キリト/桐ヶ谷和人

登録日:2012/02/16 Thu 23:50:19
更新日:2024/04/11 Thu 18:50:29
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戦えない人間なんかいない!
戦うか、戦わないか、その選択があるだけだ!


画像出典:アニメ ソードアート・オンライン第9話「青眼の悪魔」より©川原礫/アスキー・メディアワークス/SAO Project


キリト/桐ヶ谷(きりがや) 和人(かずと)とは、ライトノベルソードアート・オンライン」シリーズの主人公。本項目では電撃文庫版について記述する。



●目次


◆概要

◆リアルとシリーズ共通の人物像

2008年10月7日生まれ。SAO本サービス開始時14歳。埼玉県川越市に住んでいる、(少なくとも精神的には)ごく普通の少年。
リアルは中性的ながらも整った顔立ち。容姿については女の子と間違えられた事があるため本人は好ましく思っていない。

生まれて間もなく事故で両親を失い、叔母夫婦である桐ヶ谷家の養子となる。ちなみに21巻で明かされた旧姓は「鳴坂」。

桐ヶ谷家では実子である直葉と変わらない愛情を十分に受けて育てられたが、10歳の時に住基ネットに侵入した事で自身の生い立ちを知ってしまう。
自分の家族が実の血縁ではなかったという事実は幼い和人に大きなショックを与え、
「今目の前で話している相手は本当は誰なんだろう」というような疑心暗鬼に陥り、*1
その結果「誰もが自分ではない誰かを演じている」事が当たり前のネットゲームに走っていくこととなる。
このため重度のネットゲーマー。ついでにコンピュータ関係に熱中した結果、小学生時代から義母の部屋にあったジャンクパーツから自作PCを組んだりしていた。*2

そういった経緯から、家族の一件が要因で物語開始当初はコミュ障気味で少し根暗な性格であった。
ネットゲームに夢中になったのも、自分を隠して交流することができる、いわば偽りの世界に居心地の良さを感じたため。
しかし距離を取っていても家族の事はちゃんと愛しており、デスゲーム初日にクエストで出会った《病気の女の子》を見て直葉の事を思い出し「家に帰りたい、家族に会いたい」と涙を流したり、
後に「妹と似ている」という理由でシリカの手助けを買って出ているなど「家族」へのこだわりはむしろ普通以上。
SAOに囚われ、そこで生きていくうちに、仮想世界も現実世界も本質的には何も変わらず、相手を想う気持ちがあれば、その人が本当は誰なのかは関係ないと考えるようになり、
その結果SAOから帰還後には家族とのわだかまりも解け、「家族」として受け入れ振舞えるようになった。

基本的に対人関係は不器用で、特に初期の頃の態度は生硬で、論理的な付き合いで触れようとして失敗する事が多かった。
+ ※例外
のだが、例外がアスナとのファーストコンタクト。ブチ切れて暴走状態でを振り回す美人顔の女の子*3に初対面で諫言するなど、当時のキリトの人格とはかなり遠い行動である。それだけの資質を感じたのか、それとも「地」が出たという事なのだろうか。
たまに意識せずにキザな言動をとることがあるが、これは相手を心配する余り余計な事を口走ってしまったり、
また本当は自信が無い事を誤魔化し自分を鼓舞するため。
特に心配して上から目線気味に話してしまう癖を治そうとはしているが、これが中々治らないらしい。
なお、一度親しくなればちょっかいや悪ふざけを仕掛けるようになるため、単に初対面の相手が怖いだけなのだろう。

なお、帰還者学校での様子などを見る限り「友達」と言える相手は少なくないようだが、
「仲間」にまでするハードルは相当高い…というか、人材を選ぶ傾向が強い。
こうなった理由はおそらく、後述の事件のトラウマであろう。

また、自覚があるかは不明だが見込みのある人材は徹底的に育て上げようとするフシが見受けられる。
特にプログレ期のアスナや人界編のユージオが顕著で、アスナは「いつか自分を超えて攻略集団のリーダーとなるべき」、ユージオは「自分以上の才能がある」と考えて導いていた。
このため、ファンからも主人公よりもライバルに向いてるキャラと言われたりする。
というかそもそもコーチングの才があるのか、マスコットのイメージが強いがすっかりALO強豪プレイヤーの一角となったシリカや「名門中の名門」の祖になったロニエとティーゼはもちろん、壊滅した黒猫団も含めキリトの指導を受けたキャラは皆それなりに成長を遂げている

ゲームでもリアルでも趣味は買い食い。食い意地が張っており、βテストも含めたSAO内の知識の中でも食に関する知識に関しては特に詳細に記憶しているほか、パーティーの食事を同行した2人と一緒にあらかた平らげてしまったことも*4なお翌日以降ひどい膨腹感が続く羽目になった
なお本人の嗜好のせいで辛党御用達の味にはなるが、リアルでも料理の腕はそこそこある*5最強料理人のせいで霞んでいるが。

もうひとつの趣味が昼寝。アスナとの関係が深まるきっかけも昼寝だった。
普段ひどい目にあって緊張しっぱなしなせいか彼の寝顔は安楽の極みで、周囲の緊張まで緩めてしまう。そのせいでヒロインズが寝落ちしかけた。
少なくともピナとユイはキリトの寝顔を見るとすぐ寝落ちする。通称《プレイヤーにも効く催眠魔法》。

無駄に好奇心が旺盛で、突然妙な実験や検証を始めたりフラフラ~と失踪する(事件に巻き込まれなければ数日中に帰ってくるが)ことも多く、その度に周囲に迷惑を掛けた事を咎められて平謝りするなど、根はかなり子供っぽい。

将来の夢はフルダイブシステムを現実世界へ活かしていく研究にたずさわること。
ゲーム制作よりハードウェア開発を指向しているようで学校ではメカトロニクスコースを専攻しており、
アメリカの大学への留学を目指していたが、アンダーワールドでの戦いを経験し現実に帰還してからは志望先をラースに変更している。

