マジンカイザー(機体)

登録日:2010/11/24(水) 10:23:17
更新日:2024/03/26 Tue 20:47:07
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何としても『皇帝』を止めろ!!

あれは…魔神だ!起動時に光子力反応炉を暴走させ、君の両親をその爆発に巻き込み…制御不可能な力を発揮し、兜十蔵博士によって封印された…恐るべき魔神なのだ!!

しかし、それでもあれは10数年の時を経て自己再生・自己進化を行った…

あれは…誰の手にも負えない究極の魔神なのだ!

~スーパーロボット大戦αより~






「マジンカイザー(MAZIN KAISER)」は、永井豪の生み出した元祖スーパーロボット「マジンガーZ」の究極の発展型として考案された、架空の兵器。
最強のマジンガーの一つである。

初登場はゲーム『スーパーロボット大戦シリーズ』の一作『スーパーロボット大戦F完結編』。
以降の『スーパーロボット大戦αシリーズ』及び同名のOVA作品にも登場している。
それぞれ設定が全く異なっているので登場順に紹介していく。

共通の通称は「魔神皇帝」
他、ゲームでは「デビルマジンガー」等の異名があったが、後に別機体とされた。
主題歌などで「デビルマシン」と呼ばれることもあるが、悪の機体という意味合いではない。



【概要】


「マジンガーZ」を、「グレートマジンガー」をも超える、兜甲児の操る最強の魔神……と云うのが、共通したコンセプト。

当時のスーパーロボット大戦シリーズにおけるマジンガーZの性能はグレートマジンガーやグレンダイザー
真ゲッターロボに劣り、また当時の方針からかグレンダイザーが参戦できていない時期もあった。
そのためガンダムシリーズやゲッターシリーズのように後継機による強化ができず戦力的に終盤まで運用するのが厳しい状況だった*1

そこでスタッフは「兜甲児にも何か新しいロボットを用意したい」とダイナミックプロに持ちかけたのが始まりとのこと。
……マジンガーZのステータスを強くすれば済む気がするんですがそれは……せっかく『マジンガーZ』本編に強化話がゴロゴロあるのに……
というか、蓋を開けてみればカイザーとの選択式で強化型マジンガーZも登場するという冷静に考えれば訳の分からなさである。第4次の時点で強化型マジンガーZを出せば、「Zは弱い」なんて言われることはなかっただろうに。
多分半分くらいは「真ゲッターみたいなマジンガーを出したい」が本音だったのだろう。

ともあれダイナミック側のデザインにスパロボ側が名前を考え、新たな魔神、マジンカイザー誕生の運びとなったのである。


デザインされた当時、どのロボアニメでもメカ描写に力を入れるのが当たり前になった故か、カイザーの外観はディテールが多く、複雑な曲線も多い。そのため、一見ではシンプルな造形のZやグレートとは関連のある機体とは思いにくい。

基本的にどの媒体でもマジンカイザーに何者かの意思が宿っている描写がある。
OVA版では、カイザー自体が喋ったりはしていないものの、甲児の覚醒に伴い真の操縦者の証として(ファイナル)カイザーブレードの封印が解かれる等、何らかの意志があることは間違いないと思われる。

また、『マジンガーZERO』ではグレート同様後継機体と云う扱いだが、
カイザーを主人公に据えた世界観ではマジンガーZの魂を引き継いだ、姿は違えども同じ存在=Zの生まれ変わりとも云うべき立ち位置である。
その為、OVA以前にはマジンガーZを改造したり、Zのエネルギーを元に起動したりと、魂の継承を思わせる様な描写があった。
OVA版でも起動条件がZの敗北だったと推測されるのも、その名残と思われる。

●スーパーロボット大戦オリジナル版

OVAとの区別のためにオリジナル版、(歌詞から取って)ズババンとあだ名される元祖マジンカイザー。
東映版マジンガーシリーズ同様、手足の配色が青いのが特徴。また全体の塗りにグラデーションがかかっている。

初登場のスーパーロボット大戦F完結編では、ゲッターロボ変異のデータを元にマジンガーZに高濃度のゲッター線を浴びせて進化アレは突然変異と言うべきじゃないのか…させた存在で、弓教授と早乙女博士が共同で開発した。
最初に甲児が試乗した際のコメントは「ヒューッ!ご機嫌だぜ!」……当時は今ほど危険な存在ではなかったようだ。
運動性が高いので、Fでは珍しくそれなりに使えるスーパー系
最終盤はさすがに厳しくなるが、MS並に敵の攻撃をヒョイヒョイよけまくる甲児とマジンガーという異様な光景が拝める。

スーパーロボット大戦α』シリーズでは無印から登場。
プロトタイプ・マジンガーが自己再生と自己進化を遂げた末に生まれた存在とされる。
恐らく当初は当然ながらZに近い姿だと思われ、現在の姿は15年の間に進化した末の産物である。
ちなみにこの試作機の光子力反応炉の起動実験の事故で兜剣造は瀕死の重傷を負い、居合わせたその妻(甲児とシローの母)が死亡したとされている。
つまり甲児とシローにとっては両親を奪った*2機体というわけで、甲児はよくこれに乗ろうなんて思ったものである。
エヴァ初号機と同様に暴走した際は唸り声を上げ、その余波で度々地震が起こっていた。
自らの意思を持ち、幾度となくパイルダー無しの状態で起動している。
冬月コウゾウからは兜十蔵博士により何者かの意志が宿らされていると考えられているが、十蔵と剣造以外でマジンカイザーに意志が宿るほど関係があり、そして死亡している人物と言えば…?

なんだかんだで特に初期作では強化型マジンガーZに存在を脅かされている。

マジンカイザー(OVA)

スパロボから逆輸入され制作されたOVAシリーズにおけるマジンカイザー。
兜十蔵が究極のマジンガーとして創り上げた機体となっている。
スパロボオリジナル版との相違点としては、手足の配色が青から黒に変更された他、胸部放熱板中央のZ部分に金色の装飾が施されている。またウエストはやや太く、肩部分がやや小ぶり。
武装等の基本設定はこのOVA版以降、デザインを含めて本作の物を踏襲する傾向があり、上記のαシリーズも第2次α以降は折衷案を採用していた。
OVA版の特徴としては「カイザースクランダー」と、「カイザーブレード」の存在が上げられる。

ゲーム作品では一応は他のマジンガー系パイロットも乗換え可能という扱いだったのだが、OVA版の場合は兜甲児の専用機となっている。
HP回復は無いが、甲児が底力持ちなので無くても十分に強い。

マジンカイザー対真ゲッターロボ(90年代のムック本『不滅のスーパーロボット大全』収録)

