雨パ(ポケモン)

登録日:2011/10/14 Fri 19:54:48
更新日:2023/12/26 Tue 18:45:16
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「雨パ」とは、ポケットモンスターシリーズにおける「雨パーティ」の略称。

天候「あめ」の恩恵を利用する事を基本コンセプトとして構築されたPTの事である。


あめ状態の主な効果

  • みずタイプの技の威力1.5倍
  • ほのおタイプの技の威力が半減
  • 「ウェザーボール」がみずタイプとなり、威力が2倍になる
  • 「ソーラービーム」「ソーラーブレード」の威力が半減する
  • 「つきのひかり」「こうごうせい」「あさのひざし」の回復量が半減する
  • 「かみなり」「ぼうふう」が必中になる。
  • 特性「かんそうはだ」のポケモンのHPが毎ターン1/8回復する
  • 特性「すいすい」のポケモンは素早さが2倍になる
  • 特性「あめうけざら」のHPが毎ターン1/16回復する
  • 特性「うるおいボディ」のポケモンの状態異常が回復する
  • 特性「てんきや」のポワルンが「あまみずのすがた」になる

概要

最大の利点はやはりみず技の強化。
もともと非常に安定感が高いみずタイプの技が補強されるのは単純に強力。

特に雨状態ですばやさが倍増する特性「すいすい」持ちのキングドラルンパッパメガラグラージ等は非常に強力なエースアタッカーと化し、
抜き性能は全天候パ随一。
対策を怠ると『全抜き』される事すら珍しくない。雨パの採用理由の大半はこの抜き性能であろう。

他にも「かみなり」「ぼうふう」の必中化によりでんきタイプや一部のひこうタイプも主力になりうるため攻撃性能は非常に高い。
攻撃性能の影に隠れがちだが特性「あめうけざら」「うるおいボディ」による長期戦や、
ほのお半減効果によりほのお弱点のポケモンの使い勝手上昇等、防御面でも隙は少ない。

しかし第四世代までは天候を特性で「永続の雨」に変えてくれるポケモンは禁止級のカイオーガしかおらず、
通常の対戦では基本的に5ターンしか続かない(「しめったいわ」持ちで8ターン」)技の「あまごい」を使うしかなかった為微妙に使い勝手は悪かった。
だが、第五世代にてニョロトノが隠れ特性でカイオーガと同じ「あめふらし」を取得したおかげで雨パの実用性が高まり、
現在では砂パに並ぶトップメタクラスの構成となっている。

その後XYが発売となり第六世代になったが、
永続天候変更の仕様が変わり特性による発動でも5ターンしか保たなくなった為これまでとは違った構成が求められるようになった。

SMが発売されて第七世代になってからは、
ペリッパーの通常特性に「あめふらし」が追加され、再び脚光を浴びることとなった。
加えて、メガシンカの仕様変更により強化されたメガラグラージの存在も大きい。
特にダブルにおいては再びトップメタクラスに躍り出ている。

第八世代では、みずタイプのダイマックスわざ「ダイストリーム」でも発動出来るようになり、多くのポケモンが攻撃と天候発動を同時に行えるようになった。

雨パの欠点

まず晴れパ・砂パ・霰パなど天候パ全体の共通の欠点として「天候」を変えられると性能が大きく落ちる事。他天候パとのかち合いは強く意識したい。

またみず技の突破力が魅力なのでみず半減のポケモンやみず無効特性も辛い。
全体的に特殊技に偏った構成になりがちなため強力な特殊受けも若干辛い。サブウェポンや構成で上手く補いたいところ。
特にみず半減で高い特殊耐久を持ち、みずポケモンのサブウェポンでは弱点を突きにくいナットレイは雨パの天敵と言っていい。
雨のおかげでめざパ炎も致命傷になりにくいため非常に厄介。

ちなみに上記の雨パの不安要素となるポケモンにはかくとうタイプが弱点となるポケモンが多い。
(天候パのバンギラスユキノオー、特殊耐久が高いラッキーやナットレイ等)
そのため雨パの補完要因として、かくとうタイプのポケモンは採用率が高い。


