登録日:2011/02/17 Thu 01:25:35
更新日:2025/03/10 Mon 16:54:01
所要時間:約 9 分で読めます
「こいつはロブ・ルッチ、ここで働いている。よろしくなポッポー!」
【概要】
ウォーターセブン(以下W7)に本拠地を置く造船会社ガレーラ・カンパニーの社員。
1番ドック【木びき・木釘職】職長。
「9」の字を左右対称にしたような顎髭がチャームポイントで、身長も212㎝とかなり高い(タイルストンとかがいるので目立たないが)。
カクや
パウリーは職長仲間。
独特な形の眉と髭、職種に合わないシルクハットが特徴。
いつも右肩に白ハトのハットリを乗せており、普段は決して自分で喋らずハットリに自分の気持ちを代弁してもらっている。
…………というのは嘘で、実際は人と喋るのが苦手なため
腹話術を使っているだけ。
職長らしく身体能力は非常に高い。
パウリーに思いっきり投げ飛ばされ頭から叩きつけられそうになっても、腕一本で全ての衝撃を受け止めるほど。
以下ネタバレ
その正体は
世界政府直下暗躍諜報機関“
サイファーポール No.9”(以下CP9)に所属する殺し屋。
エニエスロビー編における実質的なラスボスである。
CP9のリーダー格でもあり、その体技は
カクや
ジャブラの約2倍である4000道力を誇る。
元々鍛えられたルッチの体に後述する
悪魔の実の能力が加わる事で、CP9史上最強の男となった。
ついた異名は『
殺戮兵器』。
腹話術は正体を隠すためのカモフラージュなようで本当は普通に喋ることができる。
やってるのルッチしかいないけど。
【プロフィール】
本名:ロブ・ルッチ
異名:殺戮兵器
所属:ガレーラカンパニー1番ドッグ職長→
CP9→
CP-0
年齢:28歳→30歳
身長:212cm
誕生日:6月2日(ロブ=6,2)
星座:双子座
血液型:XF型(現実だとAB型)
悪魔の実:ネコネコの実 モデル“
豹”(
動物(ゾオン)系)
覇気:
武装色、
見聞色
道力:4000(超新星編・CP9歴代トップ)
出身地:偉大なる航路
初登場:単行本34巻・第327話・『造船島造船工場1番ドック』
好きな食べ物:ブランデー
嫌いな食べ物:スパム
掲げている正義:
必要悪
CV:
関智一(ハットリも兼任)
【人物】
任務遂行のためなら犠牲を出すこともためらわず、邪魔だと判断すれば味方にも手を下す冷酷非情な人物。
その鋭い眼差しや威圧感から海兵達からも恐れられている。
だが、それは飽くまでも彼の一面であり、ルッチの本質は血と戦いを求める「戦闘・殺戮狂」と、自分なりの「良識・正義感」を、『任務』という形で昇華している存在。
◆殺戮兵器
任務で殺害をこなしていく姿から、ついた
二つ名は
「殺戮兵器」。
CP9のリーダー格として周囲から畏敬の念を抱かれるも、本人は地位や権力に全く興味がない。
ルッチが求めるものは唯一
血のみ。
彼がCP9に所属しているのも本人曰く、
というもの。
ルッチはそんな血を求める自分の異常性を自覚してもおり、
ウォーターセブンでの平和な暮らしを唾棄していた。
同じくガレーラに潜入していて職場に愛着を抱いていた
カク、町や職務を気に入っていたと思われる
カリファと違い、ウォーターセブンやガレーラに対する愛情は一切持っていなかった彼だが、5年の潜入任務で多くの殺しを行えないことに鬱憤が溜まっていたためと思われる。
まぁ
スパイをやる以上余計な情をかけるべきではないのだが…。
ただし、潜入先でずっと一緒に働いていた
パウリーに対しては正体を明かしてからも彼を皮肉交じりだが「友」と呼ぶなど、少なからず友情を抱いていた節はある。
◆必要悪
殺戮を好むが、あくまでそれを行うのは「海賊討伐」「世界政府の命令」「悪の排除」等、彼の正義に則って行う。
海軍本部中将・大将らのようにルッチもまた己の正義を持っており、その正義とは
必要悪。
ただしルッチにとっての正義の基準は
ある種明瞭で、
「世界政府による統治」。
世界政府という「組織」に重きを置いている、つまりは