ギルギルガンとピクドロンの大軍に対抗するために建造が急がれた最強のマジンガー。
グレートマジンガーとマジンガーZの光子力エンジンをタンデムで積み、ゲッター線を増幅・光子力と融合させる作用を持つ。
機体のデザインは執筆年代の都合上、最初期のゲーム用デザイン(武装も初期設定通り)が用いられている。

●マジンカイザー(INFINITISM)

劇場版 マジンガーZ / INFINITYに登場するマジンガーZやグレートと同じラインでダイナミックロボをリファインするブランドで、グレンダイザーに続く第2弾となる。
あくまで映画に登場しなかっただけのグレンダイザーと違い、「INFINITY」は東映版の世界であるためカイザーは存在しない。が、「もしもINFINITYの世界でカイザーが作られたら」というコンセプトで立体化が成された*3
もともと線の多いデザインだったため、パネルのラインが多いINFINITY風の意匠でも特に違和感が無い。むしろ、Zやグレートと同じ系統の機体だということがよりはっきりしている*4
設定によればグレートより更に強く、宇宙空間でもグレンダイザーと同様に光速で飛行可能。
ファイヤーブラスターの威力に至ってはブレストバーンの数百倍とのこと。強い(確信)。…地上戦では絶対承認降りないような気もするが。
この数値でも最後のINFINITYとマジンガーZのパワーと比べたら誤差の範囲なのだからインフレとは恐ろしいものである。

ちなみに開発したのは兜十蔵…ではなく、じゃあ兜剣造…でもなく、だったら弓教授…ですらなく、なんと兜甲児が自ら開発したオリジナルマジンガーという設定。


【カイザー・パイルダー】


マジンカイザーのコックピットとなる小型戦闘機。
パイルダーと云うよりも、グレートのブレーンコンドルに似る。そのためパイルダーオン時はかなり変形するが、プロセスはファイヤーオンに近く、垂直にドッキングする。
αシリーズではパイルダーが存在しなかったカイザーを制御するために弓博士らが新造したことになっていた。

「マジーン・ゴー!!」


【装甲】

  • 超合金ニューZα
ジャパニウム合金系最強の超合金と思われるが、それ以上の詳細は不明。

OVA本編においてはあらゆる敵の攻撃をシャットアウトし、作中一度も傷付くことは無かった。
地獄城崩壊による大爆発を受けても傷一つなくピッカピカの状態で飛び回り、
暗黒大将軍の攻撃にもビクともせず、溶岩に落ちようが宇宙から叩き落とされようが一切無問題。
ただし宇宙からの落下については、『スーパーロボット大戦L』でグレートも一緒に敢行しているため、超合金ニューZでも可能なようだ。

津島直人の描く漫画版では意外と打たれ弱く、装甲も普通に傷ついている。
また、真マジンガーZEROvs暗黒大将軍に於いては、敗れはしたもののマジンガーZEROに唯一、真っ向から正攻法で傷を入れた超合金でもある。
この合金の破損描写は今のところ津島直人版と、真マジンガーZEROvs暗黒大将軍のみである。

因みに、この超合金ニューZαのアイデアの源流は、幻の完結編『ゴッド・マジンガー』の装甲材として設定されていた『超合金ゴッドZ』。
この時点で超合金ニューZをも上回る超合金であるというのは確立されていた。


【主機関】


ゲームでは「光子力反応炉」なる設定が採用されたりしているが、詳細は不明。*5
操縦者の精神とシンクロし能力を高めると設定されており、出力の限界は現時点では不明で、通常時のパワーもα設定では東映版マジンガーZの20倍以上らしい。
オリジナル版、OVA版ともに無限の力を発揮出来るとの説明がある(やや比喩的な意味合いも含まれてはいるが)
因みに、OVAでは甲児の闘志に反応する描写はあれど、シンクロシステムを持っているとの明言はされていない。*6

ここ最近の光子力エネルギーのインフレや万能性は凄まじいが、この光子力反応炉の時点でその兆候は十分にあったと言える。
ちなみに他の魔神皇帝達が光子力反応炉を使用しているかは不明だが、カイザーSKLだけは設定資料で搭載を明言されている。


【魔・神・Z・モード】


Fを除くオリジナル版のみに存在するカイザーの起動状態を現す3つのモード。
胸の「紋章」に浮かぶ文字で判断が可能。
「魔」は暴走状態。パイルダー無しでも起動して暴れだす。本来の力には遠く及ばないが元が強いので始末が悪い。
「神」は覚醒状態。カイザーの最大出力を開放する最後の切り札。マジンパワーの一種らしい。
「Z」は通常状態。胸のZは俺達の約束♪よほどのことがない限りこの状態が基本。

OVA版ではこの設定は消え去り、暴走時も胸のマークはZのままで覚醒も別の描写で表現していた。
αシリーズでも後には設定は残っていても、演出としては使われなくなっていった。
Xで久々に設定が拾われてファイヤーブラスター使用時にそれぞれの文字が一瞬だけ表示されるが、特にシナリオには絡まない。
神モード使用を明言しているのはα外伝で真ゲッターロボを迎撃する際のみ。その後も明らかに使っていそうな描写や展開はあるが明言はされていない。
マジンパワーの一種とのことなので、瞬間的にパワーを増大させるものと考えられる。


【武装】


・ギガントミサイル/ギガスミサイル
ヘソの辺りから発射されるミサイル
基本は「ギガントミサイル」なのだが、何故か第2次α・第3次αだけ「ギガスミサイル」名義になっていた。
驚異の99発所持。設定では内部精製、無制限。Zのミサイルパンチより強力。


・光子力ビーム
Zと同名の武装…だが、威力が桁違い。
機械獣を瞬時に蒸発させ、飛行要塞グールを真っ二つに切断する程の威力を持つ無敵の光。
Z同様スパロボでは弱武器扱いされがちで、OVAでは牽制技程度の軽い扱いをされていることもあれば、機械獣や戦闘獣を秒殺する必殺武器として扱われることもある。
近年は光子力ビーム=強力な必殺技というイメージも根付いてきたので復権を期待したい。
Xに登場した際は以前より強化されているものの、真マジンガーのソレには及ばずそこそこの威力に落ち着いている。ただし演出は設定遵守の結果命中場所付近が沸騰・蒸発する地味にエグい技になった。
元ネタは死闘暗黒大将軍でダンテに放った際の演出と思われる。
フルパワーで発射する場面もあり、その際には胸のエンブレムが光り輝く(神モード?)が、残念ながら単独武装にはなっていない。


