ゾイドフューザーズ

登録日:2011/05/02 Mon 18:02:48
更新日:2024/04/13 Sat 10:15:37
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目次



作品概要

『ゾイドフューザーズ』は、2004年10月3日〜翌年4月3日までに放送された『ゾイド』のアニメ作品。全26話。

前2作『ゾイド -ZOIDS-』『ZOIDS新世紀/0』から放送局がテレビ東京系列に変更されている。
また次作『ゾイドジェネシス』までの4作品中、唯一「XEBEC」が関わっていないゾイドアニメとなっている。
前作までのCG技術は、人事の問題などによって実質的に再現不可能の状態となっていて、作画や表現なども制作会社が異なるなどの事情があって法的にも前作を踏襲することが難しい事情もあった。
この辺のあれこれやスラゼロとの差別化要素もあり、本作は良くも悪くも「スラゼロを意識してはいるが全然違う作品」となっている。
結果、一定数のファンは獲得出来た一方でアンチも多く、商業的にもあまり上手くいかなかった。
そもそも前2作がアメリカ合衆国で人気を得たことからアメリカ側に制作を要請された作品で、当初は日本での放送予定すらなかった*1のに、当のアメリカでは前半1クールで打ち切られてしまったという悲しみを背負った作品でもある。

ゾイド第2期のアニメ作品の例に漏れず視聴手段は限られており、再評価の機会にもあまり恵まれない不遇な立ち位置だったが、シリーズ40周年を記念し、2023年6月から他の第2期アニメ3作と共にYouTubeのタカラトミー公式ホビーチャンネルにて無料配信が開始された。

世界観

登場ゾイドの傾向としては、ネオゼネバス帝国が登場した頃の中央大陸戦争時代の機体が中心。
世界観は、前2作やジェネシスとは全く異なる世界のものとなっており*2、コロコロコミックなどの誌面で展開されていた「ゾイドバトルストーリー」の「三体の古代虎」世界を準拠にした話となっている。
舞台もゾイドバトルストーリーの東方大陸であり、紀年法の「ZAC」もゾイドバトルストーリーと同じ。
ゾイドバトルストーリーとの繋がりは、アニメ本編で僅かに仄めかしているものの、放映当時の雑誌やメディアミックスなどではこれを反映した設定も公開されており、公式の裏設定のようなものと言える。

戦争ではなくゾイドで戦う競技である「ゾイドバトル」を題材とし、弱小チームに所属する主人公がライガーゼロを駆るという点はスラゼロとは似通っている。
一方で主な舞台が大都市であるブルーシティという事もあり、他のゾイドアニメシリーズと比較してゾイドバトル用スタジアムや市街地など人工物を舞台としたバトルも多い。

本作の特徴となる要素は複数のゾイド同士が合体して大幅なパワーアップを遂げるZiユニゾンである。
タイトルの「フューザーズ」とは「融合する」「結合する」を意味する「fuse」をもじって、ユニゾンして戦うファイターたちを指しているのだろう。

劇中曲

音楽を担当したのはなんと小室哲哉氏。TM NETWORKでの作曲とキーボードを担当、様々な歌手をプロデュースし1980年代から1990年代にかけて一時代を築いた人物である。アニヲタの諸氏には「シティーハンター」の「Get Wild」と「逆襲のシャア」の「BEYOND THE TIME」の作曲を手掛けた方と言えば通りがいいだろう。
しかし直接手掛けたのはOP・EDのみで、劇中BGMは当時の小室の専属マニピュレーターの2人が制作していた。

あらすじ


東方大陸の都市ブルーシティ。
そこでは、「Zi(ズィー)ファイター」と呼ばれるゾイド乗り達が、チームを組みゾイドを駆って戦う「ゾイドバトル」が流行していた。チーム・マッハストームに所属し「伝説のゾイド」を探し求める主人公「RD」もまたゾイドバトルに魅了され、参戦の為になんでも屋で資金繰りをしていた。
そんな最中行なわれたエキシビジョンマッチにて、ゾイド同士の合体「Ziユニゾン」の存在が明らかになる。ゾイド権威のピアーズ博士が「全てのゾイドにZiユニゾンの可能性がある」と発表したことを機に、Ziファイター達は自分のゾイドとユニゾン可能な「Ziパートナー」を探し始めた。RDもまた、愛機のライガーゼロとユニゾン出来るゾイドを求めて動き出す。


登場人物

チーム・マッハストーム(以下MS)

時計塔の下に事務所を構える、主人公RDが所属するチーム。
かつてはリーグ戦にも出るほどの強豪チームだったが当時のリーダー・グラハムの死亡やアッシュの離脱やマービスの脱退などが原因で衰退し、今ではゾイドバトルだけではチームを運営できずハンティングや荷物の輸送などの「何でも屋」を兼業してバトルのエントリー費用を稼いでいる。経営状況はあまりよろしくない。

◆RD
CV:野島健児
搭乗ゾイド:ライガーゼロ*3
Ziユニゾン:ライガーゼロフェニックス→ライガーゼロファルコン
本作の主人公。名前は略称ではなく、そのまま「アールディー」と読む。
性格は子供っぽいが子供扱いされることを嫌う。
行方不明の父が追い求めた「伝説のゾイド」との出会いを夢見て、父の愛機だったライガーゼロと共にゾイドバトル出場を目指す。
道路をゾイドで走って治安局のガミーに追いかけ回されるなど、奔放な性格。

戦闘スタイルはミサイルやビーム、キャノンなどの射撃を行わず、相手の懐に飛び込んでストライクレーザークローなどの爪・牙による打撃攻撃を行う戦法で、これはかつてのマスクマンのバトルスタイルを参考にしている。

当初はユニゾンで戦うことに否定的だったが、ファイヤーフェニックス*4に惚れこみ、彼に認められてからはZiパートナーとして共に戦うようになる。
神出鬼没なファイヤーフェニックスだが、必要とあらば現れ、装甲をパージしたライガーゼロとユニゾンして「ライガーゼロフェニックス」となる。*5
散らばった装甲をどのように回収しているかは不明。いちいち拾い集めているのだろうか……

ライガーゼロフェニックスが発現して以降はバトルロイヤルなどで快進撃を続け、ファイヤーフェニックスとの絆も深めていくのだが、クラッシャーズの「マトリクスドラゴン」に初めて敗北。
さらにブレードの新機「凱龍輝」には、ユニゾンしていない凱龍輝に完敗したうえ、ファイヤーフェニックスを破壊されてしまい、戦友ともいえるフェニックスを失ったことで数話連続でチームの仕事にも支障を来すほどのショックを受けていた。
しかし、ウルカの森で不思議な少女「フェニス」と出会い、さらには彼女の導きで新たなZiパートナー「ジェットファルコン」と共にユニゾンで「ライガーゼロファルコン」を発現。
フェニスとジェットファルコンとの出会いで完全に立ち直ったRDだが、これまで裏から僅かながらにしか接触してこなかったリヒタースケールの計画に、ここから本格的に巻き込まれていく。

