読書感想文

登録日:2011/10/01(土) 01:12:42
更新日:2023/07/02 Sun 18:32:58
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ぼくにはとてもできない


「面白かったです。」
の一言では到底納得してくれず
原稿用紙数枚書かされるのは嫌がらせ以外の何者でもない
なにを期待している?なにを書かせたいんだ?
それをストレートに担任にぶつけた所で具体的なアドバイスをしてくれる教師はそう多くはない。大抵「それを考える為の読書感想文です」などととんちじみた事を突き返されて終わる。どうしろと。

読書感想文とは読んで字の通り、本を読んだ感想を文にすること。
学生時代に宿題で出されることが多く、長期休暇(主に夏休み)の最大の壁として学生の前に立ちはだかる。

作文」も参照のこと。

小学校~大学、さらに専門学校で出されることもあり、日本人なら書いたことがない人を探す方が難しいだろう。
また、就職活動で読書感想文が課題になることが、まれにある。

出されたことはあっても、一度も提出したことがない困った人はいないよね?

これまた極々まれにだが、読書感想文が大好きだったり、得意な人もいる。
そういう人に意外と普段は本を読まないタイプがいたりする(逆に本が好きな人ほど読書感想文で無駄に悩む人もいる)。


◆本を選ぶ

まず最初にやるのが、当然本を選ぶこと。
読まなきゃ感想は書けません。

漫画や(特に萌え系の)ラノベは基本ダメである(駄目じゃないところもある。特に後者。)。
学校によっては推理小説やミステリーもダメなところもある。
本を読まずとも映像化作品を見れば感想文が書けてしまうからだろうか。実際の理由は別にして

何を読んだらいいかわからない人のために課題図書というものがある。
これは、PTAなどのおすすめ本のような位置付けのものであり、ためになると大人たちが思っている本とも言える。

それらは内容的には、戦争体験記や偉人たちの話が多い。
それが好きな人にとっては、大変便利な本であるが、少しお堅い内容の本が多い。
もちろん、全てがつまらないというわけではない。案外ハマるかもしれない?

結局は、自分が読みたい本をいくつか読み、面白いと思った本で書けばいいのだが、
多くの人は滅多に行かない図書館に足を運び、長い間本棚の前で悩む羽目になってしまう。

本を選ぶコツとしては、薄い本を選択するのも一つの手段。薄いと言ってもこっちの意味じゃないよ。
我々が普段読むアレではなく、文字通りページ数の少ない本のこと。
読む量が少なければ、それだけ早く終わるという単純な話。
ただ、あんまり量が少ない本は違う本を題材に再提出のおそれがあるので、注意しよう。

もう一つは、原作本を選ぶこと。
好きな映画やドラマの原作本ならば読みやすく、感想も書きやすい。
ずるをするなら、本を読まず映像を見て書くことも出来てしまう。
ただし、その場合「「アーサーなんだぜ?」がなかったり、バグを質量を持った残像を使って倒している」など、
「原作と映像媒体での展開が異なる」例もあるので読んでないことがバレないよう注意。

逆に映像作品との違いを指摘して感想の違いが出たことを書くのもいいだろう。
原作本と映像作品の制作時期が違うのであれば、そこから歴史関連や価値観の変化等で突っ込むこともできる。

注意点としては、有名な本は避けること。
これもまた、再提出のおそれがある。

しかし、本を読むことはとてもためになる。なにより、いったんハマれば
他のメディアに勝るとも劣らない楽しさと興奮と感動をもたらしてくれる超一級の娯楽と化す。
普段漫画しか読まない人も、これを良い機会だととらえ、ぜひ1冊読んでみてはどうだろうか。
あなたにとって忘れられない、素敵な本と出会えるはずだから。

…多分。

ちなみにさすがに学校では無理なようだが、学習塾等では「時刻表」や「電話帳」を呼んで読書感想文を書くところもある。

なお、読書感想文コンクールの「公式ルール」では、電子書籍でなければ本の種類は問わないとされる*1
極端な話、ライトノベルどころか 漫画やゲームの攻略本でさえOKという事 である。
まぁ学校の宿題では認められないだろうし、審査員達にどう思われるかは別問題だが。


◆感想を書く

読んだら書いてみよう。
気をつけなければいけないのが、あらすじばかり書いてしまうこと。
これが結構多い。

あくまで感想文であり、本の内容を紹介するものではない。
あなたが思ったこと、感じたこと、考えたこと、求められているのはこれらであることを忘れてはいけない。
あらすじはそのあとの感想を説明するための添え物程度に書くのがいいだろう(全くないのは読む側が困るので)。

別に方向性としては「面白かった」ではなく「つまらなかった」とか「この作品にはこういう問題がある」でも、
感想文なので本来は構わない先生によっては駄目なところもあるが、忙しいのにそういう感想を読みたくないという意見もわからなくはない
カニレーザー…もといカズレーザーのように桃太郎を読んで経済の話につなげるもよし、
某あっちゃんのように「この世界にはニ種類の人間しかいない」で書き始めてもいい。

ただどういう方向性で書くにしろ、なぜそう感じたのか、という理由を書く必要性がある。
「こういうところが」「こういう理由で」「〇〇だった」などが書けていればあとは作文の基本ルールを守るだけである。
まぁ要はその本を読破してその内容を要約しつつ、夫々の箇所に対し感じた事、分析した事(作者の意図や物語の趣旨など)を書き連ねていくのが理想。そういう読解力や発信力を鍛える為の作文である。

