沙耶の唄

登録日:2009/06/07(日) 10:41:46
更新日:2024/01/09 Tue 13:33:35
所要時間:約 7 分で読めます




ニトロプラスの名コンビが新たなジャンルに挑戦した意欲作!
突然現れた謎の少女・沙耶。そして男女4人が繰り広げる恋愛ストーリー。
ニトロプラス・アクションシリーズでお馴染みの虚淵玄&中央東口の両氏が、
今回は得意とするアクション活劇路線はあえてとらず、
男女の恋愛物語、そしてアダルトゲームとしての18禁CGの充実など、新しい作風へとチャレンジした意欲作となっている。

医科大学に籍を置く男女4人の恋物語。
そして、ある日とつぜん郁紀の家へと転がり込んでくる謎の少女・沙耶。
人知れず悩みを抱えた一人の青年が、様々な人々との出会いと別れを経験し、
ついには自分なりの人生を切り開いていこうと歩み出す・・・・。

内容はアドベンチャータイプのマルチエンディングを採用。選択肢が少なく、全体的にストーリーは短めだが、そのぶんストーリーの完成度が高い。
低価格設定の短編ものではあるが、両氏の作り出す新しい作品に触れてみてはいかがだろうか。




グロ肉!グロ肉じゃないか!?
沙耶かわいいよ沙耶














―爛れてゆく。何もかもが歪み、爛れてゆく―






医大生の匂坂郁紀は、交通事故に遭い生死の境をさまようが、奇跡的に助かる。
しかし、大学に復帰した匂坂は、故意に嫌われる様な言動をとり、自分の周囲から人を遠ざけようとする。
友人達は彼を心配するが、匂坂には彼らから差し伸べられる救いの手にすがれない訳があった。
彼は交通事故の後遺症で知覚障害を起こしており、街の建物は豚の臓物をぶちまけて塗りたくった様に、
人間はおぞましい肉塊に見え、話す言葉は呻き声や金切り声に聞こえ、触れた感触ですら尋常ではないからだった。
自分以外は全てが異常で本当に狂いそうになる世界の中で、匂坂の前に沙耶という謎の少女が現れる。
沙耶だけはなぜか普通の人間に見え、粘液にまみれた肉塊姿の友人たちと違い、触れたときに温かみを感じることもできた。
しかし、それは真に訪れる狂気の世界への扉にしか過ぎなかった。


燃えゲーで鳴らした俺達ニトロ野郎は上層部から時代遅れの烙印を押され、
企画を一新し恋愛モノで打ち出された。
しかし、ありがちな萌えゲーでくすぶってる俺達じゃあない。
企画さえ通れば虚淵節でグロだってやってのける命知らず。

ヒロインをグロ肉にし全世界に歪んだ純愛を発信する。俺達 ニトロ野郎SAYAチーム!


簡単なキャラクター説明

(声:川村みどり)
私はリーダーの沙耶。通称グロ肉。
人体改造と触手の名手。
私のように純愛なグロ肉で無くては沙耶の唄のメインヒロインは勤まらない。


  • 匂坂 郁紀(さきさか ふみのり)
(声:氷河流)
俺様は判子で押したような萌えキャラ全盛のエロゲ界にあえて挑戦する、頼りになる、グロ肉全開のニトロ野郎SAYAチーム!
グロ肉と純愛したいときはいつでも声をかけてくれ。俺は匂坂郁紀、通称ふーみん。
得意の脳内変換でグロ肉だって美少女さ。
純愛かざして異種姦から頭蓋カチ割りだってこなしてみせるぜ。


  • 丹保 凉子(たんぼ りょうこ)
(声:佐藤まこと)
通称ショットガン女医。
チーム唯一の大人。
ニトロ的な役割はショットガンと漢らしさでお手のものだが少々性格的に難アリ。


  • 津久葉 瑤(つくば よう)
(声:矢沢泉)
あたしこそが津久葉瑶、通称エロ要員!
悲惨な役割なら天下一品!
地味?影が薄い?
だから、何?


  • 戸尾 耕司(とのお こうじ)
(声:片岡大二郎)
井戸まじん、通称井戸まじん。
井戸の天才だ。
リボルバー片手にメインヒロインだろうが鉄パイプで撲殺してみせらぁ。
でも冷蔵庫だけは勘弁な。


  • 高畠 青海(たかはた おうみ)
(声:海原エレナ)
立ち絵に専用ボイスまで用意されてるのに開始序盤で死亡



製作総指揮:でじたろう
キャラクターデザイン・原画:中央東口
シナリオ・スクリプト:虚淵玄
2Dグラフィックディレクション:なまにくATK
2Dグラフィック:にじこ、りんごキック、よう太

キャッチコピーは『――それは、世界を侵す恋。

このゲームにはCGとテキスト中のグロテスクな部分を隠してくれるフィルター機能が付いているが、一番キツいシーンは隠してくれないので注意。

OHPは白を基調にまとめられており、爽やかな印象を受ける。が、騙されてはいけない。
ちなみにこのOHPには、正常な世界と異常な世界を行き来できるちょっとした仕掛けが隠されている。
各ページに現れる沙耶を全部クリックすると…

作中でさらっと触れられていることからも分かるように、ストーリーは手塚治虫の「火の鳥」の復活篇のオマージュである。


ちなみにこの作品が生まれた経緯はと言うと

ウケルはずないと思ってた鬼哭街が割とウケて目論見が外れて悔しかったので、
じゃあユーザーがビックリして『これはない!』と思うような作品を作りたいと思ったから

というもの。うん、何かが間違っている。が、本人的には自分はビックリが売りだからとにかく驚かしたかったらしい。

で、ファンをドン引きさせるべく

「あまりにも嫌な話しだから書いてるうちにフラストレーション溜まって、本来その予定が無かった丹保涼子をバイオレンスキャラにしてしまった」

「デバッグ作業中に『嫌な話を書いたなあ』と改めて感じ、自分で憂鬱になった」

と語る程に涙ぐましい努力をし「もうこれしかないという最終手段」とまで勝手に追いつめられていたブッチーだったが、彼を待ち受けていたのは

「さすが虚淵だ!感動した!」「ホント良い話だなあ・・・泣けるわ・・・」「沙耶たんペロペロ」

という賞賛の嵐でしたとさ。
これには虚淵もあいた口がふさがらなかったようで、ユーザーに対して完全敗北したと語った。

アレ?もしかして一時期作家を辞めたいと思ったのってこれが本当の理由なんじゃ・・・?
(沙耶の発売は2003年、奈須&武内からFateの執筆依頼があったのは元々hollowに収録予定だったことから2004年~2005年の間と推定される。)

又、2022年4月28日にNetflixでの配信が始まり、5月13日に劇場公開予定の虚淵玄脚本最新作のオリジナルアニメ映画『 バブル 』は、本作と共通する要素が散見される純愛アクションラブストーリーとなっている。


「ただ一粒だけの種でも、もしかしたら、頑張ろうって思うようになるかもしれない。
頑張って育って増えて、いつかこの砂漠が一面のタンポポ畑になるまで頑張ろうって、そう思うかもしれない。
そんな風にタンポポの種が心を決めるとしたら、どんなときだと思う?」

「……それは?」

「それはね、その砂漠に――たった一人だけでも――花を愛してくれる人がいるって知ったとき。
タンポポの花は綺麗だね、って、種に話しかけてくれたとき」


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最終更新:2024年01月09日 13:33