・冷凍ビーム
OVA版で登場。Zにとっては補助的武装だったが、カイザーのそれは悪霊将軍ハーディアスを一撃で倒す程の威力を持つ。
見た目は稲妻系武器にも似ている。


・ルストトルネード
を含んだ突風を敵に吹き付ける。
単にルスト・ハリケーン×3…と云うレベルでは無く、食らった敵は超合金ニューZ級の装甲を持たない限り、成す術も無く塵と化して崩れ去る。
当初は放つ度にカイザーの体が勢い良く後退する描写があり、その所為で狙いが定まらないのか、周囲に甚大な被害を与えていたが後に制御に成功。
続編ではさらに規模が増し、富士山の山肌を大きく抉り取っていた。


・ターボスマッシャーパンチ
前腕部のみを高速回転させる事で強烈な貫通力を生み出す怒りの鉄拳。グレートのドリルプレッシャーパンチと同質の武装。
アトミックパンチやドリルプレッシャーパンチ、スクリュークラッシャーパンチが玩具に見える威力である。
強烈な破壊力を持つ分離マニピュレーターとしても使用可能な汎用性も併せ持つ最強クラスのロケットパンチ
ただしOVAでは敵を貫通する事無く弾いていたり、Xの戦闘デモにおいても、エンペラーの風を巻き起こし敵を一瞬で抉り取るグレートスマッシャーパンチと比べるとやや落ち着いた演出に留まっている。


・カイザーナックル
暗黒大将軍戦にて使用。
この攻撃で暗黒大将軍を一方的に撲殺した
ターボスマッシャーパンチを発射せずに、回転させることで威力を増した拳で殴り付ける。
OVAに於いても刃を回転させないただのパンチで超合金Zを易々と叩き壊していた。
『スーパーロボット大戦W』では後述の「カイザーノヴァ」の演出に組み込まれている。


・ダイナマイトタックル
強固な装甲を生かして敵に体当たりをブチかます。
MAP兵器として存在したが、ニルファ以降姿を消した。が、X-Ωでは通常攻撃として「タックル」が使用され、Xでもカイザーノヴァ使用時に牽制として使われる。
単なる体当たりのくせにMAP兵器というインパクトのせいか、昔のカイザーを語る上でよくネタに上がる技。


・ファイヤーブラスター
胸部放熱板から強烈な熱線を放ち、敵を焼き尽くす。
Zのブレストファイヤーに相当するが、その威力は数十倍と桁違いで、超合金Zを一瞬で赤熱化させ、
機械獣に至ってはかすっただけでドロドロに溶け、直撃すれば跡形も残さず消滅させてしまうほどの威力である。
ただし設定上の威力が高過ぎる所為か、作劇上では一番「演出の都合」による補正を受け易い武装でもある。
死闘!暗黒大将軍では妖爬虫将軍ドレイドウを仕留め切れておらず、暗黒大将軍以外の敵に対して唯一、一撃で倒せなかった武装になってしまった。
ゲームでは暫くの間、最強武器扱いをされていた。
OVA版では光線であるにもかかわらず、放ったカイザーの体が後退する程の質量を持つ描写がある。
『α外伝』では巨大なエネルギーが渦を巻いて着弾し、『X』では胸のエンブレムの文字が点滅するなど作品によって演出は様々。
『スーパーロボット大戦L』においては、ブラスターでカイザーの上半身が完全に見えなくなるレベルの出力を誇る。


・ショルダースライサー/カイザーブレード/ダブルカイザーブレード
肩から1本ずつ出現する。ショルダースライサーの名称はF完・α無印・Xのみ。
実はα外伝の時点でカイザーブレードに名称変更されている。戦闘アニメではカイザーソードとも呼称されていたり。その辺はっきりしろ
OVAの暗黒大将軍戦でも使用されたが、下記の胸から出現するカイザーブレードと名称が同じだった為に、玩具等での名称が一時期錯綜していた。

X-Ωではさらに、1本だけ使用する場合は「カイザーブレード」、2本同時に使用する場合は「ダブルカイザーブレード」となっている。


・カイザーブレード/ファイナルカイザーブレード
OVA版にて登場した「マジンカイザーの真の操縦者の証」
カイザーの全高にも匹敵する大剣で、胸の「Z」の紋章が変型する演出も含めて、一気にその印象を刻み付けたと言って良い。
上記のカイザーブレード(肩)を含めて出現方法が異常な為(内部の特殊空間から出現する)、グレートのマジンガーブレードの様な「内蔵・装備武器」とは一線を画すと思われる。
明らかに大きくなってる様な場面もあるのはバースの問題なのか何なのか。
「ファイナルカイザーブレード」の名称が決定したのは『スーパーロボット大戦J』より。

上記二つのカイザーブレードはOVA設定では威力に差があるわけではないとか。
ただし、スパロボではX-Ωを除いてこちらの方が上位武器となっている。

あと、スパロボだけでしかこれらの武器を知らないと間違いなく勘違いするが、
別にカイザースクランダーを付けてないと使えないというわけではない。寧ろ、OVA本編だと剣を使うような場面では翼がデカ過ぎて邪魔なので常に外されていた。
実際スパロボでも無茶苦茶スクランダーが邪魔そうな戦闘アニメになっている


・カイザーノヴァ
光子力エネルギーをフルチャージし、一気に放出するマジンカイザーの最強必殺技。
OVA版では登場しない、スパロボオリジナル技。なのだがスパロボWでは何故かOVA設定なのに平然と使用していた。
津島直人版では奥の手としてスクランダーを変形させて全エネルギーを放出するという実質カイザーノヴァな技を使っていた。
ダイナミック系スーパーロボットのもう一方の横綱格である「真ゲッターロボ」の真シャインスパークに匹敵すると説明されているドワォ兵器。

初出は『スーパーロボット大戦F完結編』のアンソロジーコミックに於ける、団龍彦の手掛けたコミカライズ作品(この頃はカイザーノバ名義)。
実際に映像化されるのは『第3次スーパーロボット大戦α』まで待たねばならなかった。
また、『スーパーロボット大戦(小説)』では、ゴッドマジンガーのスーパー・ノヴァの名称で使用されていた。

スパロボの戦闘デモを見る限り日本列島一つ分くらいは吹き飛んでいるはずだが、
第3次αでは化学要塞研究所付近で、『スーパーロボット大戦W』ではパリのド真ん中で使用した。
…細かいことは気にしてはいけない。
スパロボXでは光子力を全身ではなく拳から放出し敵にぶつけている。(ビジュアル的にはラオウの最期にちょっと似てる)
そのため爆発範囲はコンパクト且つ高所なので地球にやさしい。
使用時にファイナルブレストノヴァのようなサイケ空間になっているが詳細は不明。
エンペラーGも似たような演出をされており、あちらは雷雲がある。