世界貴族や
五老星に命じられれば「
白も黒にする」ということ。
「世界政府の統治・治安を脅かす巨悪は悪を持ってでも討つ、巨悪を討つのに手段は問わない」。
正義に対する考え方も人一倍厳しく、戦うことを放棄し海賊に投降した兵士が人質にとらわれることに対しても、
「国を守るべき兵士が、むざむざ人質となって国を危機にさらすこと自体が罪」「弱きは罪」と考えており、容赦なく己の命惜しさに投降した兵士達を皆殺しにした。
上官である
スパンダムの命令には比較的従順だが、保身と出世しか頭に無い彼に対する
信頼や敬意は皆無であり、
「政府がCP9の長官であると認めてるから」従っているだけに過ぎない。
内心は、スパンダムのことを陰で
「どっかのバカ」呼ばわりして完全に見下している。
これは
世界貴族に対しても同様な様子。
さすがに
五老星に対してはある程度の敬意があるのか『
ONE PIECE FILM RED』にて礼儀正しく接していた。
あくまで部下としての忠誠は「世界政府」という組織に向けられているので、上司の命令には従うが人間的に劣る者への忠誠は無く、「人殺し」といった自分の気にあう命令以外はこっそり
スルーしたことも。
まあスパンダムもCP9のメンバーを自分の出世のための手駒ぐらいにしか考えてないので、ある意味お互い様だが。
ルッチ自身も人を見る目が無いわけでは無く、
ルフィのことは逆に
「なかなかのボスの器」と認める発言をしており、ルフィの能力(ギア2)の秘密を即座に理解するなど洞察力も優れている。
自分を負かしたルフィに対しては、新世界編では彼なりの執着を抱いているようで、ルフィが四皇という上層部の許可なくしては戦えない立場になっても、『
自分は麦わらを四皇と認めていない』と独善的な屁理屈で無視し、積極的に攻撃を仕掛けている。
◆仲間との関係
一方、ルフィとの戦闘で意識不明の重傷を負い、CP9を解職同然になってしまった時には、仲間達がルッチを救おうと医療費稼ぎをしてくれるなどスパンダム以外のメンバーからは人望と仲間意識がある模様。
ルッチも、
フランキーにやられかけた
ブルーノがフランキーを殺そうとした際、生け捕り命令を忘れ殺そうとした
ネロの時とは違いブルーノを助けて口頭注意で済ませたり、カクやカリファに
悪魔の実について的確なアドバイスをするなど、共に育った仲間に対して情はある様子。
また、復活後何の義理もない町の人々を海賊から救ったり、自分を治療してくれた医者と握手を交わすなど人間味が全くない
というわけではなく、
- 故郷に海軍の追手が来た際には「騒ぎは故郷へ持ち込ませない」として撃退する
- 世界貴族の命令であれば善行にも勤しむ
など、彼なりの正義感は持っている。
彼が危険になるのはあくまで彼が“悪”と認定した人物と世界政府の命令が下された時なのだろう。
「殺しが好き」と言いつつも、ウォーターセブンで暮らした5年間は殺しをしないだけの自制心もある。
協調性も全くないわけではなく、エッグヘッド島にて図らずも
セラフィムを相手にルフィ・
ロロノア・ゾロと共闘することになった際、
セラフィムの特性が
ルナーリア族だと気づくのが遅れたことを謝罪したゾロに対しては「
いや充分だ。これで戦いようがある」とフォローを入れている。
火災のキングとセラフィムの共通点が「白髪」「褐色の肌」「黒い翼」「背中の炎」であると説明したゾロが気づくのが遅れたことに対しては、ルフィとカク共々「もっと早く気づくべきだったな!」とツッコミを入れた。
任務は忠実に遂行する一方で、敵や「悪」に情けはかけず手段も問わずに殲滅し、己の任務の範疇で殺しを楽しむ危険人物だが、幼少時からハトのハットリを連れているなど、意外と動物好きな一面も。
本当にどうでもいい話だが、CP9最強の殺戮兵器が、任務の為とは言え、「クルッポー」って言ってたのって…冷静に考えるとちょっと面白い。
【戦闘能力】
鍛えれば鍛える程に“力”は増幅する
迫撃において“動物系”こそが最強の種だ!!!