◆スイート
CV:中村千絵
搭乗ゾイド:グスタフ
RDより1歳年上の幼なじみで保護者役。
何かと世話を焼くため、RDからは姉を通り越して母親と表現されている。
小さい頃にRDからプレゼントされたポーチを今も大事に使っている。
Ziファイターではないが、チームの足としてグスタフを駆る。

◆マスクマン
CV:中田譲治
搭乗ゾイド:コマンドウルフAC
Ziユニゾン:コマンドストライカー
現MSの実質的リーダー。
MSがかつて強豪チームとして名を馳せていた頃より所属している古株。
その時は「マービス」という同チームのZiファイターと親友だったのだが、彼が治安局ゾイドを攻撃し犯罪者となった後は、彼の逮捕に治安局へ力を貸しており、それ以降はマービスとの因縁が生まれた。
冷静沈着で頼れる性格で、RDにとって父親の様な存在で、かつての爪と牙による接近戦に憧れた彼の師的な存在ともいえる。
その名の通り目元を隠すマスクをしているが、誰一人触れなかったし、別に物語終盤で外すこともなく実は正体がレギュラーキャラの誰かの身内だったということもなかった。

物語序盤では特にRDとシグマのいがみ合いが絶えなかったため、旧友ハルドの危険な依頼を敢えて受けさせることで「チームを前に進ませる」決断をした。
そして、刑務所からマービスが脱獄した際は、彼との決着をつけるため一人で戦おうとしていたが、チームとしてRDやシグマと共に戦うことを決意。この果し合いともいえるバトルの中で、シグマのコマンドストライカーとのユニゾン「コマンドストライカー」を発現した。

RDがファイヤーフェニックスを失い失意に墜ち仕事にも支障を来すようになった時には、彼を𠮟責している。
ハンティングの依頼でベニエス高原にて「アルファ・リヒター」と初めて対面し、彼の支配的な思想を聞いた時には誰よりも早く疑問を抱いていた。

リヒタースケールの策略によりゴジュラスギガが暴走した事件の後、暴走の原因がマスクマン本人にあると虚偽の罪を着せられてしまう。

◆シグマ
CV:勝杏里
搭乗ゾイド:ボルドガルド→レオストライカー
Ziユニゾン:コマンドストライカー
射撃戦を得意とし、「一撃必中」がポリシーのMSメンバー。
これは、かつてマッハストームに所属していた「マービス」のバトルスタイルで、彼に憧れて教えてもらったもの。
RDとは度々子供じみた口喧嘩を繰り広げるが、マスクマンの策で受けたハルドの依頼の一件である程度は共に認め合うようになった。

謎の見えない通り魔ゾイド事件が世を騒がせている中、事件の犯人が操るセイバータイガー・ホロテックの襲撃に遭う。
愛機ボルドガルドは、死亡こそ免れたもののゾイドバトルに出場できないほどの深いダメージを負って保護区送りとなってしまい、ひどく落ち込んでいた。ボルドガルドにはかなりの愛着があったと思われる。
しかし、ハルドの協力でホロテックへリベンジを果たすため「レオストライカー」を授かり、特殊なペイント弾でホロテックを追跡する戦法で見事に勝利し、ボルドガルドの敵討ちを果たす。

そして、かつての師だったマービスの脱獄の一報を知った際には動揺していたが、RDの言葉で彼と戦うことを決意。このバトルの中、マスクマンのコマンドウルフとのユニゾン「コマンドストライカー」を発現した。
マトリクスドラゴン戦では、ユニゾンの状態でマトリクスドラゴンのパーツの接続部を射撃する作戦を担当することになる。

リヒタースケールによりゴジュラスギガ暴走事件が引き起こされた際には、RDを除くチームメンバーと共に治安局に連行されてしまうが、RDのゼロファルコンの襲撃で収容所を脱獄した。

◆エミー
CV:水野愛日
搭乗ゾイド:ケーニッヒウルフMk-Ⅱ
一応MSに所属しているが、単独で行動している事が多く、実質フリーのZiファイター。年齢は24歳。
その為、肝心な時に不在になり、そう言う意味で役に立たない事がしばしば。

実はセイバータイガー・ホロテックを用いて襲撃事件を起こしていた犯人「キッド」の恋人で、彼とはかつてチームを組んでいた。
しかし、「弱いゾイドでは勝てない」という考えを持った彼と別れて長い間が経っていたが、今回の事件で再会する。
自分の強さを証明したつもりでいる彼の間違いを指摘するため、彼にゾイドバトルを挑むのだが、残像さえも作り出せるホロテックには勝つことができなかった。
その後に登場したシグマとレオストライカーによりホロテックが撃破され、逃げようとするキッドに強烈な一撃を浴びせた。

◆マット
搭乗ゾイド:なし→レオブレイズ→なし
訳あって1人で暮らしていたが、チーム・サベージハンマーの仕事の一環に巻き込まれてMSに居候する事になった少年。MSでは雑務をしっかりとこなすようになる。

Ziファイターになるのが夢で、練習機としてRDにレオブレイズを勧められ搭乗。
自分の住む街が、サベージハンマーの息がかかった都市開発事業により破壊されてしまい、彼らを追い払うためにレオブレイズでバートン達に挑もうとした。

その後も時折RDと練習試合をしていたようで、ある日の練習でRDに褒められた事でZiファイターになるため試験を受けに行こうとするが、そこで出会った「クラッシャーズ」のワッツ、バルカン、ミゲールの3人組に目を付けられる。
彼らの目的は「マトリクスドラゴン」のユニゾンに必要なレオブレイズであり、マットのレオブレイズが自分達のゾイドと適合することを発見されたことで、マトリクスドラゴンの発現と共にレオブレイズを強奪されてしまう。

それ以降は自分でゾイドを操縦する機会はなくなるのだが、ファイヤーフェニックスを失って気力をなくしたRDを復活させるため、ダンと共にウルカの森に行き新たなZiパートナーを探そうとしたりするなどでサポートしていく。

◆ホップ
MSの経理を担当する男。ブラウンシティ*6出身で兄弟もいる。
小心者で普段は温厚な性格。
だが、チームの慢性的な財政難には悩まされており、特にRDが騒動を起こした際には激怒する。経営難故に、多額の修理費などが発生するゾイドバトルへの参加はあまりしないようにしている。

◆ダン
メカニックの求人に応募してMSに加入した男。
ライガーゼロに惚れ込んでおり、ライガーゼロを所有しているチームとしてMSを選んだ模様。
CAS(チェンジングアーマーシステム)のことも知っている。*7
メカニックとしての腕は本物で、ユニゾンゾイドの時間制限という弱点を発見したり、暴走するゴジュラスギガの目標を特定し、大量のゾイドのメンテナンスなどもでき、最終話まで活躍する。


