戦略兵器(ガンダム)

登録日:2012/02/17 Fri 10:17:31
更新日:2024/04/13 Sat 23:25:25
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戦略的に用いられる兵器。
その製造コンセプトは「敵の殲滅や殺戮」。

ガンダムシリーズには同等のコンセプトのMSとMAも登場するが、物語後半辺りで敵側が使用する事が多い戦略兵器は大多数の人命を一気に殺戮可能で、時には敵の種族ごと根絶やしにするシロモノも豊富

これらの兵器はゲーム『機動戦士ガンダム ガンダムVSガンダム』にて、Gクロスオーバーという特殊技として再現されている。

なお宇宙世紀においては「南極条約」により核兵器や化学兵器の使用は禁止されている。他のガンダム作品においても同様の取り決めが成されている事がある。
とはいえそれらに並び、超える様な殺戮兵器・非人道的兵器も多数登場しているが…。げに恐ろしきは人の業か。




【各作品に登場した戦略兵器】

機動戦士ガンダム

  • 水素爆弾
南極条約で禁止されている熱核爆弾。
レビル将軍の攻撃を恐れたマ・クベが巨大ミサイルと共に発射するが、着弾寸前にアムロ・レイが乗ったガンダムによって弾頭が切り落とされ、事なきを得た。
核ミサイルは後のガンダムシリーズでも逆シャア、クロスボーン、SEED等で使用されている。

  • ソーラ・システム
「ソロモンが燃えている」

無数の巨大なを並べて超巨大な凹面鏡を形成し、太陽光を一点集中させて反射熱で焼き焦がす兵器。
原理自体は至極単純で、古代ギリシャにも『アルキメデスの鏡』というほぼ同一の仕組みの兵器が存在し、ローマ軍船を瞬く間に炎上させたという逸話がある。
劇中ではソロモン攻略作戦の切り札として登場。第一射でソロモンのゲート一つとその周辺を瞬殺し、第二射でジオン艦隊を吹き飛ばした。
そのあまりの光景と、焼き払われて死んでいくジオン将兵らの悲痛な思念を感じ取ったアムロが発したのが、上述の有名な台詞である。
超巨大とはいえただの鏡なのでいつでも撃てる訳ではなく、展開に手間と時間がかかり、事前に察知したジオンに破壊された後はコロニーレーザーに取って代わられる形となった。
要約するとでかい鏡、 太陽 (Solar)を使った 装置、機構 (system)であり 太陽系 (Solar system)では無い。
カタカナ表記にすると伸ばし棒がないのは太陽系と区別するためと思われる。

  • ソーラ・レイ
一年戦争末期、ジオン公国の最終兵器として、密閉型スペースコロニーを改造する形で建造された超巨大レーザー砲。いわゆる「コロニーレーザー」として最初に登場したものである。
改造されたコロニーは貧困層が多く暮らしていた3バンチコロニー「マハル」で、建造に当たっては公国軍によって約150万人の住民が強制疎開させられた。
ソーラ・システムと名前が似ているが、太陽光発電で充電しているというだけで原理は全く異なる。
太陽光をそのまま使ってる分ソーラ・システムの方がよっぽどソーラ・レイ(太陽光)っぽい気もする
出力は毎秒8500万ギガワットというとんでもないもので、それに見合う絶大な威力を有するが、一方で建造から使用までの期間の短さから臨界透過膜と偏光ミラーが実用試作段階のものしかなかったため、劇中では一発限りの切り札として運用されていた*1。これについては後に登場するコロニーレーザーでは改善されている。

加えて命中には精密な計算と照準が必要である上、その存在を目標に察知されれば散開するなどの対処が取られてしまうため、劇中ではその存在は高度に秘匿されていた。

劇中では3つ用意されていた照準のうち「ゲル・ドルバ照準」で発射され、和平交渉をしようとしていた連邦のレビル将軍とジオンのデギン公王諸共、ア・バオア・クー攻略に集結していた連邦軍艦隊の3割を殲滅した。
実はより効果的な照準で発射すればもっと大きな打撃を与える事はできたのだが、発射権限を握るギレン総帥がデギン抹殺を優先した為にこの様な結果となった。
そしてこの判断が、後に大きな意味を持つ事になる。

ちなみに小説版ガンダムだと連射や掃射が可能となっており、更に盛大なフレンドリーファイヤーをかまして、
連邦軍のほぼ全軍とジオン軍の過半数をア・バオア・クーの下半分もろとも消し飛ばした


GUNDAM 0079 THE WAR FOR EARTH

  • ソア・キャノン
アメリカのネバダ州に配置されている対空用大型ビーム砲。
これといった外見的特徴もない地味な出で立ちだが、大気圏外のホワイトベースを地上から狙い撃ち、一時的に行動不能にさせられる程の射撃精度と威力を誇る。
但し、基地らしい基地もない荒野にぽつんと設置されている上、防衛戦力も銃座数台とグフ1機のみとかなり心許ない。同作のガンダムの異常な弱さを考えればこれで十分かもしれないが
なお、「ソア」の綴りは「THOR」で、北欧神話のトール神を意味する。


◆魔法の少尉ブラスターマリ

  • ザクZ
サイコミュ試験用ザクでも、頭がザクのΖガンダムでもない。
究極のコロニー防衛システムとして建造された超巨大モビルスーツ。全長は50キロメートル、頭頂高でも40キロメートルを優に超える。
その正体はサイド3のコロニーの1つが変形する機動兵器。来るア・バオア・クーでの決戦に備えて起動準備が進められていたが、事故により暴走し、一千万の市民を乗せたままパトロール艦隊を相手に激しい戦闘を繰り広げる。加えて前々から「何らかの秘密兵器」がコロニーにある事を察知し破壊工作・強行偵察を繰り返していた連邦軍特務艦隊により南極条約無視の核攻撃まで行われる。
最終的にはブラスターマリ少尉の活躍により暴走は停止、核ミサイルは艦隊ごとザクZに殲滅され、そこで一年戦争終戦を迎えた。


◆機動戦士ガンダム外伝 コロニーの落ちた地で…

  • 生態環境破壊兵器『アスタロス』
ジオン軍が開発した、旺盛すぎる繁殖力で他の生態系を破壊する植物。ひとたび放てば文字通り地球を埋め尽くしかねない緑の悪魔。
元々はコロニー内の過酷な環境でも生育できる植物を開発していた際に生まれた副産物である。
南極条約に抵触しない兵器として使用が検討されたものの、さすがにジオン軍も躊躇…していた所を、キシリア配下のマッチモニード隊が奪取。
その後彼らはオーストラリアに逃げ込むも、その動きは連邦・ジオン共に掴んでおり、最終的にはホワイトディンゴ隊とジオン・オーストラリア駐屯軍双方によってマッチモニード隊ごと抹消された。


機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY

  • Mk82レーザー核融合弾
ガンダム試作2号機「サイサリス」に搭載された熱核弾頭。「最強の攻撃力を持つMS」というコンセプトに対するアナハイムの回答である。
オーストラリア・トリントン基地で保管されていたが、重力下テストのため搬入された試作2号機に搭載した直後にデラーズ・フリートにより機体ごと奪取された。
劇中ではコンペイ島(旧ソロモン)で行われた連邦軍の観艦式を襲撃、たった一発の核弾頭で連邦軍艦隊壊滅という凄まじい被害を与え、
連邦は試作2号機という兵器の発想の正しさと自らの技術の高さを自分自身で証明するという皮肉な結果となった。
こんな凄まじい代物であるが、書類上は大人の事情で戦術兵器扱いになっている
詳細は個別項目にて。

  • ソーラ・システムⅡ
初代の物の発展版。十文字のシルエットが印象的。
小説版では「鏡の枚数は少ないが威力は初代と同等以上」とされている。
星の屑作戦に対する切り札であったが、指揮官のバスクが焦って発射を強行したうえコントロール艦をガトーに破壊され、本来の力を発揮できずコロニーの落下阻止に失敗。
更に第二射で味方ごと照射したが、やはり威力が足らずコロニーに突っ込まれる様にして崩壊した。
ミラーは一年戦争期の五つ折りのものからロールを広げるものに変更されたが、ノイエ・ジールのブースターの噴射炎で吹っ飛ばされる程薄くて軽い(つまり搬送・展開が初代システムより格段に容易になっている)。

