不思議のダンジョン 風来のシレン2 鬼襲来!シレン城!

登録日:2010/04/16(金) 23:12:54
更新日:2024/01/01 Mon 23:12:20
所要時間:約 6 分で読めます




2000年にNINTENDO64用でチュンソフトから発売されたローグライクゲーム


〜概要〜

今回はシリーズ主人公シレンの少年時代が描かれている。
SFCGBの過去作とは大きく異なるグラフィックでファンを驚かせたが、従来のシステムはそのままに、マゼルンや印等の新たな合成システムやモンスターを仲間に出来る等革新的な一面を盛り込んだ絶妙なバランスは好評を得た。

どこか暗い雰囲気を漂わせていた過去作のイメージを払拭する為か、本作は一転して明るく低年齢層向けに作られている。

発売前にはテレビ東京系「おはスタ」で宣伝を行ったり、路線バスでの全面広告を行ったりと大規模な販促活動が実り、結果として今作は「シレン」の名を世に知らしめる立役者となった。

64用のコントローラパックを利用すればバックアップを残せるので初心者でも安心して取り組める一作と言えよう。


〜あらすじ〜

これはまだ、シレンが子供の頃のおはなし。

お腹が空いてフラフラのシレンとコッパは、なんとかナタネ村に辿り着きました。
しかし、その村は鬼たちに荒らされておりとても困っていました。
このままではいけないと村人たちは鬼から村を守る『城』を造る人間を決めようとしました。
ところがひょんなことから城造りの人間にシレンが任命されることに…
美味しいうどんの恩を返すため、そしてナタネ村の人々を助けるためシレンの新たな冒険が始まるのでした。

〜印システム〜

後発作品に多大な影響を与えた本作新システム。
武器防具腕輪の特殊能力が「印」という形で表現され、合成した際はベースとなった装備の空きスロット容量分だけ印が蓄積される。
また、一部の印は複数付ける事で強化を図る事も可能。また、過去作と違い「草」等も合成対象となった為一気に能力バリエーションも増加。
(特に入手しやすく重ね掛け効果が大きい弟切草印は本作きっての優良印の一つ)
単なる能力の合成であれば過去作にもあったのだが、そちらは無限にでき、基本的に(マイナス能力を除けば)合成し得なのに対し、
こちらは装備のスロットが有限である為、機会があったとしても吟味して合成する戦略性がでてきた。
他にも「基礎能力は高いが空き印数が乏しくカスタマイズし辛い」「空き印や自前の能力込みでカスタマイズしやすいが基礎能力が弱い」、
といった武器事の特色も発生。最終的に似たり寄ったりになりがちだった装備品にプレイヤー毎のスタイルが反映されるようになった。

〜シレン城〜


あらすじで説明されている通り、城造りがシナリオの柱となっている本作。
その手順は、

1.ダンジョンで材料を集める
2.集めた材料をダンジョンを抜けた先の村で城の部品に加工する
3.村に部品を持ち帰り、組み立てて築城する

これを繰り返して城を完成させる事が目的である。
城の完成が近づくにつれ、旅仲間が増えたり、鬼一族の妨害があったりとイベントも様々。

城の部品となる材料には「良い〜」「最高の〜」等上位の材料が存在し、当然質の良い材料は難しいダンジョンでしか手に入らない。
普通の材料から出来る部品は鬼に壊され易い為、いかに頑丈な城を建造するかが建立へのカギとなる。

なお全て「最高の〜」材料を使って城を建造すると黄金城になる。
(本編クリア後は部品の差し替えが可能で、やりこみ要素のひとつ。本編クリア前に作るという芸当も可能。)


黄金の間


本作きっての魅力がコレ。
特定のダンジョンの階層内で一定確率で発生する幻の黄金階段
その先には古代宮殿を思わせる荘厳なフロア、一面の金色世界がシレンを迎える……
作中でそれとなく存在を匂わせている隠しダンジョン。
落ちているアイテムは珍しいものばかりで、最終フロアにはなんとレアアイテムが入った宝箱が!?
「最果ての道」ではこれを出せるか否かで難易度が結構変わる。ただし、同フロアより一回り以上強いモンスターも居るのであえなく倒れる事も…

とても魅力的なダンジョンだが、そこへ辿り着く為の黄金階段を見つけるのが非常に大変。
何しろその階段は壁の中に埋もれているので、通常視認は出来ないのだ。
その為壁を崩すアイテムを駆使して見つけなければならないが、一定確率ということで出現しないこともある

