孤門一輝

登録日:2011/04/10(日) 12:00:07
更新日:2023/11/10 Fri 14:20:25
所要時間:約 7 分で読めます




僕達は生きている
平和な日々を、ごく当たり前なものとして


例えば、その日常の裏に得体の知れぬ何かが存在したとしても
多くの人は、自分と無縁のものと思うだろう


でも目の前にある現実が、全て偽りだったとしたら……?






孤門一輝(こもん かずき)

演:川久保拓司


ウルトラマンネクサス』主人公である、24歳の青年。

少年時代に川で溺れた所を誰かに助けられた経験から「人を救う」ことに強い意義を感じている。
助けてくれた誰かは光に包まれるように消えてしまったので、正体が分からず、孤門は宇宙人と思うようになった。

少年時代の経験からレスキュー隊員になるも、過去のトラウマのせいで救助活動が上手くいかずにいた。
そんな中、特殊防衛機関TLTからの引き抜きを受け、実働攻撃部隊 ナイトレイダー(NR)へと配属される。
その日から、存在が隠蔽された怪物「スペースビースト」を秘密裏に殲滅するという、非日常の世界へと踏み込んでいくことになる。


未熟とはいえ少数精鋭に選ばれる素質を持つ上、斎田リコという恋人もいるため、アニヲタ的にはリア充かもしれない。
更に彼は、戦いの中でピンチに陥った時、変身アイテム「エボルトラスター」を使用して光の巨人ウルトラマンネクサスへと変身




しない。



もう一度言う。

ウルトラマンネクサスに変身




しないのである。




1話で新たな職場へ向かう道中、初めて小型のビーストと遭遇。
危うく捕食されかけたその時、巨大な拳がビーストを叩き潰し彼を救った。
彼の前に現れたのは銀色の巨人。だが、その姿は幻だったかのように消えてしまう。

その後、現場には駆けつけたNRのメンバーが到着。
性格がキツい副隊長・西条凪に次から自分の命は自分で守れ、と厳しい言葉を投げかけられる。

これがウルトラマン、そして凪との初めての出会いであった。
以降、彼は様々な形でウルトラマンや適能者(デュナミスト)達と関わり、共に戦っていく。



◆姫矢准との関わり

任務の中で適能者の青年・姫矢准と出会い、赤いネクサス(ジュネッス)は彼が変身した存在だと知る。
だが、凪は姫矢をビーストと認識して敵対し、孤門自身も彼女から次々と甘さを指摘される。 

時に非情なTLTの方針に気苦労が絶えない孤門は、姫矢に幾度となくピンチを救われ、
彼の「諦めるな!」という言葉に勇気付けられていく。

防衛隊とウルトラマンという立場での共闘を経て、強い信頼関係を築いていく二人。
やがて孤門の存在は、光に選ばれた意味に苦悩し、孤独な戦いを続ける姫矢にとって最大の理解者となっていった。



◆溝呂木眞也との戦い

闇の巨人ダークメフィストに変身する元NR副隊長・溝呂木眞也が現れて以降、
凪に更なる憎しみを植え付ける策として、彼女に近い孤門が執拗に狙われることになる。

彼のNR入隊は半年前から予知されており、仕組まれていた計画の陰湿さは凄まじいものであった。

最愛のリコは既に殺害されていた上、闇の巨人ダークファウストに変えられた末に消滅。
更に動物園で出会った少女をビーストの体内に取り込ませ、何も知らない孤門がビーストを迎撃する様を、少女の兄に見せつける…等。
そして度重なる溝呂木の誘いで精神が不安定になり、NRを離れて闇に捕らわれそうになってしまう。

絶望に立たされ続けた彼を救ったのは、姫矢と凪、そしてリコから貰ったお守り「ガンバルクイナ君」であった。
溝呂木の闇を振り払った孤門は、精神的な成長を果たしてビーストとの戦いに復帰する。