『機動戦士ガンダムΖΖ外伝 ジオンの幻陽』でも登場し、メッチャー・ムチャ率いるエゥーゴ艦隊がアクシズ攻略に使用した。


機動戦士Ζガンダム

  • グリプス2
ティターンズがスペースコロニー「グリーン・ノア2」の片割れを改造して作ったコロニーレーザー。
アクシズが奪取するも、後にエゥーゴが「メールシュトローム作戦」で奪取した。
エゥーゴはこれを使用して、ティターンズ旗艦のアレキサンドリアを始めとした主力艦隊の多くを消滅させ壊滅に追い込んだ。
後年には『Ζガンダム』で描かれた一連の戦争自体が「グリプス戦役」と名付けられ、「グリプス」の名は宇宙世紀の戦史に強く刻まれる戦争の象徴となっていった。

機動戦士ガンダムUC』にも登場し、マーサ・ビスト・カーバインの指示でインダストリアル7にレーザーが発射されたが、ユニコーンガンダムが展開したサイコ・フィールドによって防がれた。近くにいた袖付きの旗艦レウルーラと護衛のムサカは直撃して宇宙の塵になった。なお、修復されていた事をネェル・アーガマクルーは知らなかった(オペレーターが絶句し、オットー艦長も「修復されたなんて話、聞いてないぞ」と言っていた)事から、修復の件は一部の連邦士官には知らされていなかった模様。
ガンダムシリーズでは敵組織二つ*2を壊滅状態にした数少ない兵器である。

ジオン残党組織「アクシズ」が拠点にしている小惑星。小ぶりな球形の小惑星モウサが接続されている。
内部には居住区や、大規模な商店街がある。
作中では大質量兵器として用いられ、ティターンズの拠点「ゼダンの門(旧ア・バオア・クー)」に衝突させた。グラナダへの落下も図られたが、グリプス2の発射によって阻止されている。

逆襲のシャア』では、シャア・アズナブルが核兵器と共に地球へ落下させようとした。
ロンド・ベル隊により2つに分断する事には成功したが、1つはそのまま軌道を外れたものの残る1つが地球への落下コースへ突入
地球連邦軍と「地球がダメになる」事を良しとしなかった(恐らく一部の)ネオ・ジオン軍は、アムロの無謀な行動を受けて双方停戦。文字通りアクシズを力業で押し戻す作業が行われるが、
MSの推力で小惑星クラスの大質量を押し戻す事は叶わず、爆装していた機体もそうでない機体も次々に摩擦熱とオーバーロードによる自爆などで脱落。
その時、νガンダムとサザビーとの間でサイコフレームの共振現象が発生。
大規模なサイコ・フィールド*3に包まれたアクシズは宇宙へ押し戻され、事なきを得た。


ADVANCE OF Ζ ティターンズの旗の下に

クリプス戦役時代において、ティターンズが開発した主力量産機「ガンダムTR-6」の最終到達点にして決戦仕様。
その実態はかのデンドロビウムが可愛く思える狂気の産物であり、早期投入が実現していた場合「ティターンズの勝利は確実」と言われる程のスペックである。
詳細は個別項目にて。

上記の機体の更なる強化改修案として立案されたMS。
大幅な武装強化とニュータイプの操縦を前提にしたスペックアップに加え、BC兵器や核ミサイルは標準搭載。状況によってはNBC兵器まで搭載される事が予定されていた、空飛ぶ条約違反の塊
外見もガンダムとは似ても似つかないナニカと化している。
詳細は個別項目にて。


機動戦士ガンダムΖΖ

主砲「ハイパー・メガ粒子砲」はコロニーレーザーに匹敵する威力を誇る。
劇中では一撃で廃棄コロニーを消滅させていた。
詳細は個別項目にて。


ガンダム・センチネル

元はアクシズが開発していたモビルアーマーで、地球侵攻作戦における大気圏最上層部での運用が想定されていた。
譲渡を受けたニューディサイズは、大気圏突入能力を活かしてこれを連邦軍司令部の移転が予定されているラサに落下させる計画を立てた。
質量こそコロニーや小惑星には遠く及ばないものの、元が機動兵器であるため命中精度の点は大きく優るとされている。
詳細は個別項目にて。


機動戦士ガンダムReon

  • D.J.E
正式名称「Die Jungeren Engel」。和訳すると「小さな死の天使」といった所か。
地球連邦の実験プラントから盗まれた致死性の高い凶悪ウイルス。
感染初期は一般的なインフルエンザと似た症状を示すが、3年の潜伏期間を経て発症し、神経細胞が腐食され癌以上の苦痛を味わう事になる
空気感染もするため拡散率も高いという驚異の産物。
武装組織FA-MASがこのウイルスの散布を企み、そしてこのウイルスの抗体を狙って貨物船ルピナスを襲撃した。


機動戦士ガンダムF90

  • オリンポス・キャノン
火星のオリンポス山を改造した戦略兵器。火星独立ジオン軍が保有。
実は、昔からジオン共和国の火星開拓支援によって建造されていたマスドライバーに偽装され計画が進められており、共和国の自治権返還後も建設は継続されていた。
巨大な岩塊を火山の超高圧蒸気で射出して電磁誘導で加速させ、地球にぶつける質量兵器となる。
オールズモビル軍が連邦軍に押され気味となって、オリンポス山まで戦線が後退したため発射が急がれた。
結果的に第十三独立艦隊旗艦「アドミラル・ティアンム」を撃沈させるが、発射時の圧力に基地施設が耐え切れず崩壊し、火星独立ジオン軍も壊滅状態となった。

一つツッコミどころをあげると、 火星と地球との距離が長すぎて実用性に難あり ということである。
オリンポスキャノンは見る限り「でっかい大砲」で、射出された岩塊自体には衛星ミサイルのような加速する機能がない。
衛星ミサイルは隕石自体にブースターを付けて飛ばすので
重力も空気抵抗もない宇宙空間でもブースターの能力の限り加速が可能だが
オリンポスキャノンは最初の砲台で岩を射出した時の速度とエネルギーで地球まで運ばねばならない。
火星と地球の距離は平均 2億km 、2年に一度の「大接近」で 7000万km前後
第二宇宙速度、いわゆるその惑星の重力を振り切って宇宙へ出るために必要な速度は火星は秒速5.1kmなので
大接近かつオリンポス山が地球に向くタイミングで第二宇宙速度の10倍の秒速51kmで火星の外に撃ち出す、という色々な意味でありえない奇跡的な仮定をしても地球に届くのは 16日後である。
電波やレーザー通信で地球に警告を送れば30分もあれば伝わる。*4
ミノフスキー粒子を考えて間に仲介を挟んだとしてもオリンポスキャノンで撃った岩が届くまでに対応策を取ることは不可能ではない。
「計算ミスと設計ミスで成果を出せず自壊した兵器」、とオールズモビル側の記事で言われているがその計算には火星と地球間の距離も入っていなさそうである。*5


機動戦士ガンダムF91

余剰人口粛清計画「ラフレシア・プロジェクト」の要として製作された無人機動兵器。
円盤の様な形状をしており、MSの装甲すら斬り裂くチェーンソーを備えた親バグと、親バグから射出され自爆する子バグの2種類が存在する。
熱で人間を発見する為、隠れても無駄。
ビルギット曰く「人間だけを殺す機械」
効率的に人間を殺す事に特化した殺人マシンである。
後にザンスカール帝国がこれを使用し、漫画版∀ではハロに偽装すると言う卑劣な兵器として改造されていた。
詳細は個別項目にて。


機動戦士クロスボーン・ガンダムシリーズ

  • 核弾頭(ロケット弾やミサイルなど)
主に主人公達が使用という珍しいケース。
主人公側は木星帝国に比べて弱小勢力の為、巨大戦艦やコロニーレーザーの破壊に際し割とあっさり用意されて使われる
それも1回につき1発とかではなく、複数用意して斉射を何度も繰り返すとかの核弾頭の物量で攻めるパターンの方が多い。
しかし、木星帝国が交換留学生を隠れ蓑に毒ガスの輸送を行うのは序の口で、最終的には連邦政府の転覆、果てには地球その物を滅ぼす事すらを企むドゥガチの思想を体現する恐ろしい勢力であり、これを抑えるには致し方ないとも言える。
また、木星帝国も後述するディビニダドに核ミサイルを複数搭載しているし、目的がただ純粋な地球破壊なので普通に使ってくる。
『ゴースト』では後述のエンジェル・コールを広めない為に詳細を把握していなかったザンスカール軍が核ミサイルを乱発しているが、物が物だけに使用判断はあまり責められない。
『DUST』では逃げるネオ・1バンチの追撃にキュクロープスが使うも、追いかける形で発射されてるため容易に迎撃されている。