マッハストーム関係者

◆アッシュ
RDの父親。
「伝説のゾイド」を追い求めて、チームを離れて旅立っていった。

◆ハルド
搭乗ゾイド:グスタフ
先代MSの頃から親交がある初老の男。何でも屋を兼業する現在のMSにも客として依頼をする事も。
イチゴソーダを愛飲している。
長年いくつものグスタフを乗り換えてきたが、それぞれのコントロールレバーを部屋に保管しているなど、ゾイドとの思い出を大事にしている。
ボルドガルドを失って傷心のシグマには思うところがあり、見かねてレオストライカーを提供する。

リヒタースケールによるZiファイター狩りが横行する中で、優秀なZiファイターとしてレベッカをRD達に紹介したり、レジスタンスに協力する形をとっていたが、レベッカの正体がアルファ・リヒターの秘書であることには気づいていなかった。

◆マービス
搭乗ゾイド:シャドーフォックス→スティルアーマー
Ziユニゾン:ベルセルクセイスモ
MSの元メンバー。射撃による一撃必中スタイルを主とする。
強さだけを追い求める残忍な性格で、そのためにはあらゆる手を用いる。MSへの所属も、その一環でしかなかった。
MS所属時はマスクマンと親友関係で、自身のバトルスタイルに憧れるシグマに戦い方を教えていたりしていたが、治安局ゾイドを襲撃したことで投獄される。この際、マスクマンが治安局の捜査に協力していたことから、マスクマンにも強い敵対心を抱くようになる。

実は、治安局襲撃事件の前に行われていたゾイドバトルにて、MS創始者でありチーム・サベージハンマーのサンドラの父親である「グラハム」を殺害していた。
その上でグラハムを殺害したのはマスクマンであるとサンドラに吹き込んでおり、彼女を歪ませる一因を作った人物ともいえる。*8

マスクマンへの復讐のため、物語内で刑務所から脱獄。
彼に「時間無制限のゾイドバトル」という果たし状を叩きつけ、ゾイドの軍団を率いて現MSと戦う。
コマンドストライカーとライガーゼロフェニックスに軍団は全滅させられ愛機シャドーフォックスも撃破されるのだが、バトルはこれだけではなく「時間無制限」であるということ、さらに自身は「もっと強くなる」と言い放って姿を消していった。

そして物語終盤、リヒタースケールが本格的にブルーシティ支配のため動き出した頃に再び姿を現す。
アルファ・リヒターの部下となり、新治安局の局長補ならびに制圧部隊「キュラッシャー隊」の隊長となってマスクマンと再会。
民を制圧できる権力という強さを手にしており、さらにスティルアーマーとセイスモサウルスのユニゾンにより発現した「ベルセルクセイスモ」を得たことで、自分の欲しかった圧倒的な強さをも手に入れた。

◆グラハム
搭乗ゾイド:セイバータイガー
MSの創始者兼旧リーダー。サンドラの父親。
ゾイドバトルの最中、マスクマンを狙ったマービスの不意討ちからマスクマンを庇って死亡する。

チーム・サベージハンマー(以下SH)

◆ブレード
CV:間島淳司
搭乗ゾイド:ジェノザウラー→バーサークフューラー→凱龍輝
Ziユニゾン:バスターフューラー→凱龍輝デストロイ、凱龍輝スピード
本作のライバルキャラ。愛称は「ブレードさん」。
マービスの一件で歪んだサンドラがブレードという戦力を欲したため、当時搭乗していた「ジェノザウラー」に細工をされRDに敗北。
ジェノザウラーの故障の原因はRDにあると吹き込まれて以後、RDを目の敵にして執拗に付け狙う。その一方で主義に沿わない依頼は受けない芯の通った一面も。
肉体的な強さもかなりのもので、バルカンに背後から殴りかけられた際には回避と反撃を行っている。

SHに加入後はサンドラからバーサークフューラーを授かる。「フューラー」と呼び、話しかける所を見るとゾイドへの愛着は強い様子。
Ziユニゾンの概念が明らかになってからは、ピアーズ博士の協力を得てリュックと共に、バスターイーグルとのユニゾン「バスターフューラー」を発現。
しかし、クラッシャーズとMSとの三つ巴のチーム戦の中で乱入してきたエナジーライガーの襲撃で、バスターフューラーが再起不能に陥る。

その後、エナジーライガーに復讐するため、手持ち型のビームランチャーを構えて単独でエナジーを追い続けるという行動に出る。
そんなブレードの力になりたいと思ったリュックにより「凱龍輝」を与えられ、エナジーを再び追い求め始める。
ベニエス高原で、リヒタースケールのディスペロウ、エヴォフライヤーを従えZiユニゾン「凱龍輝デストロイ」を、その後のサクイの民との戦いで「凱龍輝スピード」を、それぞれ発現させるのだが、(究極のゾイド候補としてリヒタースケールに作られた)凱龍輝本体を含めたその異常な性能の高さ*9に疑問を抱く。

◆バートン
CV:石野竜三
搭乗ゾイド:ロードゲイル
SH所属のZiファイター。
言葉使いこそ丁寧だが、その性格はブレードとは真逆で、汚い事にも平気で手を染める。
実はリヒタースケールから送り込まれたスパイであり、SHを通じて様々なリヒタースケールの計画を実行していた。
特に、ラスターニの兄であるレナートに、キメラユニットの実験機である「フライシザース」「シェルカーン」「デモンズヘッド」「ディプロガンズ」を与えたのも、リヒタースケールの「オペレーションジェネシス」に必要なデータ収集のため。
当然ながら、グラハムが死亡した原因がマービスであることも知っていた。
「レジスタンス制圧部隊」の隊長を命ぜられ、キメラユニット「シザーストーム」「レーザーストーム」を与えられたが、足止め程度にしかアテにされていなかった。

◆リュック
CV:下和田裕貴
搭乗ゾイド:バスターイーグル→レオゲーター→セイスモサウルス
Ziユニゾン:バスターフューラー→アルティメットセイスモ、ベルセルクセイスモ
ピアーズ博士を通じてSHにバスターイーグルのZiファイターとして紹介された少年。

実は、リヒタースケールのボス「アルファ・リヒター」の息子。*10
エナジーライガーによりバスターフューラーを破壊された後、エナジーへの復讐に燃えるブレードの力になるため、「凱龍輝」を与える。
この凱龍輝はリヒタースケールが「オペレーションジェネシス」の一環として開発した「究極のゾイド」候補の一体であり、リュックが勝手に持ち出した形となる。

