月読・京

登録日:2012/01/15(日) 21:22:05
更新日:2023/08/30 Wed 10:20:22
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川上稔の長編ライトノベル、AHEADシリーズ終わりのクロニクルに登場する女性。

初登場は三巻で、それ以降たびたび登場することになる。飛場・竜司美影コンビ同様、3rd-Gの王であるアポルオンと共に三巻のメインを張る存在。


□特徴、概歴

セミロングの茶髪に黒目の女性。
初登場時は大学の四年生で、就職活動真っ最中だったが、後に出雲UCATの技術部に就職する事になる。
父に元日本UCAT技術開発部主任の月読・有人、母に現日本UCAT技術開発部長の月読・史弦を持つ。この二人はもともとが2nd-G所属であり、2nd-Gの皇族であるため、彼女自身も2nd-Gの純血で皇族ということになる。
もっとも、彼女自身は自分の血について両親から何も教わっていない他、2nd-Gの人間が外見的に日本人とほぼ変わり無いこともあり、他Gを初めとする異世界や概念、全竜交渉については全くもって何も知らない一般人。
母は日本UCATの隠し蓑でもあるIAI(出雲航空技研)に勤めていると思っており、母に就職についてIAIを紹介しようかという提案を受けるも「親のコネは使いたくない」という理由から一度蹴っている。


□性格、その他

所謂元ヤンで、行動的かつ我の強い女性。曲がった事、自身の持つ道理から外れた事に対してはとりあえず反発する他、思い付いた事はとりあえず即行動。敵に対しては容赦無いが、仲間や自身が認めた者に対しては優しい。そして元ヤンだけあって喫煙者。
現在は大学生である事や就職活動もあって落ち着いているが、熱くなりやすく、道理の通らない事に関して反抗する点は変わっていない。

佐山や他全竜交渉部隊員の影に隠れがちだが、彼女もかなりの名言メーカー。3rd-Gとの交渉と3rd-Gの隠れ家における彼女の生活が大半を占める三巻において、主に自動人形の事で多くの名言を生み出しており、特に彼女が3rd-Gの主となる際のアポルオンとのやりとりは鳥肌モノ。

戦闘能力に関しては、元がバンピーであるため武神や機竜等の気違い勢力や、1st-Gの魔法、概念攻撃等の不思議攻撃に対してはほぼ無力。
ただ、元ヤンであるためが、身体能力や土壇場での機転に関しては一般人にしては強い。
事実、3rd-Gの隠れ家から脱出しようとした時は(戦闘用ではないとはいえ)全G中最高の技術で作られた3rd-Gの侍女式自動人形3体に対して、己の身体能力と機転を存分に活かし見事出し抜いて見せた。


□各巻の活躍

○三巻
作中の最初にあった荒帝とテュポーンの戦いに巻き込まれ、3rd-Gの隠れ家へと誘拐される。
その際、記憶を操作され、テュポーンの事を忘れるものの、3rd-Gの隠れ家から脱出しようとした際にテュポーンと再び邂逅。記憶を取り戻す。
そして3rd-Gや概念戦争について侍女式自動人形の長であるモイラ1stから聞かされる事となる。
物語中盤には3rd-Gの王、アポルオンや戦闘用自動人形ヘカトンケイルシリーズと邂逅。モイラ以外の名を持たない侍女式自動人形に対し名を与える。
その後、3rd-Gの面々に色々試されるも突破。自動人形達に主と認められ、3rd-Gの穢れやテュポーンが破壊された場合アポルオンが死に、そしてテュポーンを破壊しなければ世界が滅びる事を知る。
作品終盤、アポルオンとセクースし、次期3rd-Gの王を宿す。アポルオンを死なせないため、自身を犠牲にしようとするも、アポルオンに邪魔されアポルオンは最後の戦いへと向かう。
結局テュポーンに宿ったアルテミスによりアポルオンは助かるが、いつ目覚めるかわからない状態となる。

○三巻以降
3rd-Gの面々と共に日本UCATに就職。3rd-Gの后として、また出雲UCATの技術者としてアポルオンのいない3rd-Gの精神的な支えとして過ごす。

○七巻
概念解放によるレヴァイアサンとマイナス概念破壊の3st-G勢力として3rd-Gの自動人形と共に戦場に立つ事になる。
3rd-Gの后として指揮を取るが、ノア/レヴァイアサンから出現してきた武神に対し苦戦。
危ない所で概念解放により活性化した概念の影響でアポルオンが復活。助けられ難を逃れる。
その後は3rd-Gの家族と共に見事役目を果たすのだった。




□おまけ/アポルオンとのやりとり

「責任なんぞ知ったことか。
テメエの世界が壊れたって、あたしゃ知ったこっちゃないさ。
だけどよ、あたしならこうするね。
あたしはいずれ外の世界でシューショクする。必ず、必ずだ。
望まれるようになって、望むところに行って、そこで仕事して、認められ、失敗して愚痴吐いて、上司を蹴っ飛ばしたり殴られたり気に入られたりしながら必ずなにか作り上げて金稼ぐさ、そして」

「そして?」

「その金で、あたしだったら、ここの自動人形達を食わせてやる」

「──君が食わせなくても、自動人形達は自給自足出来るぞ。
元々少量の燃料以外に食事の要らない連中だ。
それに、ここにいる自動人形全員を、どうやって食わせるつもりだ?
一人一人に給金を与えるだけの貨幣を君は稼げるのか?」

「馬鹿かテメエ。人が食うのはメシじゃねえ、満足感だ」

「金も、メシも、ものも、地位も、問いも答えも、どこかへ行くことも戻ることも、何かをすることも壊すことも、誰かといることも分かれることも、──全ては同じ満ち足りだ!!
奉仕するのが自動人形だと言うのなら、金はわずかでもその奉仕の記録になるだろうよ。
硬貨を一枚積み重ねるだけで機械の記憶はコインの音をたて、その音の数が主人に仕えた時間の経過の証ってやつだ。
それも頭の中だけじゃねえ、この世界に存在する記憶の証だ」

「それが何になるという気だ? ──感傷だぞ。それも、感傷の押しつけだ」

「感傷が悪いか?
機械だって過去を思い出し、自分の仕事を誇りに思う証拠が必要だろうよ。
その感傷が悪いなら、対する無情はさぞ素晴らしいことだろうさアポルオン!
何もせず無情のままなら、失うかもしれない誇りも無く、思い出す痛みの過去もない!
だけど、それが無ぇから3rd-Gの人間は滅びて機械だけが残ったんじゃねえか!?」

「それは──」

「そりゃあもはやアンタとあたしの脳内じゃなく、
今や花を育てる機械の頭上にお召すってな!
人形はいずれ枯れる花を記憶に傷として刻むだろうし、あたしは花が枯れることを恐れるなって言ってやる。
アンタらが自分の過去を作るために花を咲かせたのと同じように、花は種を残すためにアンタ達の過去を作ったんだから、ってな。
──そこにあるのは人形も花も同じ満足だ。
そうやってあたしも3rd-Gの感傷を増やすことに満足し、もはや満足を否定するアンタに伺いをたてる気もおきねえ!」


「やってやるよ! アンタが無情の主人ならあたしは感傷の主人になってやるともさ!」


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最終更新:2023年08月30日 10:20