こういった精神的性質は、本編の物語を経て本人の精神の解放が進むにつれて徐々にはっきりしていく。
そういう点はRPGっぽいと言えなくもない。

《SAOをクリアに導いた英雄・黒の剣士》という世間のイメージをどこか重荷に感じており*6
《黒の剣士》を象徴する《二刀流》も余程の事態でも無い限り使いたがらず、それどころか忌避している節がある。
ユウキに対する「彼女がSAOにいたら、二刀流は彼女の物だった」という発言も(勿論純粋な称賛がほとんどであろうが)ここからくるものだろう。
ただし《バーサス》で自己像から自動生成されたアバターや、チュデルキン戦で起こった《変身現象》でリインカーネイションされた姿が《黒の剣士》である辺り心の底から嫌っているという訳では無いし、
ALOでのリセット後のアバターの外見にも当時のイメージが色濃く残っている。しかしそれは一方で、「あの頃のように強くなければ仲間を守れないし、彼らが離れてしまうかもしれない」という強迫観念や恐れの表れでもある
そして、ユージオは「黒の剣士」を知らないからこそキリトにとって唯一の自然体で接することのできる相手になれた*7のであり、それ故に喪失があまりにも大きすぎたといえる

数々の冒険と経験を経てコミュ障も多少克服・改善され以前よりはだいぶ明るい性格になったものの、内に秘めた罪の意識などの暗い感情は未だ消せずにいる。
そもそも彼は身の回りで起きた不幸などのトラブルを「自分のせい」と思って抱え込む悪癖があり、《月夜の黒猫団》に関する一件や親友の事はともかく、自分を殺そうとして失敗した人間の死すら「助けようとしなかった」と自分を責めている。
問題を人に相談して味方を増やして事に当たる政治力が決定的に欠落しているのは当初から変わらない弱点である*8


馬ッッ鹿野郎がッ!!水臭ェんだよ!!ひとこと言ってくれりゃあ、
行き先がどこだろうとよ、オレもコンバートしたのによォ!

───GGOの経緯を聞かされたクライン


アスナをはじめとした仲間たちも「キリトはそういう奴」と納得してこそいるが、なんとか治させようと努力しているようであり、遂にユナイタル・リング編になって明確に直葉やユイからこの点について厳しく叱られることに。


◆VRMMO内での概要

基本的にどの環境でも黒髪黒眼に黒い防具の黒ずくめの容姿。
さらにメインウェポンが黒い片手用直剣なため一部のプレイヤーに《黒の剣士》、ALO時代以降は《黒ずくめ(ブラッキー) 》と呼ばれている。
黒ずくめ(ブラッキー) 》は初期から付き合いのあるエギルがつけたあだ名で、こちらはおおむね敬称。ALOのベテランプレイヤーも「先生」つきでこのあだ名を使っている。

◆旧SAOアインクラッド期

世界初のVRMMOである《ソードアート・オンライン(SAO)》のβテストに当選後は食事や寝る間も惜しむほど夢中になり、βテスターの中でも1、2を争うトッププレイヤーになる。

後の正式サービス開始時にSAOが過酷なデスゲームであることを知らされ、ログアウト不可となったプレイヤーの1人として、ゲームを攻略していく。
βテストでの知識・経験を元にしたプレイングでメキメキと実力をつけ、常に浮遊城アインクラッドの最前線で戦う《攻略組》の一員として、常に攻略の第一線で活躍していた。

しかし、圧倒的な情報量でお金や経験値を独占するようなプレイスタイルゆえ一部のプレイヤーからは《ビーター》と揶揄されることも。意味はβテスターとチートの合成語。クィディッチではない。*9
ただし、その能力はある事件がきっかけで自殺行為とも取れるレベル上げを行った結果身についた、非常に悲しいものである。

なお、チーター呼ばわりされたのはβテスト時の知識・経験から能力が跳びぬけて高いことが由来であり、《娘》であるユイを救うために彼女が持っていた管理者権限でユイの分解・削除処理に割り込んだ以外ではチートにあたる行為は行っていない(そしてこれも厳密にはチートではなくクラッキング*10に当たる)。

◆ALO期

≪フェアリィ・ダンス≫編においてはSAOのサーバー《カーディナル》のコピーによって運営されている《アルヴヘイム・オンライン(ALO)》を開始した際、SAO時の所持金やスキル熟練度が引き継がれた見た目以外も真っ黒なキャラでプレイしていた。*11
これには本人も「ビーターじゃなくてチーター」と苦笑している。
事件解決後、ALOは彼の「本陣」となり仲間と共に空中生活を満喫している。

◆GGO期

私服で妹といると姉妹に間違えられることもあった程に女顔だったキリトだが、
≪ファントム・バレット≫編でログインしたVRMMO《ガンゲイル・オンライン(GGO)》で自動生成されたアバターはどうみても女の子にしか見えない可憐な物だった。
残念ながら(あるいは喜ばしい事に)、性別は男である。
GGOは「フルダイブ時間が長いほど初期設定時にレアアバターが支給される可能性が高まる」という仕様があるが、
それにしたってキリトに男の娘アバターを与えるとはあんまりというか何というか。

かつてキリトはSAO内で快楽殺人を行う通称《殺人者(レッド)プレイヤー》と戦い、正当防衛ではあるが三人の命を奪ってしまった。
この事は16歳の男の子には痛烈すぎ、過剰に責任感が強い彼ですら心の底から忘れようとしていた(心因性健忘の一症状と言える)。
このエピソードではそれらを逃げられない形で突きつけられ、彼のメンタルは一時ガタガタになる。

◆アリシゼーション期

この頃には人格的にもかなり安定している。無意識で一番渇望していた「同年代の同性の親友」を得た事でほぼ人間的に確立したと言っていいだろう。
…もっとも、その親友に災厄が降り掛かったことで大ダメージを受けてしまう。
ほぼ1エピソードまるごと心神喪失の眠り姫、ヒロイン役を担当し、女優ぢからまで発揮してしまった…。

その後事件解決直後に《オーシャン・タートル》襲撃者一派が余計な事をやらかしたせいで《アンダーワールド》に主観時間で200年ほど滞在するハメになった。
そんな長期間では魂の寿命が尽きてしまい、STLから出ても廃人状態になる可能性が高かったが、半月後自ら残ることを選んだアスナの功績か共に覚醒。しかしアンダーワールドで200年も過ごしたため、比嘉達に《畏怖》すら与える存在感を持っていた。
間もなく《大戦》終結後1ヶ月程度から先の記憶を削除したため《桐ヶ谷和人》《結城明日奈》の2人の精神年齢は歳相応に戻っている。

――で、済めば良かったのだが、比嘉は「どうしてもこのまま消すのは勿体無い」とアンダーワールドで200年生きた《キリト》のフラクトライトをコピー。
どんな人物のフラクトライトのコピーでも自我崩壊を起こすというのは既に証明されていた*12のだが、この《キリト》は自分がコピーであると認識しても崩壊を起こさなかった。
ちなみにこのキリトは自身がコピーされる事を薄々感づいていたらしく《アスナ》と話し合っていたそうな。
そして《アンダーワールド》の守護者になると宣言した《キリト》の指示で比嘉はある事を行い、それが後に《知性間戦争》と呼ばれる、この物語に於ける最後の戦いを巻き起こす事になるという。
上述したように、現在の所《キリト》という人物は《精神年齢19歳の桐ヶ谷和人/キリト》と《精神年齢200歳程度の星王キリト》の2人いることになる。
世にも恐ろしい話と言えよう。後々この二人が邂逅する事があるのだろうか。

