価も8,800円から6,800円と抑えており、廉価版も兼ねている。
64発売を控えた任天堂がSFCソフトの製造委託費を引き下げたためそれに乗った、という経緯をわざわざ説明書に掲載しているが、このような企業間の事情を説明されてもユーザーには廉価版を出すための方便としか受け取れない。
わずか3か月後、しかも単純な要素追加ではない新バージョンという形式の廉価版発売は「無印は年末商戦のために早く出した」「年度最後の売り上げ狙い」「熱心なファンへ向けたバージョン違いの再購入狙い」と取られても擁護はできないだろう。
とはいえ移植に移植を重ねその度にバージョンアップしており、過去作からの移植も合わせアーケード稼働から26年で29作も移植を出しているので長い歴史からすると些末なことかもしれない。
しかしセガ系のプラットフォームからの移植が多く、10年後にして通算17回目の移植である最終形のPS2版が移植されることがあまりないのは残念である。


13年の時を経て初代デジモンワールドのシステムに立ち返った傑作。
2012年7月にPSP版が発売され2013年6月にリ:デジタイズ デコード名義で3DSで完全版が発売された。
育成可能なデジモンが倍近くに増えておりアルフォースブイドラモンやムゲンドラモンなどファン待望のメンツが育てられるようになった。
X抗体編や魔王編などの新規シナリオが追加されサブイベントもかなり増えた。
システム面でも大幅な改善がありデジモンの進化条件が分かりやすくなったり進化ルートが見直されたりと全体的にブラッシュアップされている。進化先がないブルーメラモン君もバッチリ救済された。
ただしPSP版への救済は特にない。



  • 軌跡シリーズ
英雄伝説VI 空の軌跡から始まるファルコムの現看板シリーズの一つ。
空の軌跡FC→SC→3rd→零の軌跡→碧の軌跡→閃の軌跡1-4→創の軌跡までが2020年までのシリーズ作品。
販売期間が超長期化*8しているため、過去の作品がプレイ困難になっている事も珍しくない。そのためハードを変えての再販を何度も行っているが、その度に初回限定版含めた追加要素を加えて発売するため、フリークを非常に困らせる作品群でもある。
完全版というかリマスターをコレでもかとばかりに出すスタイルが、ファルコム商法と言われる事がある。

3DS/PS4でリリースされた無印の発売から2年後に完全版となる『S』がNintendo Switchで発売。
3DS版とPS4版の双方の要素を上手く融合させたのに加え、キャラクターのボイスやパーティメンバーが主役となる新シナリオ追加、オーケストラ版BGMの収録や新たな縛りプレイの追加など、完全版における追加要素は多い。
発売時期も無印版の2017年7月から2年経った2019年7月で、完全版が発売されることに対する批判は少なかった。

これだけなら他の完全版商法でもよくある事だが、問題はPS4版のほうである。
Switch版の発売から1年後にはPS4/Xbox One/PC版の『S』が発売されることになった。
ハードを跨ぐわけではないのに、無印の購入者に対するアップデートやDLCなどの救済措置が一切行われない、値段がSwitch版よりも格安、グラフィックが無印よりも劣っている事が仇となり、批判を招くことになった。

ゲーム以外での完全版商法

  • 平成仮面ライダー劇場版
最初は劇場公開時の尺で通常版が発売され(『劇場版カブト』以降は本編ディスクのみの通常版と特典ディスク付きのコレクターズパック版の2種類で発売)、
約半年後に劇場公開版ではカットされたシーン(作品によって追加される尺の長さが違うが、大体5~20分程度)を復活させて編集した他、
BGMに劇場公開時とDVD発売時には存在しなかった挿入歌を加えたり、一部の台詞などが変更されたディレクターズカット版が発売されていた。
電王の最初の劇場作品『俺、誕生!』のみDC版ではなくファイナルカット版という名称となっている。
2010年代に入るとDC版の製作が減少していき、『超・電王トリロジー』以降は春映画、『in Magic Land』以降は夏映画及び『MOVIE大戦』シリーズもDC版が製作されなくなり、劇場公開版のみに一本化された。特に春映画はライブ感や勢いを重視しているため、疑問点やツッコミ所が補完されなくなったのを惜しむ声も多かった。


GNアームズ TYPE-D+ガンダムデュナメスが初出。当初発売された単体キットではGNピストルが付かず、後発のガンダムアストレアtypeF-2まではこちらを買わないと完全仕様にはならなかった。
それ以降、ガンダムは通常販売後に最終決戦仕様や外伝仕様で追加武装ランナーが付いて発売される。
劇場版も勿論出るだろと読んでいる人もいるが、10年経っても音沙汰が無かったのだが、2021年にプレミアムバンダイ限定で遂に発売が決定。前年に発売されたGN-XⅣと併せ、ようやく劇場版の主要機体が揃いつつある。
HGシリーズも10周年記念で新作発表が無かったため諦めかけていたのだが、プレバンでガンダムプルトーネが新規金型で発売決定されたため、希望が持てるようになった。


  • HG IRON-BLOODED ORPHANSシリーズ
上記のガンダムデュナメス同様に、クタン参型+ガンダム・バルバトスで同様の行為に及ぶ。同キットには鍔付き刀と迫撃砲や腰部アタッチメントが付き、ガンダム・グシオンら宇宙海賊団ブルワーズとの決戦再現や、大気圏突入時の外見再現には必須なためしぶしぶ買う人が散見された。
ただ、こうした不満は初期の方で散見されたもので、後半になるとそれほど多くの批判は見られなくなった。
理由の一つに、コンプリートセットなどのプレバン限定発売が挙げられる。例えばガンダム・バルバトス第1~6形態の再現となると、複数個のガンダム・バルバトス本体と各種グレイズやクタン参型などのキットを買わなくてはならない。しかもお目当てのパーツ以外は余剰扱いになりやすいため、比較的コンパクトに纏まっていてこれ一つで済むというのは購買層からみるとメリットになったのだ。
また、レールガンやルプス専用刀などはプラモパッケージでは装備する姿が見れても劇中では使用する機会が無かったため、ボーナスパーツと割り切って買うかどうかを判断する事ができたのも大きい。
そうでなくとも鉄血キットは低価格かつ互換性重視に重きを置いているので、塗装や一工夫でなんとかなるというケースがあった。