動物系悪魔の実「ネコネコの実モデル“豹”」を食べた
豹人間。
CP9史上最も強く冷酷な
殺戮兵器と呼ばれ
海軍中将にもその強さを認められている。
王下七武海の
バーソロミュー・くまと
ゲッコー・モリアも、会話の中でルッチの強さを評し、その敗北は
有り得ないものと考えていた程。
同じCP9を下したゾロ、フランキーも「ただ者じゃない」「ケタ違いに強ぇ」「麦わらがルッチを抑えてなかったら何人死んでたか分からねぇ」と評しており、
ルフィ以外に太刀打ちできる相手ではなかった。
戦闘では
六式と動物系の能力を併用した肉弾戦が得意で、純粋な格闘戦でルフィを圧倒した初のキャラクターである。
肉食動物に変身する
動物系悪魔の実の能力者は、その能力を開放すると凶暴性が増し身体能力も向上する。
柔軟で強靭な肉体を誇る豹の能力とルッチ本人が秘める六式を主とした戦闘力は非常にマッチしている。
人獣型に変身すると二回り以上の巨漢になり、その分破壊力が人型より大幅に上回る上に、戦況に応じて生命帰還による肉体操作までも行う。
パワーだけでは無く、鋭利な爪による刺突、尻尾を自在に操り相手の動きを封じたりと搦め手も用いたりした。
獣型は高い機動力を誇り、噛みつきなどでルフィにダメージを与えた。
もっとも、六式との兼ね合いか獣型で戦うことはほとんどないが。
なお、他のCP9は六式使いでも割と得意不得意があるのに対し、ルッチは全ての六式を非常に高い水準で使いこなしており、他のメンバーとは一線を画す実力を誇る。
一方、覇気は2年前の時点では会得していないようで、人型の指銃ではルフィにダメージを与えられなかった。
エッグヘッド編では
「覚醒」段階にまで至っており、従来の人獣型より細身で黒い羽衣のような炎をまとった姿を披露。
インペルダウンの獄卒獣のように人格を取り込まれることなく、明瞭な意識を保ったまま高速戦闘を行うことが可能となっている。
カイドウとの戦いを乗り越えたルフィとも、不利ながらある程度渡り合えるほど。
ベガパンクをして「自我を保った動物系の覚醒は珍しい」と述べており、元CP9
フーズ・フーが「天才」と言っていたのも誇張ではないのだろう。
◆使用技
人型
片手による指銃の連打、が覇気を会得していなかったためルフィにダメージは与えられなかった。
人獣型
剃と月歩の合わせ技、空中で高速移動する。
渦を描くように切れる斬撃。追尾性能でもあるのかルフィの回避が間に合わずダメージを与えた。
巨大な鳥の形をした斬撃。
海軍本部標準型軍艦の分厚い鉄の外板に切れ込みを入れる威力。
鉄塊によるカウンター、常人の拳なら砕き割れる模様。
その名の通り、指銃が飛ぶ。
アニメ版ではデコピンの要領で放っている、戸愚呂のやってたやつと全く同じ。
どうやら飛ぶ斬撃の類らしく、打撃がほとんど通じないルフィがダメージを受けていた。
アニメでは三連続で飛ばす『三撥』、被弾すると発火させる『火撥』が登場した。
生命帰還によって巨大な人獣型から一回り小柄になり、パワーの代わりにスピードを上げる事ができる。
元々人獣型の状態でも脅威的な速さで動けているため、この形態になるとギア2のルフィ相手でもスピード勝負で優位に立つことができる。
両手による指銃の猛撃。絵的に迫力があるがルッチの技の中では唯一まともに攻撃が当たってない悲しい技。
1回目はギア3の反動でチビ化したルフィに使用したがゴムゴムの巨人の銃のダメージが遅れて来たため不発に終わり、2回目はルフィの銃乱打で相殺されてしまった。
2年後ではゾロとの戦いで使用したがすべて躱されてしまった。
両手の拳を握り拳にした状態で向かい合わせた構えを取り、ゼロ距離から防御を突き抜け体の髄まで到達する衝撃を放つ。
云わば「
衝撃貝」による攻撃と同様であり、なおかつその
数倍の威力を持つ。
打撃ではなく「衝撃」を直接叩き込む技であるため、ゴム人間のルフィにも通用する。