また、アンダーワールド内で過ごした200年の間に、予想の範囲内かもしれないがキリト夫妻は王と王妃になっており、《大戦》の事後処理と貴族の等級制度の廃止(ここまでは《桐ヶ谷和人》も覚えている)、
《機竜》(人工の飛竜であり、飛行機のようなもの。機龍ではない)の開発による生活圏の拡大等に留まらず、宇宙開発などを行うなど相変わらずのキリトクオリティを発揮していた模様。

なお、《桐ヶ谷和人》は星王と自分は完全なる別人だと思いこんでいたが、数々の証拠を突きつけられた為に聖王は自分自身であると認めざるを得なくなった。ただしそれでも聖王キリトと今の自分は別の人間だというスタンスは崩していない。

◆ユナイタル・リング期

200年後のアンダーワールド*13にアスナとアリスと共に訪れた際に、ローランネイとスティカという二人の整合機士と出会い、再開を約束してこのダイブを行わせた情報源などを確認するなどの調査の為再び離れた後、ALOのプレイヤーホームに二人と共に居た際に突如として開始された謎のVRMMO《ユナイタル・リング》への強制コンバートに巻き込まれてしまう。
開幕早々些細なミスからパンツ一丁装備を全て失ってしまうなどの苦労をしながらも半壊した「森の家」の修復を行いながら、事態の把握に追われていくこととなるがそんな中、「先生」を名乗る正体不明の人物に唆されたプレイヤー達に度々襲撃を受けることとなる。
そしてユナイタル・リングの事件を追うためにプレイし続ける中、アンダーワールドに謎の侵入者が事件直前に存在したことを菊岡から知らされたことにより、再びこの世界へとダイブを行うこととなる。
その僅かなダイブ時間の中で、戦いの中失った親友と似た青年と邂逅することとなる。


◆能力

◆リアルの心身

理数系の成績はかなり良く、本人の高いPCスキルも相まってプログラミングや自作マシンの制作はお手の物。宿題もきっちり期限通りにこなしている様子。
ぶっちゃけPC関連のプログラミングスキルやユイを救うためのクラッキング、幼少期に環境が整っていたとはいえ住基ネットにアクセスしてしまったりする等を考えると、
下手をすると後述の戦闘能力よりも現実で使うための知識や技術のほうが高スペックである。

アンダーワールドにダイブした際、スタッフやアンダーワールド人数人から聞いた情報だけで《アンダーワールド》の真実にかなり近づくなど、頭もよくキレる。
どんな環境に放り込まれても、その環境の「法則」を見出してコツを掴む観察力は一流ゲーマーならではと言えよう。
上に述べた通り色々な実験や検証をしたことや攻略組としての経験から茅場式VRワールドの性質を熟知していることもその要因だろう。ぶっちゃけザ・シード専門デバッガー

ただ根っからのゲーマーなのでリアルボディの体力は標準レベルかそれ以下。
幼少期は剣道を習い、SAOから帰還後もジムでトレーニングしてはいるのだが、いっそ小柄な方と言える妹御に鍔迫りで押し負けるのは男性として貧弱と言われても仕方ない。
普段からかなり食べ(させられ)ているはずなのに常に痩せ気味なのことを指摘されており、いわゆる「痩せの大食い」吸収不良の疑いがある。

とはいえ、そこを差し引いても総じてリアルスペックはゲーマーにしては高い方……というか、それらの能力はゲームで身に着けたのだろう。
SAO時代の精神状態を呼び覚ます事で現実世界でSAOのアクションを再現するという離れ業をやってのけた事がある*14が、
リアルの彼の貧弱な身体でアレを続ければどうなっていた事か…。

◆フルダイブVR環境での戦闘能力

数々のオンラインゲームのプレイ経験から身に付けた、一般プレイヤーを遥かに上回る知識・経験、ゲーム感を持つほか、土壇場での判断力に優れ、思い切りの良さも持ち合わせている。
また、幼少期にフルダイブマシン一号機をプレイした経験があること、SAO事件で2年半という一般のVRMMOプレイヤーでは考えられない期間をゲーム内で過ごしたことから、
仮想世界への高い適正を持っており、フルダイブゲーム全般で高い能力を発揮することができる。

そして彼個人の一番の武器にして特異性は反応速度、いわゆる超反応。
何か違う事が起きた時や、敵の選択肢に対する反応と対応が異常に速い。その反応速度は旧SAOアインクラッドの運営AIが「最速」と認め、ヒースクリフすら想定外として称賛したほど。

過去のトラウマから仲間に危機が迫ると
「ブチ切れて攻撃能力が異常なまでに上昇するが、その間の記憶が飛ぶ上に防御も完全に捨て去る」バーサーカー状態に陥るという危険性を秘めており、本人にも自覚はあるらしい。
描写からSAOで殺してしまった3人は全員この状態になったキリトに殺されたと推測される。

基本的に武器は片手剣。

◆SAO期

前述の通りβテストの知識を持ち込んでいる。武器は片手剣。
遠距離の敵への牽制用に習得した《投剣》スキル、諸事情によりなし崩し的に習得した《体術》スキルとを合わせて
「金属装備ほぼ皆無、革製防具に盾無しの片手剣」といった装備で攻撃特化(ダメージディーラー)として、回避主体の《ヒット&アウェイ》戦法を取る。
かつては鎧装備も使っていたらしいが、SAOでのアバター(現実での姿)と鎧が合わなかったためこのスタイルを取るようになった。
無論このようなスタイルなので、低層ならともかく高層では防御は紙同然に低く、実際何度も死にかけている。

上記のような過去と1層攻略時のある出来事、何より《月夜の黒猫団》全滅事故の経験から基本的にソロで戦闘を行うことが多い為、
安全のためにかなりのレベル上げ*15をするだけでなく、《索敵》や《隠蔽》、スキルの熟練度を上げるために「継続的に大ダメージを受け続ける」必要があるため、ゲームの死=現実での死であるSAO内では非常に修得が困難とされる《戦闘中自動回復(バトルヒーリング)》スキルも習得している。*16