24話で繰り広げられた溝呂木=メフィストとの決戦では、力尽きかけたジュネッスにエネルギーを与えるなどして活躍。
ジュネッスが相打ちという形でメフィストと決着をつけた直後、光の中に姫矢が現れメッセージを残して立ち去る。


光は絆だ。
誰かに受け継がれ、再び輝く……


この言葉を残し、姫矢は彼の前から姿を消した。
姫矢の言葉が表すもの、つまり孤門が次の……



孤門「新しい……ウルトラマン?」

別人でした。



◆千樹憐との関わり

孤門の前に、新たに青いネクサス(ジュネッスブルー)が登場。
その適能者が遊園地でアルバイトをしている少年・千樹憐であることを知った。

憐と出会った孤門は、レスキュー隊員時代の腕を活かして、彼の怪我を治療したこともあって、憐から信用されるようになる。
孤門はTLTのデータベースを使って、憐の情報を集め始め、憐の指輪に刻まれていた「PRY」をパスワードにして、プロメテウス・プロジェクトに辿り着く。
プロメテウス・プロジェクトは、優秀なDNAを集めた新生児を作り出す計画であり、憐もその1人であった。
それを孤門に説明したのは、憐と同じプロメテの子にして友人でもある吉良沢優であり、
孤門は「TLTにいるには優し過ぎる」「その事で命を落とすかもしれない」と忠告されてしまう。後述の通り溝呂木を見逃してしまった事はともかく、ある同僚の正体及び思想を考えればこれは的を射た発言と言える…のだろうか?

それでも、憐の遊園地仲間、憐の監視役の野々宮瑞生、憐との出会いからの交流で孤門は新たな安らぎを得ていくが、
ジュネッスブルーのダメージを全く顧みずに突撃する無謀な行動に不安を覚える。




◆後半戦

32話にて、リコの仇である溝呂木と再会。
彼への憎しみを抱きながらも、殺してもリコは戻らないと理解しており復讐は行わなかった。お前は死にすら値しないとかショックを受けたまま生き続けるがいいだとか、ましてやこんな奴はもっと苦しめてやらなければ的な意味合いではないと思う。というかそうだと信じたい。
そして操り人形の一人だった溝呂木は、とある強敵からジュネッスブルーを守るために戦い、命を落としていった。

そして孤門も、光を解析する目的で捕らわれた憐を救うためにTLTから反乱。
NR隊員全員を巻き込み、憐をTLTから救出した。


憐が弱りきった36話では、見ている事しか出来ない自分に悔しさを感じるが、
和倉隊長の言葉を受け、最後まで憐の戦いを見届ける覚悟を決めた。

決戦を控える憐に「光は人に受け継がれる希望ではないか」と語り、
「いつ死んでも構わない」と考えていた憐に芽生えた「生きるために戦う」という決意を確たるものにする。

そしてジュネッスブルーと最強のビースト・イズマエルの戦いを援護し、憐が光を走りきる姿を見届けた。



その後、憐を離れた光は孤門ではない別の人物へと継承される。
翌回が『ネクサス』最終話にもかかわらず……

なお、32話で黒幕が閲覧していた適能者・暗黒適能者のリストに、姫矢や憐、リコや溝呂木と共に孤門の名も挙がっており、
ウルトラマンもしくはウルティノイドの適性があることが仄めかされている。



◆最終話「絆 -ネクサス-」

NRの石堀隊員として潜んでいた元凶「ダークザギ」が正体を現し、全てはザギが真の姿を取り戻すために仕組まれていたものであると判明。
同時に、新たな適能者が凪であることも知る。

ザギの策略とはウルトラマンの光を強化した上で、その力を闇のエネルギーに転換するというもの。
憎しみに任せて変身した凪は直後に光を奪われてしまい、ザギが完全復活。

孤門は闇に捕らわれた凪を救うために、臆することなく闇へと飛び込んでいく。
隊長一人がザギに立ち向かう中、孤門は闇を突き進み、彼女を救い出すことに成功する。



「諦めるなぁぁッ!」



ネクサスの手で孤門と凪はザギが暴れている新宿へと降り立った。そして、孤門の手には、エボルトラスターが握られていた。
新たな適能者として凪から光を継承したのは孤門だったのである。