  • Mobile Suit Discoveryシリーズ
ガンダムTHE ORIGINのメカニックデザインやメカニクル考証企画。一般販売商品はザクⅡやジムのランナーを使い回した設定こじつけ中途半端な商品を展開し、プレバンでは従来の設定画に沿った完全品を販売している。
ジム系統で言えば、ジム・インターセプトカスタムは、最大の特徴であるフェロウ・ブースターが未装備のジム本体のみを一般販売したのだが、この状態だとスプレーガンしか付属品が無いのでプレイバリューが低く人気が無い。
ザク系統では、ハーフキャノンと名付けられた流用金型のザクⅡ本体+ザクキャノンのバックパック品を一般販売したと思えば、プレバンで正規のザクキャノンを販売しているなど、既存パーツの流用品を一般流通においてプレバン商品の希少性を高めようとする姿勢は、かなりの批判を呼ぶこととなった。


無償アップデートで対応する事例

さまざまな完全版が発売される一方で、別売りにできるレベルの追加要素を無料で配信するという太っ腹なゲームも。
メーカー側としては直接の利益には繋がらないが、1本のゲームの話題性を維持することによって関連グッズやイベントの収益を上げたり、プレゼントなどの定番ソフト化を狙えるというメリットがある。
また、経済力が少ない低年齢層への恩恵も大きく、同じような物を何本も買わなくて済む事は保護者の財布にも優しい。

通常版の発売は2012年11月だが、4年後の2016年11月にamiibo対応やミニゲームなどの追加要素を収録した『とびだせ どうぶつの森 amiibo+』が発売された。お値段は発売済みの通常廉価版と同額ながら、amiiboカード1枚付き。
通常版には先行かつ無料で同内容のアップデータを配信。もちろんセーブデータは引継いだままで、amiibo+とアップデート済通常版との相互通信も可能。
店舗によってはアップデータ配信直後、通常版にもカードを付けて販売していた所もある。
4年という期間は完全版としては間が空きすぎで、それどころか完全新作が1本発売していたとしてもおかしくないほどであり、
そんな中で無償アップデートというのは、amiiboの販売促進という事情を差し引いても破格であった。
これにより新規プレイヤーが増えたのはもちろん、飽きていたユーザーを呼び戻すことにも成功。
村作りガチ勢から不満のあった要素「引越しテロ」の改善などもあり、プレイヤー間の交流に活気が蘇ったのだった。


  • 妖怪ウォッチバスターズ 赤猫団/白犬隊
上記でも妖怪ウォッチシリーズは挙げたが、本作は映画「エンマ大王と5つの物語だニャン!」連動ストーリーの「月兎組」追加データが2015年12月に無料で配信。
追加ビッグボスや追加妖怪、追加ストーリーもある。
ただ、ある程度ストーリーを進めないと解放されず、またUSAピョンが加入していないと話が進まない。
ちなみに妖怪ウォッチ定番のパロディネタは本作でも健在。
やはりというか片方のバージョン限定ボスもいるので、どの道コンプリートに3DS2台は欠かせないのだが。良質かと言えば微妙だし、かといって悪質かと言えばそうでもない
なお本アプデの追加妖怪は特別なコインによるガチャ、もしくは追加ストーリーの報酬の大当たり枠にいる。つまり運が悪いといつまで経っても手に入らない。


2018年3月の発売以来かなりの追加要素が配信されたが、なんと全部無料
ステージ・ドリームフレンズ・新規メモリアルイラスト・一部隠し部屋の追加の他、最終アプデではモード等追加など、ファンからは逆に「金払わせて」と言われるほどの大盤振る舞いとなり、長期にわたって注目を集めた。
そんなサービスの甲斐もあり星のカービィシリーズは、コラボカフェが人気につき常設化するなど、さらなる飛躍を遂げることとなる。



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最終更新:2024年02月24日 07:36

*1 スーパーストリートファイターⅡ→スーパーストリートファイターⅡXの移り変わり時

*2 因みにインター版と銘打っているが海外版はシステムは無印準拠なのでシステムは今作オリジナルである

*3 BW2のように2バージョンある形で制作自体は進められていたらしいが、Pokemon GOの監修やORASの制作もあって手が回らない事態になり、頓挫したと囁かれている。尚、マイナーチェンジ版の可能性は『サン・ムーン』のソースコードが解析されて判明した。

*4 本作はいわゆる「ifストーリー」となっており、進むにつれて前作との違いが出てくる。またエンディング後に追加エピソードがあるため、ボリューム自体はアップデートや完全版の枠組みを越えてくる。

*5 真打前提の連動をしないと入手不可の妖怪(元祖×真打、本家×真打、3バージョン全部)、主人公の性別で内容の変わるイベントで手に入る妖怪、真バスターズの各バージョン限定ボスがいる

*6 筐体のプリティーリズムでアイテム読み込みに用いられる宝石型アイテム。他のDTCGや後継作と異なり、不可視塗料で情報が印字されている。

*7 プリズムストーンとしての現物が存在しないアイテムを含み、ヘアスタイルや着ぐるみを除く

*8 1作目である空の軌跡FCは2004年発売。