ドカベン

登録日:2011/11/09(水) 19:56:59
更新日:2024/02/09 Fri 00:07:50
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明訓高校敗れるゥ~~!!



『ドカベン』とは週刊少年チャンピオンで1972年から1981年まで連載された漫画
続編に『大甲子園』、『ドカベン プロ野球編』、『ドカベン スーパースターズ編』、『ドカベン ドリームトーナメント編』がある。
ドリームトーナメント編が2018年に完結したことでシリーズは終了。単行本累計巻数が205巻とシリーズ累計で単行本巻数日本一を達成した。

なお、ドカベンシリーズ(というより水島作品全般)はどの作品も電子書籍化はされていない。


【概要】


現在でこそ、高校を舞台にした野球漫画だが、当初は中学が舞台であり、柔道をやっていた。
一応、最初から野球漫画をやるつもりだったらしく、伏線が散りばめられており、柔道の大会を終えると野球方面へとシフトしていった。

ハエも止まるレベルのスローボール、左右投げ、悪球打ち、秘打などの個性豊かな戦法が登場しながらもあくまで野球のルールの範疇で、その打開策や裏をかいたリードの心理戦やリアルなプレーが特徴。

それまで野球漫画といえば根性で魔球を取得し、最後に主人公が死んでしまういわゆるスポ根路線が主流であったが、本作のヒットに伴い野球漫画の流れが大きく変わることにもなった。


無印編・甲子園編は多くの野球ファンに愛され多くのプロ野球選手にも読まれている。
一方で、プロ野球編以降から現実と漫画の乖離が目立ち、リアルティが無くなったと言われるようになる。
また、後半からは「憧れの山田さんと対決だ」などと過剰に山田を持ち上げる発言を現役選手に言わせ、ホームランを打たせるなど目立ち、作者のオナニーと称されることも多くなった。

無印編

前半は柔道漫画であり、その後岩鬼と山田が明訓高校に入学し、無双するまでが描かれる。

大甲子園

ドカベンを初め、水島新司が今まで描いた作品の主人公を甲子園に集結させるという野球アベンジャーズをやったオールスター漫画。

プロ野球

清原和博が復活して欲しいと水島に依頼して描かれたプロ野球編。そのため、94年の入団となっている。
ちなみに初期は外国人選手が描かれたが、後半から全く出てこない。その理由に水島は「現役バリバリはおらず、年棒だけはメジャー並。しいては若手選手の活躍を奪っている」と称している。

東京スーパースターズ

山田世代が全員FAして新球団に移籍するという超展開。四国に投手ばかり、東京には野手ばかりで偏り微笑がトレード出されるという展開にもなった。





【明訓高校メンバー】


●山田太郎
本編の主人公
ポジションは捕手
右投・左打
「気は優しくて力持ち」といった性格。
力士のような筋肉デブで、力はすごいが燃費が悪く大量の食事も必要とする*1ので、「ドカベン」というあだ名を岩鬼から奪った。
小学生の頃は野球に大して興味はなく、相撲取りになろうとしたが、両親の為に野球の試合に出場する。(その後、両親は他界)
しかし、西南中学の頃に東郷学園・小林真司の目を負傷させたことがきっかけとなり野球から離れる。
鷹岡中学では柔道部主将・木下次郎との出会いから柔道部に入部する。

その後、小林の目の手術の成功を期に野球を再開。
地区大会でその小林率いる東郷学園と対戦し、僅差で敗れる。

卒業後は明訓高校に進学、初戦の白新高校のエース不知火を相手にいきなりランニングホームランを放つ。
以降は4番捕手として定着していき、絶妙な頭脳プレーと高い洞察力と打力、強肩、守備力でチームに貢献する。
唯一の弱点はデブ故の鈍足で、長打か他の走者がないと1塁分進む前にほぼ確実にアウトにされる。
ただしこれが原因で囮として機能し、山田本人はアウトになったがチームは結果的に1点取れたこともある。
(詳しくは「ルールブックの盲点の1点」参照)

家族は祖父と妹のサチ子がおり、長屋住まいで貧困な描写が多い。

一時期、記憶を失っていた。

作者曰く、童貞(プロ入り後結婚)。

卒業後は西武ライオンズに入団、FAで東京スーパースターズに移籍。

●岩鬼正美
通称男・岩鬼
主なポジションは三塁手
右投・右打
常に被った帽子と口にくわえた葉っぱが特徴。バリバリの神奈川人だがとある理由から関西弁を喋る。
鷹岡中学の問題児として喧嘩寸前のところで山田と出会い、柔道、野球と彼を付け狙う。

見た目通りの豪快な性格で自己中心的でナルシスト。
何事も自分が一番でなければ気がすまないながらも、割と仲間思いであり、自分を慕っている人間や怪我をしたチームメイトの為に奮起する事も多い。
実は家はお金持ちであり、その事もあって意外な知識や礼儀作法を持っている。
家族とも仲が悪かったものの、母親には唯一敬愛を見せており、彼女が倒れた時は他の兄弟達がいる場所から最も遠いのにいの一番に駆け付けた。
実は母親は正美の事を嫌っていたのだがこの事もあって和解している。
また父親からもぞんざいに扱われているが、それは「正美は一人でも生きていける」と期待されているからであった。