さらにSAO最速の反応速度、および仮想世界への適正を持っていたことで、SAO内で一人ずつしか取得できない10種類設定されていたユニークスキルのひとつ《二刀流》の習得条件を知らずに満たし獲得している。



◆ALO期

基本的にはSAO期に身に着けた、卓越した「フルダイブ環境での身体の使い方」を武器にしている。さすがのゲーム勘で、コントローラー無しの飛行にもすぐに適応していた。
前述通り、「300人の虜」事件の時は旧SAOアインクラッドのキャラクターデータがそのまま移行しておりカウンターストップ近いステータスになっている。
事件解決後はステータスをリセットして普通にプレイしてスキル上げ。それでもALOトッププレイヤーの一角に食い込んでいる。



◆GGO期

苦手な銃撃戦環境を、基本的なVR適性にまかせてゴリ押し。急ぎの用事だったので仕方ない事ではある。
とはいえ、その環境で新技術を次々と編み出していく様は流石。



◆オーディナル・スケール期

前述した通りリアルボディの身体能力は並以下なので、それに依存するARでは苦戦が目立つ。PVの勇ましく疾走するシーンが盛大にすっ転ぶ前フリと予想できた人が果たして何人いただろうか。
とはいえ、他者に危機が迫っていることを察知した途端にバーサクし始めるあたり、良くも悪くもいつものキリト。


◆アリシゼーション期

SAOでの長期間に及ぶ戦闘経験は体に(厳密には脳に)染み着いており、システムアシストこそ存在しないものの、各種ソードスキルを現実世界や別のゲーム内で再現できるようになっている。
…のだが、アンダーワールドでは何故か「秘奥義」という名前でソードスキルが存在している*22ため、多少の制約はあるがシステムアシストを伴った技として使用可能。

またアンダーワールド内においてはルーリッドの村に立っていた悪魔の杉《ギガスシダー》の梢を削り出して生まれた《黒い剣(夜空の剣)》を使用した、《武装完全支配術》や《記憶解放術》を使用して戦うことも可能であり、
《完全支配》の段階ならば「樹の硬さ・鋭さ・圧倒的な重さ」を引き出すことが可能。

更に廃人状態から復帰する際に《世界の理》に接続してしまった事で《心意》の力を自由自在に操れるようになり、《自力飛行》や《超広範囲索敵》などの正真正銘のチート能力持ちになっている。…これでも対処しきれない相手が存在するのが恐ろしいが。
なお心意に関しては、ヒースクリフとの決戦以降、時折無自覚ながら発動させていたようで、HPがゼロになってもすぐに消滅しなかったのは勿論、須郷の使用した重力魔法の中で立ち上がったり、死銃戦でファイブセブンに手を伸ばし《ダブル・サーキュラー》を使用した際も発動させていると思われる。
アニメ版では瞳が金色になる描写があるので、比較的わかりやすいかもしれない。ただしプログレッシブを踏まえると金色の瞳は(少なくともSAO内では)《覚醒》スキルによるものとも取れる。



◆ユナイタル・リング期

スキル熟練度等が全く足りておらずしかもポカでパン一になったため今までの装備は全て使えなくなり、新しくリズに作成してもらった装備を使用。あのキリトが遂に鎧装備を使用するとは思わなかっただろう。





◆女性関係

数々の仮想世界を冒険していく中で様々な女性たちと出会い、多くのの相手に対して無自覚にフラグを建てていつの間にか惚れられる。その上大概その想いに気付かない。まさにラノベ主人公といったところか。
ただし本人は(相手の想いに気付こうが気付くまいが)完全にアスナ一筋。

ちなみにデートの予定がブッキングした場合は「皆で一緒に行こうぜ。その方が楽しいし」というタイプではなく、時間をずらして1対1でデートする姑息なタイプのようである。*24

なお、SAOに囚われていた間、ゲームの中でアスナと結婚している。ALOになってからはシステム的な結婚はしていない(ALOに結婚システム自体が存在しない為)が、アニメの描写を見る限りロールプレイの一環としてはちゃんと結婚している。*25

キリトの妻(一応現実では恋人という扱いだが)であり、生活面だけでなく戦闘面でも彼の最高のパートナー。一応お互いの両親公認。
この手のヒロインにしては珍しく他の女性との仲はキリト絡みであっても基本的に良好。というか他のヒロインからもお似合いのカップル扱い。
出会ったのはデスゲーム初期だが、ある出来事がきっかけで一時期は疎遠になっていた。9巻時点ではキリトの脈拍を見てトリップするほどのヤンd……もとい、彼にぞっこんになっている。こらそこ、抜刀妻とか言わない。
キリトがいるという一抹の望みを頼りに変装して《オーシャン・タートル》に忍び込む度胸もある。
《オーシャン・タートル》襲撃者の1人が余計な事をやらかしたせいで《アンダーワールド》に主観時間で200年も閉じ込められたキリトを独りにしないために、魂の寿命が尽きて廃人になる可能性があったにもかかわらず自身も内部に留まる。
彼女が傍らにいなければ、自分の精神は壊れてしまっていただろうとキリトは感じている。

戸籍上では妹だが、血縁上は従妹。前述の家族との関係を知ったことで、かつては彼女とも距離を置いていた。とはいえ思う所はあったらしく、デスゲームに囚われた際は彼女に暫く会えないとわかり人目も憚らず号泣していたり。
そういった事情があった為かデスゲームから帰還した後は数年越しに「兄妹」に戻り仲良くやっていたが、本人はかなり以前から兄に恋愛感情を抱いていた。キリトがSAOに囚われたことをきっかけに始めたALOで《世界樹》を目指す「スプリガンのキリト」を彼と知らぬまま手伝っていた過程で恋をしてしまう。
後にキリトが兄である事に気付き、二重で失恋するという悲劇に見舞われるが、その事をきっかけにお互いの感情を打ち明けあったことで、本当の意味で「兄妹」に戻る。それ以降はSAO事件以前の距離を埋めるかのように仲良しになったらしく、久しぶりに帰ってきた父親がドン引きするレベル。
分かりづらいが17巻では彼女も射程拡張ヴォーパル・ストライクを撃っているシーンがある。たとえ血は繋がってなくても兄妹の絆は繋がっているのである。とはいえ、異性としての想いも残っている。
そんな事もありアスナを除いたヒロインズの中でも特別な扱いで、色々な所に出張してくる。「割と泣き虫なくせに強がって人前ではまず泣かないキリトが直葉の前では何度か泣いている」ところからも、キリトにとって直葉がどういう存在なのか察せられるだろう。

