ビザロ(スーパーマン)

登録日:2012/01/13 Fri 17:12:53
更新日:2024/01/10 Wed 09:09:51
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  • ビザロ

「ビザロ(Bizarro)」はDCコミックスのキャラクターで1958年に初登場した「スーパーマン」のヴィラン。
初出は『Superboy Vol.1』#68。この時は「ビザロ・スーパーボーイ」として扱われる。
現在のビザロとなるのは1959年の『Action Comics Vol.1』#254に登場。意外と古株である。
スーパーマンのクローンないし別次元の同一人物でもあったりと年代や作品によって変わるが、基本的にスーパーマンとは対極のヴィラン(敵役)である。
名前の由来は「奇妙な」を意味する「bizarre」から。






【概要】

スーパーマンの不完全な鏡像として生み出されたキャラクター。白い肌に不気味な顔をしており、コスチュームはスーパーマンとほぼ同じだがシンボルマークが鏡に映したようになっている。
スーパーマン並みのパワーを持ちながら精神や外見が不気味な存在として描かれ、その姿はフランケンシュタインの怪物を思わせる。
初登場の『Superboy Vol.1』#68でのコミカルさと怪物の悲哀を併せ持つ姿が評価されたのか『Action Comics Vol.1』#254に再登場。
それ以来、スーパーマンのコメディリリーフとして活躍した。
クライシス』によって『DCユニバース』が大きく変化すると、
ビザロもコメディな要素が薄れシリアスさや不気味さが際立つ存在として描かれるようになった。



【人物】

スーパーマンのクローンやコピーとして生み出され、その未成熟な精神からスーパーマンに迷惑をかけたりヴィランたちに利用されスーパーマンやヒーローたちと敵対することが多い。

『Superboy Vol.1』#68での能力はスーパーボーイと同程度の力と耐久力、飛行、スピード、スタミナを持つ。(光線系は無い。)
精神面は親切な心を持ちヒーローとして活躍する気であったが、自分自身の力を制御できず更に精神レベルが子供のままだったためスーパーボーイと敵対することになった。

『Action Comics Vol.1』#254での能力はスーパーマンと同等の力と耐久力、飛行、スピード、スタミナを持つ。 (力は若干上回っていた描写アリ。)光線系も打てるようにはなった。
その後『Superman Vol.1』#140で登場した際にスーパーマンの弱点である『クリプトナイト』を複製した『ブルー・クリプトナイト』が弱点となり、
『Superman Vol.1』#306で登場した際にスーパーマンの各種能力が逆になった『アイスビジョン』、『炎の息』、『鉛ビジョン』を使うようになった。

以降の作品ではこの能力がベースになり性格が幼稚だったり善悪を逆にとらえたりして騒動を巻き起こしている。
また単語の意味を逆にしたような独特の言語を使うことが多い(IをMeと言うなど)。



【主な活躍】

【シルバーエイジ】

1958年の『Superboy Vol.1』#68にビザロ・スーパーボーイという名前で、スーパーボーイの不完全なコピーとして初登場。
スーパーボーイに複製光線を当てることで生まれた偶然の産物。
親切心でとった行動が騒動を巻き起こしやがて住民やスーパーボーイから脅威と見なされる。
スーパーボーイとの戦いの最中に壊れた複製光線の中に自ら突っ込み自滅。なお、この時に起こした振動で唯一の友人である盲目の少女の目を治し、少女にだけはヒーローとして記憶された。

その後1959年の『Action Comics Vol.1』#254にスーパーマンの複製として再登場。
ビザロ・スーパーボーイについて新聞記事で知ったレックス・ルーサーが複製光線により自分に忠実なスーパーマンのコピーとして作成したが、できたのは不完全なものだった。
ビザロ・スーパーボーイ同様、善意の行動が騒動を起こしロイスをさらったことでスーパーマンと戦うこととなった。
『クリプトナイト』や予想外の行動でスーパーマンを苦しめるも、ロイスが生み出したビザロ・ロイスの存在に満足し彼女を連れて姿を消した。
その後、ビザロ・ロイスとともにある惑星にたどり着き自分たちを複製することでビザロだけの世界『ビザロワールド/ヒトラエ(Htrae)』を作り出し奇妙で可笑しい生活を繰り広げた。
・・・が、時々出現してはスーパーマンに迷惑をかけたりしていた。(主な理由:複製したロイスに褒められたい、等)

このビザロの最期は2通り存在し、1つはクリプトンの刑務所『ファントム・ゾーン』に存在した邪悪な存在Aethyrに『ビザロワールド』ごと滅ぼされた。
もう1つはシルバーエイジのスーパーマンの最終回として作られた『Whatever Happened to the Man of Tomorrow?』で、
ミスター・Mxyzptlkによってそそのかされ、スーパーマンの「完全な不完全なクローン」であるように努力するために『ビザロワールド』を破壊。
更にスーパーマンがクリプトンの生存者であるので、彼は自殺する。
「彼は子供と同じなんだ。」


