渋川剛気

登録日:2012/05/03 Thu 20:29:53
更新日:2024/04/26 Fri 19:06:39NEW!
所要時間:約 5 分で読めます




おぬしの技と、ワシの技――
どっちが上でも構わんと言うには
この渋川――――若すぎる!!!


渋川(しぶかわ) 剛気(ごうき)
バキシリーズの登場人物
CV:中博史(TVアニメ第一作)/島田敏(TVアニメ第二作)
身長155cm
体重47kg
1926年生まれの70代


【概要】

渋川流柔術の使い手で「達人」「武の体現者」「小さな巨人」などの異名を持つ伝説的な武術家。
範馬刃牙愚地独歩を始めとする大勢の武道家から敬意を表される存在。

一見すればごま塩頭、眼鏡、女子並みの体格である少々耳が遠い好々爺であるが、その実は常在戦場を心がける武術家であり
極めて好戦的でふてぶてしい性格の持ち主。勝つためには手段を選ばないその姿勢は素人目には狡猾にすら映る。

若い頃(戦前)は柔道に打ち込んでいたが、護神流合気柔術開祖の御興芝喜平に敗れたことで御興芝に弟子入り。その後39歳の時に師と立ち合い、技術・気概の面で追い詰め師が思わず刀で斬りつけた背中の傷を以って免許皆伝を宣言し、渋川流を開いた。
武術家として長いキャリアを積んでおり、その中で後の最凶死刑囚の一人・柳龍光との決闘で左目を失い、現在では義眼となっている。

グラップラー刃牙では職業不詳であったが、バキにて警視庁で逮捕術を指導しており、決してニートではないことが判明した。…まぁもう年金貰える歳だけど。

かごめの歌が好きなのか、よく鼻歌を試合前や試合中に歌っている。

ちなみにかけている眼鏡はべっこう製の高級品らしい。


【戦闘力】

独自流派「渋川流柔術」を駆使する合気柔術の達人。それも極めたレベルが次元違い過ぎて傍から見たら魔法の領域に入っている。
相手の関節・急所への的確な攻撃・破壊や、どんな相手だろうが赤子の手を捻るように軽く捌いて投げ飛ばす柔を実戦において高いレベルで行う。
飛び込んできた相手に対しては、「足に超低空の体当たりをかける事でバランスを崩させる→顎に掌底でアッパー→倒れた相手の喉に全体重をかけた踏みつけのコンボ」を好んで用いている。

作者曰く「力の流れが見えている」らしくビスケット・オリバの人外じみた怪力ですら苦も無く制圧できる。
指や手首など、身体の一部を捕捉されてしまうと最早詰んだも同然で、マホメド・アライJr.は折れた人差し指を掴まれた状態で延々と街路樹に顔面を叩きつけられる地獄の責め苦を味わわされている。


また、作中では「真の護身」と呼べるような境地にも開眼する。すなわち、余りに強すぎる危険な相手に対しては肉体そのものが闘いの場にすらたどり着けぬように本能的に作用し、門や荒海などを幻視させるというものである。
寂海王「護身開眼!(キリッ」*1
ただし、彼自身がどうしようもなく闘いを好む戦闘狂であるがゆえに、多少は苦慮しても危険を承知で幻覚を踏み越えて危険へ近づいてしまう。
そういった意味では、渋川もまた真の護身には(開眼(●●)はできても)到達(●●)はしていないのかもしれない。

○技

  • 合気
渋川流の代名詞。
相手の攻撃に対して自分の力を加えてそのままはじき返す技。
作中世界では彼以前にもこの技を完成させた者はいたが、実戦で使えるレベルに高めたのは彼が最初とのこと。

  • 涙穴
顔面の急所。
ここに水を叩き付けると目・鼻・口に同時に水が入り一時的に溺れる。試合前に水を含んでおくとは汚いなさすが達人きたない。


【作中の活躍】

○グラップラー刃牙


「めい土の土産にベルトとはよく言ったもの!! 達人の奥義が今 実戦でバクハツする!! 渋川流柔術 渋川剛気先生だ―――!!!」

最大トーナメントに出場。武術界のタブーに触れる「達人は保護されているッッッ」というアナウンサーの煽りに対して、体格の上回るアマレスラー、ロジャー・ハーロンをたった三撃で沈ませる実力を見せつけて一回戦を突破。
二回戦では鎬昂昇と対戦。空手の弱点を知り尽くして「新・紐切り」さえ見切って圧倒するも、左目に「眼底砕き」を受ける。
しかし、義眼であったために大きなダメージはなく、そのまま投げ飛ばしてK.O.。

準々決勝では愚地独歩と対決。「武神」のフェイント攻撃すらも見切って技をかけ続けるが、「意」を消した独歩に仕掛けたときに菩薩の拳によって逆に返され昏倒する。
その中で自らが免許皆伝した時のことを回想し、かごめを歌いながら復活。ついには菩薩の拳すらも投げ返して辛勝する。
独歩にはとどめを促されたがそれは刺さず、後二十年は現役でいることを宣言し激励の言葉をかけた。

準決勝ではジャック・ハンマーと戦う。涙穴を利用した先制から猛攻をかけるもアキレス腱を食いちぎられる
凄まじいジャックの攻勢に若干ビビりながらも正座のままの柔などを駆使して戦いぬくが追いつめられアッパーの直撃を受ける。
最後には自ら仕掛けた柔を逆に返されて敗北した。
よく死ななかったな…。