様々な世界線の甲児がスパロボにおいてカイザーに乗ってこの武器を使っているが、共通の決まり文句は「魔神皇帝の怒りを思い知れ!」


・カイザースクランダー
OVA版にて初登場したカイザー版「紅の翼」
オリジナル版ではスクランブルダッシュのような内蔵式の翼を持っていた。
ただしグレートの翼と違い、折りたたんでいてもかなり大きくその姿はさながらリュックサック。
OVAに於いてはマジンガーZ同様外付けの飛行ユニットであり、開発者は兜十蔵博士のようだ。
カイザーとの合体はコネクト式、飛行はブースターと反重力で行われる他、モーフィングや巨大化をしている様に見える描写すらある。
余りにも巨大な為か、地上では外される事が多い。

「ジェットブーメラン」「スクランダーブーメラン」として投げつけることも可能で、
死闘!暗黒大将軍』では「無敵戦艦デモニカ」を一刀両断に切って取る等、武器としても強力。
ジェットブーメランはスクランダー自体を自動制御で飛ばしてスクランダーカッターを食らわせるオリジナル版の技で、スクランダーブーメランはその名の通りブーメランとしてぶん投げるOVA版の技。


【スーパーロボット大戦シリーズでの活躍】

F完結編

出自は上記の通り。強化型マジンガーZとの選択性で、こちらを選ぶと加入。その際専用のムービーが挿入される。
マジンゴーの掛け声に反応して地下施設が開きリフトが上昇するのだが、パイルダーオンを待ちきれないのか勝手に上に飛んでいく。
急遽投入された機体なのでシナリオ上は何か因縁があるわけでもなく、「ものすごく強くなったマジンガーZ」程度の扱い。
性能に関しては相変わらずパイロットの能力に引っ張られて宇宙Bなのだが、グレートマジンガーを凌ぐ性能と高い攻撃力を持っているため戦力にはなるだろう。
ただし改造を引き継がないので、万年金欠の自軍部隊で即運用が難しいのがネック。
Fからコツコツ改造していた場合は強化型マジンガーZのほうが強いという噂も……それだとマジンカイザーの誕生経緯自体を否定しかねないけど。

α

こちらも上記の通り。F完結編と同じく専用の新規ムービーを引っさげて登場する。
今回から魔・神・Zモードが設定された。
前作同様強化型マジンガーZとの選択制だが、何故か明らかに強化型Zの方が強い。なんでや!!
ただしカイザーを選べばエヴァシナリオなどで何度か出番があるのでストーリーの熱さを重視するならカイザー一択。
ドリームキャスト版では合体攻撃を得て火力に磨きがかかり、使用技も含めてマジンカイザーを選択する方が有利になったが、ガンバスターに装甲値で抜かれている。チクショウ!!

α外伝

マウンテンサイクル*7で長い永い眠りについており、未来世界において奪われた真ゲッターロボへのカウンターとして復活
数万年の時の中、甲児を待ち続けていた健気さにプレイヤーは涙し、F完やαからさらにパワーアップした圧倒的性能に血を滾らせる。
ただしルート分岐次第では先にゴーゴン大公に奪われて敵対する羽目になる。
なおこれを現代に持ち帰ったため、本機と真ゲッターは二体存在するはずだが、その後どうなったのかは特にシナリオ上では触れられていない。少なくとも二体とも現代にあるわけではなさそうである。
内蔵型のスクランダーがグレートと同じく弱点になっていることが判明した(次回以降のOVA版デザインへの変更もこれ故と示唆されている)。
性能は前二作の鬱憤を晴らすかの如き超性能になっており、まず間違いなく本作最強機体。気力無しで最強武器を連発できる上に装甲も硬いので大活躍が見込める。
ところが、今回はZから改造は引き継がない。資金を事前に溜めておこう。
ちなみに本作からZと両立できるというαシリーズのZとカイザーの関係を考えれば当然っちゃ当然の扱いとなった。
改造引継ぎがないのはそのためであろう(要するにZとは完全に別枠の2号ロボになったわけである)。

第2次α

真ゲッター共々敵に奪われ一時的に敵対し、その後正式加入する。
前述のOVA版デザインになった事でスクランダーが消滅*8、地上専用ユニットになってしまった。
その代わり移動力が高いのであまり気にならない。豊富な合体攻撃を持つマジンガーZと比較して尚圧倒的な性能を誇る。
戦闘デモも前作から更にパワーアップした。

第3次α

相方の真ゲッターと共に第一話から登場しプレイヤーを驚かせたが、早々にオーバーホールに回され、中盤以降は真ゲッターをイデオンに寝取られてしまった。
兜剣造の手で新たに外付けスクランダーが造られ、剣造の戦死直後に剣造の最後の遺産として甲児に託された。
HP回復と単体攻撃最強クラスのカイザーノヴァを持ち、ステータスはゲーム中でもトップクラス。
なおゲッター線やイデ、ビムラーといったエネルギー達と違いαシリーズの光子力には後の真マジンガーやZEROのような超常性や特異性は存在しない。
しかし初代αの時点で既にマジンカイザーには自己意思が存在することは仄めかされており、第3次α終盤で冬月先生に「兜博士は一体何をやったのか」と不思議がられていた。

GC・XO

初のOVA版での登場。
参戦は遅く、一方で地下帝国との決着がつくのは早いため、シナリオ上での出番は少なめ。
性能は最強クラスだが、燃費が非常に悪い。
また、2つ以上サイズの大きいユニットには直接攻撃できない本作の仕様上、MサイズのカイザーはLLサイズのユニットには部位破壊後でないと本体を攻撃できないのも難点*9
そのため、因縁の地獄王ゴードンはちまちまと部位破壊してからでないと攻撃できないというイマイチ盛り上がらない展開になる。
真ゲッターとのファイナルダイナミックスペシャルに参加させてもらわないと本体を攻撃できないので「狙い撃ち」を付けておこう。

J

『死闘!暗黒大将軍』が初参戦となる本作では、ガウルンラムダ・ドライバに圧倒されたりミケーネ帝国がグランチャーにやられたりとシナリオ上の扱いはあまり良くない。
しかも、携帯機初参戦の筈なのにその表記がされない、BGMが「魔見参!」と誤植される、ルート分岐でミケーネとの戦いについてこない*10とミスが目立つ。
ただしユニットとしての性能は高く、あの天のゼオライマーに次ぐ性能で暴れまわる。
ただし強化パーツが何故か1つしかつけられず*11、EN消費も激しいのが悩み。