それ以後、ブレードやSHの前から長らく姿を消していた。
凱龍輝を勝手に持ち出した罰の可能性が高いが、アルファの秘書であるレベッカのディメトロプテラに洗脳され、レオゲーターに登場し、リヒタースケールのZiファイター狩りの一環としてゾイドを襲撃する「通り魔事件」を起こす。
セイスモサウルスが表に出始めた後は、自らも洗脳された状態でセイスモサウルスに搭乗してサポート担当を担う。

◆サンドラ
サベージハンマーのオーナーを務める女性。
いつも飼い猫のエルザを膝に抱いている。
ライガーゼロの奪取を窃盗団に依頼したかと思えば、情報を治安局にタレコミするなど腹の読めない人物。

実は、リヒタースケールのボス「アルファ・リヒター」の義妹
義妹という経緯も複雑であり、自身の父でありMS創始者だったグラハムが死亡した後、サンドラの母がアルファの父と再婚していることによる。
グラハム死亡の原因は、後にMSのリーダーとなる「マスクマンの仕業」であるとマービスにより吹き込まれ、それを信じ込んでマッハストームやマスクマンを憎むよう仕向けられた
再婚した2人の仲は良好だったため、MSへの復讐に協力という形で、アルファの力により資金や裏社会の人間との関わりを与えられ、さらには「チーム・サベージハンマー」の結成にまで至った。

打倒MSの戦力として当時新人Ziファイターだったブレードを欲し、彼のジェノザウラーに細工を行い、ブレードがMSのRDを憎むよう仕向けSHへ加入させるなどの悪事を行い続ける。
しかし、物語終盤でアルファが「オペレーションジェネシス」の最終段階へ突入すると、これまでの全ては「遊びでしかなかった」と告げられると同時にアルファとの関係も切られ、SHの全てを失うことになる。

その後はアルファに対抗するZiファイター軍団「レジスタンス」に協力するようになる。
しかしここへリヒタースケールのスパイだったバートンが現れ、グラハム死亡の真相を知ってしまう。

アルファとの戦いが終わった後は、マスクマンに対する憎しみや恨みも消え、かつて父が在籍していたMSへ移籍している模様。


ブルーシティ治安局

この世界での警察組織であり、その乗機にはパトライトが装着されている。
MSとは腐れ縁の関係となっており、特にRDには手を焼かされているが、事件となれば協力し合うこともある。
職務には忠実であり、RDが事件解決に貢献したとしても、それで騒動のお咎めを帳消しにするようなことはしない。

◆ガミー
CV:梁田清之
搭乗ゾイド:ゴジュラスギガ
治安局チーフ。「上層部」が別にいるようなので、立場的には現業職のトップというところか。
厳格だが、優しい性格で市民からの信頼も厚い。
RDが起こす厄介事に手を焼かされており、度々説教をしている。その様は熱血教師と悪ガキのよう。
子供はいないようで、チャオがゲストキャラの男に惚れた際には娘を嫁にやる親の気持ちはこのようなものかと語った。

ゴジュラスギガとは長い付き合いで「相棒」と呼んでおり、「ブルーシティの守護神」と呼ばれている。
ユニゾンゾイド相手でも全く引けを取らない圧倒的戦闘力を持つ守護神だが、物語終盤でリヒタースケールと関わりを持つピアーズ博士により暴走させられ、「破壊神」となってしまう。
RDやブレードの協力、そして自身とゴジュラスとの絆の力で何とか暴走を止めるのだが、今回の事件でメディアにゾイドの危険性を煽る報道をされてしまう。
丁度その頃はブルーシティの選挙期間であり、今回の事件に乗じZiファイターに対する強い取り締まりを掲げていたアルファ・リヒターがブルーシティ市長に就任したことで、治安局の組織体制を大幅に変えられたうえ、ガミー自身は事件の責任を取る形で降格させられてしまう。

Ziファイターやそのゾイドに対し、大量のキメラユニットで殲滅行為をする過激なアルファの施策に対し、自身はゴジュラスギガを用いて新市長就任演説を行っているアルファの前に立ちはだかり、異を唱える。
しかし、アルファがついに完成させた究極のゾイド「セイスモサウルス」が現れ、ゴジュラスギガは2連装レーザーの一撃で戦闘不能になってしまった。

しかし、治安局も奪われゴジュラスも通用しない相手に怖気づくことなく、市民を守ることを一貫し「レジスタンス」に加入。さらに治安局に乗り込んで部下たちを救い出し、キュラッシャー隊隊長マービスのスティルアーマーをゴジュラスとの絆の力で打ちのめし、打倒アルファを目指してセイスモとの決戦へ向かう。

◆チャオ
搭乗ゾイド:アロザウラー
治安局の女性職員。
階級は巡査で、生真面目な性格。
とある回ではゲストキャラのイケメン(C.V.櫻井孝宏)に惚れてしまい……

◆ディド
搭乗ゾイド:ゴルヘックス
治安局の男性職員。
射撃の腕は治安局でも3本の指に入ると自称する。
好物はカプチーノとビターチョコのケーキなようで、MSに訪問した時には図々しく要求した。

チーム・ブラックインパクト(BI)

ブルーシティのリーグでチャンピオンに君臨するチーム。
3人のメンバーは全員ブレードライガーBIを愛機としている。

◆ラスターニ
CV:小西克幸
チーム・ブラックインパクトのリーダー。
ゾイドバトルチャンプとして君臨していたが、Ziユニゾンが登場して以降は徐々に噛ませになっていく。性格もややヘタレ気味。が、やる時はやってくれる人。………多分

第1話、第2話でのキラースパイナーとの一戦でZiユニゾンの驚異的な性能を知る。
そして物語中盤、自身も参加するバトルロイヤルに、快進撃を続けるMSのRDのライガーゼロフェニックスが参加することが決定。
ユニゾンの強さを体感しているラスターニは卑劣な行為を用いてでも勝利を掴み取るべく、対ユニゾンゾイドのため他の参加メンバー3人に招集をかけ、「ライガーゼロフェニックスを集中攻撃して倒す」と事前に打ち合わせをする。
実戦では打ち合わせ通りにゼロフェニックスを追い詰めていくが、RD・ゼロ・フェニックスの絆の力の前に敗北。

それ以降はしばらく登場しないが、前回の敗北を真摯に受け止めZiファイターの心意気を取り戻したのも束の間。
兄「レナート」がキメラユニットを導入しチームの経営権を握ったことに反発し、RDに協力を求める。