《死銃事件》の調査のためにログインした《ガンゲイル・オンライン》という銃メインのVRMMOで知り合う。
状況は違うがどちらも同じ罪を背負っており、それによって負ったトラウマを2人で乗り越えて未来に進むための第一歩として協力し死銃を倒す。
その後は他の仲間とも仲良くなり、ALOにも新しくアカウントを作っている。そちらでは弓使いだが実質スナイパーなのでやっている事は全く変わっていない。
ゲームと現実の両方で命を救われたことでキリトに惹かれ、さりげなくアプローチをする以外にGGOと現実の両方で彼に由来する品をお守りにしており、アスナやリーファに引けを取らないほどに彼を愛している。そうした経緯でリーファと同様にゲストヒロインの二人と違い別格で、出張機会も多い。

ユージオを失って心神喪失状態になった際、「強い後悔と自己否定に苛まれ自閉・自傷状態」になったキリトの心に、上記3人の心からSTLを通じて赦しを与えて「君にはこんな良いところもあるんだよ」というイメージを注入・結合することでフラクトライトを復元しようと試みた。*26
しかし…(後述)

  • サチ
故人。SAOでキリトが出逢い、助け、守れなかった少女。後々の彼の意識や行動の原動力となっている。
SAO時代はギルド《月夜の黒猫団》が仮のホームとしていた宿屋の裏庭にある小さな樹を彼女等の墓標と定め、時折墓参りをしていたらしい。

元々はSAOにおけるプレイヤーのメンタルケア用のAIだったが、なんやかんやあって消去されかかった際にキリトに助けられた事で、キリトとアスナの「娘」になる。
キリトとアスナに溺愛されており、キリトはリアルにおける彼女のボディを鋭意制作中という。稼いだ金の大半をユイのために使ってたりと完全に親バカである。
現実世界ではキリトのデスクトップPCにシステムの本体を置いており、キリトやアスナの端末に意識を飛ばして周りの様子を眺めたり、8巻ではキリトが学校のメカトロニクスコースの仲間と作り上げた《視聴覚双方向通信プローブ》を用いて現実の様子を見ていたりもした。
その後劇場版で登場したARデバイス「オーグマー」により、プローブ無しでもキリト達と現実世界で会話できるようになっている。

前線ではなく中層で冒険していた少女。妹に似ているという理由で世話を焼き、彼女の相棒であり親友であるフェザーリドラ・ピナを助ける手伝いをする。
SAOクリア後も交流は続いており、ケットシーとしてALOにコンバートした彼女の耳や尻尾を握ったりするイタズラを日々仕掛けている。
しかしMORE DEBAN村の住民である。

SAO内で鍛冶屋《リズベット武具店》を営んでいた少女。アスナの専属鍛冶師であり親友。キリトの新たな剣を作る過程で一夜を共にした。少なくとも文庫版では性的な意味ではない。
キリトに惚れて告白寸前になるが*27、たまたまやって来たアスナと彼の絆に気づいて身を引く。その後は二人の親友であり、よき理解者と言うポジションになっている。
キリトはALOでも彼女の営む《リズベット武具店》製の片手剣を愛用しており、装備のメンテは必ずと言っていい程彼女に頼む。無論なまくらなどということはなく武器としての純粋な性能はどれも非常に高いので、キリトも含めたメンバーの生命線と言っても過言ではない。しかしMORE DEBAN村の(ry

元βテスターの情報屋。キリトとはデスゲーム開始翌朝に出会っており、アスナとも古い付き合い。
小柄だがアスナやリズと同い年の「オネーサン」、しかし他のヒロインと異なり浮いた話は殆どなく、エギルやクラインとほぼ同等の悪友ポジション。
デスゲームから帰還してからは燃え尽きてしまい帰還者学校に来ることもALOに来ることもなく、キリトが最悪の結末を想定して連絡を取ろうともしなかったため完全にフェードアウトしていたが、ユナイタル・リング開始翌日に帰還者学校に転入しキリト達と再開する。

仮想世界では数少ないキリトと対等以上に渡り合える人物。というか、描写される限りキリトと対等な勝負*28をして黒星をつけた唯一の人物。しかも二度も。
最初はユウキの側が警戒*29して距離を置いていたが、アスナと親しくなった事でキリトとも打ち解け、メカや剣の話でアスナ達が置いてけぼりにされる事も。

  • アリス・ツーベルク
後述するユージオと同じく、アンダーワールドにおける《幼馴染》。
キリトに「セントラル・カセドラルの天辺で待ってる」というメッセージを送る。

キリトの《希望》。とある事情から禁忌に抵触してしまったキリトとユージオを捕らえに来た整合騎士。
当初は敵対していたが、果し合いの最中セントラル・カセドラルの外部にキリトと共に投げ出され共に外周を登った事をきっかけに和解、公理教会から離反し共に戦うことを誓う。
最高司祭アドミニストレータとの決戦後、キリトが精神喪失状態になってしまった際には「アリス」の故郷であるルーリッド村に戻り、彼の身の回りの世話をしていたが、ゴブリン達の軍勢の襲撃を撃破した事をきっかけにキリトを連れて《大戦》の地へと赴く。
他のヒロインと違い、キリト絡みでアスナとの関係があんまり良くない。

  • ロニエ・アラベル
キリトの修剣士学院時代の後輩で、下級ではあるが貴族家の出身。成績上位12名のみが就く事ができる《傍付き練士》の中で最後まで指名されず残っていた所をキリトに選ばれた。*30
学院ではハチャメチャな事をして彼女を困らせていたが、その剣の腕と後輩達に対する面倒見の良さからとても慕われている。
剣術は見習いレベルだが芯が強く、「キリトとユージオがいるかもしれない」というその一点だけで相棒のティーゼ(修剣士学院時代のユージオの傍付き練士)と共に未だ学生の身分であるにもかかわらず《大戦》の地に足を踏み入れている。
《大戦》の際に精神喪失状態だったキリトの護衛を務め上げた事、その後の《四帝国反乱》の際の働きを評価され、キリトが人界代表に就任してからはティーゼと共に史上初めて武勲により整合騎士に推挙され、引き続き側近としてキリト達に仕える身となった。
その後アラベル家は聖王家の側近を輩出する一家として繁栄を遂げるのだが、ロニエ自身も裏技を用いてティーゼ共々200年後のアンダーワールドに残っており、彼女の6代後の子孫とともに再びアンダーワールドに帰還したキリト達に協力する。
なおキリトのことは代表の座に就いてからは《キリトさま》と呼びたいそうなのだが、本人が嫌がった(代表命令まで出す程)ため仕方なく《先輩》と呼んでいる。