主な雨パ要員

始動役

説明不要の強力さを誇る特性「あめふらし」持ちの伝説のポケモン。
自身だけでも「しおふき」や「かみなり」等相性の良い技を覚える為、シナジー性は抜群。
と言えども禁止級なので使用可能ルールはかなり限られる。
ORASではゲンシカイキを獲得、特性「はじまりのうみ」によって禁止級の中でも最強格に。
この状態では、「はじまりのうみ」を持ったポケモンが退場するまで「おおあめ」*1という状態になり、ほのお技が不発になる。また、「おおひでり」「らんきりゅう」以外の天候始動ができなくなる。

隠れ特性「あめふらし」によりマイナー脱却した雨の始動役。
こいつがいないと始まらない。天候始動だけでなく強化されたみず技や「アンコール」「さいみんじゅつ」等の変化技も強力。
ただし種族値そのものは並なため無理は禁物。
第7世代では下記のペリッパーが登場したが差別化は容易で、でんきタイプやフリーズドライのダメージも4倍に比べれば少ない。

SMで「あめふらし」を習得。
タイプ一致の必中「ぼうふう」が強力だが、相手の「かみなり」も必中となる点に注意。
「おいかぜ」で後続をサポートしてから「とんぼがえり」で退却等もできる。
後述のみず・じめん複合と組ませることで、苦手ないわやでんきに対処できる。

技の「あまごい」による天候始動役。
天候を雨に変えた後は「とんぼがえり」や「だいばくはつ」「おきみやげ」等で後続に繋ぐ。
隠れ特性ニョロトノやペリッパーの存在により、最近はほとんど使われない。

アタッカー

特性「すいすい」と安定したタイプ・種族値を持つ雨パの代表的なメインアタッカー。
みず技を半減する相手も「りゅうせいぐん」等のタイプ一致ドラゴン技が放てるのが利点。
ニョロトノやぺリッパーと組まれることが多いが、自ら「あまごい」で雨を降らせて戦う型も使われることがある。
発動に1ターン費やすものの、弱点が少ないため変化技を使う余裕は十分にある。

優秀なタイプを持つ「すいすい」「あめうけざら」持ち。みず半減のみずタイプをくさ技で牽制出来る。
耐久力もあるため、「あめうけざら」+「たべのこし」で相当粘れる。
「すいすい」を活かしてのアタッカーも多く、くさタイプのため雨パメタやミラーに強い。
「ねこだまし」の存在により、ダブルバトル適正は随一。「フリーズドライ」には要注意。

ORASでメガシンカを獲得し、特性が「すいすい」に。
貴重な物理アタッカーであり、弱点も4倍とはいえくさのみ。
火力・耐久に加え、雨下なら速さも加わり、隙のないステータスと化す。
耐久力を活かし、積み技感覚で自ら「あまごい」を使うこともある。
ペリッパーとの相性補完が非常によく、こちらの苦手なくさをペリッパーのぼうふうでさばける。

「すいすい」持ち最高の特攻。からをやぶるで更に攻撃的になるパターンも。
物理防御力もある程度はあるが、素早さの低さや弱点の多さから若干不安定。
雨以外の天候特性持ちに一致弱点を突けるが、バンギラス相手は分が悪い。

オスは物理、メスは特殊アタッカーの水/霊。
単純な「すいすい」としても一貫性の高い水/霊の範囲で、「ものまねハーブ」を使う事でハカドッグの専用技だった「おはかまいり」も使用出来る。
オスの雨補正がかかった「てきおうりょく」アクアジェットもかなりの火力を出せる。

雨抜きでも単体で非常に優秀な抜き性能を持つうえ「なみのり」「かみなり」等の優秀なサブウェポンが強化され強力。
雨に依存し過ぎな構成を嫌う場合やニョロトノとの相性補完を意識する場合にキングドラに変わってエースとして採用されやすい。

「すいすい」持ちには貴重な物理アタッカー。弱点多め。
一致「ストーンエッジ」は水では狩れないタイプの弱点を付けるため強力。
こちらも雨以外の天候特性持ちポケモン全員に一致弱点を突ける。
より強力な物理アタッカーのメガラグラージ登場以降は影が薄い。