○バキ

最凶死刑囚編で死刑囚と対峙する五人の一人として登場。
左目の仇である柳龍光を狙うも、お湯ヤカンなどで軽くあしらわれる。
学校で柳が刃牙に仕掛けた時にも現われ、ヤカンの意趣返しをして二人がかりで攻勢をかけるも取り逃がす。
ビスケット・オリバと対峙した時には自らの技で完全に制圧するも、柔道の黒帯を欲しがって剛に物言わせて暴れまわった楽しませてくれたお礼にとオリバに黒帯を伝授する懐の深さを見せた。
その後、因縁の相手である柳との決闘に赴くが、眼前には「真の護身」によって荒海や断崖絶壁などを幻視する。
実際には公園最強の生物地上最強の生物に先を越されたのだった。
なお「真の護身」が発動したのは、柳にではなく勇次郎に反応してのことだったらしい。

神の子激突編ではマホメド・アライJr.に勝負を挑まれるが、
合気柔術の「殺気のある攻撃へのカウンターに特化した」点を突かれ、アライJrのやさしい攻撃(つまり殺気がない)に対応できず敗北。
その後ジャックに負け荒れているJrに大人げなく再挑戦。
挑発に乗ったアライJrは殺気を剥き出しにし、逆利用してフルボッコに。汚いなさすが達人きたない。
Jrが刃牙と戦う前は独歩とともにJrの勝利を予想するも大外れであった


○範馬刃牙

ピクル編にてピクルのベッドの下から登場。どうやってそんな所に忍び込んだのだろうか。
また、戦いを求めて夜な夜な一般人に喧嘩をふっかけるDQN行動をしていたことも判明した。地下闘技場使えよ!
というか、このDQN行為はファンの間でも賛否両論分かれる描写。

父親との親子喧嘩においては、勇次郎から逃げるように提言したりもしていた。


○刃牙道

刃牙道では初っ端から登場し、ピクルとの激闘で片腕を失った愚地克巳と組み合っていた。
互いに力を認め合いながら、微笑ましい雰囲気で他のグラップラー達の現状について語った。
そんな中、「何か」が来る予感を感じていることを述べる。

宮本武蔵が復活した後は、警官隊を蹴散らした彼の映像を視聴したのか、焦りのような感情を見せていた。
一方、同時期には本部が渋川も守護ることを決意していたとさ。

その後、警視庁に連れ込まれた武蔵が急遽作られた噛ませ犬・三輪を倒した直後に出現。
渋川の立ち姿を見た武蔵は、その姿を高く評価している。

早速握手を求めた渋川だったが、手を掴まれた瞬間に合気で武蔵を崩し、友である烈海王の敵として顔面に拳を叩き込む。
その行為を憂さ晴らしと武蔵に語る渋川だったが、別に問題としていなかったのか軽く流される。
そして渋川の技術を妖術と評した武蔵に対し、彼より後の時代の存在である武田惣角の解説を行い、自身もそれと並ぶ天才と自己紹介する。
解説の後、武蔵と渋川はお互いに違う光景が見えていたようだが、渋川は「お花畑」と述べ、武蔵も同じお花畑が見えていた…。
しかし、それは渋川の強がりで実際には「溶岩」の幻影が見えているという盛大な負けフラグを構築する。
お察し通りというか対決ではイメージ斬りで斬殺されまくり、やがて芝居がかった大騒ぎで敗北を宣言した。

武蔵との対面後は、地下闘技場におけるピクルVS武蔵(及び本部VS武蔵)を観客の一人として観戦する。


○バキ道

対大相撲にて地下闘技場戦士の代表の一人として選ばれた時は、秘められた技量に興味を覚えた宿禰に襟を取られるも簡単に合気で投げ返す。
しかし同時に着物ごと持っていかれてしまい、半裸のふんどし姿を披露した。年の割にガチムチでなんかセクシー。
その後、一番手として大関・巨鯨と対決。
巨鯨の規格外の怪力に神技・合気を破られるも、実戦経験の差(という名の不意打ち)で巨鯨に勝利し、先勝を上げた。


【余談】

モデルは実在した合気道家、塩田剛三氏。
なお板垣は生前の塩田氏とはその内弟子であり自衛隊時代からの友人でもある三枝誠を通して交流があり、氏が自伝出版の際には本名である板垣博之名義で挿し絵の担当もした事も。

板垣曰く「才気のカタマリ」「体中が地雷原のような人」」「爆笑した顔に狂気を感じた」との事。

そんな氏とのエピソードの中で板垣が一番印象深かったとして挙げるのがこんな話。
以前にある道場で遊び半分で立ち会いをした挙げ句惨敗を喫した事を語った際、氏はその場は大笑いしただけで済ませた。
だが、氏は後にその事を稽古中の弟子達の前で引き合いに出し、「その程度で済んで運がよかったと思え。遊び半分の軽い気持ちで立ち合いに臨むな」と苦言を呈していたという。
それを三枝から聞いた板垣は「そんな半端な気持ちで俺のところに道場破りに来たらその程度じゃ済まさないぞ、ということなのだろう」と思い、遠回しに叱責と警告をされたのだとゾッとしたという。

ちなみに師匠の御興芝喜平のモデルも、塩田の師匠である植芝盛平である。また、現実の渋川流とは特に関係がない。
ちなみにどう考えても塩田剛三であり合気道家であるが作中では徹底的に扱う格闘技は「(渋川流)柔術」と呼ばれており、実は「合気道」「合気柔術」と形容されたことはない……はず。
その柔術家が「合気」という技術を使うだけなのだ。理由は不明。現実の流派に気を使ったのかもしれないが、彼の師匠の流派はきっかり「合気柔術」となっているし。




追記・修正は護身を完成させてから行って下さい。

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最終更新:2024年04月26日 19:06

*1 寂海王の「護身」は「女子供でもできる護身術」の意味合いが強い一方で渋川の「護身」は「達人のみが辿り着く境地」と言える