木星総統専用MA。無印クロボンのラスボス機にあたる他、『ゴースト』(+ときた先生の『ガンダムEXA(クロスボーンガンダム編)』)にも登場。
クラックス・ドゥガチの私怨が反映されており、地球を滅茶苦茶にする為だけのMA。
全身に核融合炉を持っており、更に核ミサイルもギッシリ搭載されているので、放置しても誘爆させてもアウトな地球絶対殺すマン
しかも 8機 も同時出撃するという用意周到っぷり。
しかし、核融合炉は全機搭載していたとしても、実際に核弾頭が満載されていたのは地球への降下を試みた1機のみではないかという説もある。
詳細は個別項目にて。

  • シンヴァツ
鋼鉄の七人』に登場。木星帝国が作り上げたコロニーレーザー。
ドゥガチの死後、凍結されていた「神の雷」作戦を新総統であるカリスト兄弟が受け継ぎ、建造された。
標的はもちろん地球である。
木星の近くにあるため地球圏の勢力に気づかれない内に発射可能だが、あまりにも超長距離狙撃なため1ミリでもズレると盛大に外れてしまう欠点がある。
原型は大枚はたいて輸入した木星圏唯一の大型スペースコロニー*6で、シンヴァツの件が露呈するとどこも売ってくれなくなり木星の国力では再建造もできず、その後の木星圏において暗い影を落としつづけている。

  • エンジェル・コール
ゴースト』に登場。宇宙世紀世界で人類が初めて遭遇した地球外生命体のコードネーム。
が、その正体はとても強い毒性を持ち、感染すれば即座に肉体全てをドロドロに溶かす細菌であった。
隕石に付着して太陽系に飛来し、ドゥガチ率いる木星帝国との戦いの中でクロスボーン・バンガードの補給船と衝突。宇宙船と共に軌道を作って漂流中であった。
補給船の通信記録から宇宙細菌との接触を推測していた者がおり、各地のタカ派がこの細菌を兵器として利用しようと動き出し争奪戦となる。

毒性に加えて感染力の強さや進行速度も驚異的。空気感染可能でその場合でも症状が出るまで約46秒程度。症状が出てからはほぼ一瞬で全身が溶解するなど現実ではありえない速度こちらも異常に速い。
更に環境耐性も非常に強く、劇中では治療薬もワクチンも開発できなかった他、難破して故障した宇宙船で10何年も生き延びていた通り放射線や真空などの思いつく限りのほぼ全てへの環境耐性がある。
研究の副産物で症状を遅延させる液体は作り出せたが、患者をそれに全身浸す必要がある*7上にそこから出たらすぐさま溶解再開&細菌がばらまかれる。
研究の際にありとあらゆる殺菌方法も試したとのことだが、劇中で判明した殺菌方法は「2000℃の高熱に56秒間晒し続ける」のみ。
一般的なライターやバーナーの炎の燃焼温度は1500℃位なので、もし必要な温度が1400℃位であれば1分間しっかり炎で炙る事で殺菌できるのだが、
2000℃というのは様々な金属の融点を超える*8様な超高温であり、簡単に出せる温度ではない。
それに加え、高熱に「晒し続ける」(=加熱し続ける)という条件が処理のハードルをさらに上げており、
瞬間的な爆発兵器では仮に高温が出せても燃焼時間が足りず、むしろ凄まじい爆風によって拡散を助けるだけにしかならない。核弾頭ですら燃焼時間が足りずアウト
高温かつ高熱持続というこの難題を達成できたのは、特殊な焼夷弾という仕組みが不明なものを除けば
例1、MS等の残骸をかき集め、その核融合炉を周辺一帯で一斉に暴走させる
例2、ソーラ・システムを一定空間を包囲する形で用意し、熱で包む様にして広範囲を長時間焼き尽くす
例3、汚染された宇宙艦を太陽に突っ込ませる
という超荒業ばかり。しかも密閉空間や宇宙空間で危険な場所に拡散しづらい前提条件且つ焼却対象が吹き飛ばない条件あっての方法であり、もし地球上に広まっていればどうなっていたか…

あまりに取り扱いが困難な為、地球もコロニーも全滅させる自滅覚悟の終末兵器には使えるが、影響を制御する必要がある戦略兵器としては不完全。
このため戦略兵器をばりばり使う気の危険な勢力ですらも実情を知った&他の手立ての算段がついたことで途中で手を引く勢力もあった。

  • グリーンノア1
Ζガンダム第一話の舞台となるスペースコロニーであるが、劇中で80年以上の時を経た『DUST』で略奪集団の「賛美歌の国」によってコロニーレーザーに改造される。
騙し討ちの形で発射しキュクロープスの大艦隊に1/3の損失を与えるが、存在を予想していたフォントが察知して散会命令を出しておりこれでも被害が軽く済んだ方である。


機動戦士Vガンダム

  • カイラスギリー
ザンスカール帝国が建造した巨大要塞。
搭載する「ビッグキャノン」(通称ちんこ砲)は2基の巨大な粒子加速装置から送られたメガ粒子を圧縮、縮退させ、物質化寸前の高エネルギーを放出するもの。
コロニーレーザー以上の威力を持ち、冨野監督曰く「宇宙世紀史上最強の兵器」。
これの動力兼管制ユニットにして防衛戦力として建造されたのがスクイード級大型戦艦であり、それと接続するためのコネクタが2つ設けられている。

劇中ではリガ・ミリティアにパクられてザンスカール艦隊に撃ち込まれ、多大な被害を出した。引き金を弾いたのは主人公のウッソ・エヴィン
『∀』にもちょっと出てくる。

ザンスカール帝国が擁する戦略級機動兵器
成層圏からの砲撃で(ある程度威力が減衰しているにもかかわらず)着弾地点一帯が火の海になり、小型艦艇ホワイトアークの主砲と干渉して容易に競り勝つ「ザンネックキャノン」が最大の特徴であり、その威力から「ミニカイラスギリー」の異名を戴いている。
その携行武器としては常識外れの火力に加えてザンネック本体もかなりの防御力を有しており、サブフライトシステムの大推力により単独での大気圏突入・離脱が可能。
更には強化人間となったパイロットのファラ・グリフォンの発信するサイコウェーブを増幅させる事で生まれる長大な索敵・識別性能を持ってすれば、主戦場の宙域全体を俯瞰出来る様な距離から、コンマ単位という超精度かつ極大威力の狙撃すら可能になってしまう。
小型MSが主流となっていたザンスカール戦争当時では大型の様相と、ニュータイプの素質がある者には聞こえる鈴の音*9が恐怖心を与える。

  • エンジェル・ハイロゥ
ザンスカール帝国が建造した巨大サイコミュ兵器。名の意味は「天使の輪」。通称まんこリング
『クロスボーン・ガンダム ゴースト』では、元は10万人規模の移民船として造られたものであると語られた。
戦艦の様な部分を取り囲んだ5重のリングが回転する構造で、中心部分には「キールーム」と呼ばれる女王が祈る為の部屋がある。
しかし、リングには大勢のサイキッカーが眠っており、そのサイコウェーブを放出して人類から闘争心を奪い「地球人類全てを幼児化させて絶滅させる」というのが真のコンセプト。
実際にその波動を受けた生物は、生きようとする本能まで奪われて眠ったまま死に至る。

他の戦略兵器の様な強烈な破壊は伴わないが、全生物を強制的に安楽死させる兵器と言える。
しかもエンジェル・ハイロゥの効果範囲は全地球規模
一度起動したが最後、仮にすぐに停止させたとしても強制睡眠&退行によりすぐに様々な二次的人災が起きてしまう。
また起動後はエンジェル・ハイロゥが機能停止するまで目覚める事もなく、そうなると止める者もいなくなるので放置していると数日もしないうちに地球上の全人類が等しく自滅する

劇中では最終決戦の舞台となったが、最後にはシャクティの祈りと共にウォームバイブレーションという光を発しながら天に還っていった。

『クロスボーンDUST』(16年後)では、地球の周りをエンジェル・ハイロゥの残骸が漂っているため地球-宇宙間の行き来が面倒になっている(できないわけではない)。
いずれ大気圏に突入して燃え尽きるとされるが、気の長い話ではある。本来はこういったものを掃除するはずの連邦が働いていないということでもあるのだろう。
G-SAVIOUR(ゲーム版)』(70年後)では、チェコスロバキア方面にエンジェル・ハイロゥの残骸が登場する。
スーパーロボット大戦D』ではエンジェル・ハイロゥ起動後に自軍のニュータイプ・強化人間全員が出撃不可能になり、出撃可能な要員も気力が100を切り、バサラの歌で漸く相殺可能という脅威の存在となった。
自軍がボロボロな状態なのに、追い打ちにファラまで襲撃してくるという地獄絵図となったが、一定条件を満たすとコールドスリープ状態のサイキッカー達の中にとんでもない人物がいる事が発覚する。
Gジェネシリーズでは登場すると必ず自軍とゲスト軍のMPを減らすイベントが発生し、かなり厄介。
『OVERWORLD』ではデビルガンダムに乗っ取られた「デビル・ハイロゥ」が登場し、イベントでMPは勿論HPまで減らしてくる。
なお、これらのイベントは艦載機を母艦に戻しておけば被害を最小限に抑えられる。

