猫の地球儀

登録日 :2011/12/14(水) 00:23:43
更新日 : 2017/10/05 Thu 20:08:50
所要時間 :約 3 分で読めます




ものすごく余裕のない社会に生まれてしまったものすごい天才が、その社会の価値観と真っ向ぶつかるような夢を追いかけようとすれば、その周囲には迷惑を被ったり不幸になったりする人が必ず出てきます。
それでもその天才は前に進むのか。
この本は、そういうお話です。


イリヤの空、UFOの夏で有名な秋山瑞人のライトノベル。電撃文庫から全二巻が発行されている。イラストは椎名優。
秋山瑞人の類い稀なる描写力と夢を追う事とそれによる犠牲という硬派なテーマ、登場人物への容赦のなさで人気を呼んだSFファンタジー。
遅筆王、未完王として知られる秋山瑞人の初のオリジナル作品であり、大学時代に出した同人誌の同名の作品が基になっている。

第32回星雲賞日本長編部門最終候補作。



【あらすじ】
遠い未来。宇宙に浮かぶトルクという名のコロニー。そこでは既に人間は滅び、代わりに知性を持った猫たちがロボットを使役して暮らしている。禁忌とされている「地球儀行き」を目指すスカイウォーカーの黒猫・幽と、最強を目指すスパイラルダイバーの白猫・焔。そんなふたりが出会うところから物語は動き始める。


【スパイラルダイブ】
トルクの中心、通称「螺旋階段」で行われる格闘技の試合のようなもの。猫がロボットを使役しながら戦う。
チャンピオンには「ドルゴン(漢字変換不可)」という称号が与えられる。


【大集会】
トルクにおける教会のようなもの。大集会の掲げる宗教では地球儀(いわゆる地球)はあの世だとされており、教義から外れた行動は徹底して弾圧する。



【主な登場人物】※一部ネタバレ
地球儀は死者の魂が行く彼岸なんかじゃない。そんなのは嘘だ。

真っ黒な体と金色の眼をもつスカイウォーカーの三十七番。異端者であるため大集会から追われている。
非常に優れた頭脳とかなり特殊な生い立ちを持つ。
クリスマスを相棒として焔に野試合をふっかけて勝利する。


  • クリスマス
はれるでしょう。

幽の相棒のロボット。少女型である。先代のスカイウォーカーの研究成果を守りながら次のスカイウォーカーが現れるのを待っていた。
映画やドラマのセリフ、天気予報などを引用して話す。自分では言葉を選べないようで意思疏通はなんとなくでしかできない。


夢なんてな、興味のないやつから見れば鼻クソほどの価値もありゃしねぇ。トルクで一番の食い物屋を目指してる親父の夢が、お前にとっては目クソの価値もねえようにな。

スパイラルダイバー。相棒は日光と月光。作中にてドルゴンとなる。
ダイブに関しては天才的で幽の理論もある程度理解できるほどの頭脳も持つ。
幽や楽と出会い、次第に感化されていく。


  • 楽(かぐら)
焔は強いから、今度こそ幽はぼかぼかにやられて死んじゃうの。だからせめて、それまでは一緒に遊んであげる。

焔の唯一のファンである茶トラの子猫。メス。相棒は震電。
焔の追っかけをやっているうちに焔と幽の野試合に遭遇し、後に幽と友達になるが…
クリスマスとは仲が悪い。


夢とは、かくも手前勝手なものだ。

大集会の僧正。底の知れない猫で、大集会の僧でありながらスカイウォーカーの理論を認めるような発言をする。
焔を気に入り、なにかと世話を焼く。




追記修正おねがいします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/