ルフィに対し2回も使用したが耐えられてしまった。
後に
ワノ国で登場した「流桜」という武術がこれに似ており、同じ原理の技なのかもしれない。
生命帰還を解除し、フルパワーで放つ六王銃。
作中使用時は尻尾でルフィを捕縛し、身動きを取れなくした状態で叩き込んでいた。
が、これでもルフィを倒せなかった。間違いなくルッチ最大の奥義なのだが六式奥義を計3発も当てて疲労困憊のルフィを倒せなかったため、読者から威力を疑問視されている。
2年後には覚醒状態になるまでもなく、人獣型の通常技として用いるまでに成長している。
「手銃」の連打、作中では両手で使用している描写がある。
覚醒フォルム
目にも留まらぬ速さで接近し、すれ違い様に貫手による「指銃」を叩き込む。
両手で手銃を連打しながら発射する。
黄蓮の派生技とも言える。
【来歴】
時系列は新世界編を現在とする。
◆過去
正確な時期は不明だが、17年前には既にCP9に所属している。
17年前、とある王国で500人もの兵士が海賊に捕まる事件があり、当時13歳だったルッチが一人でこの件を治めた。
人質である500人の兵士を皆殺しにして……
国を守るべき兵士が、守るどころかむざむざ海賊の捕虜となり、国そのものに危機を及ぼす。
そのような助けたとしても亡国の危機を再び起こしかねない兵士など生きる資格がない。
弱きは罪という極論から至った行動だった。
この行動が海賊の怒りを買いルッチは背中に幾つもの砲弾を浴びる。
その傷痕は偶然にも世界政府のマークに酷似しており、政府の使命を全うするルッチに相応しい傷痕になってしまっている。
古代兵器プルトンの設計図を手に入れるために、スパンダムの指令により5年間船大工として
カク、
カリファ、
ブルーノと共にウォーターセブン(W7)へ潜入する。
船大工として信頼を集める裏で、設計図に関する情報を集めていた。
しかし5年間潜伏したにもかかわらず、決定打となる情報が掴めずにいた。
任務に割ける制限時間も残り僅か……
そんな時、
麦わらの一味がW7にやって来た事で事態は大きく動き出す。
◆偉大なる航路編
ウォーターセブン・エニエス・ロビー編
アイスバーグ暗殺未遂の罪を麦わらの一味に被せ、バスターコールという奥の手で
ロビンを脅迫し従わせ、追ってきた麦わらの一味も圧倒的な力で退け、設計図を持つ
フランキーを捕らえ、
五年住んだが‥こんな島にゃあ…名残り惜しむ情もわかねェ……
全てが順調に進んでいた。
だがロビン奪還のために、
麦わらの一味は
エニエス・ロビーまでやって来た。
一回りも二回りも強くなった一味や抵抗するフランキーによりCP9のメンバーが次々に倒されていく中、ルッチは闇の正義を貫くため、船長
ルフィと激しい戦闘を繰り広げる。
CP9最強の名に相応しく、他のCP9と比べてもずば抜けた戦闘力を持ち、ルフィをかなり苦しめた。
ゴムゴムの銃乱打を難なく躱し、体制を変えるついでに嵐脚をくらわせるなど、互角以上の戦いを見せる。
フランキーのストロングハンマーを鉄塊で受けても眉一つ動かさない。
ルフィがギア2を発動し、自身も人獣型になるが爆発的に上がった速度とパワーに一時押される。
だがすぐに対応しギア2の仕組みを見抜き、
読者に分かりやすく説明してくれた。
しかしルフィがギア3を発動すると、そのダメージの大きさに次第にルッチも押されていく。
一進一退の攻防の末、
六式奥義『六王銃』を2発食らったルフィはついに倒れる。
しかし
ウソップの涙と怒りの叱咤によりルフィは再び立ち上がった。
渾身の力を込めた最大輪『六・王・銃』を食らわせるが、それでも仲間を思うルフィは強い決意で踏みとどまり、最後はゴムゴムのJET銃乱打の前に鉄塊も完全に打ち破られ敗北。
意識を失う重体となった。
扉絵連載『CP9の任務外報告』
敗北後、他のCP9のメンバーと共にブルーノに救出されるもルフィから受けた傷は深く、ルッチは意識を取り戻せなかった。