凪が見守る中、その時はついに訪れる……





「絆……ネクサス!」





「うおぉぉぉぉ―――っ!!」





孤門はついにウルトラマンネクサスに変身。
この瞬間を待ち望んだファンは多かったはず。それは『ネクサス』終了まで約15分前の事であった。

ネクサス(アンファンス)の姿でザギと対峙するが、当然の如くザギには歯が立たない。
これまでの適能者達とのの力で、本来変身し得ない姫矢のジュネッス、憐のジュネッスブルーへの連続変身を行い、それぞれの最強技を繰り出すも、ザギに軽く弾かれてしまう。

初陣がラスボスという状況下でも諦めることなく挑み続ける孤門=ネクサス。
やがて彼の勝利を信じる人々の声援は、ネクサスに力を与え、本来の姿である伝説の守護神「ウルトラマンノア」の力を取り戻させる。




かつて「ヘタレ」などと言われていた彼が、成長を経て、世界を守る為に父親と共に旅立った男と同じウルトラシリーズ最強クラスの存在になった瞬間であった。

これまでの適能者や孤門自身が紡いできた絆の力は、本来ノアと互角の力を持つザギを軽く圧倒する。
炎の拳「ノア・インフェルノ」の一撃で宇宙空間へ追放。
とどめの必殺光線「ライトニング・ノア」でザギを完全に葬り去り、全ての因縁に終止符を打った。



元凶のザギが倒された後も小型ビーストは各地で現れ続け、世界はいまだ完全な平和とは言い難かった。

それでも彼はNRとして市民を守る日々を送っている。


◆その後

DVD-BOXに掲載された後日談プロットでは、三年後にNR副隊長へと昇進。エボルトラスターをいまだ所持していた。
新たな闇の巨人ダークルシフェルの出現を前に、エースの北斗と南よろしく凪と二人で変身。再びウルトラマンノアとなった。



◆余談

地球防衛組織に所属する主人公ながらウルトラマンに変身したのは一回のみとなったがネクサスの放送が短縮されなければ、孤門=ノアとしての戦いはもう少し尺があったようで、
その場合は闇に堕ちてザギとなった凪との戦い、つまり主人公(守護神)VSヒロイン(破壊神)のラストバトルになっていたらしい。
※当初、石堀の正体は上記のダークルシフェルの予定だった


少年時代の孤門を「諦めるな」の言葉と共に救った宇宙人の正体は、「闇の中で生じた時間軸のズレにより、現代の孤門が伸ばした手が、幼い孤門に届いたもの」であったが、尺の都合でカットされてしまった。

孤門を演じた川久保氏は、ノアが重要な役割で登場した映画『ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国』をしっかり劇場で鑑賞したとの事。
やはり自分が変身したウルトラマンとなると、愛着も一入なのかもしれない。

また総集編DVDや『ウルトラマン列伝』のネクサス総集編ではナレーションを、
PSPソフト『ヒーローズVS』ではネクサスの声を川久保氏が担当した。

近年、某魔法少女アニメでも「よく似た経験を持つ主人公」が登場したが、
オマージュなのか関連性は不明。(脚本家が特撮好きとの事)

「孤門」の「孤」は「孤独の孤」であるが、「門」や「門」とファンにたびたび間違えられており、公式サイトでさえ間違えている箇所がある。
まあ、先輩隊員は姫矢編のオープニングで「石」と書かれていましたが。



僕たちは生きている

たとえ昨日までの平和を失い、恐ろしい現実に直面しても……

大切な者を亡くし、心を引き裂かれても……

思いもよらぬ悪意に、立ちすくんだとしても……

僕たちは生きる

何度も傷つき、何度も立ち上がり、僕たちは生きる

僕らは一人じゃないから

君は……一人じゃないから












諦めるな!










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