ちなみに(作中世界としての)初期案では地球人類絶滅前に絶対に破壊される為、先述のエンジェル・コールと併用する予定だったが、
恐らくシャクティによる出力ブーストでどうにかなると判断&エンジェル・コールを巡るなんやかんやがあった為、結局これ単体で使われる事になった。


G-SAVIOUR

  • 遺伝子組替バッタ
サウンドシネマ第3話にて語られた、読んで字の如く、人為的に遺伝子を操作したバッタ。
高い繁殖力と薬物への耐性を持つ。
セツルメント国家議会のガーノー総督が、地球連邦の復活計画の足がかりとなる戦乱を起こす事を狙い、地球圏の食糧危機を加速させる為に秘密裏に用意した策略の1つ。
工作員を通じてウクライナにばら撒かれ、農作物を食い荒らしながら増殖。ユーラシア大陸の食糧生産に大打撃を与えた。
また、作中では北米のトウモロコシが新種の病気で全滅状態となっている事が語られており、これもガーノーの仕業である可能性も考えられる。


機動武闘伝Gガンダム

アルティメットガンダムのUG細胞が暴走した結果生まれた機体で、存在自体が戦略兵器と言えるモンスター。
ゾンビ兵を作ったりデスアーミーを生み出したりとおぞましい力を持つが、多くの人間に様々な目的の為に利用されたある意味悲劇の機体。
劇中では島一つを丸々取り込んだり最後は地球すらも取り込もうとしたが、愛の力には敵わなかった。
詳細は個別項目にて。

  • 自由の女神砲
ネオアメリカがマンハッタン戦闘エリアに配備した切り札。
使用する際はマンハッタン戦闘エリアを切り離す必要がある。
その名の通り、自由の女神像が掲げる松明から高出力ビームをブッ放すというインパクト抜群の兵器であり、コアなガノタ達の間でしばしばネタにされている。
作中ではネオジャパンを取り込んだデビルガンダムに対して使用されたものの、強力なバリアーに歯が立たず返り討ちに遭った。
余談だが、砲手の姿がどことなくマッカーサーと似ている。
元は今川監督が『ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日』で出そうとしたが没になったアイディアの流用(小説版では登場している)。


新機動戦記ガンダムW

とうとう主人公機が戦略兵器になってしまった*10
劇中では秒にも満たない一瞬のチャージのツインバスターライフルの1射でコロニー*11を破壊(巨大外壁4枚と中央巨大シャフト全てに数キロの風穴を開けながら全て貫通し遥か彼方までビーム軸が続く)、
更にコロニーを接続したコロニーの数倍ある巨大な衛星を消滅させる凄まじい威力を発揮し、バスターライフルにあった最大3発の発射制限もなく敗者の栄光においては最大出力5発以上の発射を行っている。
更に、搭載されたゼロシステムは戦術、戦略面でも大いに貢献し得る代物。…使いこなせるなら
更にはドライツバークというオプションを使用したドライツバーク・バスターなら月のエイトケン盆地を完全に消滅させた挙句、月の形を変えてしまうという、あまりにもトチ狂った超威力になるジジイどもいい加減にしろ。
詳細は個別項目にて。

なお、当機をデチューンしたウイングガンダムの持つバスターライフルの時点でも、機体の運動性と併せれば戦略兵器としての運用も可能とされており、前述のドライツバークを装備させた状態で発射されるとは数キロのゴン太ビームで大艦隊、大部隊全てを消滅させ、大地と平行に発射されたのにもかかわらずそのありあまるエネルギーは地球の丸みについていけず重力を払って宇宙まで飛んでいく。ジジイどもいい加減にしろ。
  • バルジ
OZが本拠地としていた軍事コロニー。
主砲は通常のMSはおろか、プラネイトディフェンサーというビーム反射効果を持つ装甲を持った機体すら、チリも残さず蒸発させる程の熱量を誇る。
作品終盤で主砲を更に改良した「バルジ砲」を装填され「バルジ改」として改造されるも、ガンダムエピオンによりあっさり破壊された。エピオンの方が脅威じゃね?
ゲーム「ロストヒーローズ」では、ガデッサがリジェス軍の兵器としてリーブラ、メメントモリ等と共に挙げている。

  • リーブラ
全長3.5㎞の巨大宇宙戦艦。
発射すれば地球に壊滅的なダメージを与えられるビーム砲を持つ。
大気圏では威力が減退するという設定だが、それでも島ひとつ吹っ飛ばしていた。
これでもガンダム開発者達がテキトーに造ったもので本来の出力ではない上に欠陥まで持たせているため、凄まじい脅威だが割と楽に攻略出来る様にもなっている。
本来の破壊力・完成度ならどれ程の脅威なのか想像すら出来ない。だからジジイどもいい加減にしろ。


機動新世紀ガンダムX

2年続けて主人公枠ガンダムが戦略兵器に。
宇宙革命軍が恐怖した機体とその後継機。
劇中のガンダム達は只でさえ何かしらの戦略兵器を持っているのに、X/DXは「(ツイン)サテライトキャノン」「Gビット(下記)」と2つ持っている。
コロニー落としに対抗すべく開発された機体なのだが、機動兵器なので3機も生産された

サテライトキャノンは一撃で遠距離のスペースコロニーを破壊し、更に12機のGビットとの同時運用で最大13基ものコロニーを同時に破壊可能という異次元過ぎる破壊力を持つ。
結果こいつとGビットの群れが繰り出すサテライトキャノンの雨で多数のコロニーを破壊され、
追い詰められた宇宙革命軍が即座に落とせる限りのコロニーを地球に落としまくり(元々そのつもりで用意していたが)地球が滅びかける、という皮肉めいた惨劇を引き起こす。
DXに至ってはその更に数倍以上の破壊力を誇るツインサテライトキャノンを備え、劇中では一撃でゾンダーエプタという人工島を消滅させコロニーレーザーを破壊した。
挙句発射間隔が大幅に短縮されており、下手すると時間当たりの発射数は前述の13機withGビットを上回る可能性も…。
詳細は個別項目にて。

旧地球連邦軍が開発した、モビルスーツ型ビットこと「ビットモビルスーツ」「モビルビット」の一種。
各ガンダムを親機とする専用ビットで、各機に対応した物が配備されており、ガンダム1機で12機ものGビットを運用可能。
ガンダムDXはガンダムX2号機のシステムを移植している為、GXビットが対応する。
自在に動き回る13門のサテライトキャノンの一斉発射とか悪夢以外の何物でもない。
X世界の戦争が泥沼化した最大の要因の1つ。

ガンダムDXのツインサテライトキャノンと同等の威力を持つサテライトランチャーを装備。
2機セットで運用しアシュタロンが砲身、ヴァサーゴがマイクロウェーブの受信と発射を担当する。
劇中ではローリングしながら革命軍はおろか味方だった筈の新連邦の艦隊まで壊滅させたが、最終的にはDXとサテライトキャノンの撃ち合いで相打ちに。
2機で漸く運用できるシロモノなため上記のX系統と比べると見劣りするかもしれないが、そもそもこんなバ火力を単機で運用し、あまつさえぶっ放せるDXの方がトチ狂っている
また、ヴァサーゴチェストブレイクは単機でもトリプルメガソニック砲というサテライトキャノンに匹敵する威力の戦略兵器を装備している。
詳細は個別項目にて。

アフターウォー世界の火力のインフレが酷い。が、続編漫画で更に凄い事に…(後述)

  • 荷粒子反応弾
宇宙革命軍が保有する強力なミサイル。地球侵攻のための新兵器。
詳しい設定が公開されていないため詳細は不明だが、現実における核兵器の様な強力かつ非人道的な兵器らしい。
作中では地球侵攻に先立ち、試射をかねてサテリコン討伐作戦に用いられた。
あまりの威力からランスローが使用に異議申し立てをするも結局投入され、わずか6発でサテリコンの要塞を文字通り消し飛ばした

  • コロニーレーザー
宇宙革命軍が戦争用に用意した戦略級兵器であり、これを地球に撃ち込んだ上で地球侵攻を行う「ダリア作戦」で使用される筈だった。
が、作戦決行直前にティファ奪還の為にガンダムDXのツインサテライトキャノンで脅迫された挙句にティファを返したら、
用済みとばかりに約束を破ったガロードにツインサテライトキャノンをぶち込まれ消滅するというあんまりにも悲惨な扱いを受けた。
当時の情勢下でこんなものあっても悪い方向にしか向かわないから仕方ない。ガンダムDXの方が自由に動ける分脅威だけど。