さらに悪い事に、いつの間にかスパンダムからエニエス・ロビー壊滅の全責任を押し付けられており、CP9のメンバーは一転して政府から追われる逆賊の立場へと成り下がってしまっていた。
彼らの任務に"失敗"の二文字は許されないとはいえ、本来責任を取るのが仕事であるハズの上司から全てを丸投げされてはルッチ達もたまったもんではなかっただろう。
このまま政府の追手に投降したところでロクな目に遭わないのは目に見えているため、ルッチ以外のCP9メンバーは一旦逃亡を決意。
ルッチはクマドリの肩に担がれつつ、海列車の線路を徒歩で渡りエニエス・ロビーを脱出。
春の町セント・ポプラへと辿り着き、町医者の元で入院治療を受ける事となった。
ちなみに手持ちの金が心許なかった為、メンバーは元エリート諜報員であったプライドもかなぐり捨てて路上での大道芸やアルバイトを行い、ルッチの治療費を捻出している。
口には出さなくても、きっとルッチも感謝してるはず。
メンバー達がどうにかこうにか稼いだお金でルッチは適切な治療を受けることができ、数日後ついに意識を取り戻す。
その後、セント・ポプラを襲撃したキャンディ海賊団を軽く撃退するもあまりに残忍な制圧の為住人の恐怖を招いてしまい、町にいられなくなってしまった為、故郷の修業地・グアンハオに帰還。
海軍の追っ手が襲来するも騒ぎを故郷に持ち込ませないと一蹴し、全失態を擦り付けられた元上官の
スパンダムに
電伝虫で連絡。
と、堂々宣言。
その後海軍の船で何処へともなく姿を消す。
◆新世界編
パンクハザード編にてシルクハットをかぶった男性が、
シーザー・クラウンの兵器開発配信映像を見て「おそらく『同盟』だ 世界に報じろ…もう『裏』の問題じゃ済まねぇ」と発言しており、翌日にいきなり
トラファルガー・ロー(当時
王下七武海)とルフィの
海賊同盟が全世界の新聞に掲載されていた。
世界政府の人間が、世界政府に追われているシーザーとつながりがあったのかは怪しいが、ルッチだったのかもしれない。
ドレスローザ編
顔の大部分が仮面で隠されていたが、特徴的な顎鬚と肩に仮面を付けている鳩が居た。
映画『
ONE PIECE FILM GOLD』オフィシャルムービーガイドによると、『
FILM Z』で
青キジが新世界編で先行登場したことが(原作で登場していれば読者を驚かせられたのに)原作読者にやんわり伝わったことが嫌だったので、ドレスローザ編で映画『FILM GOLD』より先に登場させたとのこと。
世界会議編
そして…世界会議編にて
ステューシーや
カクと共に再登場。
『FILM GOLD』オフィシャルムービーガイドによれば、スパンダムの後ろ盾であった父親が病により権力が弱まったので、エニエスロビーの件は不問になったようだ。
────天竜人はこの世界を創造した「神」
ここにいるのはいわば“下界の王達”
「神」が欲する物は全て差し出すのは必然
聖地マリージョアにて、
しらほし姫を奴隷にしようと卑劣の限りを尽くす
天竜人のチャルロス聖を擁護して止めようとした
レオと
サイを蹴りとばし、
ビビから抗議を受ける。
もっとも、
カクに言わせれば「世界貴族に手を出した人間はタダでは済まない」「絶大な権力を持つ世界貴族に手を出していれば、
いくつかの国が終わっていた」ということもあり一応「いくつもの国と人魚一人」という天秤をかけたことも理由と思われる。
ただしこれが原因でビビからは一切信用されなくなっている。
それはそれとして、チャルロス聖の命令でリュウグウ王国ネプチューン王らへの“殺害”を命じられた際には、殺戮行為を許可されたことに笑みを浮かべていた。
とはいえ天竜人同士のいざこざには口を挟むつもりは無く、チャルロス聖が同格のミョスガルド聖にぶっ飛ばされた際には、ネプチューン王や
しらほし姫に謝罪するミョスガルドを静観していた。
ワノ国編
現地メンバーのゲルニカらに、四皇と新世代どちらが勝っても肝となる