実はゾイドサーガフューザーズの主人公であるウィルは彼のファン。

◆ビリー・ワイルド
チームのメンバーでNo.2。ラスターニの指示を的確にこなす。

◆ジャッキー・ブライアン
同じくチームのメンバーでNo.3。
ユニゾンゾイドという未知の相手にも臆せず接近戦を挑むあたり、猪突猛進型のようだ。

◆レナート
使用ゾイド:フライシザース、シェルカーン、デモンズヘッド、ディプロガンズ
Ziユニゾン:キメラドラゴン
ラスターニの兄。根っからのビジネスマン。
一時は父親からチームの運営権を奪い取って、弟のラスターニを含む全メンバーの登録を抹消。
ゾイドバトルさえもビジネスと見なし、バートンを通じて入手した「戦術AI」を搭載した「キメラユニット」の4機を用いた効率至上主義のチーム運営を計画。
しかし、キメラユニットが暴走し制御不能となる事態に陥ってしまい、その騒動が鎮圧された後に経営する自信を失って、経営権は最終的にラスターニへと移る事となった。


チーム・ドラールス

海外では「Dark Assassin」というチーム名だが日本版ではチーム・ドラールスに変更されている。
グリーンシティからブラックインパクトのラスターニに勝負を挑みにきた双子の兄弟チーム。
バートンの計らいにより、MSとのエキシビションマッチが決定された。

◆マロイ・ドラールス
CV:山口隆行
搭乗ゾイド:ダークスパイナー
Ziユニゾン:キラースパイナー
兄の方。

◆ラトル・ドラールス
CV:桐井大介
搭乗ゾイド:キラードーム
Ziユニゾン:キラースパイナー
弟の方。

クラッシャーズ

MSを倒すためにサンドラに雇われた三人のチーム。
マットを騙してレオブレイズのデータを入手し、四体ユニゾンのマトリクスドラゴンを完成させる。
MSとSHの模擬戦の裏でブレードと「マトリクスドラゴンとバスターフューラーのどちらがチームのエースに相応しいか」で対立し、バトルの際にはブレードとリュックのバスターフューラーやバートンのロードゲイルも巻き込むような攻撃を仕掛けてくる。
が、突如乱入したエナジーライガーの攻撃によってマトリクスドラゴンは大破してしまう。
この時バーサークフューラーも巻き添えで大破した事と、乱入前の混戦でロードゲイルを中破させていた事から、サンドラに解雇される。

◆ワッツ
搭乗ゾイド:ウネンラギア
Ziユニゾン:マトリクスドラゴン
チームのリーダーで言葉遣いこそ紳士的だが、先の通りブレードら生え抜きメンバーとの対立。
MSとの試合に便乗して、チームのエースを決める事を提案したのも彼。

◆バルカン
搭乗ゾイド:モサスレッジ
Ziユニゾン:マトリクスドラゴン
喧嘩っ早い性格でブレードに何度か殴りかかろうとするがその都度ワッツに止められる。
ワッツの制止前にブレードに襲いかかった事もあるが、あっさり躱され逆に手首を掴まれ投げ飛ばされてしまった。

◆ミゲール
搭乗ゾイド:ナイトワイズ
Ziユニゾン:マトリクスドラゴン
レオブレイズがマトリクスドラゴンにユニゾンできる事を解明しているあたり、チームの分析役のようだが影が薄い。


リヒター・スケール(RS)

物語中盤でエナジーライガーが出てきた後から、徐々に表舞台に出始める。
数々の陰謀から、実は物語序盤より既に様々な形で接触していた。

◆アルファ・リヒター
搭乗ゾイド:セイスモサウルス
Ziユニゾン:アルティメットセイスモ、ベルセルクセイスモ
ブルーシティの市議。父は「ロブ」であり、前述の通りサンドラの義兄。
莫大な資産家であり、ベニエスと呼ばれる場所に別荘まで所有している。
本格的にRDらと接触を開始したのは第20話「エヴォリューション」だが、後述の究極のゾイド候補であるエナジーライガーが初登場した翌話の第14話「魔竜覚醒」で既に声だけは登場済み。

人やゾイドは放っておくと混沌を生む集団にしかならないため、それらは絶対的な力を持つ者(=アルファ自身)が支配・統率しなければならない、という思想を持つ。
その思想を実現する計画こそが、究極のゾイドを完成させその力でブルーシティを足掛かりに惑星Zi全土を支配する「オペレーションジェネシス」である。
計画のためには、息子のリュックも、義妹のサンドラも平気で利用し使い捨てる冷徹さを持つ。

市長になる直前までは、市議としてメディアに出演し多発するゾイドによる事件*11に意見するなどの姿勢をとっていた。
物語終盤に、裏の顔であるリヒタースケールを通じて、ブルーシティの守護神であるゴジュラスギガを暴走させ、「ゾイドは人間にとって危険な存在である」という思想を市民に植え付けたことを決定打にブルーシティの新市長に就任した。
新市長に就任した直後から治安局内部の改造を始め、治安局ゾイドとしてリヒタースケールが完成させた*12無人の量産キメラユニット「シザーストーム」「レーザーストーム」を大量配備。
Ziファイターの規制担当として特別行動部隊「キュラッシャー隊」を新設し、その隊長ならびに局長補としてMSやSHと因縁深い犯罪者「マービス」を任命し、Ziファイターや反対派の市民らを冤罪で捕えゾイドを没収・処分していき、自分達に抵抗しうる勢力を片っ端から制圧していった。

さらに、オペレーションジェネシスの一環で完成した究極のゾイド「セイスモサウルス」を使い、ブルーシティの守護神とされるゴジュラスギガを市長就任式にて一撃で戦闘不能に陥れることで新たな守護神を名乗り、オペレーションジェネシス達成のため、今作のラスボスとして立ちはだかる。

ゲーム版「ゾイドサーガフューザーズ」では、Zi-Arms*13社長・クラウンと繋がりがあり、彼の部下のラミアから「セイスモサウルス」のデータを提供されたという描写があった。

◆レベッカ
搭乗ゾイド:ディメトロプテラ
アルファの秘書。
Ziファイターとして表でも動くので、もしかすると名前は偽名やコードネームの類かもしれない。

リヒタースケールの顔としてはディメトロプテラ(プテラノドンモード)の特殊なパルスでリュックを洗脳し、アルファが目的とするZiファイター狩りのため、リュックにZiファイターを襲撃させて回っていた。
このことはサクイの民によって調査されており、「通り魔ゾイドの片割れ」と称されている。

打倒アルファのため結成された「レジスタンス」には表の顔のZiファイター(ディメトロドンモード)としてハルドの紹介で潜入。アルファにレジスタンスの隠れ場所を通達し、さらにはレジスタンスのゾイドの大半に対し起動不能となるよう細工を施す。
そうしてアルファから送り込まれたバートンをはじめとしたレジスタンス制圧部隊の到着に合わせて行動を開始。プテラノドンモードに変形し、細工を免れた一握りの戦闘可能なレジスタンスのゾイドを背後からの不意討ちで駆逐した。


