武蔵野線

登録日:2009/11/23 (月) 00:09:26
更新日:2024/04/17 Wed 12:07:55
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武蔵野線(むさしのせん)とは鶴見駅から西船橋駅を結ぶJR東日本の鉄道路線である。
ラインカラーはオレンジで、路線記号はJM


概要

元々は山手貨物線のバイパスルートとして建設された路線で、現在も旅客列車の合間を縫って貨物列車が頻繁に運行されるのが特徴。

旅客上では府中本町が起点で西船橋が起点となっており、旅客列車の多くは京葉線に直通する。
府中本町~鶴見間は貨物専用路線のため、「武蔵野南線」と呼ばれることがある。

1973年に府中本町~新松戸間から開業し、1978年に全線開業。
旅客輸送は当初貨物路線のおまけ程度の扱いで、運行間隔は40分に1本だった。
東京から放射状に延びるJR・私鉄各線とも乗り換え可能なことから、沿線の開発が進むにつれて旅客輸送量も次第に増加。
設置された乗り換え駅は優等列車の停車駅に昇格するなど大規模な発展を遂げ、横浜線南武線とともに東京メガループ指定路線となった。

競馬場・競艇場・競輪場と沿線にやたら公営競技の施設が多いため、「ギャンブルライン」などと呼ばれることも。
なお武蔵野市は通らない。

運用

基本的には
京葉線直通の
  • 府中本町⇔南船橋or海浜幕張
  • 府中本町⇔(京葉線)東京
が大体半分(東京行きのほうが少し多い)ずつ。

かつては東京行きは京葉線内快速だったが、現在は各駅停車に移行している。
(京葉線内の停車駅は京葉快速停車駅の八丁堀、新木場、舞浜、新浦安にプラス市川塩浜と西船橋、土休日だけ葛西臨海公園。京葉線内の案内では武蔵野快速と表示される。)

ラッシュには少ないながらも線内運転の府中本町⇔西船橋も運転される。

むさしの号
2010.12.4よりそれまで毎日運転の臨時快速列車から毎日運転の定期普通列車となった。
中央線八王子⇔大宮便

府中本町⇒大宮便
がある。

停車駅は(赤字が新設停車駅)

八王子便が
八王子・豊田日野・立川・国立・新小平・新秋津・東所沢・新座・北朝霞・大宮

府中本町便が
府中本町・北府中西国分寺新小平・新秋津・東所沢・新座・北朝霞・大宮
となっている。
2014年3月15日から、八王子便は八王子から国立、新小平から北朝霞が各駅停車。府中本町便は府中本町から北朝霞まで各駅停車。


しもうさ号
2010.12.4より新設された定期普通列車。
運転区間は
大宮⇔京葉線海浜幕張
さいたま新都心駅は旅客用ホームが無いので通過する。


車両

※すべて千葉支社京葉車両センター(千ケヨ)所属で、車体塗装はオレンジである。ステンレス車両は白と茶色の帯が追加されている。

現在の車両

  • 209系500番台

京葉線へのE233系および総武線へのE231系500番台導入に伴い転属してきた車両。
武蔵野線への転属が中止されたケヨ34編成も含めて機器更新を受けている。
編成番号はパンタグラフの形によって区分されており、シングルアーム型である編成はM70番台、菱型である編成はM80番台の編成番号が与えられている。

  • E231系0番台・900番台
元は中央・総武線各駅停車用として配備されていたが、同線のE231系500番台転入に伴う玉突き転属で、205系置き換えのために導入された。
全車機器更新済み。

過去の車両

  • 205系
1991年に導入された0番台と、山手線や中央・総武緩行線などで使用されていた車両をVVVF改造した5000番台に大別される。
0番台は武蔵野線で唯一の生え抜き車両。
0番台は京葉線に導入された205系と同じ前面形状(通称メルヘン顔)で、5000番台は一般的な205系・・と思わせて実はメルヘン顔の5000番台(M35編成)も存在した。
E231系及び209系の導入に伴い2020年に全車が運用を離脱。一部編成はインドネシアのジャカルタへ譲渡された。
VVVFへ改造されたのは、京葉線の地下トンネルに存在する急勾配を無理なく登坂するにはモーター車を編成中に6両確保しておくことが望ましいが、多数の路線へ山手線の205系を転用する関係上、モーター車が足りなくなる懸念があったため。