W

ターボスマッシャーパンチがEN無消費・弾数制限なしになり、他の武器も低燃費になったことで継戦能力が格段に増し、シナリオの扱いも良くなった。
ただしミケーネは……前作よりはマシだ、うん。
OVA版なのになぜかカイザーノヴァを使用可能で、おまけに合体攻撃も豊富なため戦闘力はJの頃を遥かに上回る。
強化パーツも2つつけることができるので、弱点らしい弱点は存在しなくなった。

L

原作終了後で、調整が長引いていたが最終盤に満を持して真グレートとともに参戦。相変わらず高性能だが、カイザーノヴァは無くなった。
これまでの作品で無消費だった武器にもEN消費や弾数制限がついた本作のユニット群の中で、ほぼ無消費と言っていい遠距離技ギガントミサイルはかなり便利。
全体的に味方が落ちやすい本作では珍しく、グレート共々難攻不落の要塞なので壁役や削り役にもピッタリ。ENのやりくりにさえ気を付ければ、大抵の敵は単機で殲滅できる。
また、前作から格段にクオリティアップしたファイナルカイザーブレードの戦闘デモは必見。
その性能は度々作中でも語り草になっており、甲児自身も序盤から何度か「こんなときカイザーさえあれば…」と言及しており、敵からもマジンガーZを馬鹿にされる始末。
余談だが、PVや公式サイトでのユニット紹介ではスクランダー無しでハニワ幻神と戦っているが、実際のゲーム中では終始スクランダー装備であり、ハニワ幻神と戦闘する機会も一度もない。

○Card Chronicle

マジンガーZ(真マジンガー版)、マジンカイザーSKLと共演。驚異のマジンガー4体集合が実現する。
しかし、相変わらずミケーネ帝国の扱いは悪い。とうとう真マジンガー版のミケーネから偽物呼ばわりされた

○X-Ω

ようやくグレンダイザーと共演。
しかし、性能はスクランダー無しではかなり控えめ。
シナリオ上では今回は珍しく真ゲッターではなく、ゲッタードラゴンと対になる機体とされている。
ゲーム上ではストライクフリーダムガンダムと対になるような扱いをされ、新タイプや新演出の実装時には同時に目玉機体としてピックアップされ、アリーナモードではメインビジュアルがこの2体が対峙するものになっている。

大器型のKS装備はとんでもなく装甲が高い上に、強力な特殊装甲もあってとにかく固い。
生半可な攻撃ではまず攻撃が通らず、一方的に蹂躙できる。
ただし、行動力が足りない上に、登場時の環境にあっておらず、特殊装甲発動前に、あるいは剥がされて装甲無効攻撃で落ちることも多い。
ぶっ壊れ性能だが不遇気味という、微妙なポジションにある。

X

『第3次α』以来*12となる、スパロボオリジナル版が参戦。
これまでは『マジンガーZ』または『オリジナル』名義で参戦作品としてカウントされなかったが、
今回から『マジンカイザー(オリジナル版)』名義で一つの参戦作品として扱われるようになった。
甲児は真マジンガー版であり、マジンエンペラーG及びマジンガーZEROと初共演。

今回はマジンガーZEROによって因果の彼方に消滅させられた甲児と鉄也の呼ぶ声に応えて、エンペラーGと共に駆け付けた『別次元のマジンガー』という設定。
ぶっちゃけ『α』と『V』からそれぞれゲスト出演といったところ。
ってことは向こうの世界では格納庫から忽然と魔神皇帝'sが消失していることになるのでは……?(厳密に『α』世界から呼ばれたとは明言されてはいないが)
尤も、『α』世界のカイザーは途中で改造されてOVAデザインになっているので、少なくとも改造後の『第2次α』以降の時系列から飛んできてはいないことになる。
そのため、スパロボオリジナル版から改造されることのなかった『α外伝』における未来世界のカイザーが飛んできたのではないかという説もある。
かつて数万年も甲児がやってくるのを待ち続けたカイザーが、今度は別次元の甲児を救うべく次元をも超えて駆けつけてきた…というのもロマンのある話ではないだろうか。
図鑑説明も『α』に準じており、シナリオでは言及されないがちゃんと魔神Zモードも搭載している。
正義の魔神としての立ち位置が今までより明確になっており、マジンエンペラー及びエクスクロスという甲児と鉄也に集う『可能性の光』と共に、ミケーネ帝国及び悪に堕ち孤独に戦うマジンガーZEROを打ち砕く。

肝心の性能だが、機体性能は非常に優秀でエンペラーGと完全に同値の最強候補となっており、特に装甲の頑丈さは圧巻の一言。
ただしマジンガーZを踏襲してEN回復を持つ代わりに あろう事かギガントミサイル没収
なので、今までと比べると継戦能力は大分下がっている。一応カスタムボーナスでEN回復が(中)になるのでフォローは可能。
カイザーノヴァや合体攻撃が追加されるまでは 最大火力でZに負けている のでその点だけは注意。
しかも追加武装は最終盤も最終盤の48話と遅すぎる為、できれば隠し要素である合体攻撃早期入手を果たしておきたい。

なお、光子力ビームは「俺の知ってる光子力ビーム」……よりはやや強め。
射程はおかしい事になっているが
非常に低燃費なので基本的に反撃はコレ一本でデメリット無く敵をガリガリ削れて気持ち良い。弱技扱いのα設定と最強技の真設定の折衷案と思われる。。
同じポジションのサンダーボルトブレイカーは高火力高燃費なので差別化ということだろうか…?
カイザーノヴァの戦闘アニメで正中線に7つの光が輝いていたり、合体技で光子力ビームを使用する際に胸が輝いているので、
これが長年語られる"神モード"なのではないかと思われるが特に言及はないので詳細は不明。
勘違いされがちだがカイザーは"魔神パワー"は積んでおらず、甲児のセリフにもあるようにあくまで正統派の"マジンパワー"である。

因みにZEROが参入することで前座化することを危惧する声もあったが、あちらは隠しルート限定で最終話加入なので特に踏み台感は無い。
機体・武器性能は流石に負けているが、カイザーの時点で充分化け物レベルなので運用はお好みで。
デフォルトで甲児が乗り換えているため、カイザーを使うなら出撃前の載せ替えを忘れずにやっておこう。

DD

1章パート10から登場。
OVA名義での参戦なのだが、「光子力研究所の第七格納庫に封印されていた」、「魔・神・Zのモードがあることに言及される」、「死闘!暗黒大将軍が参戦していないにもかかわらず肩から出す方のカイザーブレードも実装されている」等、αシリーズに近い設定。
これに限らず今作の『マジンカイザー』はほぼ全編ゲームオリジナル展開で進行する。
並行世界を巻き込んだ争いが勃発するという何者かの声を聴いた十蔵博士が開発したらしく、リミッターを解除して甲児が真の操縦者として認められてもなお「神」モードに至らないなど、多くの謎に包まれている。