【ポストクライシス

スーパーマンの歴史が大幅に変更されたことでビザロの存在も大きく変化することになった。

1体目の登場は1986年の『The Man of Steel Vol.1』#5。
メトロポリスを牛耳る男レックス・ルーサーはスーパーマンを密かに調べあげた。
そしてそのスーパーマンの分子データを分析。中国人科学者テンにそのクローンを作らせる。
しかし、テンはスーパーマンの正体を「地球人」と勝手に解釈しデータに書かれていた「異星人」ではなく地球人として仮定し、作り上げられる。
当然スーパーマンではなくクローンは不完全なものだった。(基本はシルバーエイジの頃のビザロに似るが、スペックは完全劣化。言語能力なし。)
そしてそのクローンはスーパーマンの記憶をわずかに残していたため勝手に行動を開始、この時にロイスの妹であり、盲目であるルーシー・レーンが自殺しようとしているのを救出。
ルーシー・レーンは彼がスーパーマンだと信じた。その後クラーク・ケントの勤めるデイリー・プラネットに出社したりロイスを連れ去ったりしたためスーパーマンと戦うこととなった。
最後はスーパーマンとの対決の末、粉砕されてしまうがその爆発で散った霧(ビザロのエネルギー)がルーシーの視力を回復させた。
これを見たスーパーマンは「ルーシーの視力を戻すため、わざとこの場で討たれる為にこの状況をつくったのかもしれない」と思った。

2体目の登場は1994年の『Superman Vol.2』#87。
当時クローンに脳を移植していたルーサーだったが、不完全なクローンだったため急速な老化が始まっていた。
そこで再び科学者()テンのクローン技術を復活させる事を部下の科学者、シドニー・ハッパーソンに命じる。
実験は上手くいったかのように見えた・・・が結局「ビザロ」が生まれる。
しかし、今回のビザロは1体目とは違い、スーパーマンにより近い能力を持ち会話能力や感情を持っていた。
さらに感情を持っていたためか1体目以上にスーパーマンの記憶を持ち、ある倉庫にガラクタでメトロポリスやスーパーマンの友人を作っていた。
そして1体目同様ロイスをさらうなど暴走を続けた結果、スーパーマンと戦うことになったが最後はルーサーに回収された。
ビザロとふれあい彼の純粋さを知ったロイスはスーパーマンとともに救出に乗り出すも、結局間に合わずロイスの手の中で息絶えた。

その後スーパーマン登場60周年記念作品『Superman Forever』での謎のビザロを挟んで、
3体目の登場は『Superman Vol.2』#160。
製作者はなんとジョーカー
ミスター・Mxyzptlkのパワーを99%奪ったジョーカー「エンペラー・ジョーカー」によって作られた世界から来たビザロ。
スーパーマンとは違い『クリプトナイト』で力を増し、スーパーマンの反対の能力に加え、『ビザロ・ビジョン』という新しい力を得ている。
このビザロの大きな違いはスーツの赤い部分が紫に変更された点であろう。拠点は孤独の要塞・・・ではなく孤独の墓地。
一時『ファントム・ゾーン』に送られたが、持ち前の馬鹿力を使ったのか脱出した稀有な存在でもある。
ジョーカーの元を離れてからはロシアのゾッド将軍やルーサーに利用され、『シークレット・ソサエティ・オブ・スーパーヴィランズ』に参加した際にはヒューマンボムを殺害した。
その後、地球を飛び出したビザロは『ビザロワールド』を作り上げ、新たな能力『ビザロ・ビジョン』で生み出したビザロ・ロイスと結婚し様々なビザロに囲まれながらヒーローとして活躍した。
・・・が、たびたび宇宙や地球での戦いにも巻き込まれた。


【ポストフラッシュポイント

『DCユニバース』全体の歴史が変更されたことでビザロも新たな歴史を歩むこととなった。

1体目の登場は『Forever Evil』#2。
ルーサーがスーパーマンの血液から作り出したクローン体。当初は人間に血液細胞を投与することで実験を進めていたが失敗したため、血液細胞を培養する方法に切り替え研究を進めていた。
本来なら完成まで10年の月日を必要としていたが、『ジャスティス・リーグ』が姿を消し自分が動かなければならないと感じたルーサーの手で半分の5年で目覚めさせられた。
その影響で醜い外見でスーパーマンの反対の能力を持ち知能も幼児並み。ただしルーサーには従順で彼を親のように慕っている。
名前の由来は研究のためにつけられた番号『B-0』からとられている。
『クライム・シンジゲート』との戦いでルーサーをサポートしていたが、最後は『Earth-3』のルーサー、マザースに殺された。その死にはルーサーも感じるものがある様子だった。