  • ソルティリーナ・セルルト
キリトの修剣士学院時代の先輩。上級貴族だが皇帝から正統剣術の伝承を拒否された一族の出身。通称「リーナ先輩」。
その為独自に磨き上げた実践剣術《セルルト流》の使い手となっており、学院での通称は《歩く戦術総覧》。
ルール違反を承知でキリトを《傍付き練士》に指名し、1年間キリトを鍛え上げた。
いつまでも次席に留まっていたことを悔しく思いながらもどこか諦めがちにしていたが、キリトが主席と引き分けたのを見て吹っ切れた。
その後は志願兵として《大戦》の地に脚を踏み入れ、その際の戦果が評価されてかキリトが人界代表に就任してからは《人界軍》の将軍に就任している。


◆女性以外での人間関係

キリトにとっての初めての同性で対等な親友であり、最高の相棒にして生涯最高の友。キリトとは真逆の真面目な性格なため、彼のハチャメチャな行動に手を焼かされる苦労人ポジションでもある。
そしてキリトが迷い込んだ謎のVR世界《アンダーワールド》で最初に出会った少年にして、アンダーワールドにおける《幼馴染》。
お互いの目的のため共に行動していく中で、最早無くてはならない程にかけがえのない絆で結ばれていく。
また、キリトにとって英雄《黒の剣士》としてなどの頼れる自分ではなく、唯一自然体に接してくれる渇望してやまなかった「同年代の同性の親友」である。
その為か後に「彼が死んだ時、俺の心もまた一部死んだ」「もう同年代・同性の友人は作れない」とまで独白するほどであり、彼を失ったことは今なお大きな心の傷となっている。*31

キリトを誰よりも愛している3人が呼びかけてなお、キリトはその赦しを拒否してしまった。
なぜなら、「最も愛する妻」である明日奈、「ただ一人の妹」である直葉、「同じ罪を背負う者」である詩乃は確かに大切な人ではあるが、いずれもユージオと同等の存在にはなり得ないからである。「最も渇望し、最も親しく、自然体で接した、唯一の同年代の同性の親友」。キリトにとってユージオはそれほどまでに特別な存在だったのだ。
その証に、《青薔薇の剣》に宿るユージオのフラクトライト断片が呼びかけて初めてキリトは立ち直ったのである。

デスゲーム以前はキリトの憧れの的であり、それ以降は彼を含めた約1万人をデスゲームに閉じ込め、良くも悪くもキリトの人生に大きな影響を及ぼした人物。
守りたかった人々を奪い、また護りたいものを得る機会を作った。
そしてアインクラッド崩壊直前の数分間に彼と語り合ったことで、彼が何故《浮遊城アインクラッド》を創造し、それをデスゲームの舞台に仕立てたのか、それに巻き込まれた1万人とその内4000人の犠牲には何の意味があったのかを知りたいと思うようになり、キリトはVRの研究・開発に携わる事を決意する。
須郷によってアインクラッドを奪われた際には茅場の思考を模倣したプログラム*32がキリトの窮地に手を貸し、その代価として《世界の種子》なる物を託され、その扱いを委ねられた。

キリトがSAOで最初に作った腐れ縁の友人。
キリトはデスゲーム開始初日に彼をはじまりの街に置き去りにした*33事を悔いており、その後ろめたさから距離を測りかねていたが、持前の男らしさで彼と話し続け、はじまりの日のように軽口を叩き合う悪友となった。
ネトゲ仲間の知り合いで組んだギルド《風林火山》のマスターでもあり、小規模ながら最前線で一人の犠牲者も出さずに全員クリアまで生き残るという偉業を達成しており、その点はキリトから素直に尊敬されている。
キリトが《二刀流》スキルを人前で初めて使った《第74層フロアボス攻略戦》の影のMVP。

キリトの悪友その2。
職業柄コネクションが豊富であり、和人が乗るバイクも彼のツテで安く購入した物。《ザ・シード》の配布も彼無しでは現実の物とならなかっただろう。
アスナともデスゲーム初期から面識があり、ぼっち独自行動していたアスナ・キリトコンビと他の攻略組との便宜を図ってくれた恩人でもある。
また彼からの情報が無ければアスナを須郷の手から解き放つ事も出来なかったため、地味にフェアリィ・ダンス編の功労者である。

総務省《仮想課》の職員で、キャリア組の官僚。SAO生還組のキリトによくバイトを持ちかけている。
キリトはその胡散臭さから怪しんでいるが、彼がいなければキリトはアスナのリアルでの居場所を摑む事が出来ず結果須郷の企みに気づくこともなかった可能性があるので、彼の依頼を無碍に出来ないでいる。
エギルと並んでフェアリィ・ダンス編の功労者だったり。そしてアリシゼーションの功労者兼元凶でもある。

アクセル・ワールド10巻に収録されているSS《バーサス》にて、STLで初めてダイブしたキリトが遭遇した謎のロボット風アバター。
高い近接格闘技術とキリト以上の反応速度、そして《完全な随意飛行》といえる程自然に空を飛ぶ彼に、キリトは大いに苦戦させられた。


◆『電撃文庫 FIGHTINGフェア』のキャラクターカード内での評価(五段階)

 見た目:5 剣術 :5
 射撃 :1 素早さ:4
 判断力:5 恋愛運:6


電撃文庫 FIGHTING CLIMAXでのキリト

正妻のアスナと妹のリーファ、続編『IGNITION』ではそれに加えユウキと外伝『スクワッド・ジャム』の主人公、レンらと参戦。

技の性能自体は扱いやすいものの、威力や機動力が高くないので素の状態ではそこまで強くないが、「切り札」で二刀流スキルを発動させると一変。
技の扱いやすさはそのままに威力は上昇して攻撃範囲も拡大され、最早別キャラに見えるほど強くなる。必殺技の後に追加入力で違う必殺技をキャンセルして出すことも可能となり、コンボ火力も上昇する。
この形態を有効に使えるか否かが勝負を左右するだろう。

上述した通り二刀流を発動させれば本編ばりの大立ち回りができるが、素の状態では弱い上に「切り札」には使用回数に制限があるため、発動タイミングはきちんと測らなければならない。
初心者でも扱いやすいアスナに対し、キリトは独特のクセがあるために慣れないと勝てない少し玄人向けのキャラとなっている。