性能は攻撃・防御タイプなのだが、その中でも防御力の高さが突出しており、更に照準値やスピードもやや高めと非常に高性能。
SSR武装はいずれも強力で、HP回復を持つ「ファイヤーブラスター」、デバフ無効の「カイザーブレード」、命中時に『覚醒』が発動する「ファイナルカイザーブレード」、高威力のMAP兵器「光子力ビーム(MAP)」と、どれも非常に強力な性能になっている。
また、マジンエンペラーGとの共通装備として、必殺技の必要アクション数を短縮する「ダブルバーニングファイヤー」もある。
それぞれ特徴が大きく異なるので、状況に応じてメインにするものを使い分けよう。
問題はファイヤーブラスターと光子力ビーム以外の必殺技が期間限定ということ。
2023年3月現在ではカイザーブレードとファイナルカイザーブレードが限定解除されたものの、実装された時を逃すと次の入手機会はいつになるかわからず、コレクターやするスペックで戦いたい人には厳しいユニットとなっていた。
恒常のファイヤーブラスターと光子力ビームも十分に強力なことは救い。

ちなみに、マジンガーZは一度はあしゅら男爵に奪われるものの、あしゅらマジンガーにされる前にマジンカイザーを乗りこなした甲児に奪還されるので、手元に残る。
甲児がカイザーと使い分けるだけでなく、イベント「クロッシング・パイロット第1弾」をクリアしていればアムロを乗せて同時出撃も可能。

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INFINITISM版が参戦。
デザインや武装こそOVA版寄りだが、BGMはファン待望の『ズババン』を採用。
今回はINFINITYの設定を上手い事活かして参戦してくる。これをやってのける甲児君マジでヤバイ。

基本性能は当然ダブルマジンガーを越える。
武装はOVA版ベースで、カイザーノヴァではなくファイナルカイザーブレードが必殺技。
あと今回もギガントミサイルは搭載されませんでした
それどころかショルダースライサー(カイザーブレード)も無いという……。

特筆すべきは継戦能力。
カスタムボーナスで装甲強化にEN回復(中)まで付くので、強力な武装をガンガン振り回せる。
敵陣に単騎で突っ込んで重装甲で耐えつつ反撃で壊滅させるという運用法に非常に向いている。

例によってマジンガーZが余るのだが、今回も超光子力ロケットパンチが甲児専用なので、Zも出撃させる場合は甲児はZに回した方が良い。今回のHi-ν枠である
グレートは合体攻撃の都合上「突撃」持ちの鉄也を降ろす理由もない為、マジンガーを全機出撃させる場合シローにカイザーが回ってくると言うまさかの事態に。「イチナナ式が俺のマジンガーだ」とか言ってたのに…
実際、シローのエースボーナス的にカイザーとの相性は抜群(継戦向けのカイザーと低燃費熱血の噛み合いが良い)である。
シローの能力自体も優秀なのでカイザーの性能を十二分に発揮してくれることだろう。

ただ、今回は出撃枠が割と厳しい事もあるので、最終的な判断はやはりプレイヤーに委ねられると言ったところ。
なお、今作の合体攻撃は相方が出撃していなくても搭乗パイロットが設定されていれば発動が可能(威力は落ちる)であるため、誰をどう使うにせよ、Zかグレートが留守番する形になる場合は忘れずに空いたパイロットを乗せておこう。どの道結局シローに逃げられるイチナナ式ぇ…


【戦闘曲】

スパロボシリーズではオリジナル版か、OVA版かで使用する楽曲が異なる。
  • マジンガーZ
F完での戦闘曲。
登場時のムービーではZのテーマが使用されている。

  • マジンカイザー
αシリーズ及びXでの戦闘曲。通称『ズババン
曲が作られたのはF完の時点だったのだが、ゲーム中では流れなかった。
作詞:永井豪 作曲:渡辺宙明 歌:水木一郎 という最強の布陣で歌われる名曲中の名曲。
後のSKLやグレートマジンカイザーはともかく、カイザーに稲妻で敵を撃つ技がないのは内緒。
楽曲の切り替えが本格実装された第3次αでは、水木氏は全てのロボットをこの曲に設定して遊んでいたらしい。
Xでは専用曲を持たないマジンエンペラーもこの曲がテーマソングになっている。
一応、ラジオドラマ『マジンカイザー傳』ではこの曲がOPテーマとして流れていたが……。

  • FIRE WARS
OVA版の主題歌。JAM Projectリーダー影山ヒロノブによるハードロックナンバー。
ゲーム中では強化前やマジンガーZ、グレートマジンガー用のBGMであることがほとんどだったり。

  • マジンカイザーのテーマ
OVA版挿入歌。歌はズババンと同じく水木一郎。「カイザァァァァァッ!!」
何度か使用されているが、やはりカイザーブレードを使用する地獄王ゴードンとの最終決戦が印象的だろう。
GC及びXOにてカイザースクランダー登場後に採用された。

  • 魔神見参!!
『死闘!暗黒大将軍』挿入歌。JAM Projectの遠藤正明による熱い正統派主題歌。
こちらは『J』『W』『L』にてカイザースクランダー及びカイザー乗り換え後の戦闘曲として採用されている。
なお主題歌である「The Gate of The Hell」は一度も採用されていない。カイザーはカイザーでも地獄組の方が似合いそうだし


【関連機体】

初出は上記の様にゲーム『スーパーロボット大戦シリーズ』だが、
マジンカイザーのイメージの源流は、過去の永井豪やダイナミックプロ作品に存在しており、それらを統合したのが「マジンカイザー」であるとも言える。

・ゴッド・マジンガー
グレートマジンガー」に続くアニメシリーズの完結編として企画されていた作品タイトル。
本来はミケーネ帝国との決着は同作で付けられる筈だった(闇の帝王がグレートのラストに居ないのはその為)。
兜甲児の乗る新たなる魔神のアイディアは既にここで存在していたのである。
永井豪はこのゴッド・マジンガーこそ兜甲児の最終搭乗機だと考えており、その理念を受け継ぎリボーンさせたのがカイザーである。
そして、この時点で永井豪にはマジンガーが世界を滅ぼすという構想があった。

この番組の企画自体は完成しており、ゴーサインを待つ段階であった。
しかし肝心のゴッド・マジンガーのデザインがグレートマジンガーまでとはあまりにかけ離れたシンプルなデザインだった事で、グレートマジンガーで不振気味であった玩具展開にとどめを刺しかねないほどに低下する事を懸念したスポンサーと東映の鶴の一声で頓挫してしまった。