サクイの民

遥か東のサクイと呼ばれる国から来た異国のZiファイター。
RDとブレードを倒すためにアルファ・リヒターが迎え入れた。
搭乗するグラビティゾイドは剣を咥えていたりバイクのような形態になれるなど異質なデザインが特徴。
さらにワープができるとんでもない性能だが、乗り手の3人がいずれもコミカルな人物なのでシリアスさが相殺されている。
といっても性格の問題を無視して純粋な操縦技術だけで見れば、決して弱くはない。
また武術・体術にも長けている。

だが「自分達は悪党には味方しない」としてリヒタースケールと手を切り、終盤ではリヒターの策略で捕らえられたZiファイターの救出に協力するなど、見逃せない活躍をしてくれる。

◆バラフ
搭乗ゾイド:グラビティーウルフ
3人のリーダー。
豪快な性格のおっちゃん。細かいことは気にしない性格で、よくデカい声で笑う。
過去にも都市部を訪れた経験があるようで、ブルーシティに初めて来たファンとツルギに対し、都市に関する知識を説明する場面も。ただしその説明はどこかズレている。

◆ファン
搭乗ゾイド:グラビティーザウラー
紅一点で中華風の女の子。3人の中では(感性だけは)比較的常識人。
なのでバラフが都市インフラなどを説明した際、そのズレた説明に違和感を持って聞いていた。
が、事前知識がないためにツッコミを入れるに留まる。

◆ツルギ
搭乗ゾイド:グラビティーサイクス
滅多に喋らない寡黙な男で忍者キャラ。ハットリくんよろしく「ニン」と発するのが口癖。
部屋の扉は開けずに刀でぶった斬る主義。
だが、さすがに自分のゾイドのコクピットまでは斬らないようだ。


その他・ゲストキャラクター

◆ピアーズ
CV:青野武
搭乗ゾイド:レイコング
Ziユニゾン:エナジーレイライガー
ゾイド研究の権威的存在。キラースパイナーの登場から「Ziユニゾン」を提唱し「全てのゾイドがユニゾンできる」「ユニゾン無しの時代は終わった」と焚き付けた。
セイバータイガーホロテックによるZiファイター襲撃事件では、犯人の目的が「自己顕示欲」「自分のゾイドが一番強いことをしらしめたい」と見抜く。

温厚そうな性格に見えるが、実は自己顕示欲を暴走させたマッドサイエンティストでもある。リヒタースケールと協力関係にあり様々な暗躍をしており、物語序盤からリヒタースケール絡みの事件を既に起こしている。
  • Ziユニゾンを世間に焚き付ける→究極のゾイドに必要なデータ採取
  • SHにリュックを紹介→アルファの息子を利用してフューラーのユニゾンデータの採取
  • 心理学者ではないにもかかわらずZiファイター襲撃犯の「自己顕示欲」を見抜くなど→自分自身と同じ
  • エナジーライガー→自分が作った「究極のゾイド」候補の一体
  • ゴジュラスギガ暴走→リヒタースケールのアルファが市長に就任する決定打を作るため自ら細工し、地位と権力を利用しその罪をMSに擦り付ける*14
  • レイコング→エナジーライガーの本格運用に向けたデータ採取

リヒタースケールのオペレーションジェネシスの一環として究極のゾイドを作っていた。
そして完成したのが、ライガータイプの「エナジーライガー」だったのだが、時折制御不能になる欠陥が見つかったためにアルファには候補から外されてしまう。

またエナジーライガーと並行して選考対象に上がっていた「凱龍輝」へも対抗心を燃やしていたのだが、アルファが最終的にどちらでもない「セイスモサウルス」を選んだことで自身は見捨てられてしまう。
そのため、「自分のゾイドが一番強いことをしらしめたい」という自己顕示欲をアルファにも敵対心と共に抱くようになった。

やがてベニエス高原でのアルファの計画(アイアンコングの群れを用いたデータ収集)を外部に漏らしハンティングの対象とさせるなどの妨害工作を裏で行うようになる。
最終盤ではレイコングを用いてエナジーライガーの制御に成功しユニゾンにより「エナジーレイライガー」を発現させ、アルファに復讐を誓う。

序盤では人のよさそうな博士キャラだったのだが、終盤で見せたその本性はRDと多くの視聴者を驚かせた。特に狂気に取りつかれた老爺の演技は演じた青野氏の本領がよく発揮されており、必見。

◆ボーン
搭乗ゾイド:ブラキオレックス
Ziユニゾン:ブラキオトータス
CV:土屋利秀

◆サマンサ
搭乗ゾイド:ミサイルトータス
Ziユニゾン:ブラキオトータス
CV:勝生真沙子

盗賊団を統べる夫婦。
彼らのブラキオトータスは縄張りの山では「魔物」と恐れられており、伝説のゾイドかと疑ったハルドの策でゼロフェニックスとボルドカルドと戦う事になる。

◆キッド
搭乗ゾイド:セイバータイガーホロテック
CV: 咲野俊介

エミーの元カレ。
ビビリで小心者かつ怒ると手の付けられなくなるタイプ。

元々は二人でケーニッヒウルフMk-2に乗っていたが、5年前の重要なバトルから「こんな旧式で勝てる訳無い!」と言い残して逃げ出してしまった。

ホロテックを手に入れてからはそれまでの鬱憤を晴らすかの如く通り魔活動をしており、エミーにも認めてもらえると思ったが彼女から突っぱねられゾイドバトルに。
通り魔活動の中でシグマのボルドガルドも再起不能にしていた事から、最後はその敵討ちの為にレオストライカーを駆って現れたシグマに倒され、操縦席から脱出した自身もエミーにビンタされてしまった。

◆ジーン・ホリデー
搭乗ゾイド:アロザウラー
CV:櫻井孝宏

武装したゾイドのみを狙う怪盗団の一員。
サーカス団と偽って各地を転々としており、ひょんなことからチャオに惚れられてしまう。

◆ギルバート
搭乗ゾイド:レッドホーン
CV:福山潤

テレビのバトルロイヤル企画に召集された一人で、「動く要塞」の異名をとる。
試合前にラスターニから「最初はRDとゼロフェニックスを狙い撃ちにする」という八百長を持ちかけられており、途中までは一方的にリンチにしたが最後は底力を見せたゼロフェニックスにジェノザウラーと同士討ちさせられた。

◆サラ
搭乗ゾイド:レイノス
CV:加藤優子

テレビのバトルロイヤル企画に召集された一人で、「超音速の翼」の異名をとる。
試合前にラスターニ(ry電磁ワイヤーでゼロの足を引っかけたりするなど、終始他のゾイドのサポートに回っていた。

◆ロジャー
搭乗ゾイド:ジェノザウラー
CV:若本規夫

テレビのバトルロイヤル企画に召集された一人で、「地獄の破壊王」の異名をとる。
試合前に(ryレッドホーンと同士討ちさせられそうになっても紙一重で躱すなど善戦するが、最終的に荷電粒子砲を切り裂いてきたゼロフェニックスの前に敗北した。