機動新世紀ガンダムX 〜UNDER THE MOONLIGHT〜

遂に量産機が戦略兵器を持ってしまった
クラウド9(かつての宇宙革命軍)に持ち込まれた、地球連邦の技術を組み込んで完成した次世代量産型汎用MS。
量産機でありながら、オプションで様々なガンダムの機能が再現可能で、作中ではガンダムXを再現するオプション-Xが登場し、サテライトキャノンを使用可能。
本機のサテライトキャノンは当初は初射撃時に放熱に耐え切れずに破損してしまう等の欠点があったが、ガンダムXのデータを得てからは問題を解消し完璧となった。

モードエックスはホーネットとは異なり、鹵獲したガンダムXを解析したデータから改良されたサテライトキャノンを標準装備している。
ホーネットのオプション-Xで問題点となっていた冷却機能を改善し、サテライトキャノンの安定性は上昇。
更に従来は肩掛け式だったサテライトキャノンを、取り回しに優れた腰溜め式に変更した。
更にディクセン型のGビットまで装備しており正に化け物スペックを地で行く性能を誇る。


∀ガンダム

  • 月光蝶
ガンダム史上最強最悪の武器。
ナノマシンであらゆる物体を分解するシステムであり、∀ガンダム及びターンXに搭載されている。
あまりに強力過ぎて、地球の文明を19世紀レベルまで退化させた。
一応、本来は兵器ではなく環境再生を目的としており、劇中でも黒い土=ナノマシンのカスが作物の育成に有効である事等が語られている。
しかし、人工物やエネルギーは容赦なく分解・吸収されてしまうので、有効範囲も含めて確かに兵器としても最大最凶の物である。
ガンダム Gのレコンギスタ』に登場するG-ルシファーも搭載しているが、効果も同じかどうかは不明。
漫画『機動戦士ガンダムALIVE』ではデビルガンダムに対して使用されるという夢の様な悪夢の様な対決が行われた。
詳細は個別項目にて。

  • 核弾頭
他作品の核兵器とはいささか扱いが異なる為、分けて記載。
シドら鉱山師の間で「不吉な地」と敬遠されているロスト・マウンテンの坑道の最深部で、8本の弾頭が信管が生きたままの状態でサイロに入れられ厳重に封印されていた。

ディアナ・カウンターのゼノア隊によって発見され、「起爆したら恐ろしいことになる」と隊長のゼノアが再封印を決心するが、その直後に別ルートから坑道に侵入していたギャバン・グーニーらスエサイド隊に見つかってしまう。
そして、核がどの様な物か全く知らなかったギャバンはゼノアの説得に耳を貸さず、サイロから全ての弾頭を乱暴に放り出し、そのうち6本をボルジャーノンで雑に鷲掴みにして回収した挙句、そのまま銃撃戦を展開
核の知識を持つロランやゼノアらムーンレイス*12の警告も聞き入れられず、結局ギャバンのボルジャーノンが生き埋めにされ圧壊した事でいずれかor全ての弾頭が爆発してしまった。
爆心地を中心に推定深度7~8km、推定直径約50kmの超巨大クレーター*13が穿たれ、ギャバンは勿論の事、爆風をまともに浴びたレット隊とゼノア隊のパイロットも大半が死亡。遥か遠くのウィルゲムやソレイユからでも視認可能な程の閃光が発生し、「夜中の夜明け」がその場にいた人々を戦慄させた。
…が、フィル・アッカマンはむしろ「他の核兵器も発掘し、これでミリシャを一気に制圧すべき」と判断を下した挙句、反対するディアナに銃を向け政権移譲を要求。新たな争いの火種まで生む結果となってしまった。

なおボンボン漫画版の方はギャバンは説得を受け入れ戦闘を止めるも、既に起動状態にあった核弾頭をどうにかすべくソシエを始めその場に居た全員を脱出させ、自分は起動させてしまった分を含む残りの弾頭全てを道連れにするという、醜態を晒したアニメ版とは真逆の男気に満ちた壮絶な最期を遂げた。

一方、核の脅威を目の当たりにして戦いに嫌気がさしたゼノアはロランに残りの2本を託し、∀ガンダムのマルチパーパスサイロ内に隠された。
後にこの弾頭はフォン・シティに落下するミスルトゥの残骸を破壊する為に使われたが、ロランがこの時発した「人の英知が生み出したものなら、人を救って見せろ!」という叫びに胸を打たれた視聴者も多いのではなかろうか。

  • カイラス・ギリ
小説版に登場。上記したカイラスギリーとの関係性は不明。
一応、本編にも設定は存在しており、ターンXヘッドでコントロール可能である、との話題が出ている。
月を一周する運河を丸ごと粒子加速器として利用した、大出力荷電粒子砲。
ハリー・オードの手で2発が発射され、第1射は地球に甚大な被害を与えたが、第2射は∀ガンダムの活躍によって防がれた。
また、第2射発射直後、コントロールルームは∀ガンダムに破壊されている。

  • System-∀99
地球上に張り巡らされていた、∀ガンダムを中心とする武装転送システム…と思われるもの。本編では残滓のみ登場。
かつては、地球上の至る所にある兵装庫から瞬間移動により武装の補充、換装が可能であったとされている。
月のターンXがカイラスギリーのコントロールが可能だった事も含めて、地球と月に分かれたターンタイプは防衛(攻撃)システム自体の中心でもあったのかもしれない。


機動戦士ガンダムSEEDシリーズ

根本的な対立構造が人種間の確執に端を発するものであるためか、他作品と比べると異常なほど多い




機動戦士ガンダム00シリーズ

  • メメントモリ
低軌道リング上に設置された衛星兵器で、太陽光発電システムを利用した自由電子レーザー砲を搭載している。
宇宙空間で直接太陽光を受けるため、大都市を一撃で破壊出来る程の莫大なエネルギーを誇る。
その上、低軌道リング自体は軌道エレベーターに必要な設備のため、迂闊に破壊すれば地球の電力インフラを崩壊させてしまい、
連邦に弾圧の大義名分を与えてしまうという悪辣極まりない兵器である。
主に反政府組織と断定した相手に対して攻撃する。
…のだが本来の使用者の連合・アロウズ・リボンズ一派の誰でもない とある人物にハッキングされて地上に撃たれた のが史上初の発射である。
犠牲者は出なかったしヴェーダが情報操作したと思われるが、よくそんな兵器を引き続き使おうと思ったな…

作中では中東スイール王国の首都を、協力体制を結ぼうとしたカタロン幹部と王国首脳共々丸ごと消滅させるという衝撃的なデビューを飾る。
続く第二射では、同じく中東リチエラ王国の軍事施設を、併設されていた100万人規模の難民キャンプごと消し飛ばした

カタロンとしては当然この様な危険な存在を放って置く訳には行かず、ソレスタルビーイング(CB)に先んじて攻略作戦が実施されたが、
この時点で砲塔を上にも向けられる事が判明、死角と思ってメメントモリ直上から接近したカタロン艦隊を第三射で壊滅させた。

攻略作戦を引き継いだCBが苦労の末になんとか破壊に成功してやっと落ち着いた……と思ったらまさかまさかの2号機の存在が判明。
軌道エレベーターを占拠した連邦軍内のクーデター部隊を粛清するついでに口封じのために、人質にされていた一般市民約6万人ごと軌道エレベーターを攻撃
一般市民6万人が全員死亡した上に破壊された軌道エレベーターの破片が近くの都市に降り注ぐという事態を引き起こした*25
なお、この2号機もトランザムライザーのライザーソードと後の再攻撃で破壊された。
小説版では第一射のスイール王国攻撃で200万人の犠牲者が出たとされており、これに第二、三射と2号機の一射を加えると、少なくとも300万人以上の人間が犠牲になっている
おそらくコロニー落としに次ぐ死亡者数を出した戦略兵器。

過激な弾圧と、いつその照準が地球に向けられるか分からないんだぞ!状態はCBは勿論、地球連邦軍の一部やアロウズにすら反感を買われていた。

因みに「メメント・モリ(memento mori)」とは古代ローマの「死を忘れるな」「死を記憶せよ」といった意味の格言である。
「反乱分子は空の上からいつでも消せる」というこの兵器にふさわしいネーミングである。