動力源は『六神合体ゴッドマーズ』に先駆けること7年、「光子力をはるかに凌ぐ超エネルギー」として、反陽子エネルギーが設定されていた。
実現していれば、ゴッド・マジンガーこそがアニメ界初の反物質稼働スーパーロボットとなるはずであったのだ。
パイルダーは型に変形する「マシーンウルフ」。

永井豪はこの完結編の頓挫を大いに嘆いたようだが、主役機のデザインが当時から見てもあまりにもダサいのと、
前作『グレートマジンガー』の主要人物が死亡したり、半身不随になるというショッキングな展開に、
戦時中の玉砕と特攻隊の記憶を持つ東映首脳陣やスポンサーが「死ぬのはいかんぞ!」と怒って、そのストーリーに難色を示した。
ちょうどUFOブームの最中だったことが頓挫の要因である。
桜多吾作版のコミカライズシリーズでその主要人物が死亡したり人類が滅んだりで凄惨な展開になったのは偶然にしても、
後に題が流用された永井自身による『ゴッドマジンガー』の漫画版がマジンガーによる全滅エンド(破壊からの創生)になっているのは、上記の様に本来の構想を引き継いだ意図的な物だと考えられる。

これと似たような例にゲッターロボGがある。
企画段階で太平洋戦争を実体験した世代の多かった東映からゲッターチームから戦死者が出ることを嫌がられたため、
永井豪と石川賢が押し通した結果の折衷案で戦死者を竜馬から武蔵へ変えた経緯がある。
これは、アニメ版の竜馬が余りにも優等生過ぎて永井豪が魅力を感じなかった為の決定だったらしく、後任の主人公・来栖丈は優等生とは真逆のタイプ……それこそ、漫画版の竜馬のような新主人公が想定されていたとのこと。
竜馬の性格がOVA以降、漫画版寄りなのはこの時の反動からなのかもしれない。そして、武蔵(弁慶)は犠牲になり続ける

後年、マジンカイザーのデザインを引き受けた時はこのゴッド・マジンガーの反省から、真ゲッターロボのように「従来のマジンガーの発展系」としたそうな。


・ゴッドマジンガー(アニメ・漫画)
上の没企画の題をベースとして制作されたアニメと、基本設定だけを共通させた永井豪による漫画
突然超古代のムー大陸へと誘われた日本の高校生、火野ヤマトが巨神像『ゴッドマジンガー』と融合して戦う異世界ファンタジーであり、機体デザインはオリジナルのものとなっている。
またマジンガーが独自の意志を備えていることも大きな特徴で、漫画版ラストの「敵味方問わず全てを薙ぎ払うゴッドマジンガー」が、後に『マジンサーガ』へと繋がったという。


マジンサーガ
青年誌連載と云う事もあり、壮大なSFストーリーをベースにエロス&バイオレンスが炸裂した異色のリメイク作品。
『バイオレンス・ジャック』に続く永井豪の集大成になると目された「未完の大作」。
同作の“Z”のイメージがマジンカイザーの元になっており、デザインのみならず、超自然的な要素を含む部分にも影響が見られる。


真ゲッターロボ
石川賢の生み出した究極のゲッターロボにして、その後の『ゲッターロボ・サーガ』を拓いた存在。
コイツがスパロボに登場しなければカイザーの誕生は無かった。
というかカイザーのグレート以前と比べての圧倒的な強さは、この機体の超常性とパワーを基準にしているためと言ってよい。

スーパーロボット大戦Wにおいては兜十臓博士と早乙女博士の手により、
カイザーと真ゲッターはお互いが暴走した際に食い止めるためのカウンターとしての役割を持たされており、
ゲーム中ではカイザーの暴走が真ゲッターを目覚めさせるきっかけとなった*13
このため、本作では十蔵博士もカイザー初起動時にOVAのように「世界はお前のものだ!」なんて物騒な発言をしていない。


マジンカイザーSKL
同名のOVA作品や漫画版・小説版に登場する機体。
名称と外見、武装に共通点が多いが関係は不明。廃墟と化した光子力研究所(?)の地下に封印されていた。
公式曰く、とある機体の模造品らしい。更にいうと何者かに倒されて封印されていたらしい。そんなことできるなんて一体誰なんでしょうネー。
どっかの悪魔ハンターみたいな凄まじい動きで敵を圧倒するが何故か装甲は本家より柔らかい。スピード重視ということだろうか。*14
機体も危険だが乗ってる二人のほうがもっと危険でバイオレンスという異色の魔神皇帝。
ちなみに常人が乗ると発狂するので、皆は乗っちゃダメだぞ。


・デビルマジンガー
団龍彦の小説『スーパーロボット大戦』および『スーパーロボット大戦F完結編コミック』に登場する機体。
『スーパーロボット大戦(小説)』に登場したデビルマジンガーは、Zのプロトタイプの一体で、カイザーと同じく感情をエネルギーにする機構を持つ。
しかしその機構は不完全で、「正義」や「愛」のような陽の感情よりも「嫉妬」や「憎しみ」、「殺意」などの陰の感情に強く反応してしまう欠陥があった。
その欠陥に気づいた兜十蔵によって設計図は破棄されていたのだが……
その姿は生物的で、禍々しさを強調したデザイン。
あらゆるエネルギーを食らうという点からもマジンガーの悪の側面を体現した存在。
その戦闘力はZはおろか、グレートマジンガーやグレンダイザーをすら一蹴するほどである。

『スーパーロボット大戦F完結編コミック』に登場したものも、兜十蔵が開発した究極にして邪悪な兵器だが、
こちらはあしゅら男爵が封印された場所を見つけ出し、Dr.ヘルの新たな肉体に仕立て上げた。

マジンガーZをはるかに上回る巨体と戦闘力で完膚なきまでに粉砕し、怒りと憎しみといった悪意の精神エネルギーを相手にぶつけ、
操り人形にする最終兵器『インフェルノデモリッション』でマジンカイザーを操縦する甲児の精神力を破壊・服従させんと目論んだが、
仲間たちの呼びかけでそれに打ち勝った甲児の反撃を受け、『カイザーノバ』により粉砕された。
こちらも生物的かつ禍々しさを強調したデザインで、光子力ビーム、ブレストファイヤーなどZに似た攻撃や腰からドリル状の触手を放つ。


・ゴッドマジンガー(団龍彦)
デビルマジンガーと同様、団龍彦の小説『スーパーロボット大戦』に登場する機体。
デビルマジンガーが万が一、完成されてしまった事を危惧した十蔵の息子の剣造が生前にデビルマジンガーに対抗でき、さらに倒せる最強のマジンガーとして設計していた。
しかし完成こそしたものの、実際はゴッドマジンガー単体ではデビルマジンガーを倒すことはできなかった。