◆フェニス
CV:石村知子

ファイヤーフェニックスを失ったRDの前に、ウルカの森で現れた謎の少女。
RDのゼロと会話できたり、彼らをジェットファルコンへ導いたり、マットと思念で会話したりなど、人間とは思えないほどの特殊な力を持つ。
ファイヤーフェニックスの生まれ変わり、或いは魂の残滓なのではないか、という見方もできるが公式的にはぼかされている。


用語

◆Ziファイター
ゾイドパイロットの内、スタジアムで開催されるゾイドバトルに参加する者。
Ziファイターはみな、「Ziコンガントレット」と呼ばれる手袋を着用している。
賞金やスポンサー収入などで生計を立てているようだが、MSのような下位チームは副業で参加費を工面している。
また勝率によるランク制度があるようで、エキシビジョンマッチなどを除けば、所属するランクが異なるチーム(ファイター)とは戦えない模様。
ちなみにゾイドバトルストーリーでは、本作と同時期の年代(ZAC2230年)が舞台の『三匹の虎伝説』の劇中にて、ゾイドに無制限の武装を施すことが許可された唯一の存在としされている。

◆Ziユニゾン
ゾイド同士の合体システム。略して「ユニゾン」と称されることが多い。ユニゾンの相方となる相手を「Ziパートナー」と呼ぶ。
原理としては、Ziパートナーとのゾイドコアの共振現象でゾイドの戦闘力を飛躍的に向上させるというもの。
単に合体した分の武装が増加するだけでなく、単機の時よりも火力(ビーム砲の出力など)が増したり、運動性も上がったりとメリットは多岐に渡る。
しかしゾイドコアへの負担も大きく、戦闘が長引くと強制解除されてしまう上に、単機での戦闘も不能となってしまう。
さらに「パーツの接続部」が装甲として薄いことから弱点となる事も後に判明する。
ただ、ユニゾン時間のタイムリミットについては、古代のジェットファルコンとユニゾンしたライガーゼロファルコンや、究極のゾイド候補として作られた凱龍輝、エナジーライガー、セイスモサウルスなどは作中描写から制限時間を無視できる模様。

同じ種類でもどのゾイド同士とでもユニゾンできるわけではなく、ゾイド同士の相性も存在する。例えば劇中では、クラッシャーズは自分達のゾイドと適合できるレオブレイズを何度も探し求めている。

革命的なシステムのためユニゾンしないゾイドの時代は終わるとまで言われたが、治安局のゴジュラスギガなど、単機でもユニゾンゾイドと渡り合える強力なゾイドも存在する。

ちなみに放映当時の書籍によると、バトスト(旧大戦時)に用いられていたB-CAS(ゾイドコアを持つゾイドとブロックスゾイドのチェンジマイズを用いた合体)がコア同士を同調させエネルギーを供給させるという負担が大きすぎるシステムであったため、B-CAS搭載ゾイドは大戦後に殆ど死滅*15し、コアそのものも再生不可となるまでダメージを負ったとされている。
その一方、本作での「Ziユニゾン」は、前述の通り、種類が同じでも相性が良くなければZiパートナーにはなれない。相性が良い個体同士の合体であるため、(ユニゾンのタイムリミットがあるなどで)負担は0ではないがB-CASよりも遥かにゾイドへの負担を抑えられている(=ゾイド自身の自己防衛本能)模様、とのこと。

その通りであれば、リヒタースケールやピアーズが作り上げた究極のゾイド候補である凱龍輝、エナジーライガー、セイスモサウルスは、作り上げるまでに得た様々なユニゾンゾイドのデータから、相性が完全に良いうえにユニゾン時の負担を完全に0にすることでユニゾン時間を無視できるZiパートナー(ディスペロウ、エヴォフライヤー、レイコング、シザーストーム、レーザーストーム)*16を製作・入手できているという見方もできよう。

◆ブルーシティ
物語の拠点となる街で、MSやSHもこの街に事務所を構えている。
また、ゾイドバトルのメッカとしても非常に有名でゾイドのバトルスタジアムが設けられており、各大陸・異文化の街からわざわざゾイドバトルをするためZiファイターが集結してくるほど。
恐らくこの時代では、惑星Ziで最も強力なゾイドが集結する街となっているのだろう。そのためか、絶対的な力での世界征服を企むアルファ・リヒターは、この街を足掛かりに惑星全土を支配しようとした。

◆治安局
ブルーシティの保安隊。
ガミーをチーフとして、犯罪者や悪いZiファイターを取り締まる組織。
序列的にはブルーシティ市長→治安局という構図になっており、これは現実世界のニューヨークやサンフランシスコと似ている。
そのため、アルファがオペレーションジェネシスのためにブルーシティの新市長に就任した際、治安局内部は彼によって大幅に改造された。

◆伝説のゾイド
主人公・RDや彼の父・アッシュが追い求めている金色に光るゾイド。
第1話からそのシルエットは、金色の光を帯びた「ライガーゼロファルコン」として映っていた。

第16話「新しき友」で謎の少女・フェニスの導きで、石化した古代のゾイド「ジェットファルコン」とZiユニゾンしたRDのゼロは「ライガーゼロファルコン」となり、第24話「伝説のゾイド」のエナジーレイライガー戦で金色の光を僅かに放ち伝説のゾイドの片鱗を見せ、最終話「惑星Ziの青い空」でついに伝説のゾイドとして覚醒した。

RDの搭乗するライガーゼロは、バトストの旧大戦でB-CASを搭載しながらも生き延びた大変貴重で生存力の高いコアを有するゾイドであるため、その時点で既に伝説的なゾイドといえる。

もう1つの鍵となるジェットファルコンは、古代よりウルカの森で封印されていながらもコアが活動を続けているという、RDのゼロと同等かそれ以上の生存力のコアを有しており、玩具パッケージには「ゼロとユニゾンするために蘇った」とされている。
前述の通り、ユニゾンは相性の良い個体同士でなければ不可能のため、旧大戦から生き残った生存力の高い希少個体としかユニゾンできず、さらにそれが太古より封印され続けていたとなれば、これにより発現する「ライガーゼロファルコン」は紛れもなく伝説的な稀代のゾイドといえるだろう。

RD(恐らくアッシュも)は、自身の乗るゼロがここまで類稀な特徴を持つゾイドであったということは知らなかったであろう。それ故、伝説のゾイド(の片割れ)が自分のすぐ傍にいたということに気付かなかったのも無理はない。
RDが最後に放った言葉「俺とゼロの伝説はここから始まる」とは、自身の友であり伝説のゾイドでもあるゼロとファルコンと共に、新たな伝説を作り上げていくという意味か。