アステロイドを改造した全長15kmにも及ぶ巨大母艦。
擬似太陽炉複数基を使い捨てのエネルギーカートリッジとした250m口径の超大型粒子砲を装備する。
その威力は数十隻の艦隊を一撃で焼き払い、月規模の巨大ELSを貫通する程。(ELSは衛星の様な岩石、隕鉄ではないので月の様な固さはないが)
詳細は個別項目にて。

『劇場版』で登場。
新生した地球連邦軍(平和維持軍)が、将来的に数多く現れると予想される純粋種のイノベイターを戦力として取り入れる為、テストケースとして開発した大型MA。
純粋種のイノベイター専用機という事で性能を極限まで追求した結果、
太陽炉搭載型MS特有の超高速変態起動が可能な全長302mの超巨大機体に仕上がった。
武装もサブの時点で大型小型含め154機ものGNファング、GNミサイル256発という過剰火力を搭載。
主砲であるGNブラスターに至っては艦艇数隻や、木星探査船エウロパの様な巨大な目標すら容易く撃破する。
詳細は個別項目にて。

『劇場版』で登場。
運用・開発目的は対話の為の機体だがトランザム状態でのバスターライフルモードではライザーソードの発振が可能。
戦艦と融合した中型ELSを消し飛ばし、月規模の巨大ELSの表面にもわずかながら傷をつけた。(よくネットで散見する月を輪切りに出来るというのは根も葉もない嘘)
また、用途は兵器ではないもののトランザムバーストより広範囲で強力なクアンタムバーストも戦略兵器とほぼ同様の要素を持つ*26
追加武装フルセイバー装備での運用シミュレーションでは、
  • 休み無しのぶっ続けで戦い、パイロットである刹那・F・セイエイの疲労や判断ミスは考慮しない
  • ELSの対応能力や増援の可能性を想定しない
  • ELSの態度が作中の「友好的」から「戦闘」に豹変しない事にする
  • 味方の被害は無視
等々現実的ではない条件付きの机上論ではあるが、最終決戦に現れたELSを1週間で単機で殲滅可能との結果を出した。
但し監督の水島精二はこの設定にかなり否定的である。


機動戦士ガンダムAGE

  • コロニーデストロイヤー
ヴェイガンが使用する、MSよりも巨大なミサイル。
その名の通り一撃でコロニーを崩壊させる威力がある。
誘導性能は低いのか、威力に比べるとかなりの至近距離までMSで運搬する必要がある。

AGEシステム考案の特殊レーザー砲「フォトンブラスターキャノン」を装備する。
強襲揚陸形態への変形と多大なチャージ時間を要するものの、威力は一級品。
電子誘導増幅装置「フォトンリング・レイ」を利用する事で更に威力と攻撃範囲が高まる。
詳細は個別項目にて。

  • ラ・グラミス
分子模型の様な構造をしたヴェイガン最大最強の大型砲撃要塞。
多数の球体ユニットそれぞれから発振したエネルギーを集束して放つ高出力ビーム砲「ディグマゼノン砲」を備える。
またコロニー等を追加ジェネレーターとして強制連結する事でチャージサイクルの短縮や威力増強などが行えるが、システムが暴走しエネルギーが逆流する危険性もある。

  • プラズマダイバーミサイル
銀の杯条約以前の兵器群のデータを基に連邦が開発中の大量破壊兵器。あまりの威力に連邦内でも使用が禁止されている。
第4部にてフリット・アスノが何かとぶっ放そうとしていたが、余りにもえげつない威力故に、念の為造ってはおいたフリット当人も実際の発射は最後まで躊躇い、結局本来の用途で使う事は最後まで無かった*27
炸裂すれば大型コロニーを丸ごと飲み込める規模の火球を形成する。
どちらかといえばコロニー内などで威力を発揮するもので、宇宙空間で爆発させた場合は直撃を受けない限りそれほどの威力はない。

小説版では、プラズマでマイクロ波を発して生物を焼き払う実体弾版サイクロプスの様なものと解釈されており、
コロニー落としに際して中の住民を皆殺しにする為の兵器として生み出されたとされている。


ガンダム Gのレコンギスタ

ビーナス・グロゥブから提供された技術を使って建造したバックパックをG-セルフが装備した姿。
従来の各種G-セルフ用バックパックの機能は全て使用でき、宇宙用パックより可動域の広いスラスターを備えるなどMSとしての基本性能も格段に向上している。
更に、遠隔操作ユニット「トラックフィン」や、周囲10キロ内の光を吸収して光子エネルギーに変換する「フォトン・サーチャー」といった、当パックにしかない固有武装も複数加わった。

…とまぁ、これだけ書くと「強そうだけど戦術兵器の域は出ないのでは?」と思うだろう。
問題は固有武装の一つ、絶対兵器こと「フォトン・トルピード」にある。
発光する小さな結晶体を無数にばら撒く武器だが、その内部には反物質が封入されており、接触した物体は低温対消滅によって溶ける様に跡形もなく消え去る
その性質上、物理的な手段での防御は不可能。散布範囲が広い上にホーミング機能もあるため回避も困難。もちろん敵味方の識別機能など無く、乱戦中に使えば味方も被害は免れない。
しかも目標消滅の際には光エネルギーが発生し、これをフォトン・サーチャーで吸収してエネルギー補給まで出来てしまう。
つまり当パックの全機能をフル活用した場合、周囲のあらゆる物体を片っ端から消し去ってはエネルギーに変換して食い荒らし、重武装と事実上無制限のパワーにモノを言わせて暴れ回る怪物と化す。
その上、これらの技術も基本的にはヘルメスの薔薇の設計図から復元したもののため、技術を提供したビーナス・グロゥブも、建造したスタッフも、そしてパイロットのベルリも実際のスペックは把握しきれていない

劇中でフォトン・トルピードを使ったのはそれほど機体が密集していない場所だったため、ウーシァ数機を消滅させる程度で済んだが、あまりの威力に恐怖を覚えたベルリは以降この武器を封印している。
そして、後年に公開された劇場版第4部『激闘に叫ぶ愛』では、カシーバ・ミコシ*28周辺でキャピタル・アーミィ、アメリア軍、ドレット艦隊の3勢力が繰り広げていた戦闘をやめさせるべく最も戦闘が激しい空域で使用した結果、味方であるアメリアの機体も含めて周辺一帯のMS数十機が一瞬にして壊滅
範囲外にいたために命拾いしたパイロット達も「何かが光ったと思ったら周りのMSが消えた」としか認識できず、後方に控えていたアメリア艦隊も突然味方の識別信号が一斉に消滅した事に混乱するばかりであった。
ベルリは自分が生み出してしまった目の前の惨状にただ恐怖し、そしてG-セルフの仕業と気づいたマスクから浴びせられた「殺人者」という罵りに対しても子供じみた言い逃れを返す事しか出来なかった…

なお、実はこれでも最低限の被害で済ませるために出力を絞って使った結果であり、デザイナーの安田朗氏曰くフルパワーなら東京を壊滅させられるとか…
詳しくは個別項目も参照。

  • ユグドラシル
ジット・ラボラトリィにて開発され、キャピタル・アーミィに譲渡された、3人乗りの大型MA。
赤い塗装が施されたピラミッド型の機体と、前面に備わったレンズ状のビーム発振器が特徴で、正面から見るとフリーメーソンのエンブレムっぽく見える。

武装はこの発振器から放つ「テンダービーム」。
ざっくり言ってしまえば超すごい拡散ビーム砲なのだが、作中世界の高い技術力によってビームの軌道を自在にコントロール可能となった結果、
鮮やかな緑のビームがパイロットの思いのままに方々に拡散し、枝葉の様に広がりながら全てを焼き尽くす大量破壊兵器と化してしまった。
その恐ろしくも美しい光景はまさに名前通りの世界樹さながら。

更に強力なビームシールドで防御も隙がなく、巨体のわりに小回りも効く為、仮に接近できても倒すのは一筋縄ではいかない。
但し、テンダービーム使用直後はビームの位相が反転してエネルギーが拡散してしまう弱点がある。

劇中ではバララ・ペオールがメインパイロットを務め、アメリアとドレット軍の艦隊をテンダービームで攻撃。
両艦隊の艦隊をほとんど沈め尽くし、グシオン・スルガンとノート・ドレットも殺害するなど甚大な被害をもたらしたが、最終的にベルリ・ゼナムら海賊部隊の手で破壊された*29

ジット団はこの機体を自衛用と位置付けており、キャピタル・アーミィも特にこれに対して疑問は呈さなかったが、その実態が自衛の範囲を大幅に逸脱してしまっている事は言うまでもない。
ある意味、平和なキャピタル・テリトリィやビーナス・グロゥブで本物の殺し合いを知らずに生きてきた彼ら、もっと言えば作中世界の人々の戦争に対する無知を象徴する兵器と言えるかもしれない。