ラグラージと同タイプの「すいすい」。
こちらは非メガ枠であり、持ち物が自由であることを活かして戦う。
物理みず技をろくに覚えないため、必然的に特殊アタッカーになる。
ただし、単体性能重視でメガラグラージが優先されがち。
と、ここまでは第7世代までの話。第8世代ではメガラグラージ不参戦&物理みず技習得により、メガラグラージの代役として開花した。ダイマックスすれば自分で雨を降らせる。
隠れ特性「ちょすい」に偽装して奇襲するガマゲロゲもたまにいるため、いくら雨が降っているからと言って不用意にみず技を撃たないように。

特性「うるおいボディ」と「ねむる」による無限コンボがウザイ。
一撃技で強引突破してくるラプラスもいる。
だが、天候特性にも5ターン制限ができて以降はすっかり鳴りを潜めてしまった。

必中「かみなり」が魅力な他、「いたずらごころ」と「でんじは」でキングドラより早いポケモンを機能停止させたり、
かくとう技で相性補完したりとでんきタイプの中でも特に雨パとのシナジー効果が高い。

専用技で「かみなり」よりも威力の高く特攻を上げる「エレクトロビーム」を貯めなしで打てる以外のシナジーはないが、それゆえに雨なしでも戦える。

みず技強化と「かみなり」必中の効果をどちらも有効活用可能。
ランターンは意外と脆いので(不一致地震程度なら耐えるが)注意。

こちらも「かみなり」必中化と不一致かつ条件付きだが「なみのり」の強化が可能。
「ひらいしん」や「ねこだまし」「アンコール」等、技や特性が全体的にダブルバトル向き。

必中の「ぼうふう」が非常に強力。
だが、ペリッパーの「あめふらし」習得後は微妙に。

ほのお半減のおかげで使い勝手が更に上がる。雨パの天敵ながら自身も雨パ要員として優秀な憎い奴。
何気に雨パが苦手な「トリックルーム」への対抗策にもなる。

ナットレイ同様ほのお半減で使い勝手がいい。
「とんぼがえり」による「すいすい」アタッカー降臨が便利。

相性補完役

補完に優れるはがね枠で、凄まじい攻撃力により受けに来る相手を粉砕する。
トリックルーム」と併用されることも多い。

補完に優れるはがね枠で、自身も素早いために上からの制圧に向く。

単純に単体性能が高い他、雨状態で必中になる「かみなり」「ぼうふう」やかくとうタイプの「ばかぢから」など雨パにシナジーした技を多く持つ。

一見雨パと相性が悪そうに見えるが、雨パキラーに強く、こいつが苦手な相手は雨パで処理出来たりと補完に優れている。
「ぼうふう」も使用可能。

高い特攻からの必中一致「ぼうふう」の火力はウルガモスをも凌ぐ。雨パが苦手とするポケモン全般に強く、特に第5世代で猛威を振るった。

上記の通り相性補完用。
特に雨パで採用率が高いのはローブシン/バシャーモ/ビリジオン/キノガッサ/ドクロッグ/ヘラクロス辺り。

「すいすい」持ちのかくとうタイプ。
素の火力は低くかくとう技が全体的に貧弱なため相性補完用の単純なかくとう枠としては微妙だが、
上手く「はらだいこ」を決めれば手が付けられないエースアタッカーとなる。
ちなみに素早さは進化前のニョロゾの方が高く、場合によってはそちらが使われることも。

みずタイプ以外も数少ない「すいすい」持ちという珍しい存在。但しみず技は「アクアジェット」と「アクアテール」のみ。
カブトプスと比べると弱点が少なく(耐性も高くないが)、カバルドン以外の別の天候始動役に対しても一致弱点を取れる。
しかし、自身もみずに弱いのが悩みどころか。
こちらも素早さは進化前のアノプスの方が高く、そちらが使われることも。

こちらも数少ないみずタイプ以外の「すいすい」持ち。アーマルドよりはみず技に恵まれている。
自身のほのお弱点を克服できる上、鈍足故に使いづらかった「つららおとし」が使い易くなるなどメリットが多い。
先制技「アクアジェット」が強化されるのも嬉しい。



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最終更新:2023年12月26日 18:45

*1 第六世代では「つよいあめ」