『IGNITION』で追加されたアーケードモードでのキャラクター同士の戦闘前会話ではやはりというかゲームの話題が多く、湊智花との会話では「超次元バスケ」ともいうべき何かを履き違えたバスケゲームの話をして彼女をドン引きさせた。
掛け合いではシャナの「贄殿遮那」を「炎が出るレアな剣」と思いドロップを期待して「ゲームと一緒にするな」と呆れられたり、
姫柊雪菜の「雪霞狼」を未知の武器と思って「レアだ…!レアすぎるッ!」と叫んで変態認定されたりとやりたい放題している。
ただし全部が全部ネタ台詞である訳ではなく、サチのいわゆる中の人繋がりである司波深雪との掛け合いでは「SAOに魔法があれば沢山の人が死ななかったかもしれない」という旨の台詞を溢している。


◆作中の戦績について

同じレーベルから出版されている事などもあり某お兄様と並んでよく最強主人公の代名詞的な扱いを受けるが、
むしろ作中は彼より遥かに強い敵と戦わされることが兎に角多いため苦戦の方がかなり目立ち、特に各章のラスボス相手には誰かの助けを借りて満身創痍ながらどうにか撃破までに持ち込む辛勝がやっとであったりする。
しかも散々叩きのめされた上での周囲の助けなどを借りたうえでの逆転が半ばお約束と化しているため、一度たりとも単独で撃破したラスボスがいなかったりする

確かに彼が高い戦闘力を持っているのは間違いでは無く、実際作中の味方側では最強クラスの人物なのだが、相対する敵は大概がマジモンのチート*34ばかりな為、
ぶっちゃけ作中では「仮想世界限定で滅茶苦茶強い一般人」止まりである。というか、攻略組トップクラスだった者やそれに準ずるPSの持ち主は割とゴロゴロいるらしい。
ウルトラマンマックス的な強さと言えば伝わる人も居るかもしれない。
彼の強さはむしろ、そのガラスの割に不屈のハートと人望というべきだろう。



◆余談

原作既読者から「アニメのキリトは性格が違うのでは」という声が出ることがあるが、実際「死んでもいいゲームなんてヌルすぎるぜ*40」発言をはじめとして、原作よりも自信過剰に思えるシーンがちらほらあったりする。
上記のことに加え、悪ぶったりかっこつけたりすることも多いことやTwitterのコピペから生まれた風評被害*41のこともあって、主にアニメから入った(または聞きかじっただけの)人からは誤解を受けることも多い。

とはいえ、コピペの件を除いたほぼ同じ理由で他のSAOプレイヤー(主にうわさや新聞でしか彼を知らない人たち)からも誤解されていたりするので、「そういう風に見えるキャラ」であることは確か、なのだが……。

さらに、実は『アクセル・ワールド』の関係者、それも事態の中心にいる人物なのではないかという噂がある。
根拠として、
  • キリトはハードウェア制作やプログラミングに長けており、ゆくゆくはフルダイブの研究をするためにSTLを開発したラースへの就職を考えている
  • 《アンダーワールド》と《加速世界》、《ソウル・トランスレーター》と《ニューロリンカー》のロジックが完全に同じ
  • ニューロリンカーの開発企業にアスナの父が経営する「レクト」の名前が存在
  • アッシュ・ローラーの「ニューロリンカーのプロトタイプのソウルなんとか~」発言
  • ≪ファントム・バレット≫編で訪れた皇居での「情報的に切り離されている」発言。加速世界のこの場所には《無制限中立フィールド》からのみ侵入可能で、その上入口は四方の門のみで、その門も超が3つはつく程強力なMobによって守られているせいで侵入が難しい《帝城》がある
  • 七番目の七星外装の名称が《ザ・フラクチュエーティング・ライト》であり、加速世界はこれを巡って起きた《大きな戦争》の末作られた
  • 《戦争》の事を話している際のアクセルの挿絵にキリトと星王らしき二人のシルエットが描かれている
  • グラファイト・エッジブラック・ロータスの使う技の中にキリトの得意技と同名かつほぼ同効果のものがある
  • グラファイト(ryもキリトも人につけるニックネームのセンスが酷い
  • グラファ(ryから黒雪姫に渡されたプログラム《SSSオーダー》の紋章の挿絵がSAO内で描写された《星王》の紋章の特徴と一致
  • グラフ(ryの見た目が「黒いコートのようなリアスカートに二刀流」と《黒の剣士》を彷彿とさせる風貌
  • グラ(ryは《オリジネーター》と呼ばれる《ブレイン・バースト》を与えられた最初の100人のうちの1人である
    ⇒のちにオリジネーター以上の古参であることが判明
  • グ(ryは《柔法》という「受けて流す」技術を習得しているが、キリトも自身が傍付を務めていたリーナ先輩から「相手の攻めを受け流す」技術を教わっている
  • (ryが『千年の黄昏』にて映像媒体で初参戦、cvは「???」となってはいるが、その声は明らかに…*42
…等々、枚挙に暇がないほどである。というかお前グラフだろ。

作者である川原氏はアクセル原作10巻のあとがきにて、「二つの作品は明確にリンクするものではない」とお茶を濁しているが、この発言以降上記の要素やアクセルとのコラボゲームが出るなど、色々とリンクする情報が増えている。

果たして、これら2作品の間に繋がりはあるのか。今後の情報が待たれる。



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最終更新:2024年04月11日 18:50
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*1 本人曰く拗らせが最高潮であった本編開始直前の誕生日は祝うことすら拒否していたほどとのこと。

*2 キリトがパソコン機器にやけに詳しかったりネットゲームにはまったりしたのは、パソコン情報誌の編集者で小学生の頃からネットゲームをするほど重度のゲーマーだった育ての母である桐ヶ谷翠(直葉の実母)の影響だったりするので、単に「そういう環境だったからそういう風に育った」だけともいえる。

*3 フードをかぶっていたので声を聴くまで女性だと思っていなかったが

*4 クラインとエギル。豪華なギルドホーム…というか要塞を買ってパーティーと称して見せびらかした聖龍連合へのせめてもの嫌がらせ。

*5 味付けさえさせなければ勿論まともになる。事実直葉と協力して料理を作ることは多い。得意料理は具無しペペロンチーノ

*6 直葉以外の家族にそれが知られた時の反応が完全に黒歴史がバレた時のそれだったり。まぁこうなったのにはキリトの活躍が若干オーバー気味に書かれている《SAO事件全記録》の影響もあるだろうが。

*7 逆に言えば、ほかの仲間達に対しては最愛の妻たるアスナでさえも「黒の剣士フィルター」なしに接することができていない(フィルターを外すのが怖い)ということでもある。

