相沢祐一

登録日:2012/06/24(日) 22:08:13
更新日:2024/01/25 Thu 20:57:08
所要時間:約 8 分で読めます




「ちべたっ!」


「なぜっ!?」



「ハイ消えた!」


「てかどこにあったのコレ!?」




相沢(あいざわ)祐一(ゆういち)とはkey制作のゲームソフト「Kanon」の主人公。

CV: 私市淳(ドラマCD、東アニ版)
杉田智和(京アニ版、PSP版、かぎなど)
安田美和(少年時代)






本編開始時点で16歳の高校2年生であり、舞台となる街に7年ぶりに訪れ、
ヒロインの1人であり従妹である水瀬名雪との再会からKanonの物語は始まる。


良くも悪くも常識人で苦労人体質であり、個性の強いヒロイン達に振り回されつつも、
なんだかんだで気遣いをしてやるというギャルゲー主人公らしいキャラづけである。
困っている人や落ち込んでいる人を見ると放っておけないタチで、
ヒロイン達に対しても常識的観点からのツッコミをしつつも色々と気を回している面が多い。


あゆ:盗み食いしたたい焼き屋の親父に一緒に頭を下げたり、何かもわからない探し物を手伝ったりする。
:お腹を空かしているので好物のアイスクリームを買ってあげたり、作ってくれた大量の弁当を残さず食べる。
真琴:だらけている彼女に社会勉強の一環でアルバイトを勧めたり、校門前で待っていてくれたお礼に好物の肉まんを買ってやったりする。
:魔物退治をする彼女に毎晩差し入れしたり、イメージアップの為に舞踏会に参加させたりする。






……ここまで見て「1人足りない」と思っただろうが、
実は身近にいる存在である名雪の扱いが1番ぞんざいだったりする。
共通ルートでは他ヒロインに気を回しすぎて度々名雪を放ってしまう形になることがあった。
まあ、名雪の元来の心優しい性格もあってそれほど大きな亀裂になるまでには至らないことが殆どであるが。


常識人と上述したが、そんな彼でもボケることはあり時折おかしな発言をする。


以下、一例。


「1日中、盆栽いじりに精を出すつもりだ(どことなく渋い声で)」

「校長ごっことかできるぞ、チミ退学ね!」

「俺のことも遠慮なくおにいちゃんって呼んでいいぞ」

「意味は無い。純粋に俺の乙女心をくすぐる宇宙、その名も乙女コスモより生まれ出たワードだ」

「イエスははちみつくまさん、ノーはぽんぽこたぬきさんだ」


あと何故か真琴ルートの前半でも色々と奇行が目立つ。(殺村凶子、エロ本要求、混浴未遂……etc)









少年時は現在よりもぶっきらぼうな少年らしい口調であり、
回想を見る限り商店街で偶然出会ったあゆとよく一緒に遊んでいたようである。


以下、激しくネタバレ。

















実は過去の時点でヒロインの5人中4人と、つまりは8割と面識がありその全員とフラグが建っていたという天性のフラグメーカーである。
しかし、あゆを失った(と、思い込んだ)トラウマの所為か過去の出来事の大半を忘れており、
各ヒロイン達との記憶も出会った当初は曖昧であった。


時系列的に考えていくと幼馴染である名雪を除き、
10年前の夏休みに会ったのが舞で、夏の終わりに祐一と別れたくない一心で自らの力が魔物を生み出し、
思い出の麦畑が自分や祐一の通う高校になってからも目的を忘れて戦い続けているという形になる。


7年前の夏に出会ったのが真琴の前身となるキツネで、
半月だけの思い出であったが祐一に会いたいが為に奇跡を起こし人の姿となって祐一と再会する。


そして7年前の冬にあゆと出会う。
再会したあゆの「たい焼きは焼き立てが美味しい」ということや、
「自由に通える学校」といった話は全て7年前の出来事の記憶の断片であった。


あゆが木から落ち、そのショックで落ち込んでいたところに雪ウサギを持った名雪が現れる。
祐一はあゆを失ったショックで名雪に八つ当たりをし、彼女の雪ウサギを壊してそのまま自分の街へ帰ってしまう。