2体目の登場は『Red Hood and the Outlaws Vol.2』#2。
『クライム・シンジゲート』との戦いの後もルーサーは研究を続けていたが、結局上手くいかなかったため全てのクローンを廃棄することを決めた。
そのことを知ったブラックマスクはレッドフードとアルテミスの力を借りてクローンの1体を盗み出し自身の戦力に加えようとしたが、
レッドフードとアルテミスに防がれビザロは2人と行動を共にするようになった。
1体目より人間らしい外見と知能を持ちレッドフードとアルテミスを慕い人助けもこなしている(やりすぎたこともあったが)。
1度細胞崩壊を起こし命を落とすがルーサーの助けで復活し超人的な知性を手に入れ人格も知的なものに変化した。
その知性を活かし様々なガジェットを作りレッドフードとアルテミスをサポートしていたが、その頭脳が一時的なものだと知り焦燥に駆られ暴走気味になってしまう。
しかし最終的には2人の支えもあって安心して本来の人格に戻った。
そしてレッドフードがある事件を起こすのと時を同じくして彼が知性のある頃に作った秘密基地がゴッサムに墜落しかけてしまい、それを防ぐためにアルテミスととも姿を消した。
ヒーローが姿を消した異世界の地球に飛ばされてしまうが紆余曲折を経て帰還、レッドフードととも再会し再びチームで活動している。

その他マルチバースの1つ『Earth-29』のビザロがたびたび登場し騒動を起こしている。



【関連人物】

御存知「鋼の男」。ぶっちゃけ戦う以外は勝手に複製されたり、彼女を誘拐されたりと迷惑である。

  • ロイス・レーン
スーパーマンの彼女であり後の妻。ビザロにも気に入られ、複製されたり、別次元に連れていかれたりと忙しい。

  • レックス・ルーサー
スーパーマンの宿敵。ほとんどのビザロの生みの親。『ポストクライシス』では使い勝手のいい道具としか思っていなかった。
『ポストフラッシュポイント』では一種の情のような思いを抱いている。

『ポストフラッシュポイント』で2体目のビザロがチームを組んだヒーローたち。

  • ビザロ・ロイス
ロイス・レーンのビザロ。ビザロの最愛の人物。

  • ビザロJr.
シルバーエイジに登場したビザロの息子。顔超キメェ。ビザロとビザロ・ロイスの間にできた子供だが、
顔が地球人のようになってしまった為に『ビザロワールド』の人間から気持ち悪がられ、地球に送られる。
後に成長するにつれ顔がビザロのようになり、『ビザロワールド』に戻る。

  • ビザロ・スーパーガール
シルバーエイジに初登場したスーパーガールのビザロ。ビザロJr.にスーパーガールがいたずらされて(複製光線を浴びせられて)できた人物。
ビザロJr.を自分の手で育てようとした。『ポストクライシス』にも登場した。

  • ビザロワールドの住民
ビザロ・ロイスと共に住むことになった星の住民。シルバーエイジでは当初ビザロとロイスのコピーばかりでオリジナルビザロには「#1」のタグが付けられていた。
その後徐々に他のヒーローやスーパーマンの友人のビザロも出現していった。『ポストクライシス』では最初から様々なビザロが生まれた。



【主なメディアミックス】

  • アニメ『スーパーマン(1996)』
声…ティモシー・デイリー 吹…辻親八
バットマン(アニメ1992)』や『ジャスティス・リーグ』と世界観を共通するアニメ作品。
シルバーエイジのビザロを思わせるコミカルなトラブルメイカーで、当初はスーパーマンと敵対するがいつしか友人のような関係になった。



スーパーマン「なんだこれは?ビザロ!姿を見せろ!どうしてこんな項目を立てた!理由はなんだ!」

ビザロ「簡単だーよ!ビザロの自己進化計画なんだナ!オラは突然気づいたんだーよ。まだオラはオメェの完全な不完全コピーじゃねぇ。完全に正反対にならンとナ。」

「例えば、オメーの項目は勝手に吹っ飛んンだから、赤ん坊のおめぇは冥殿にBANされたンだナ・・・だからオラはワザとビザロワールドを吹っ飛ばして、大人のまま項目たてタんだな!」

「そう!これで完全な正反対なンダな!そんなのは序の口だ!スーパーマンは項目を作らナい・・・」

「だからオラはいっぱい内容を作ったンさ!みんな嬉しそうに悲鳴を上げて通報してったよ!・・・でも、ようやくオラは気づいたんだ。完全な不完全コピーになるためにゃ・・・」

「もっともっと、追記・修正が必要なンだナ!」

「スーパーマンよ、オメーの項目が完璧なら、完全な不完全なコピーのオラは・・・なーんか眠たくなってきた。こんちはスーパーマン。こんちは。」


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最終更新:2024年01月10日 09:09