デジタルモンスター

登録日:2009/09/20(日) 03:02:16
更新日:2023/06/15 Thu 00:48:19
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デジタルモンスター(通称:デジモン)とは1997年にバンダイが発売した携帯育成ゲーム、及びそれに登場するデジタル生命体の名前である。

開発コンセプトは「対戦出来るたまごっち」であり、ゲーム構造も似ている。というか裏設定の話になるが、実はたまごっちとは並行世界的な意味で繋がりがある。
しかし、デジモンという名前ゆえ当時から続く大人気ゲーム『ポケモン』のパクリ的な印象で認知されてしまった。
ある程度は公式も狙ったネーミングセンスだったりはするのだが。


ところがギッチョン、デジモンの魅力はポケモンとはまたひと味違う。

ご飯やトイレ、トレーニングやバトルといった世話や、例え同じデジモンであっても育て方によって進化する姿が違ったり、
そしてなにより誕生・成長・死を経て遺された卵からまた新しい命が誕生し、それを繰り返すなどの“生き物っぽさ”がデジモンの最大の魅力である。

アニメでヒットし有名になり、遅れてこの魅力に気付き“ポケモンのパクリ”という見方を改めた者も多い。

ポケモンが『かわいい』ならば、デジモンは『かっこいい』と言った所だろうか



【ドッグ】

デジモン本体の名前。たまごっちと同様に16×16というサイズのドット絵で表され、画面を右へ左へ歩くデジモンの姿は、何故かとてもいとおしい。


【操作アイコン】

シリーズによって差異があるが、基本的に以下の通り。

◆ステータス
体重、種族、勝率などのデータが見れる。

◆エサ
エサとプロテインを与える事が出来る。
エサは空腹を満たしてくれるため必須。
プロテインはトレーニングの代わりになるが体重が増えてしまう上に、与えすぎると怪我をしやすくなるので注意。
エサはたまごっちの茶碗ご飯が肉に、プロテインはたまごっちのお菓子が薬になったもの。効果も同じ。
プロテインが食べ過ぎると太って体調を崩すのはお菓子と同じシステムだからだが、現実の(人間の)トレーニングにおいては安全な栄養食品であるプロテインが、一部でアナボリックステロイドのような薬物と混同されているのはこのゲームのせいじゃないか?と一部で言われているとかいないとか。

◆トレーニング
ミニゲームで身体を鍛える。エサで増えた体重も規定値まで減らせる。
たまごっちでいう「あそぶ」に該当する。

◆通信
端子で他のデジモンと接続し、通信を行う。初期では対戦のみだったが、ペンデュラム以降はジョグレス進化も出来るようになった。

◆トイレ
デジモンがウンコしたらこのアイコンを選択して流してやる。流すとデジモンも一緒に流されて戻ってくる。まあたまごっちと同じ仕様だけど。
流さないと貯まっていき、病気になる。

◆電気
デジモンが就寝したらこれで電気を消さなければならない。
ちなみにデジモンの一部は布団で寝る
恐るべき悪のデジモンやら巨大な怪獣型デジモンが布団で幸せそうに寝るのはなんともシュール。

◆病気、怪我
病気や怪我をしたらこのアイコンを選択して治療する。

◆呼び出し
デジモンが空腹などでテイマーを呼ぶ時に点くアイコン。
点いていたらすぐに対応しよう。


【デジモン用語】

◆進化
デジモンの成長。
幼年期1→幼年期2→成長期→成熟期→完全体→究極体という様に強さが上がっていく。
トレーニング回数、対戦回数、勝率、育成ミスなどの要素により、同じデジモンでも進化するデジモンが違ってくる。

◆育成ミス
空腹や就寝などのデジモンの呼び出しを10分以上放置したら一回貯まる。
基本的に少ない方がよいが、目的のデジモンに進化させるために敢えて放置する事もある。

◆デジモンパワー
デジモンのスタミナ的なもの。ゲームではDPで表される。
トレーニングや対戦、ジョグレスに使用し、トレーニングなら一つの二分の一、対戦なら一つ、ジョグレスなら全部消費する。
レベルやデジモンの種類で差異がある。

◆ジョグレス
ジョイントとプログレスを合わせた造語。
『ペンデュラムシリーズ』から可能になった通信機能で、成熟期以上のデジモン二体を合体進化させることを言う。
DPがマックスでなければならず、ジョグレス後は0になってしまう。

◆デジモンテイマー
デジモンを育成する人間のこと。
昔テイマーだった君は再びデジモンを手に取ろう。
テイマーになった事がない君はテイマーになってみよう。

◆属性
デジモンにはワクチン(Va)種、データ(Da)種、ウイルス(Vi)種の3つの属性があり、じゃんけん方式で相性がある。
強さ関係は「ワクチン→ウイルス→データ→ワクチン」。
ウイルスはデータを喰い、ワクチンはウイルスを駆除し、データはワクチンを取り込んで自分の力のするという理屈。