そして7年後に祐一は名雪の下へとやってくるわけだが、
あゆの事故のショックが大きかったとはいえ、これだけの出来事を殆ど憶えてなかったのは正直鈍すぎるような気がする……。
と思うかもしれないが、舞に関しては夏休みの間に遊んでいただけで、そこまで覚えていなくても不思議ではないだろう。実際、舞も祐一が昔遊んだ男の子だとは気づいていなかった。
それも舞と祐一の出会いは舞が自身を受け入れることが出来る存在(それが祐一)を求めての能力行使の結果出会ったもので、本来は出会うような関係にはなかった。後になっても祐一はどうやって会いに行っていたのか思い出せなかった(分からない)ような、不自然な会合だったので明確に覚えていなくても無理がない。
真琴にしても当時は狐だったわけで、気づける方が凄い。
そして重要なのは、舞がかつて夏休みに遊んだ女の子、真琴がかつて拾った狐なのだと気づくと、普通にその事を思い出している。
記憶を「封印」したのはあくまで7年前の出来事(あゆと名雪)だけである。





◯東映版アニメでの祐一

父親が英語が通じないスワヒリ語圏(おそらくアフリカ東部)に国外転勤になったことを受けて、水瀬家に居候することに。
作画の関係から「アゴ一」なんて通称で呼ばれることも。(といっても東映版のアゴは彼に限った話ではない)
原作よりも直情的な面が目立ち、怒りのあまり名雪やその他ヒロインに突き放した物言いをしてしまう一面もあった。


また、物語後半では祐一、名雪、あゆの三角関係が強調されており、あゆとのキスシーンを名雪に目撃されたり、
秋子さんが事故に遭って落ち込む名雪を慰める際にもあゆの名前を口に出したりした所為で、
祐一への恋心を捨てきれない名雪の心の堤防が決壊する要因になってしまったりと、ある意味原作以上に名雪への対応が悪い。


結果的に母親の手助けもあって名雪の方が吹っ切り、明確に祐一への恋心を捨てたので大事には至らなかったが、
祐一自身は心配性の母親の意向で一家揃って生活するために年度末を以って転校することになってしまう…。






◯京アニ版での祐一

こちらは中の人の関係で「キョン一」という通称で呼ばれたりする。
東映版の私市淳の声を聞き慣れた人からは「見た目より声が老けすぎている」「完全にキョンだコレ」といった声が挙がることも多い。
決して演技が悪いというわけではないが、イメージの問題や声色が独特なので気になってしまうのだろう。


基本的に話が原作に忠実に進んでいくので目立った崩壊は無いが、
中の人がフリーダム杉田ということもあって項目冒頭の様なアドリブと思われるセリフも多い。
また、全ヒロインのルートを描写する関係上+終盤はあゆと名雪のルートを同時進行させたということもあり、
やっぱり相対的に原作より名雪への対応が悪くなるという結果になってしまう。


しかし悪い点ばかりでもなく、同時進行というのを逆に利用しあゆが再び目の前から消えた直後に名雪が復活し、
落ち込む祐一の前に姿を現すという7年前のシチュエーションを再現するといった中々に粋な演出もあった。



「名雪……俺、いつもお前に頼ってた……甘えてたんだ……ごめん……」


名雪も名雪で、東映版の時と同じように何かを吹っ切るように「私……強くなるよ」と発言している。


……どっちにしろフラれてることに変わりはなくね? とか言うな、悲しくなるから。










そしてもう一つ語るべきは、歴代key作品の主人公の中でもどういうわけか影が薄いということであろうか。
アニヲタWikiにも理樹や国崎、岡崎といった他の主人公の個別項目が建っている中で彼の項目は2012年6月まで無かった。
MOON.」や「ONE~輝く季節へ~」を除けばkey作品の記念すべき最初の主人公であるというのにこの差は何なのだろう……?


とはいえ下記のような、


  • 法術使いで国崎最高ー! メインヒロインの為に命まで犠牲にして転生まで果たした国崎往人

  • 夢が絶たれた不良少年から、嫁を見つけたことにより急成長を遂げ、アニメでは国崎同様に岡崎最高ー! のインパクトを残した岡崎朋也

  • ショタ属性で男の娘属性、リフレインでは岡崎以上に漢として成長し、ルートによっては物凄いバカにもなる直枝理樹


などといった個性的なメンツと比較されると、どうにもインパクトに欠けているのも1つの原因なのかもしれない。




……実際は俗にいう『U1』のような扱われ方もあるわけで実際のインパクトが必ずしも劣っていたわけではないけど。








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最終更新:2024年01月25日 20:57
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