つるはしを使って只管壁を掘り進む、大部屋の巻物を読む等、苦労を重ねても中々出現しない……

そんな精神的に辛い作業を経て、黄金階段を見つけた時の感動はまさにプライスレス


〜ダンジョン紹介〜


初級・中級・上級の3本があり、難しい道ほど質の良いアイテムや材料を入手し易い。お店は中級以上から登場。
中継地点の中腹では分岐点がある為、初級→上級等のルート変更も可。
また、12F・15Fではそれぞれボスモンスターが待ち受けている。

  • 鬼ヶ島
城が完成すると行けるようになる、メインストーリーのラストダンジョンである。
25Fという長丁場、モンスターハウスの登場、持ち込み数の減少、厄介なボスフロアと難易度もそれなり。
最深部にはオヤブンが待ち構えているので、万全の備えをして挑もう。


◇本編クリア後

ある村人に頼まれ、モンスターの楽園「もののけ王国」を作るべく挑むことに。
モンスター捕獲の為のダンジョンで、踏破が目的ではない。99Fまで行っても特にご褒美も無い。
専用アイテム「モンスターの壺」*1を投げつけてモンスターと一緒に戦おう。壺は持ち出し可能なので他ダンジョンで捕獲することも可能。
鬼ヶ島よりはるかに強力なモンスターがわんさか出てくるため、捕獲したモンスターをいかに活用するかが攻略のカギ。
因みにもののけ王国が完成するとこのダンジョンの上位版が出現する。持ち込み禁止の上に、敵のレベルが上がりやすい*2という特色を持つ。
あくまでやりこみ用の為か特に特典は無く、出現時のイベントもない。番付も通常の隠し穴と共有される。

もののけ王国に登録したモンスターが30種を超えると出現。
ワナを活かして攻略していく所謂ワナダンジョン。
10Fにあるワナ師の腕輪を手に入れるのがひとまずのクリア条件。
他シリーズのワナダンジョンと比較すると「ワナの絶対数が少ない」「ワナに仕掛けないと経験値がほぼ入らない」「装備品はつるはしのみ、お助け系巻物は無し」「にも拘わらずシレンのスタータスの伸びが非常に悪い」
…と制限が強烈で難易度はかなり高い。しかし50Fを超えた先には珍しいお城の飾りやあのモンスターの盾が…?

本編クリア後にシュテン山頂上を訪れると出現。
中に迷い込んだ5人の子供達を助ける事がクリア条件。
子供を1人助ける度に帰還しなければならないので大変。
モンスターテーブルの強化が猛烈で、20Fの頃にはもう最強クラスばかりに。タベラレルーも頻繁に登場し、最序盤からLv3モンスターとこんにちわするのがザラ。
一方でアイテム・仲間(アスカとマーモ以外は戦力外だが…)の持ち込みは自由。鍛え上げた装備品を思う存分に試せるダンジョンでもある。
またアイテムが持ち込み可能な事から「もののけ王国」完成にも大変有用。モンスターの壺とレベル調整アイテムを山ほど持ち込もう。
ちなみにシュテン山でアイテムを集め、そのアイテムを駆使してクリアを目指す通称「破壊的素潜り」というやり込みプレイも可能。

もっと不思議のダンジョン
中腹の井戸クリア後開放。持ち込み不可・全て未識別のいわゆるもっと難しいダンジョン。踏破した先には何があるのか?
シリーズ中での難易度はそれほどでもないが、序盤は何かと不条理な事故が付きまとうので、そこさえ攻略出来れば…
今までの知識と腕前と運をフル活用して挑戦あるのみ。またここでの黄金の間でしかでない装備もあるので装備品コンプリートの為には避けては通れない。


〜キャラ紹介〜


  • シレン
ご存知シリーズ主人公。
後に稀代の風来人とまで評される事になるが、それはまだまだ先の話。
10才ぐらいの風貌だが、何事も諦めずに物事を成す姿は大人も驚くほど。
相棒のコッパと共に旅を続ける中で、城造りを一人で行うことになるが……

幼少期ということもあって表情は豊か。
何だかんだで一流の風来人としての片鱗をうかがわせている。
余談だが本作の計算式上、素のちから値がダメージに与える影響が大きい。
これを活かして攻撃面をカバーし、従来以上に印を重視して強化するのが常套手段となっている。


  • コッパ
シレンの相棒にして言葉を話すとされる、珍しい語りイタチ。
寡黙な相棒に代わってそれはそれは大量に喋る。
1では「コンビを組んでやや半年」と言っていたので矛盾であると思われがちだが、スタッフ曰く、辻褄が合う裏設定が存在している…らしい。(*1)


  • リク(旅仲間)
ナタネ村の少年で、シレンと友達になる。
デブータ軌道のパチンコを撃てるが非常に非力。
モンスターに突貫しては敢え無く散っていく様子はもはや風物詩。
敵のレベルアップに貢献してくれることから、青いタベラレルー扱いされたりする。(後に公式でも5のモンスター図鑑でネタにされる)