なおタイトルの『ドカベン』は当初大食い(魚を骨ごと食えるほど)で巨大な弁当箱を持つ彼のあだ名だったのだが、山田がそれを上回ったのであっさり奪われてしまった。

明訓野球部に入部し、地区予選後半では一番三塁手を獲得する。(理由は一番多く打席が回ってくるから)
度外れなボール球、いわゆる悪球を打つことに長けており(逆に良球は苦手)、当たれば「グワァラゴワガキーン!!」という豪快な音と共にホームランを放つ。
その性質上死球も非常に多いが身体が規格外に頑丈なので怪我をする事が少ない。

実家は金持ちで夏子という彼女がいたリア充だったが………

ドラフトではONコンビから1位指名を受け、くじの結果、福岡ダイエーホークスに入団。
その後、FAで東京スーパースターズに移籍。

作者の一番のお気に入りキャラである。
そもそも『ドカベン』が連載を勝ち取れたのも、山田のみを主人公とした初期プロットをダメ出しされてしまい、
「何かインパクトのあるキャラを産み出してください!」と編集者から命じられ、
苦心惨憺の末に岩鬼を産み出して描いたところ、即座に編集者からGOサインを貰えたから…という事情がある。
単行本の表紙や広告などでも主人公のドカベンより目立っており、岩鬼を主人公と勘違いしてた人も多かったとか……

●里中智
通称ガラ……小さな巨人
ポジションは投手
右投・右打
東郷学園にいた頃に山田のプレーを見て、同じ明訓高校に進学する。
後にエースとなり、山田とバッテリーを組み、アンダースローから繰り出す変化球を駆使し、甲子園20勝を達成。
一方でやたら怪我が多い。
当初は山田をストーキングしたり、山田の家の屋根に登るなど、奇行が目立つ。

卒業後は千葉ロッテマリーンズに入団し、FAで東京スーパースターズに移籍。

のちにサチ子と結婚した為、山田とは義兄弟になった。

●殿馬一人
通称とんま
ポジションは二塁手
右投・右打
鷹岡中学の野球部の部員集めをしていたところで出会ったづら。(山田と同じ日に鷹岡中学に転校していた)
背が小さく非力だが守備が上手く、クラシックなどの曲の名前に沿った「秘打」と呼ばれる特殊な打法で大活躍するづら。

明訓野球部に入部すると最初から二番二塁手のポジションを獲得し、試合に貢献するづら。
ピアノの腕前は世界的指揮者アルベルト・ギュンターが認めるほどづらぜ。

語尾に「づら」をつける特徴的な喋り方をするづら。

卒業後はオリックスブルーウェーブに入団し、FAで東京スーパースターズに移籍したづら。

●微笑三太郎
主なポジションは左翼
右投・右打
本来は土門率いる横浜学院に入るつもりだったが、勘違いから明訓野球部に入部する。
元々のポジションは捕手だったが、徳川監督の意向で三塁手を守り、最終的に五番左翼に安定する。
常に微笑みを絶やさない。

卒業後、読売ジャイアンツ→東京スーパースターズ→広島東洋カープ→京都ウォーリアーズと登場人物の中では多くの移籍経験をしている。
広島には左投手の酒丸諒太とのトレードで移籍しており、京都に移籍後は選手兼任監督を務めている。
酒丸の広島時代の通算成績を考えるとかなりの格差トレードではあるが。

●土井垣将
通称怪物・土井垣
主なポジションは一塁手
右投・右打
山田達より二つ年上の先輩
元々は捕手だったが、里中との相性から一塁手に落ち着く。
その後は徳川監督に代わり、監督に就任する。
明訓敗北のある意味元凶。

卒業後は日本ハムファイターズに入団し、東京スーパースターズでは選手兼任監督を務めている。

●山岡鉄司
パンダみたいな面をしている
ポジションは中翼
左投・左打
山田達より一つ年上の先輩
山田世代以外役に立たない明訓打線において珍しく三番打者として活躍し、三年生時では主将を勤めた。

卒業後は東海大学に進学し、SS青森を経て、東京スーパースターズに入団している。

●石毛幸一
ポジションは遊撃手
右投・右打
山田達より一つ年上
しゃくれた顎と髭が特徴
ヒットを打った明確な描写が一度も無い

●北満男
主なポジションは右翼
右投・右打
山田達より一つ年上。眼鏡をかけた見た目通りの秀才。
地味に高い守備力を持つが打者としての能力は低い。
しかし、通天閣高校エース坂田を相手に……。

卒業後は東京大学に進学し、現在は東京スーパースターズのチーフマネージャー兼打撃投手を務めている。

●仲根
主なポジションは一塁手
左投・左打
山田達より一つ年上
野球を始めればモテるという考えから入部した。

●今川
主なポジションは右翼
左投・左打
山田達より一つ年上
畳フェチ

●渚圭一
主なポジションは投手
山田達より一つ年下
相変わらず怪我をする里中の代わりとして一時期投手を務めた。
自惚れが強く、山田の指示を無視して炎上を繰り返した結果、珍しく山田がキレた。