  • 103系
205系が導入される前の武蔵野線のヌシ。
廃車後は多くがインドネシアのジャカルタへと譲渡され、E38編成は廃車後なんとJR西日本に譲渡された。

  • 201系
6両編成が運用されていたが、8両化と同時に撤退した。

  • 101系1000番台
0番台に難燃化対策改造を施した車両。
種車の大半が101系の初期車だったために老朽化が激しく、国鉄分割民営化前に営業運転から撤退し、一部は秩父鉄道に譲渡された。

  • 115系
快速むさしの号、ホリデー快速むさしの号で使用。車体カラーは青とクリームのいわゆる山スカ色。


駅一覧

●…停車
⚪︎…むさしの号は通過

駅番号 駅名 旅客 貨物 備考
- 鶴 見
- 新鶴見信号場
- 梶ヶ谷貨物
JM35 府中本町 旅客列車はここが起点
JM34 北府中
JM33 西国分寺
JM32 新小平 国立支線 ─ 中央線へ分岐
JM31 新秋津
JM30 東所沢
JM29 新 座
- 新座貨物
JM28 北朝霞
JM27 西浦和 ⚪︎ 大宮支線 ─ 宇都宮線 ─ 大宮へ分岐
JM26 武蔵浦和 西浦和支線 ─ 宇都宮線 ─ 大宮へ分岐
JM25 南浦和
JM24 東浦和
JM23 東川口
- 越谷貨物
JM22 南越谷
JM21 越谷レイクタウン
JM20 吉 川
JM19 吉川美南
JM18 新三郷
JM17 三 郷
JM16 南流山
JM15 新松戸 北小金支線・馬橋支線 ─ 常磐線へ分岐
JM14 新八柱
JM13 東松戸
JM12 市川大野
JM11 船橋法典
JM10 西船橋
京葉線 東京方面・蘇我方面へ直通運転


駅解説

JM 35 府中本町
乗り換え。
東京競馬場レース開催日には混雑するため、臨時の専用改札口が開く。
なお、2番線を降車専用ホームとし、3番線を乗車専用ホームにする一風変わった運用を行っている。
タネは旅客ホームが実質的には途中駅のような扱いになっており、終着駅代わりの折り返し線が鶴見方に存在するのだ。
これがないと、府中本町での折り返しの際に貨物線を邪魔してしまう。

JM 34 北府中
東芝府中工場のすぐ隣にあり、専用改札が設けられている。
また、東京農工大学農学部の最寄駅でもある。
鮮血の結末でも有名。

JM 33 西国分寺
中央線乗り換え。乗り換えが中央線なので非常に混雑する。
両線ともに「オレンジ色の東京駅行きの電車」のせいか、中央線と勘違いして武蔵野線に乗ってしまう人もしばしば居るとのこと。
地上ホームが中央線、高架ホームが武蔵野線となる。
にしこくんの地元。

JM 32 新小平
トンネルに挟まれた駅。
国立支線が分岐する。

JM 31 新秋津
西武池袋線(秋津駅)乗り換え。
駅舎が東村山市に属するが、近隣地区が清瀬市、埼玉県所沢市がごっちゃになっている。
西武線との連絡線がある。

JM 30 東所沢
留置線があるため、ラッシュ時を中心に西船橋、府中本町両方面から当駅始終着の区間列車が設定される。
ホームも2面4線と西船橋と同じく武蔵野線の駅の中では最大規模。
当駅から新座寄りに元電車区の大規模な留置線もある。

JM 29 新座
手塚プロダクションのスタジオ最寄駅であり、それにちなみ、鉄腕アトムの発車メロディーが流れる。高田馬場のものとはアレンジが異なる。

JM 28 北朝霞
東武東上線(朝霞台駅)乗り換え。
むさしの号で大宮へ向かう場合、当駅で乗り換えが必要となる。

JM 27 西浦和
大宮支線が分岐するが、北朝霞側で分岐してしまうため、むさしの号は全て通過する。
このため、乗客への案内も2番線・3番線となっている。

JM 26 武蔵浦和
埼京線乗り換え。
西浦和支線が分岐し、しもうさ号は当駅から大宮方面に分岐する。
武蔵野線の駅では後発の駅で埼京線と同時開業だが、埼京線の乗り換えがかなり遠い。

JM 25 南浦和
京浜東北線乗り換え。
京浜東北線は車両基地があるため2面4線のホームを持つが、こちらは2面2線の高架駅。
当駅近くから、地方競馬の浦和競馬場行きのバスが運行している。