機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ

他のガンダム作品におけるモビルアーマーとは根本から存在が異なる。
今作におけるMAは、300年前の「厄祭戦」の発端となった対人殺戮兵器にして作中最強クラスの機動兵器
並のMSを凌駕する格闘能力、ナノラミネートアーマーによる高い防弾能力、今作唯一のビーム兵器を始めとした殺戮用武装、
そしてMAに付き従う無人兵器の生産プラントとしての機能も備える事により、当時の人類の総人口の1/4の人命を奪い、文明を滅ぼしたと言われている。

作中に出てくるガンダム・フレームやMSは全てこのMAを打倒する為に製造された兵器であり、MAを打倒せしめたパイロットは当時英雄として扱われた。
詳細は個別項目にて。

厄祭戦当時に生み出された兵器。
高硬度レアアロイで鋳造された杭状の巨大な砲弾をハイパワーレールガンによって射出する、超大型パイルガン。

終盤でギャラルホルンによって大量投入され、鉄華団相手に猛威を振るった作中屈指のトラウマ兵器である。

詳細は個別項目にて。


ガンダムビルドダイバーズRe:RISE

  • 衛星砲
惑星エルドラの月だと思われていた巨大衛星の正体。
月をえぐって砲身を取り付けたかの様な形をしており、本編当初の様に「背面」をエルドラ側に向けている限りは普通の月に見えなくもない…が、中盤に向きを反転させエルドラにその発射口を向けた。

数百時間単位のチャージ期間を要するが、衛星軌道からの一撃だけでも都市一つを完全消滅させ、その衝撃は惑星上の広範囲に二次被害を及ぼす。
元々は古代のエルドラで「古き民」が造り出した、惑星外からの侵略者を迎え撃つ為の兵器だった模様。
当時は月もちゃんと球形で砲身の一部が外に出ているだけだったが、戦いの結果その三分の二ほどが抉れ本編の様な奇妙な姿になった。

  • リライジングガンダム
ヒロトがカザミの発案を受けて組み込んだBUILD_DiVERSの必殺兵器兼必殺技。
チーム四機を合体させ超大型MSリライジングガンダムへと変形(搭乗者はヒロト一人)、
劇中では上記の衛星砲を真ッ向から撃ち破りそのまま月要塞を粉砕するグランドクロスキャノンを撃ち放った。

……おわかりだろうか。
コロニーレーザーどころかカイラス・ギリーにすら匹敵する超威力の衛星砲に撃ち勝つほどの戦略兵器なのである。
ビルドシリーズはあくまでもガンプラ同士の戦いを描いた話であり、どれほど派手な戦闘シーンが
描かれようとそれはあくまでもプラモサイズか電脳上での話…………
なのだがRe:RISEはそう見せかけて実は遠く離れた惑星上で行われた現実のお話という逆転展開が組み込まれているため
リライジングガンダムは間違いなく現実世界に存在する兵器でもある。

しかし真に恐るべきなのは、現実世界に持ち込まれたガンプラは設計図を基に3Dプリンターで組み上げられた即製兵器という一面をもつ点。
事実劇中ではヒロトたちがエルドラに行くたびに何度もその場で瞬時に作り上げられている。
つまり、かつてのエルドラの技術はその気になればこんなとんでもない代物を星の砂さえ十分にあればいくらでも作りだせたのではないか? という恐ろしい推測が成り立つのである。


機動戦士ガンダム 水星の魔女

  • クワイエット・ゼロ
Season1終盤のデリング・レンブランとプロスペラ・マーキュリーの密談で語られた謎に包まれた計画「クワイエット・ゼロ」。
Season2に入ってからは徐々に内容が語られ、
  • 提唱者はデリングの妻、ノートレット・レンブランで、「植物が持つ多様性を人類に応用する」という考えによるものである
  • パーメットスコアを上昇させたエアリアルが計画の鍵である(ただしプロスペラが目指すスコア8は、デリングの計画では本来必要ない領域)
  • 目的は「全兵器を掌握して戦争を根絶する」
といった点が明かされた。スコア6に到達したエアリアルが他兵器のオーバーライドを行えたため、デリングの計画はこの機能によってパーメットが含まれた兵器(=事実上すべての兵器)を無力化するものと思われる。



  • L1惑星間レーザー送電システム「ILTS」
ガンダムシリーズお約束の物理的大量破壊兵器タイプの戦略兵器。
ラグランジュ1が所有。送電システムを隠れ蓑にしてレーザー兵器が開発された。
使用すればラグランジュ4全域に被害が及ぶとのこと。

誤作動を名目に劇中では発射され、被害こそ少なかったが大量のガンドノードを消滅、ガンダムエアリアルすら大破させた。


【番外】

  • スペースコロニー
各ガンダム作品における最凶最悪の戦略兵器。軌道から外したコロニーを質量弾として地上に落下させる、所謂「コロニー落とし」である。
小惑星クラスの超大質量体を使うその破壊力は原形を留めたまま墜ちた場合大陸の形を変え、余波で文字通りの天変地異を引き起こしかねない程で、空力加熱で赤熱化した地表に迫る巨大なコロニーというあまりにも絶望的な光景は「空が落ちる」とまで表現される事も。

実際、宇宙世紀0079に行われたアイランド・イフィッシュを用いたコロニー落とし「ブリティッシュ作戦」では、
艦砲射撃や核ミサイルで破砕されたコロニーの3分の1が直撃したシドニーが「シドニー湾」と呼ばれるクレーターとなり*30
オーストラリア大陸の16%が失われ、更に『ガイア・ギア』では、パリに落着したものがパリをえぐって「パリ湖」を形成したとされている。
シドニー落着時点で地殻(厚さ10km)を貫通してマグニチュード9.5という大地震を引き起こし、
破片は地球全土に降り注いで様々な二次被害を引き起こした上に地球の自転速度を早めるなど、人的な総損害は40億人に達するとさえ言われている。
なお、これは後になって再設定されたもので、当初は1基どころではなくガンダムXの如くバンバンコロニーを落としていた設定だった。

ちなみに一年戦争中は第1話以前に締結された南極条約で禁止が明記された攻撃手段の一つで、以後はこれの使用だけは最後までジオン軍も自重したので、
1st劇中では「OPで毎回投下場面が見れるが本編ではどんなのだったのか謎のまま」「どういう被害があったのかも言及されない*31」という変わった扱いであった。

更に、基本的に落とされるコロニーの住人達は強制疎開か前もって皆殺しにされるため*32
仮に落着を阻止できたとしてもどのみち人的被害は避けられないというタチの悪さである。
世界観によっては廃棄コロニーも複数あるので、この場合懐にも優しい。

落とすまでの手順としては、まず上述の様に何らかの手段を用いてコロニー内部を空にした後、コロニー移送用の核パルスエンジン*33を装着。
目標へ向けての位置調整を行ってから核パルスエンジンに点火し、発射するのが宇宙世紀の基本的な手法。
それ以外にもコロニー同士を高速で衝突させ、その反動で片方を落下軌道に乗せるという凄まじい方法もあり、こちらはエンジン装着の手間が省ける一方で衝突後の緻密な軌道計算とコロニーを複数用意せねばならないという問題がある。
ブリティッシュ作戦で使われた一撃は他のコロニー落としに比べて威力があまりに大き過ぎる*34ので、アクシズ落としの様に威力増強のため核爆弾を詰め込んだ可能性もある*35

難点としてはエンジンの設置から目標への位置調整までどんなに急いでも数日から1週間程度は掛かってしまい、また発射に成功しても重力圏に達し完全に落下コースに入るまで破砕は極力防がねばならないので、防衛の為に戦力を多く割く必要がある。
その為結果的に艦隊規模、それも決戦レベルの大激戦となりがちで成功しようがしまいが双方に大きな疲弊を齎しかねない。
一年戦争序盤のジオンは二度コロニー落としを仕掛けたが、上記ブリティッシュ作戦では目標ジャブローを大きく外れ、ルウム戦役では工作隊の被害が大きくなり過ぎてコロニー落とし自体が不発と、いずれも連邦の猛反撃によって失敗に終わっている。