これはゴッドマジンガーがスペック不足だったというよりも、
デビルマジンガーに乗っていたのがマジンガーチームに二度も倒された憎悪の感情を持つDr.ヘルだったという事が大きいだろう。
同作においてはグレートマジンガーはこのゴッドマジンガーの開発課程で生み出された試作機とされていた。

時間短縮のため、設計図を基にZを改造強化した機体で、その姿はほぼマジンカイザー。
細かい意匠や武器が違う点を除けばほぼ同一で、兜甲児専用機である事も共通。
パイルダーは「ゴッドファルコン」というブレーンコンドルタイプである。


マジンガーZERO
ぼくのかんがえた最強のマジンガー。
最強のマジンガーというコンセプトはカイザーと共通だが、
こちらは「マジンガー"Z"こそが最強であり、それ以外は全て紛い物」という強烈なエゴから生まれているマジンガーシリーズ随一のクソコテ。
マジンサーガのチャクラをモデルにした魔神パワーにより因果も次元も突き破り無限に進化する、単純なスペックだけならマジンガー界No.1の化け物。
ただし作品後半は機体スペックよりも『マジンガーZ』という存在を軸にメタ的な話に終始した。
スーパーロボット大戦V』のとあるシーンでは、因果の果てにこの機体とゲッターエンペラーが並ぶシーンも。
スーパーロボット大戦Xにて遂にマジンカイザー&マジンエンペラーGのW魔神皇帝との対決が実現する。


グレートマジンカイザー
真マジンガーZEROvs暗黒大将軍』に登場したグレートマジンガーの強化形態。
グレートブースターとドッキングし魔神パワーを極限までブーストすることで、「偉大な勇者を超え 偉大な皇となる」
グレートにカイザーのエッセンスが加わったような機体であり、マジンガーZEROが初手で勝利を予測できないほどの性能を誇る。
装甲はもちろん超合金ニューZα。

カイザーが破壊される平行世界が極端に少ないこととグレートカイザー自体が全く新規の存在であるため、マジンガーZEROと対等に渡り合えた。
が、時間経過と共に高次予測で新たな因果を紡がれて破壊されてしまった。
とはいえ最終的な目的は果たし、次の世界へのバトンを繋いだ。まさにプロ勇者である。


マジンエンペラーG
『スーパーロボット大戦V』にて初登場した、グレートマジンガーの後続機にして剣鉄也が駆る偉大なる魔神皇帝。
シナリオの都合上ZEROに対するカウンターとして機能したが、元々カイザーと並び立つ新しいマジンガーを作りたいというダイナミックプロの要望から誕生した。
上記のグレートマジンカイザーがカイザー風グレートでデザイン的にスクランダー以外カイザーほぼそのままにすぎなかったのに対して明確に差別化し、
正義の勇者然とした綺羅びやかなデザインとカラーリングを施され、更にマジンガーには珍しく黒目がある。
性能は当然他の魔神皇帝達に全く引けを取らず、マジンガーZEROとも渡り合った。
装甲はゲッターロボと同じゲッター合金。また『V』作中ではゲッター線自体も使用されている。
『V』の発表の時点で「カイザーと並び立つためのグレート」と称されており、翌年発表の『X』ではカイザーとエンペラーGの共演が果たされた。


・マジンカイザー刃皇
グッドスマイルカンパニーが贈るモデルキットシリーズ「MODEROID <モデロイド>」で立体化されたカイザーの1体。
鎧武者のような外見が特徴の黒いカイザーであり、SKLのガイストテレスと同じくモチーフが『バイオレンスジャック』のスラムキング。


・マジンカイザーライガ
こちらも「MODEROID <モデロイド>」で立体化されたカイザーの1体。
獣神サンダーライガーがモチーフの赤いカイザー。
そのカラーリングのため、見た目は完全にライガー。原型ないやん


・アームドマジンカイザー ゴウヴァリアン
これまた「MODEROID <モデロイド>」で立体化されたカイザーの一体。
まさかのゴーバリアンモチーフのカイザー。
アームドの名の通り支援メカのヴァリアンダガーが装着されており、全身に強化装甲を纏っている。



“甲児よ、このマジンカイザーがあればお前は、神をも超える、悪魔をも倒す事が出来るのだぁーーーーーーーー!!”



“神を超え追記するも良し”



“悪魔を倒し修正するも良し……”



“この項目は、お前の物だぞォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!”



“…お爺ちゃん…”

画像出典:マジンカイザーBlu-rayBOX
©2012 永井豪 / ダイナミック企画・光子力研究所
©Copyright 2002 BANDAI VISUAL CO.,LTD. All Rights Reserved

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最終更新:2024年03月26日 20:47

*1 『第2次』ではグレートマジンガーを後継機扱いにしていた。そのため、鉄也が登場しなかった。

*2 乗り込んだ時点で甲児は剣造の生存をまだ知らなかった。

*3 1/144で立体化されたのだが、設定全高がZやグレートと同じく25m程なため、同じバンダイから同じ日に発売された1/144 HGUC ペーネロペー並にデカい。

*4 ただし、「魔」「Z」「神」モードがあるなどスパロボ設定が存在する一方でデザインそのものはOVA版に近く、カイザーブレードとファイナルカイザーブレードを装備している。

*5 ただし単語自体はグレートマジンガーの企画書で確認されていたので、『光子力エンジン』の別名、もしくは正式名称とされていた模様。

*6 尤も、光子力ビームを打っただけで目眩がすると発言したり、ボスから預けられたダイエット器具をぶっ刺しただけで破損した操縦桿代わりにしたこともあるので、精神で動くシステム自体は何かしら内蔵されていると思われる。暴走した際にも意識を失った甲児の無意識の制御下にあったとすると描写に納得が行く。

*7 その中でも、核兵器など特に危険なモノが埋まっている「ロストマウンテン」に、真ゲッター共々眠っていた。

*8 作中では弓博士が改造したと語られる

*9 いつものスパロボとは逆にサイズが小さいほど攻撃力が上がる仕様のため、メリットになっている面もある

*10 合流後のシナリオデモでは甲児が暗黒大将軍との戦いについて語っているので、おそらくバグ。

*11 が、実はバグにより、枠が2つあるスクランダー装備前に2つ目を装備していると、枠が1つになっても効果が残ったままになるという裏技があったりする。

*12 デザインも含めると『α外伝』、さらにショルダースライサーなどの設定も踏まえると『α』以来

*13 それと逆に、真ゲッターが暴走するとカウンターとしてカイザーが目覚める仕組みになっていた。

*14 後に「封印されている間にオリジナルのパーツが欠損していたので「強度だけは遜色のない素材」で補完されている箇所もある」という設定が付け加えられている