JM 24 東浦和
単独駅だが利用客が多く、当駅→南浦和駅は同路線で一番混む。
さいたま市緑区と川口市の市境近くにあり、両方の市からの乗客を受け入れる。

JM 23 東川口
埼玉高速鉄道線乗り換え。
一応川口市だが川口市の北端に位置する為、市内にある川口及び西川口とは乗降客数や周辺施設において雲泥の差がある。

JM 22 南越谷
東武スカイツリーライン(新越谷駅)乗り換え。
留置線があるためごくたまに当駅発着の列車がある。
また、府中本町方面からの終電は当駅まで。
西船橋方面を眺めると、越谷貨物ターミナルが見える。

JM 21 越谷レイクタウン
2008年開業。
日本一の規模を持つショッピングモールであるイオンレイクタウンを始め、商業施設が至近距離にあるが、まだまだ開発中。

JM 20 吉川
吉川市の中心駅で、隣の吉川美南駅が開業するまで市内唯一の駅だった。
南口駅前広場に吉川市特産であるナマズの像が設置されたが、金色のヒゲが盗まれるという事件があった…。

JM 19 吉川美南
2012年開業。
折り返し出来るように中線があるが殆ど使ってない。朝に1本だけ西船橋方面に始発列車がある。
なお、今まで新松戸止まりだった競馬臨は当駅開業に合わせてここまで延伸された。

JM 18 新三郷
国鉄時代には武蔵野操車場が存在し、その影響で両側のホームが非常に離れていたが、1999年に上りホームが下りホーム側に移設された。
武蔵野操車場跡地の再開発が進んだ現在では、大型商業施設『ららぽーと新三郷』とアメリカ発の会員制大型スーパーマーケット『コストコ』が駅近くに営業中。

JM 17 三郷
埼玉県最東端の駅。つくばエクスプレス最大の被害者。
かつては南流山駅よりも乗降客が多かったが今では新三郷や東所沢、越谷レイクタウンにも負ける有様…。

JM 16 南流山
つくばエクスプレス乗り換え。
流山市で一番栄えていると思われる。
発車メロディが松戸駅のアレ。
ホームのない中線があり、かつてはこれを使った新松戸折り返し列車があった。
北小金支線・馬橋支線が分岐する。

JM 15 新松戸
常磐線各駅停車乗り換え。常磐線のホームがかなり狭いので注意。
流鉄流山線の幸谷駅と徒歩で乗り換えられる。
当駅までは先行開業区間で、ここから西船橋までは建設当初「小金線」と称されていた。

JM 14 新八柱
新京成線(八柱駅)乗り換え。地下駅だがすぐに地上に戻る。
長いこと階段しかなくバリアフリーとは何ぞや状態だった。

JM 13 東松戸
1998年開業。
北総鉄道北総線成田スカイアクセス線乗り換え。
北総線と同時に開業した駅なので結構新しめ。

JM 12 市川大野
この駅そのものは大した規模の駅ではないが、ホームのない中線が存在するため運用上では結構大事な駅。
中線ではたまに貨物列車や臨時列車が止まっている。

JM 11 船橋法典
中山競馬場最寄駅。
競馬開催日は地下道で繋がる専用の改札が開き、西船橋発の臨時便が設定されることも。

JM 10 西船橋
総武線各駅停車東京メトロ東西線東葉高速線乗り換え。
西船橋から先、東京方面と蘇我方面に分岐するが、これらは京葉線の支線である。そのため、京葉線の10両編成が乗り入れてくることもある*1
また、8~9割の列車が京葉線に直通し、案内でもあたかも南船橋駅が武蔵野線に所属するかのようにされているので、武蔵野線の終点は南船橋と思い込んでいる人が多い。が、武蔵野線の終点は西船橋なので注意!

なお、運用的には南船橋近傍に本線の車両運用の中核となる京葉車両センターがある。
このため西船橋終点は書類上と、京葉線への遅れ波及防止のためだけの感じにはなってしまっている。


本ページ画像の出典: 日本を走る鉄道車両図鑑 (2020/4/22閲覧)

追記・修正は武蔵野線のオレンジバーミリオンが好きな方がお願いします。

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最終更新:2024年04月17日 12:07

*1 このため、9・10番線のみ10両編成対応のホームとなっている。