宇宙世紀の他、Xや種運命でも使われ、甚大な被害をもたらした。特にXでは100億人近かった人口が停戦から15年経っても約1億人という世紀末ぶりである。
…が、スペースノイドたちにとってコロニーとは生活基盤・経済基盤・居住スペース・領地すべてを兼ねる存在であり、廃棄コロニーもまた資源の塊である事から、デメリットが大き過ぎるという指摘もある。
そもそもアースノイドはもちろん、スペースノイドにとってもどう取り繕ってもマイナスイメージが強過ぎであり、実際に「MS IGLOO」ではオリヴァー・マイ技術中尉がブリティッシュ作戦の為に輸送中のコロニーを目撃し、モノローグではその内容と結果について「戦の邪道」と酷評していた。
落着前に破砕作業を行ったとしても、落着すれば被害はどうあがいても地球規模に到達するため、南極条約に「大質量兵器の使用禁止」という条項が盛り込まれたが、歴史は幾度も繰り返す事となった。


  • マスドライバー
宇宙へ向けて砲弾の様に物資や宇宙船を打ち上げる施設。宇宙世紀やアナザーシリーズを問わず各ガンダム作品でちょくちょく登場する。
宇宙世紀では、南極条約締結後に月面に設置された物が大質量弾を用いた地球への爆撃を可能とする兵器に転用されており、戦略兵器としての運用が可能となっている。
一年戦争ではジオン軍の特務部隊「インビジブルナイツ」による使用が企てられたが、一年戦争末期の混乱もあって実行される事はなかった。
一年戦争終結後、インビジブルナイツが「水天の涙作戦」としてこの計画の再始動を企み、地球の主要都市への大質量弾による爆撃を行おうとしたが失敗(ジオンサイドのストーリーでは発射自体は成功した)。
その後、第二次オールズモビル戦役において、オールズモビル軍が月面のマスドライバー基地を占領して地球への質量弾攻撃を計画したが、こちらも失敗に終わる。



追記・修正は大量破壊兵器を破棄してからお願いします。

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最終更新:2024年04月13日 23:25

*1 仮に透過膜とミラーの問題が解決したとしても、発射にはジオン公国の総電力を数時間に渡って使用する上、発射後は1週間冷却する必要があったため、恐らくもう一度発射することはできなかっただろう。

*2 ティターンズ、袖付き

*3 νガンダム以外のアクシズに取り付いていた機体を弾き飛ばす程

*4 当時のオールズモビルは火星に勢力を伸ばしていたと言っても火星全土を掌握した訳ではないため、いきなりオリンポス山が火を吹いて岩を打ち出したら連邦に通報しようと試みる人間は当然いる。

*5 オリンポスキャノンはジオン系のマスドライバーの技術を応用した兵器で、もちろん当時から各所で実用化されているが、そもそもマスドライバーは「シャトルや宇宙船で燃料を吹かすよりは『安く』重力を突破して宇宙に物を送れる」というのが利点で、重力を脱した後の宇宙空間での速度はむしろ不利となる。

*6 木星の首都ヴォルティセはスペースコロニーよりはるかに小さな宇宙ステーションの集合体、他のコロニーも地球圏のものの1/8の容積しかない。

*7 研究時の事故で感染したことから事前に感染対策していたから何とか可能だった。更に深く考えるとこの場合でも肺に取り込んでいたら呼吸できなくなるのでこの方法でも遅延は無理だったかもしれない

*8 例えば鉄の融点は1536℃。他に有名な金属で言えば金銀銅やプラチナの融点も超えている。

*9 パイロットであるファラが身につけているサイコミュ補助具が鈴の形をしており、索敵の為のサイコウェーブを発信するとこの鈴の音も戦場に響いてしまい奇襲が露見しやすいという欠点となっていたが、同時にこの機体の驚異を知るウッソ達にとっては重大なプレッシャーとなっていた

*10 TR-6は登場作品の展開がWよりも後

*11 W世界のトーラス型コロニーは居住区の平均全長18km、居住区1ブロックの広さは全幅3km、全高1kmのピースミリオンが居住区に余裕で入るどころか有り余る程の広さがある

*12 但しロランも「100年も200年も毒を撒き散らす」と、完全な間違いでこそないが正確とも言い切れない説明をしており、月においても核兵器そのものが歴史から消えて久しい事がうかがえる

*13 ちなみに、ロスト・マウンテンには他にも似た様なクレーターが幾つも存在しているらしく、元は核兵器に関するなにかしらの施設であった事が仄めかされている

*14 コズミック・イラではレーザー核融合は実用化に至っていない。

*15 ナチュラルorコーディネーターを絶滅させようとしている

*16 現実のアメリカでもリボルバーの通称や、B-36戦略爆撃機の半公式愛称として使われた。また、近いものとして「ピースキーパー(平和の守護者)」という名称の核弾頭搭載ICBM(大陸間弾道ミサイル)が存在した。これは現在STARTやモスクワ条約で廃棄されている。

*17 地球連合軍の大半は現在のアメリカに当たる「大西洋連邦」の軍で構成されるため、その前身であるアメリカから引き継いだ伝統的ブラックジョークとも言える。

*18 ネット上では「地熱発電により半永久的に稼働する」という記述も散見されるがソースがはっきりしていない

*19 ちなみに『Δ ASTRAY』では火星でその大鉱脈が発見されている。

*20 超伝導体構成されていたマスドライバーは、強力な電磁波を浴びた事で自壊してしまった。

*21 本来ならばマスドライバーを含む基地施設はザフトにとっても貴重なものだったが、先のアラスカ基地での一件を経て戦局がこれ以上不利になる事を防ぐため連合の地球封じ込めを最優先する事になり、制圧・占拠より破壊を優先し基地とマスドライバーに致命的なダメージを与える事を承知でグングニールを使用した。また、これにはアラスカで戦力を損耗した中で基地攻略を確実に行うため、という理由もある。

*22 この戦闘に参加していたかつて避難民の乗ったシャトルを撃墜したイザーク・ジュールでさえドン引きしていた。このような感想が出る辺り、フリーダムとの戦闘で心境に変化が生じたのかもしれない。

*23 平時ジェスは彼を「カイト」と呼ぶが、人工音声は終始「マディガン」と呼んでいたため。これによりジェスとの通信とセンサーの映像が改竄されている事に気付き、量子コンピューターウィルスの被害から免れていたゴールドフレーム天ミナを貸与して飛び出した事で、非武装な上に戦闘に不慣れなためテスタメントに一方的に攻撃を受けていたアウトフレームを救助出来た

*24 プラントの総人口は約6000万人。プラントのコロニーの総数が120基であるため、6000万÷120で1基辺り50万となる。但し、農業コロニーだったユニウスセブンの人口が約24万人だった事を見るに、コロニーの機能によって増減する模様でもある。

*25 CB及びカタロン、付近の連邦軍の活躍により、町に被害は出なかった

*26 これに劣るトランザムバーストの時点で効果範囲は戦場全域であり、疑似GN粒子からの回復などにも使われるが、一方で強制的な意識共有による対話や、イノベイドの脳量子波を乱したり、MSを吹っ飛ばすなど、戦術レベルでは抗いようのないものになっている。

*27 もっとも、これに限らずヴェイガン関係のあれやこれや(捕虜の殺害命令etc)はフリットにとって「誰か止める前提で口だけ」だったのではないか、とする考察もある。これが正しいならば、置いてあるだけで実際に使う気は無くなっていた事になる

*28 フォトン・バッテリーを運ぶ輸送船にしてスコード教の御神体のため、万一傷でもつけようものなら国際問題になる

*29 バララはこの後登場しないが、ユグドラシルが破壊されるシーンをよく見ると脱出ポッドらしきものが射出されている為、おそらくは生存しているものと思われる

*30 THE ORIGINではオペラハウスの残骸が残っているのでシドニー湾形成には至らなかった模様

*31 疑わしいものだと、第8話の「戦場は荒野」の回で北米内陸部で湖となっている核攻撃ではないらしい(放射能汚染の描写が一切ない)「爆撃の痕」があった。ただし、劇中ジオン兵がここにあった町が消失した時期を「1年前」と言っている。

*32 これは廃コロニー以外の場合選ばれるコロニーはコロニー落としを行う側の勢力に反抗的な意見や立場を取っている「政敵」のコロニーが選ばれ易い事と、コロニーの住人を生かしておく事はその費用や後々の反乱の芽になるなどデメリットの方が大きい為である

*33 小規模な核爆発を連続的に起こして推力とする特大ブースター。原理そのものはパルスジェットエンジンとほぼ同様。

*34 例えば「ZZ」におけるダブリンへのコロニー落としはどう見ても地殻変動レベルの威力はない。

*35 但し現実に置き換えると、広範囲に被害を出したチェリャビンスク隕石が直径17mの隕石で対するコロニーは直径数km~6.4km程度。角度や速度によっては蒸発したり構造の違いやエアバーストで砕けるか否かの違いもあるので厳密な比較は難しいが、形を残したまま落下しているのにそこまで大きなクレーターを作っていない「ZZ」等の威力がむしろ規模に対して小さいと言える