ニコ・ロビンの連行を命ずる。
未来島エッグヘッド編
カクや
ステューシーと共に、
セラフィムを返すふりをしつつベガパンク7人全員を暗殺するという任務を請け負い、エッグヘッドに赴くことになる。
しかし偶然にもルフィたちもエッグヘッドに迷い込んでおり、道中でルフィと対面。
ベガパンクの分身「アトラス」を撃破したこともあってルフィと再び敵対することに。
ちなみに、本来は四皇との交戦はNGなのだが、ルッチは「ルフィを四皇と認めていない」という屁理屈理論武装で押し通した。
実際のところ、ルフィにとって飯を貰った恩があるベガパンク「アトラス」をルッチが倒した時点でルッチ側が戦闘を避けることがとかく難しい状況ではあったが。
覇気や能力の覚醒フォルムを使いルフィと渡り合うが、ギア5の破天荒な戦いの前では押され気味になる。
しかしセラフィムの威権順位が高い
戦桃丸を先に撃破、気絶させていくことでセラフィムのコントロールを奪取し、ルフィ達もベガパンク「アトラス」を逃がすことを優先したため撤退。
次にカク、ステューシーと共に麦わらの船である
サウザンドサニー号を破壊しに行くが突如ステューシーが裏切り、カクを昏倒させる。
年齢から言ってもCP-0として大先輩であろうステューシーは実は元々ベガパンクの部下だったのである。
これにはさすがの彼も動揺を隠せなかったが、次の瞬間ステューシーを殺しにかかる判断の早さを見せた。
しかしステューシーもこれを読んでおりマニキュアの中に仕込んだ
海楼石を押し当てられてしまい、力が抜けている隙に昏倒させられた。
2年前、自分を仲間として信頼したガレーラの面々を「名残惜しむ情も無い」と冷たく裏切り、殺そうとまでしたルッチ。
だが皮肉なことに、今度は自分が仲間に裏切られる側となってしまったのだ。
その後、研究所内でルフィとゾロに監視されることになるが、所内でセラフィムがなぜかベガパンクの命令も聞かずに暴走し皆を殺そうとする事態が発生。
目を覚ましたルッチはカクと共にルフィたちに一時的に共闘することを提案。
2人(特にゾロ)からは当然信用されず二人の解放に難色を示されたが、ベガパンク「
正」からの質問に嘘偽りなく回答したことや、ルフィから
「おれに勝てねェからって 仲間やベガパンク達に当たり散らさねェよな!?」という自身を弱者と見下されている旨の挑発に乗ったことで一応信用され解放される。
そしてルフィと共にS-ベアと交戦。
どうやらルッチ達はセラフィムの扱い方を知っていてもその特性は知らなかったようで、防御力が高い時に無駄な攻撃をしていた。
セラフィムの特性に気付いたゾロが、もっと早く気付くべきだったと謝罪した際に最初は「いや十分だ」とびっくりするくらい素直に返していたのだが、あまりにもわかりやすい特徴にゾロが気づくのが遅すぎたため「もっと早く気づくべきだったな!!!」とルフィ、カクと一緒に
ツッコミを入れた。
翌日、ルッチは一味と共にセラフィムを全て制圧し、首謀者の欲を取り押さえていた。
状況を静観している様に見えたが、内密に
黄猿達に情報を流しており、黄猿が研究層に侵入した際は、ベガパンク本体を奇襲しようとし、いち早く刀を抜いたゾロと交戦。
長期戦に持ち込み一味の脱出を妨害するが、サンジに煽られキレたゾロが放った“
虎虎婆 彪狩り”を喰らい吐血するほどの大ダメージを負う。
しかし、まだ諦めていなかったのかフラフラの状態で攻撃しようとするが、駆けつけた
ジンベエの放った五千枚瓦”手刀”により阻止される。
体力も限界を迎えた為変身を解きその場に座り込むが、そこに
五老星の1人、マーズ聖が変身した姿で現れる。
その姿に驚愕するが、すぐにベガパンクの配信再開へのタイムリミットや、
麦わらの一味の現状に研究所内部の情報を的確に伝えた。
情報を確認したマーズ聖はすぐに飛び去ろうとするが、付け加えて、
それと!!司令室には… まだ…重症の相棒がいる筈
どうか命は…!!!