◆戦術AI(キメラユニット)
人間に代わり、効率よく相手を倒すという予め用意されたプログラムに基づいてゾイドを動かすシステムを搭載した無人キメラゾイド。
オペレーションジェネシス達成のため、アルファ・リヒター率いるリヒタースケールが、自分達の作り上げる「究極のゾイド」のサポート機体として導入すべく製作。
プロトタイプとして、キメラドラゴンへのZiユニゾンが可能な「フライシザース」「シェルカーン」「デモンズヘッド」「ディプロガンズ」の4機を作り上げ、バートンを経由しブラックインパクトの新オーナー・レナートに与えて実戦データを収集。
4機のデータを基に、究極のゾイド「セイスモサウルス」のサポートにあたる、より完全な量産型キメラユニット「シザーストーム」「レーザーストーム」を完成させた。

◆オペレーションジェネシス
リヒタースケールのアルファ・リヒターが、自身の思想を成し遂げるための計画。
全てを支配・統率するためには「究極のゾイド」が必要であり、まずはそれを完成させようとしていた。
その候補にはライガーゼロをベースにしたライガータイプ、バーサークフューラーをベースにしたT-REXタイプの2機が候補に挙がった。
協力者のピアーズが強力なユニゾンの存在をZiファイター達に焚き付けることで、様々なゾイドやユニゾンのデータを採取し続け、ピアーズ側はライガータイプの「エナジーライガー」を、アルファ側はT-REXタイプの「凱龍輝」を、それぞれ完成させた。

しかし、エナジーライガーには時折「制御不能」となってしまう致命的欠陥が発見され、究極のゾイド候補からは外されてしまう。
その一方、リュックが勝手に持ち出した凱龍輝が新たな戦闘データを出し始め、RDもまたゼロファルコンを発現させたことから、さらにデータの集積を続け、ベニエス高原での凱龍輝デストロイのバトルデータを最後に「セイスモサウルス」が完成した。

セイスモサウルスこそが究極のゾイドに相応しいと確信したアルファは、ピアーズも、エナジーライガーも、凱龍輝も不要とすることにした。
加えて、セイスモをサポートする無人量産型キメラユニットの「シザーストーム」「レーザーストーム」を完成させたことで、ブルーシティを足掛かりに惑星Zi全土の支配へ動き始める。

◆レジスタンス
オペレーションジェネシスによる支配・統率のため、アルファはピアーズを利用してブルーシティの守護神・ゴジュラスギガを暴走させ、市民に「ゾイドは危険である」という認識を植え付けた。
そしてアルファがブルーシティの新市長となった後、Ziファイターの取り締まりと彼らのゾイドの接収・処分を行うべく治安局に新たに設立した「キュラッシャー隊」によって、Ziファイター達は自分達のゾイドを奪われていた。
そんなアルファやリヒタースケールに対抗するためにZiファイター達が集まったことで結成されたのが「レジスタンス」である。
アルファに見限られたサンドラがエメラルドハーバーと呼ばれる港に隠れ家を用意し秘密裏に集結し、打倒アルファを目指す。

◆キュラッシャー隊
アルファがオペレーションジェネシスのため治安局に新たに設立した、Ziファイターの鎮圧を目的とする「特別行動部隊」。
隊長はマービスであり、セイスモサウルスとのユニゾンに対応するスティルアーマーが与えられている。
また、本来の治安局の保安ゾイドであるゴルヘックス、アロザウラー、シンカーや保安職員などを全て配属から外し、無人量産型キメラユニットの「シザーストーム」「レーザーストーム」を大量に配備。
Ziファイター達はアルファに反対するデモ活動を行い始めるのだが、キュラッシャー隊員やキメラユニットが武力行使で鎮圧している。


主題歌

どちらも作詞・作曲・編曲は小室哲哉。
歌唱は男女デュオの2amで、なんと宮迫博之と天方直実という組み合わせ。
2amとは「雨上がり決死隊」と「宮迫」のイニシャルからとられているとのこと。

オープニングテーマ「enemy of life」
エンディングテーマ「self control 2004」

OPの「enemy of life」は電子音を多用したトランス、テクノ調のサウンドで、宮迫氏の独特の歌声がなんともいえない妙な味わいを生み出している。
ファンの間では「エネミオライ」と半角カタカナで表記されることもある。

EDの「self control 2004」はTM NETWORKの「Self Control (方舟に曳かれて)」を彷彿とされる。だが、メロディーはまるで別物であり、元々が少年から少女に向けた歌詞だったのに対して、「2004」は女性が視点の歌詞になっている。


RD「次回、ゾイドフューザーズ!
スイート「その時、アニヲタwikiに追記・修正の風が吹く!


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最終更新:2024年04月13日 10:15

*1 『ゾイド エンサイクロペディア ―ゾイドアニメ 10年の軌跡―』

*2 そのため、ブレードライガーが伝説的な知名度や強さを誇っていない。また、ゾイドと融合したり様々な能力を発揮するオーガノイドの存在、学習し強くなるオーガノイドシステムなどの、前2作の要素は存在しない。

*3 書籍では、バトストの「旧大戦」から生き残った大変珍しい個体とされている。

*4 書籍では、ライガーゼロと異なり、「旧大戦で用いられたフェニックスとは異なるゾイド」「フェニックスが野生化し独自の進化を遂げた希少種なのではないか」とされている。

*5 逆に、必要でないバトルには現れない。Ziユニゾンに慢心していたRDはこれで一度痛い目に遭ったこともある。

*6 マービスが収監されていた刑務所がある街

*7 ゼロイクスだけはデータとして登場しなかった

*8 この時点で既に、リヒタースケールの人間だった可能性さえもある。仮にそうだった場合、マービスを経由しているが義兄であるアルファがサンドラを間接的に陥れ、道具として利用することを決めていたことになる。

*9 凱龍輝本体は操縦者の意志で飛燕・月甲への着脱を自在に行え、飛燕・月甲もユニゾンゾイドに匹敵するパワーを持つ。ユニゾン形態の凱龍輝デストロイはアイアンコングの群れをまとめて塵と化す火力を持ち、凱龍輝スピードはワープ状態のグラビティゾイドを次元レーダーで捕捉できる。

*10 そのため本名は「リュック・リヒター」である可能性も

*11 キメラユニット・キメラドラゴン暴走や、レオゲーターの襲撃による市街戦など。これらは全て自身が差し向けた刺客である。

*12 バートンを経由してブラックインパクトに与えたキメラユニットの4機のデータなども用いている

*13 ゾイドバトルストーリーに登場した、ZOITECと双璧をなす巨大企業。

*14 リヒタースケールのZiファイター狩りの一環。アルファの義妹であるサンドラがマスクマンを憎んでいることから、彼女に対しその手助けをしたという建前もあるが、サンドラはそれを良しとしなかった。

*15 それでも旧大戦から生き残り、コアも無事な個体が、主人公RDのライガーゼロである。

*16 いずれもリヒタースケールやピアーズが用意したもの