●高代智秋
主なポジションは遊撃手
山田達より一つ年下
元は投手だが、即座に土井垣によって内野手に転向させられる。

●上下左右太
舌を常に出している。

●蛸田
タコみたいな面をしている。

●香車一直
足だけが取り柄

●徳川家康
山田が入部した時の監督
大酒飲みだがたまに戦略を練る。
土井垣を監督にさせた後は………

しばらく見ない間にホームレスになっていた。

●大平
土井垣の次の監督
野球をあまり知らない
出来の良い息子がいる。



ライバル達】

●不知火守
白新高校
神奈川最強の投手
当初は左目が見えなかったが、父からの角膜移植により克服、さらには山田対策としてハエも止まる超遅球を完成させる。

●雲竜大五郎
山田以上の巨漢で怪力豪打の選手
三度目の敗北を期に姿を消したが………
おそらく最も山田と因縁の深い選手

●土門剛介
横浜学院のエース
もうひとりのドカベンと呼ばれた男(ただしすぐに設定を作者に忘れられている)
テクニックやスピードは不知火が勝るが重い球が特徴
だが、それ故に球を捕れる捕手がいなかった。

●谷津吾郎
横浜学院
土門の球を体で受け止める捕手
前略、土門さん…から始まる手紙風のモノローグを行う。

●南海権左
吉良高校の主将
野球を全く知らなかったが、山田と勝負するためにある奇策を取り、全試合不戦勝で勝ち進む。

●賀間剛介
中学の頃、柔道の大会の決勝で山田を敗った男
卒業後は山梨の甲府学園に進学し、野球を始める。
鉛のような重い球を持ち、甲子園準優勝もした。

バントでホームランを打ったことがある。

●影丸隼人
中学の頃は柔道の選手として名を馳せており、野試合を挑んできた岩鬼をバックドロップで一蹴した。だが大会の準決勝でバックドロップを会得した岩鬼に敗れた。
卒業後は千葉のクリーンハイスクールに進学し、野球を始める。
柔道で培った全身をバネのように使う背負い投げ投法を駆使する。
本人は山田を意識していたが、姉が岩鬼の兄との縁談があるなど、何かと岩鬼との因縁が強い。

●ハリー・フォアマン
クリーンハイスクールの四番打者
怪力を持つ。
近年の作品の不遇っぷりは異常

●国定忠治
赤城山高校のエース

●木下次郎
鷹岡中学での山田達の同級生
卒業後は赤城山高校野球部に入り、左右投げを使う。

●緒方勉
いわき東高校のエース
地元の炭坑が廃坑することによって、離れ離れになる仲間達への思いを野球にぶつける。
鋭いフォークを持つ

●足利速太
いわき東高校の一番打者
毎日八キロの通学路を走ることで鍛えた俊足を持つ。

●坂田三吉
通天閣高校のエース
長いリーチから繰り出す速球と一撃必殺の通天閣打法を持つ。

●中二美夫
江川学院の控え投手
エース大橋に代わって登板し、山田との対戦では五打席連続敬遠をする。
その理由とは………

●犬飼小次郎
犬飼三兄弟の長男
土佐丸高校のエース
キャッチボール投法から一転、鳴門の牙と呼ばれる剛速球を持つ。
また、土佐丸高校の特徴の殺人野球を主将として指示する。
後に土佐丸の監督になり、土井垣とライバル関係になる。(選手時は全く眼中に無いように見えたが………)

●犬飼武蔵
犬飼三兄弟の次男
土佐丸高校の主砲
巨漢を駆使した怪力とスタミナを持つ。
また、兄と同じく殺人野球を得意としており、里中に重傷を負わす。

よく泣く

●犬神了
土佐丸高校のマネージャーかと思われたが後に選手であることが明らかになり、山田のワンポイントとして登板する。
山田がリリースポイントを見破れるのを知り、シャツの袖を使い見えなくさせたり、縮ませて腕を伸ばすように見せる。
また、犬飼兄弟以上に外道であり、故意に山田に球をぶつけ、負傷させる。

●犬飼知三郎
犬飼三兄弟の三男
室戸学習塾のエース
本編では登場せず、続編『大甲子園』で登場する。
土佐丸を打ち破り、明訓と対戦する。
打たれても終わってみれば無得点に抑える「ゼロの神話」を持つ。

殿馬が珍しく完全に負けた相手。

●義経光
弁慶高校のエース
速球と高い身体能力を持つ

●武蔵坊数馬
弁慶高校の主砲
神通力で岩鬼の母の病や中の肩を治すという力を持つ。
敬遠の球を打ったり、ホームラン級の球を守備位置に引き戻すなど、相手を驚愕させるプレーを行う。




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最終更新:2024年02月09日 00:07

*1 序盤に出てくる彼の弁当箱が「肩掛けかばんいっぱいになる大きさ」で「サンマが短辺に丸ごと1匹収まる幅」だと分かっている。実写版では再現困難だったのか重箱に対角線にサンマを収めていた。