【デジモン進化レベル一覧】

◆デジタマ
デジモンの卵。ゲームを起動すると出現し、時間設定後一分で孵化する。
この一分はわくわくタイム。

◆幼年期1
生まれたての赤ちゃん。すぐにお腹が空き、筋力が減るのであまり目が離せない。
バトル×
ジョグレス×

◆幼年期2
幼年期1から1時間で進化する。
バトル×
ジョグレス×

◆成長期
幼年期2から約12時間で進化する。進化の派生はここから始まる。
バトル○
ジョグレス×

◆成熟期
進化条件を満たせば成長期から約1日で進化する。一番楽しい時期。
バトル○
ジョグレス○

◆完全体
成熟期から進化条件を満たせば進化出来る。
進化条件に対戦回数や勝率が関わるため、対戦しないと進化は出来ない(ジョグレスを除く)。
なのでデジモンを一つしか持っておらず、デジモンを持っている友達がいない子供にとっては雲の上の存在。
バトル○
ジョグレス○

◆究極体
完全体の上を行く最強形態。ペンデュラムシリーズから登場。
進化条件は完全体と同じく対戦要素が入る。そのため対戦相手に恵まれない子供にとっては幻と言っていい存在。
バトル○
ジョグレス×(一部○)

◆超究極体
正式に『超究極体』という名前が付いている訳ではないが、便宜上こう呼ばれる。
一部のシリーズに登場するオメガモンなどの究極体同士のジョグレスによって誕生する特殊デジモンのこと。
文句なく最強のパワーを持ち、筆者は丹精込めて育てたウォーグレイモンを進化したてのオメガモンにボコボコにされた。
バトル○
ジョグレス×



デジモンには寿命が存在する。どんなに丹精込めて育てても、いずれ死んでしまうのである。
しかし、一度寿命が尽きたデジモンが残したデジタマは、進化の確率が上がっていたりするので引き続き可愛がろう。

ちなみに、怪我や病気のまま放置したり、世話を放棄しても死ぬが、こういう死に方の場合は当然上記のような利点はない。



【電池切れ】

デジモンテイマーが最も恐る現象。基本的にデジモンにはセーブ機能がないため、電池切れ=デジモンの消失である。
デジモンを生かしたまま電池交換を試みるのは、テイマーみんなが通る道。そして画面がバグってしまうのもお約束。

ペンデュラムシリーズは本体を振る必要があるため勢いよく振りすぎて電源の接触がおかしくなってデータが飛ぶという事態が発生しうる。
筆者のようにエアロブイドラモンが吹っ飛んで呆然とした小学生もきっといたことだろう。

【リセット】

上記の電池交換やバグった時に行われる。全てのデータを消去し、一から育て直しになる。
気に入らないデジモンに進化した時にも行われ……おっと、デジモンが呼んでる。



【デジモンシリーズ一覧】

携帯育成ゲームとしてのデジモンの一覧。

記念すべき最初のシリーズ。
この頃の進化はレベルは完全体までで、バージョン毎にトレーニング方法が異なっていた。

デジモンの発展型。
本体を振る(ペンデュラムする)事で攻撃のクリティカルを出す。前作では対戦はデジモンの能力のみを競うものだったが、本作からペンデュラムによりテイマーの力量も入ってくるようになった。
ジョグレスや究極体、超究極体の登場、テイマーの力量を含む対戦など、以降に続くデジモンシリーズの基礎になったシリーズ。

  • 『デジモンペンデュラムプログレス』
ペンデュラムの発展型。
デジヴァイスシリーズと同様のドット絵を使用している。しかし、従来のドット絵には独特の味があったので一概には喜べない。
本作から一定時間操作しないと画面が消える省エネ機能が搭載された。

  • 『デジモンペンデュラムX』
形がカード型になったシリーズ。見た目では一番の異色作。接続端子が本作から変更されて、従来のシリーズと通信できなくなった。
冒険に出てデジモンと戦えたり、アイテムを使って攻撃力アップや進化を行えたりゲーム要素が多い。
設定に合わせて、デジモンのデザインが〈X抗体〉を入手した物に変わっている。カッコイイのだが、やはり最初のドット絵の方が(ry
本作のみテイマー歓喜の自動セーブ付き(正し、セーブは進化した瞬間にしか行われない)。

  • 『デジモンミニ』
ミニの名が指す通り最小サイズのシリーズ。画面も小さくなったため、今まで常時画面に表示していたアイコンを排除。ペンデュラム機能も除き、ボタン連打に変更。操作が幾分簡略化され、ドット絵は初代基準に戻っている。

  • 『デジモンアクセル』
そんなものはなかった。いいね?