とカクの身の安全の確保や助命について懇願した。
見捨てられたと思われていたカクであったが、ルッチにもまだ仲間としての情が残っていたのだろうか…。
エッグヘッドでの一悶着が落ち着いた後、カクと合流して他のサイファーポールが乗る軍艦に帰還。
メンバー達からステューシーの安否について問われるがルッチは、「殺した」と素っ気なく答えた。
【劇場版での活躍】
テゾーロのためではない。任務のためだ。指揮はおれがとる。
新世界編において、世界会議編に先駆けて劇場版に再登場。
CP-0の一員となっており、
ギルド・テゾーロの調査の為にスパンダムとグラン・テゾーロを訪れる。
海軍本部元帥の
サカズキに、テゾーロが用意した天上金の護送任務の名目で強引に軍艦10隻を用意させた。
サカズキ相手にも傲慢不遜な態度は崩さず強引な命令をしたため、サカズキには「元海賊テゾーロのためになぜ海軍が手を貸さにゃならんのじゃ。のう、CP-0はいつからテゾーロの犬になったんじゃ?」「ずいぶんと
偉うなったもんじゃのお」と皮肉を言われた。
ルフィとテゾーロの最終決戦では、テゾーロが暴れていたこともあってか海兵に命じて軍艦による砲撃を開始。
グラン・テゾーロに居る民間人や天竜人もお構いなしという相変わらずの姿勢を見せていた。
しかし、グラン・テゾーロにいる
麦わらの一味を守るべくサボが軍艦に乗り込み砲撃を妨害。
その後はサボを相手に戦闘を繰り広げていたが、テゾーロがルフィに敗れるとテゾーロを捕縛し目的を果たしたため撤退した。
あいつの通り名は、“怪物”だ。テゾーロを拘束しろ!
そして、「宝」を持った“鬼の跡目”
ダグラス・バレットが能力で天をつく巨人になって姿を現し海軍の部隊を蹴散らす様子を目撃すると、宝を奪う機会を探るべく静観。
サー・クロコダイル・
ロー・
白猟のスモーカー・サボの活躍で切断された巨大バレットの右腕をバレットが再結合しようとした際には、落下中の右腕を嵐脚で破壊してサポート。
巨大バレットの攻撃手段の一つを奪った。
ルフィら即興同盟と
ウソップの活躍で巨大バレットらが破壊されてバレット本体が飛び出した後は、「宝」を奪おうとバレットに迫ろうとしたが、
サンジに「ルフィの邪魔をするな」と足止めされた。
サンジの足止めを突破し、バレットから「宝」を奪ったルフィに迫るが、ルフィは「宝」を破壊。
ルフィ達はそのままローが逃したので、島に残ったルッチはカクやステューシーらと共に海賊達の拿捕を行なった。
マリージョアに残り、ウタのライブにより混乱の状況を
五老星に報告する。
普段は傲岸不遜なルッチも五老星に対してはある程度の敬意があるのか身をわきまえた行動を取っていた。
【余談】
書籍「
ONE PIECE FILM GOLD オフィシャルムービーガイド」には、ルッチがCP-0総監という記述があり、映画劇中では
ギルド・テゾーロがスパンダムと会った後でタナカさんに「もっと使えるやつをよこせとサイファーポール総監に伝えろ。あと、海軍からも10隻ほど軍艦を出してもらえ」と発言している。
しかし、原作はもちろん映画本編・設定画・ファンブックのいずれにもそういった描写や解説はないため、その設定が残っているのか不明。
- YouTube動画「尾田さんから何か送られてきたと思ったら…!ルッチが…!超技術でまさかの姿に!?」
原作者の尾田先生が今流行りのAIイラストに描かせたルッチ。
最初のイラストで女体化して、最終的には幼女と化してしまい、一部界隈からロリ・ルッチなんて呼ばれている。
ルフィと対峙した時は、ルフィから「戦いづれェ!」なんて言われてしまう始末。
ルフィもAIイラストの手により美少女化した結果、2人とも「戦いなんて・・・やめましょう・・・!!」なんていう本編ではあり得ないであろう和解が成立した。
ウォーターセブン~
エニエス・ロビー編の
ラスボスとして活躍したルッチだが、尾田先生が話を考えた当時はまだ設定が固まってなかった。
船大工が仲間になる展開は決まってたが、誰が加入するかわからなくするために個性的な船大工をたくさん登場させたとの事。
そして誰を敵にするか考えた際、「このハトをのせた変な奴にしよう!」と決定したそうな。
もし尾田先生の気分がその時違っていれば、パウリー達と逆の立場になっていた可能性もあったかもしれない。
『ルッチの代わりに追記・修正よろしく頼むポッポー!』
「なんでハトが喋るんだよ!!」
最終更新:2025年03月10日 16:54