  • サスミ
リクの姉。
本作のヒロイン。
村一番の美人で、気立ても良く優しいことからちょっとしたアイドル的存在。
内気な弟を変えてくれたシレンには感謝に加えて好意も寄せている。
二人暮しでリクの母親代わりをしていることもあり、料理の腕はかなりのもの。
村で評判のうどん屋「むみゅう」のおばさんと良い勝負らしい。

因みに彼女はシレンの生涯憧れの人として彼の胸にそっと刻まれているとのこと。
確かにあんなに綺麗なお姉さんなら憧れないわけないよね!


  • アスカ(旅仲間)
風来人として修行の旅を続ける女剣士。ござる。
シュテン山中腹でケンゴウに襲われている所をシレンに助けられ、恩返しとして旅の同行を申し出る。
公式ガイドブックの描き下ろしイラストで分かるのだが割りとでかい

投げられた武具*3や腕輪を装備するという能力を持ち、装備品次第で非常に強力な仲間になる。
満腹度の概念もないので重装の盾や回復の腕輪を装備させることのデメリットは無い。
シレンがケンゴウに装備品を弾かれても、それを装備してくれるので装備が消失しないというメリットは絶大。
終盤でも活躍できる数少ない旅仲間だろう。万が一彼女が倒れても装備していた武具はその場に残るので安心。
ただしセーブデータのコピーをした先のデータ、中断して村に戻った際は彼女の装備も消えるので注意。
消えたら困る装備は倉庫で不要な装備に持ち替えさせる事でしっかり守ろう。

後の外伝では主人公に。こちらではプレイヤーキャラという事もあり多芸。


  • ヒマキチ(旅仲間)
モンスターのひまガッパと同族で、突然村の神社に居座り、ちょっとした騒ぎになる。
ヒマをつぶす事が生き甲斐の彼に城造りをしないかとコッパが交渉し、味方として加わる事に。

カッパなだけあって水中も移動でき、水没アイテムも回収してくれ中々頼れる。
ちなみに彼が水中にいる時氷の巻物を読むと冷凍保存の末路を辿る。(次のフロアに行けば復帰するが。)
飛んできたものを投げ返す特殊能力はボウヤー系キラーとして役立つが、ケンゴウ系が相手だとアイテムロストどころか誤爆の危機が付きまとう。
草を投げると飲んでくれるため、ドラゴン草で攻撃したり弟切草でHPを伸ばしたりもできる。
レベルアップすると投げる距離が伸びるがいやすぎガッパ程ではない。代わりにひまガッパほど短いということもない。ただ飛び道具を直接キャッチするのは他のカッパにはできない芸当。


  • マーモ(旅仲間)
シュテン山の守り神、マーモリ・ガーミの化身がむみゅうのタンスに宿った姿。結果歩いて喋るタンスというトンデモな存在になることに…
タンスであることを活かしアイテム収納が可能。壺には入らない城の材料も収納可能なので城造りには重宝する。
ただし戦闘は一切不可。成長もしないがHPは100と高めなので壁に使われることも。
なお、GB2と違い投げられたアイテムを収納することはできない。ちゃんと話しかけよう。


  • キララ(旅仲間)
鬼ヶ島を治めるオヤブンの愛娘。
本作のヒロインその2。
年端はシレンやリクと同じくらい。
とはいえ、鬼族は10才で成人として扱われるので、その戦闘力は中々のもの。
ワナにかかって身動きが取れない所を、シレンに助けられて以来彼を気にかけている。
彼の直向な姿に心を打たれ、人間側の味方になることを決意する。

旅仲間として特筆すべきはその特技。
鬼だけあって炎を出して遠くのモンスターを攻撃できるのだ。
また火に対して耐性がある為、ドラゴンの炎を無効化する。

みずぎようじょ。

◇余談
本作は五つの開発会社(チュンソフト、任天堂、クピド・フェア、クリーチャーズ、アバン)が関わっているため色々と権利関係がややこしく、移植は困難な模様。
時間による権利の有効期限切れによる解決を待とう。


追記・修正は鶏の声で目を覚まし、昼にうどんを食べてからお願いします。

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最終更新:2024年01月01日 23:12

*1 専用アイテムという位置付けだが、運が良ければ最果てへの道で発見できたりする。また、持ち帰って他のダンジョンで使うことも可能。

*2 表隠し穴ではタベラレルー以外の仲間モンスターが倒されてもレベルアップしないがこちらではレベルアップする。

*3 両手持ち装備は不可