ファイレクシアの抹消者/Phyrexian Obliterator(MtG)

登録日:2011/05/06 Fri 01:31:27
更新日:2024/01/05 Fri 17:14:52
所要時間:約 4 分で読めます






「祝福されし完成をとくと見よ」




《ファイレクシアの抹消者/Phyrexian Obliterator》とは、マジック:ザ・ギャザリングに登場するカード。
のクリーチャ-。新たなるファイレクシアに収録され、レアリティは神話レア。

カード性能

ファイレクシアの抹消者/Phyrexian Obliterator (黒)(黒)(黒)(黒)
クリーチャー - ファイレクシアン・ホラー
トランプル
いずれかの発生源がファイレクシアの抹消者にダメージを与えるたび、その発生源のコントローラーはその点数に等しい数のパーマネントを生け贄に捧げる。
5/5

解説

能力と名前やフレーバーテキストを見てわかるように、《ファイレクシアの抹殺者》の完成型のようである。
つまりファイレクシアの抹殺者は未完成のプロトタイプだったらしい。
抹殺者はエヴァ初号機という異名を持つが、今回の抹消者はどうみてもエヴァ初号機の暴走モードにしか見えない。


まず大きく目を引くのがその能力である。

抹殺者の能力は抹殺者がダメージを受けると、受けたダメージだけ自分がコントロールするパーマネントを生け贄に捧げなくてはいけないというデメリット能力。
しかし抹消者はその逆で、抹消者がダメージを受けると、ダメージを与えたプレイヤーが与えたダメージだけパーマネントを生け贄に捧げなくてはならない。
つまりダメージを与えると、致命傷になりかねないディスアドバンテージを強いられる。
抹殺者?《ショック》一発じゃんwとか言っていた使いは、きっと祝福されし完成をとくと味わうことになるであろう。

またブロックするにしても上記の能力とトランプルがあるため、チャンプブロックをするメリットがほぼない。
殴り勝てるもしくは相打ちを取れるクリーチャーでブロックしても、マイナス修正がかかっていない限り、パーマネントを5個以上確実に失うことになるため非常に痛い。

というように一旦出てしまうと非常にやっかいであるが、被覆やプロテクションを持っているわけではないので、喉首狙いなどで対処出来る。平和な心やタッパーで対処する手もある。

また、金属術適用時限定だが《急送》で追放する手や、カーンで追放する等の手段も出てきた。
カーンだと重い?再録されたマナマイアがいるじゃないか。
といっても逆に言えば、それらの対処法を引いてこれなければ敗北は必至である。手札破壊などでサポートしよう。

マナコストが黒のクワドラプルシンボルと非常に色拘束がキツいので、単色デッキくらいでしか運用出来ないのも痛い。

登場当時のスタンダードの黒は感染が主流だったので、レガシーやヴィンテージなどの暗黒の儀式や各種マナ加速がある環境のほうが光るかもしれない。

因みに抹殺者の日本語読みはニゲイターだが、抹消者の日本語読みはアブリタレイターである。



…と、スタンダードの黒単復権が期待されるカードであったが、実際のところ現役当時のスタンダードではそれほど暴れなかった。

というのも、当時のスタンダードには色を問わずにわずか1マナで-5/-5修正を与える四肢切断》が存在しており、それがほとんどのデッキに採用されていたのが原因だろう。
戦争と平和の剣》の登場で赤との除去の信頼性が下がったため、Caw-bladeや大幅有利と思えた赤単にすら《四肢切断》で殺されるレベル。とてもじゃないが分が悪すぎる。
もちろんそれらがないならほぼ対処不能だが、環境の煽りを食らった感じである…。黒の敵は黒。

このカードを搭載した黒ゾンビもトーナメントシーンの一角には存在したが、ゼンディカー期は上記のカウブレードの、イニストラード期は青白デルバー等の隆盛を抑えきれず、活躍しきれないままスタン落ちを迎えた。
カードが強くても環境に合致しなければ使われない好例であろう。


とはいえ、そのポテンシャルは非常に高いので、モダンなどでも活躍する機会はあるかもしれない。
が、下環境は基本的に多色環境なのでやっぱりクアドラプルシンボルが足を引っ張る。
なんとか戦場に出ても上記の《四肢切断だけでなく《流刑への道》やら《蒸気の絡みつき》やら《失脚》、《糾弾》etcetc…
レガシー以下ならソープロこと《剣を鍬に》などがさらに加わる。
全体除去もスタンダードの頃とは比べ物にならないほど多いので場に出ても活躍できないことが多すぎる。
なんだかんだ人気のあるカードなので値段を維持しているが、活躍できる日は来るのだろうか。

なおその人気からか25周年マスターズにて再録された。
MTGアリーナにおいても「ヒストリック・アンソロジー3」に収録されており、ヒストリック環境では3ターン目着地即格闘→対戦相手の戦場を真っ平らにしてしまうというロマンプレイも夢ではない。





「ノーンの幇間が小綺麗な磁器の下に隠しているものを見せてみよ。」
――シェオルドレッド


そして時は流れ2023年…なんと新セット『ファイレクシア:完全なる統一』にてまさかの再録を果たした。
イラストも新調されており、前と比べるとおどろおどろしさが減ってスリムな外見になった。またイラスト違い版では日本人アーティストによる墨絵バージョンも用意されておりこちらも中々かっこいい。

昔と違いスタンダードで黒単が大いに活躍している今こそ活躍なるか…と思われたが結局目立った活躍を残すには至っていない。
再び同居することになった喉首狙いをはじめとする白や黒の除去への耐性がなかったり、有利な緑系アグロが環境から消えていたことも要因の一つではあるが…何より新たな下半身を得た上司が同じ黒4マナ域として強すぎた。

ちなみに完全なる統一では対となるクリーチャーとして、《ファイレクシアの立証者/Phyrexian Vindicator》が登場した。
こちらは白のクァドラプルシンボルで飛行5/5、ダメージを受けるとそれを軽減して反射することができる。



-Φ-追記・修正は、生皮を剥がされ機械の体を手に入れて「完成」した方のみお願いします。-Φ-

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最終更新:2024年01月05日 17:14