……真面目に解説すると、時間経過による進化が廃止され、代わりにDNAシステム(遺伝子ではなく、Digimon Natural Abilityというオリジナル用語)という新しい進化方式が採用されているのだが、
このシステムが凄まじく不評であり、シリーズ1の駄作として黒歴史の烙印を押されている。

  • 『デジモンツイン』
左右ペアになったシリーズ。ミニの発展型。接続端子が消えて赤外線通信に変わっている。
左同士、右同士でも通信可能。

進化ではなくデジクロスするのが特徴。

  • 『デジタルモンスター 20th』
デジモン20周年を記念して登場した初代のリメイク。
見た目は初代ver.1だが中身はまるで別物。様々な究極体も収録されており、なんとネット対戦まで可能なスグレモノ。公式で大会も開かれている。
なお、ドットは流用ではなく打ち直しているため、ところどころ仕様変更…というか打ち間違いが見受けられる。
プレミアムバンダイ受注限定生産のため稀少。以降の育成ギアも日本国内では受注限定生産が主流となるが、海外では普通に販売されているらしい。
…いくら海外人気が高いからって贔屓だ

  • 『デジモンペンデュラム20th』
ペンデュラムのリメイク。概ね上記の20thに準ずる。

  • 『デジタルモンスターX』
登場デジモンの大半をX抗体が占めたリメイク…ではない。
ガワが初代の色変えなので分かりづらいがれっきとした新作であり新要素も多い。
なお、X抗体でないデジモンも結構登場しているが、設定上はX抗体が無くても生きていけられる程の環境になったとの事。
Ver.3までが展開された。

  • 『デジモンペンデュラムZ』
初代ペンデュラム同様に登場デジモンを勢力ごとに分けた作品。新デジモンも多く登場。
元あったバージョンを3つずつ『I』『II』にふるい分けられている。

腕時計と歩数計、心拍測定機を組み合わせた、全く新しい形のウェアラブル育成ゲーム。
餌やトレーニング等の世話は一切行わず、装着者の日頃の運動が「バイタル値」という形でデジモンに供給される仕組み。
「パルスリンク」というこの遊び方を基本に、町中の電子決済機などのNFCリーダーを読み込ませて野良デジモンと戦う「タッチリンク」、スマホアプリと連動する「アップログリンク」でゲームを進めていく。
オンラインバトルやレイドバトル等も実装。

【その他の関連シリーズ】

  • 『デジヴァイスシリーズ』
アニメに登場するデジヴァイスを模したもの。寿命がなく進化デジモンもほぼ作中のもののみ。セーブ機能が付いている(初代を除く)。
デジモンシリーズと対戦、ジョグレス可能。

  • 『デジモンワールドシリーズ』
PSゲーム「デジモンワールド」から始まったシリーズ。
2~Xあたりは無印のシステムを全て投げ捨てて妙な方向に突っ走り毎回不評を買っていたが、PSP版デジモンワールド Re:Digitizeでようやく本来のシステムに回帰した。
『デジモンワールド ネクストオーダー』では2体同時育成が可能になる。

  • 『デジモンストーリーシリーズ』
その名の通り、デジモンとの冒険を軸にしたRPGシリーズ。
デジモンワールドシリーズとの違いは育成が軸かどうか……なのだが、こっちも育成するときはするので余り気にしないで良い。
近年は完全新規作品の傑作デジモンストーリー サイバースルゥースが成功を収めている。

デジモンの名前を冠しているが、厳密には別物という体の新シリーズ。通称アプモン。
とはいえ本家デジモンとのコラボもちょくちょく行っており、カードやアニメにアグモン達が登場している。
様々な商品展開のなかでも、3DS版は十分良作といっていい出来で評価も高かったのだが、よりにもよってポケットモンスター サン・ムーンの翌月というなんぼなんでも他になかったのかというタイミングで発売したために売上は撃沈。
その他のデータカードダスやカードゲーム、玩具やアニメも全体的にぱっとしないまま展開が終了した。
ちなみにデジモンシリーズのような液晶玩具は作られていない。

異世界に誘われた子供たちとパートナーデジモンの冒険というアニメシリーズのセルフオマージュ的な作品。
だが、ストーリーはアニメ・ゲーム両シリーズから見ても異質とも言えるほどにハードであり人を選ぶ傾向にある。


とまあさまざまな良作・駄作・名作・怪作を出しながらも20年間ものあいだ、地道に頑張り続けたデジモン。
バンダイとしても愛着があるのか絶えず新作が作られ続けており、ファンには愛されたり頭を抱えられたりしている。

これからもデジタルワールドのヘンな生き物たちは、現実世界の皆と共に冒険と進化を繰り広げていくのだろう。



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最終更新:2023年06月15日 00:48