また、本を選んだ理由やどう言う話なのかをタイトルから考えたかというのも有効ではある。

読んだ内容への感想として具体的な例を挙げるなら、「ハリーポッターと賢者の石」を読んで、「序盤のハリーがいじめに遭っているところが可哀想だと思った。」や、「どの寮に行けそうだ」とかでも感想ではある。

どうしても書けないという人は、読書感想文の書き方なるものが山のように出版されているので、それを読んでみるのもいいかもしれない。
読む本が1冊増えてしまうが。




◆読書感想文について回る問題

・代筆
誰かに書いてもらっちゃおう。
有力候補は親である。
頼む子供も悪いが、書いてしまう親はもっと悪い。何よりも本人のためにならない。
勉強のできる友人に書いてもらおうなんてのは、もはやイジメである。

……字が下手なので代筆してもらっただけ?

近年は「読書感想文(宿題)代行サービス」なるものが密かに流行っている。
文字通り、有償で読書感想文を書いてくれるというサービスだ。ヒマな学生や片手間の副業として請け負ってる人が増えている。
ウチの坊ちゃんは受験戦争真っ最中で学校の宿題なんぞやってる暇はないザマスよ!な意識のお高い親御さんが代行を依頼する事もあるようだ。
懐に余裕があり別に提出して認められればそれでいいや(鼻ホジ)な人は依頼してみるのもアリ…かもしれない?


・丸写し
つまり盗作。
昔は、読書感想文の優秀作品を写すのが主だった。
優秀作品は本として出版されているために手に入り安かったからである。
近年は、ネットの普及によってインターネット上から写すようになってきている。
Googleで『読書感想文』と検索すると、書き方に次いで出てくるのは、コピペ、文例、パクりである。

もはや定番ネタのようになっているが、代筆や丸写しのまま提出したものが、優秀作品に選ばれることがある。

小学生とは思えない素晴らしい内容だ(親が書いてるからね)。
この作品こそ優秀作品にふさわしい(優秀作品の丸写しだからね)。

ばれてしまうと、とんでもない説教が待っていることは想像に難くない。
他人からすれば笑い話だが、本人たちにとっては大恥。
武勇伝として語る不届き者には、冷ややか視線を送ってあげよう。
担任の中にはそういう不埒者に備えてある程度そういうコピペなどを見ている者もあり、最悪教室のド真ん中で「お前これネットのパクリだろ?見たぞ。」と公開処刑される事も…。

・大胆アレンジ
丸写しよりも高度だがイチから考えて書くよりは手っ取り早く仕上がる方法
優秀作品を読み、それと全く真逆の感想を書いたりしてパクリだとバレないようにする。
コンクールでは入賞できないかもしれないけど単に宿題を片付けたいのであればこれでもいい。

・映画
最近多い、人気小説を映画化しました!
…な作品を実際に映画で見る。
旧作のDVDレンタルなら100円程度で済みます。
ただし上述の通り、メディアミックスに際してアレンジされる作品には注意。有名どころなら今は誰かしらネットにまとめてるだろうが。


読書感想文は、提出することに意味があるのではなく、自分で書くことに意味があることを忘れてはならない。

宿題以外にも、読書感想文のコンクールは数多く開かれている。
賞金(図書券が多い)が付くものもあるので、ぜひチャレンジしてみよう。


ちなみに「後書き」を噛み砕いて、自分の言葉に直すとあら不思議!!読書感想文の出来上がり...なんて事をする奴もいる。
そのまますぎるのは問題だが、読書感想文の練習としてならちょうど良いかもしれない。
また文章構成の参考資料としてなら世の中『読書感想文の書き方』なる本がいくらでもあるし、今はYouTubeで講座やYouTuber自らが無茶な条件で読書感想文を書く動画もたくさん存在する。*2


ちびまる子ちゃんのはまじのモデルである浜崎憲孝氏は自著『僕、はまじ』にて学生時代一度だけどうしても読書感想文が書けず、読む暇もないため架空の本を適当にでっちあげて仕上げた旨を告白している。
当時はインターネットもなかったため「先生だって全部の本を知ってるわけではないだろう」と踏んでの行為だったらしい。
ある意味現代では不可能な、時代を感じさせる対処法である。
なお、マンガと同じく夏休みの宿題を溜め込んでいたさくらももこ氏も1/3くらい読んだ『赤毛のアン』について、1/3までの内容で感想を書くという、それはそれで難しいんじゃないかと思えるような方法で切り抜けたことをエッセイに綴っている。ある意味、氏の文才を垣間見ることのできるエピソードである。


余談だが、BBSで学生発言や年齢晒しはしないように注意しましょう。
守れない人は、読書感想文を明日までに3つ提出すること。




追記・修正は、8月31日までにお願いします。

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最終更新:2023年07月02日 18:32

*1 電子書籍が認められない理由は、なまじ修正が容易なために内容が変更されやすい事による。感想文の採点の際には感想文の内容と本の内容が一致しているか確かめるために同じ本を何刷りかまで揃えて確認するのだが、電子書籍では内容が変化していても確認できないのである。

*2 極端な例ではあるが、読まずに書いたりした猛者もいる。