*8 例えばGGOの事件。ことの詳細を始まりの段階で仲間たちに正直に話していれば、あの件はもっと早くに収束したはずなのだ。

*9 ≪星無き夜のアリア≫にて、第一層フロアボスが事前にβテスターでもある情報屋にによって配布されたβテストの情報と実際のボスの攻撃手段が異なっていたのは、「βテスターが攻略集団を壊滅させる為に偽情報を流したから」だという根拠のない予想が飛び交い、「βテスター断罪すべし」ムードが出来かけた事に危機感を感じたキリトが多くのβテスターに向くであろうヘイトを自分が全て背負う為に、誰かが言った《ビーター》という蔑称を進んで被った事がこう呼ばれる原因だったことが明かされた。

*10 より正確には他人(ユイ)が起動しっ放しのパソコンを勝手に操作しただけ。ただし操作がやたら速いのは確か

*11 ALO事件が解決した後は「《黒の剣士》キリトの役目は終わった」とこの異常なパラメータを初期化している。

*12 正確には茅場晶彦という前例があるのだが、キリトはそのプログラムの事を人に話していない。

*13 アンダーワールドの加速はキリトとアスナが限界加速フェーズからログアウトした後、現実と等倍に変更されている

*14 作中では「VRで重いものを振り回し続けることにより肉体のリミッターが緩む」可能性について言及があり、VRゲーマーがかなり重い模造刀を振り回したという事件が起きていたり明日奈が菊岡を片手で胸倉をつかんで持ち上げたりしている。

*15 SAOは通常攻略可能なレベル=層の数字で、安全マージンとされるのは+10であり大半のプレイヤーがそうしているのだが、キリトは+15~20を維持している。75層ボス戦時点でLv96だった。

*16 但しバトルヒーリングは攻略組として前線で戦う以上必須とは言わないまでも重要なスキルであり、彼だけが習得しているわけではない。

*17 SAOでは5の倍数の層ごとに他より一回り強いフロアボスが登場し、5×5である25の倍数のボスはレイドメンバーを余裕で半壊させるレベルの力を持つ。

*18 これ以前は青い服に革防具(初期装備のまま?)だった

*19 というより、賢明なALO運営によりSAO内に存在した習得条件の怪しいスキルが全部削除された結果それが全てユニークスキルだったという方が正しいか。

*20 なおアニメ版では(恐らくミスだろうが)お店のスペック表示に「使用弾種」が表示されていた。カゲミツは9パラ弾を消費するらしい…

*21 射撃の瞬間はトリガーに指が掛かるため、予測線が全く出ないわけではない。それに反応できれば弾けると思われる。

*22 OSSのデータはALOのサーバーに記録されているので実装されていない。アスナが《マザーズ・ロザリオ》を使用出来たのは心意によるもの。ユニークスキル関連も恐らく未実装で、《スターバースト・ストリーム》も描写から心意によるものと推察できる。

*23 詠唱時にはユージオの声がオーバーラップする。

*24 これはキリトがアスナとの約束を前日まで忘れていた事に怒ったユイによるささやかながら強烈な仕返しなので、キリト本人にはあまり非は無い。

*25 アニメ版2期18話放映時の原作者Twitterより

*26 劇場版のユナと異なりキリト自身の主体意識は存在しているので、ユナほど明確に「周囲のイメージから作られた複製」ではない。

*27 後述の直葉を除けば、キリトに告白(未遂だが)したシーンが描かれているのは、アスナ以外は彼女だけ。

*28 先述の信念の都合キリトは二刀流を使わなかったとはいえ、全力・本気だったのは間違いないらしい。

*29 ユウキが「長期間仮想世界の住人で居続けている」ことを見抜いたため。

*30 基本的に上級修剣士が席次順に選ぶのだが、キリトとユージオはあえて最後に残った人を選んだ。

*31 帰還直後に至っては失ったことが辛すぎたせいか、全て記憶を消してもらった方が良かったと思い号泣するほど。正当防衛とはいえ人を殺してしまった記憶に蓋をしていた自分を責めている彼が、である。

*32 その後の描写を見るに、このプログラムは本物の茅場晶彦が電脳世界に残した《茅場晶彦》のコピーであり、言わば《茅場晶彦のフラクトライト》とも言える存在だと予想される。

*33 実際はクラインが後述のネトゲ仲間を見捨てる事を良しと出来ず留まる事を選んだためであり、お互い合意の上である。

*34 例·こちらのソードスキルすべてを知り得るが故に完璧に防御し、確実にカウンターを叩き込んでくる上、それを突破してもオーバーアシストで防ぐ事が可能な相手や、自分に有利な空間を展開することでそもそも動けなくする相手や、物理・神聖術(魔法)などのシステムに規定された攻撃属性が全く効かず、物理的な防御をすり抜けて精神、ひいては魂そのものに直接攻撃してくる相手など。

*35 皮肉にも、人界編で「見世物でしかない」とされてきた伝統流派を実戦で培ったアインクラッド流で打ち破ってきた流れが自分に返ってきた形である。いかにSAOが命がけの実戦だったとはいえゲームである以上ベースは見た目重視なのだ。

*36 被弾側DEF>>>攻撃側ATKでも攻撃精度と速度が高ければ大ダメージを与えられる。

*37 実際、どちらの例でも被ダメージを自動回復が上回っていた。

*38 というかあのクエがおかしいのはmobの秒間POP数(とロックされている扉)である

*39 さすがに物量差がありすぎたため、スリーピング・ナイツがボス部屋に突入した後は倒されたかよくて逃げたかだろう。突入した時点でキリト的には戦略的勝利だが。

*40 アニメだとすっごいドヤ顔で言っているが、本来これは再びフルダイブすることにビビってる自分を鼓舞するのと、そんなキリトにフルダイブを提案することに後ろめたさを感じていたエギルを安心させるために言っているだけである。「鍍金の勇者」のくだりまで含めた文脈で見るなら、脚本化に伴うひとつの解釈としてそこまで大きな間違いでも言い切れないのだが。

*41 いわゆる「イキリト」。そもそもあのコピペ自体、キリト本人どころかSAOそのものと何の関係もない。演じる松岡氏がラジオ番組で苦言を呈したほど。

*42 一応「AW」「SAO」でメインキャラを演じた声優が、明らかに無関係のキャラのcvとしてもう片方に出演する例もあり(例:上月由仁子/シリカ兼任の日高里菜氏、若宮恵/アスナ兼任の戸松遥氏等複数)、今回も単なる兼任または「グラフ=キリト説」に公式が便乗したネタである可能性も無きにしも非ずだが。