ラフレシア(ポケモン)

登録日:2012/04/15(日) 00:45:10
更新日:2024/03/05 Tue 02:56:07
所要時間:約 5 分で読めます





世界一大きな花びらは歩くたびに揺れて大量の毒花粉をばらまいてしまう。

ラフレシアとはポケットモンスターシリーズに初代から登場するポケモン

■データ


全国図鑑No.045
分類:フラワーポケモン
英語名:Vileplume
身長:1.2m
体重:18.6kg
タマゴグループ:植物
性別比率:♂50♀50

タイプ:くさ/どく
特性:ようりょくそ(晴れの時、素早さが2倍になる)
隠れ特性:ほうし(接触技を受けた時に各10%の確率で相手をどくまひねむり状態のいずれかにする)

HP:75
攻撃:80
防御:85
特攻:100
特防:90(初代のみ100)
素早さ:50
合計:490

努力値:特攻+3

クサイハナにリーフのいしを使うと進化する。


■概要


世界最大の花、ラフレシアがモチーフ。
見た目も名前も図鑑の説明もそのまんまである。

花粉は猛毒で、アレルギーのもととなるらしい。それをばら撒きながら歩くという。
受粉の方法として有効そうだが、トレーナーは大丈夫なのだろうか…。
あるいは、この手のポケモンによくある「心を許した相手には無毒化する」性質なのかもしれない。
顔つきはナゾノクサの頃のようで、何ともかわいらしい。

実際にポケモンスナップでは寝る時に花の部分だけ地上に出し、奥の樹が認識出来なくなるレベルに花粉を放っていた。

ちなみに鳴き声はプテラに似ている。


■ゲームでのラフレシア


赤・青版では5~25番道路の各地の草むらに初期形態のナゾノクサが出現する。
緑版のマダツボミと対の関係だが、あちらでは12番道路以降に進化形のウツドンも出現するのに赤や青ではクサイハナが出ない。

序盤の攻撃技が「すいとる」しかなく、毒技も中盤で「ようかいえき」を覚えたらそれっきりなので、旅パの一員としては火力に難がある。
「つるのムチ」「はっぱカッター」を持つマダツボミや、その2つの技に加えて「やどりぎのタネ」まで覚えるフシギダネとの差は大きい。
最初にフシギダネを選んでいるならあえて手持ちに入れる必要は薄いかもしれない。
それでもカスミ戦では「すいとる」連打で結構粘ってくれるので、最初にヒトカゲを選んだ人には有難い存在といえる。
その後も「いあいぎり」要員や「ねむりごな」による捕獲要員として連れて行った人も多いだろう。

ラフレシアはタマムシシティのジムリーダーエリカの切り札。
……なのだが、金銀ではキレイハナにその立ち位置を奪われ、ついでに手持ちからリストラされる*1
まぁそのキレイハナもHGSSモジャンボにとって代わられたが。
最終的にBW2PWTにて切り札に返り咲いた。

あくタイプではないが、四天王カリンの手持ちでもある。
金銀のドット絵だとラフレシアの体の色はほとんど黒に近いので、そこから悪のイメージを得たのかもしれない。

かつては「はなびらのまい」がナゾノクサ族の専用技だった。技どころかラフレシア自体に実用性が皆無な上に育てるのが面倒だったのでほとんど見ることがなかった。
そのためポケモンスタジアムシリーズでレンタルポケモンや「ゆびをふる」などで見ると、桜吹雪が襲い掛かるような美麗なモーションで盛り上がったものである。3ターン目あたりから「この技全然強くなくね?」とがっかりするところまでがセット。
現在では様々なポケモンが覚えるようになったが、やはりリスクの高い技なのでその世代をがっつり遊んでいる人でもモーションを見たことがない人も多い。そういう意味では地味にレア技である。


■アニメでのラフレシア


無印にてムサシのそっくりさん、ルミカの手持ちとして登場。過去の回想から、ルミカが幼い時より一緒にいた模様。
半強制的に実家に連れ戻されたコジロウを「しびれごな」で麻痺させた上で引き止めようとするが、コジロウ家の愛犬ガーちゃんの「かえんほうしゃ」で突破された。

水の都の護神 ラティオスとラティアス」に登場したリオンは、
幼稚園の頃に、キレイハナに進化させるつもりだったクサイハナを姉のザンナーに勝手にラフレシアに進化させられた事があるらしい。


■対戦でのラフレシア


素早さが低い以外はバランスの良い能力。
しかし同タイプに自身より種族値や技に恵まれたフシギバナウツボットが存在するため、差別化が難しかったポケモン。
特にフシギバナには防御種族値で僅かに上回る以外は全て負けており、またHPで大きく劣るため実質的に全ステータスで劣っている。

初代では「はなびらのまい」が専用技だったが、上記2匹の持つ「はっぱカッター」に比べると貧弱さが目立った。

金銀ではフシギバナより先に「ヘドロばくだん」を覚えるも、ウツボットも同じ技を習得。
こちらは「じたばた」も習得したが、「アンコール」を得たウツボットの方がサポート等で活躍しやすかった。

RSEでは特性「ようりょく」により晴れパで使いやすくなるも、素早さで勝るウツボットも同じ特性を獲得。

BWではダブル・ローテで「いかりのこな」サポート&「キノコのほうし」使いのモロバレルが登場。
さらには配布されたフシギバナが「ようりょくそ」を習得……ますます影が薄く(ry

覚える技は、「ギガドレイン」「ヘドロばくだん」をはじめとした特殊技、
フシギバナとの差別化に「しびれごな」や全員の状態異常を回復する「アロマセラピー」等。

他のくさ・どく複合にない特徴としてフェアリー技の「ムーンフォース」も覚える。
一致技を半減で受けられるかくとうをそのまま倒せるほか、くさを半減する上に「だいもんじ」を使うことが多いサザンドラ等にも有効。
しかし結局、「めざめるパワー」や「しぜんのめぐみ」なしではどく・はがねを突破できないのは変わらないので残念。
なお、「ムーンフォース」を覚えられるのはナゾノクサのみで、クサイハナになると覚えられなくなるので注意。

また、くさタイプにしては珍しく「ドレインパンチ」を覚える。
BWから威力とPPが底上げされ、対ノーマル、はがねに対してプレッシャーをかけることができるかもしれない。
BWでは習得手段がなかったがBW2で教え技となった。
「あまえる」と組み合わせた物理受け型、「つるぎのまい」からの物理アタッカー……はネタの域かもしれない。

タマゴ技で「フラフラダンス」を習得できるので、差別化しつつ「しびれごな」で麻痺+混乱という非常にいやらしい戦法で運ゲに持ち込むことも可能。

「やどりぎのタネ」は残念ながら覚えない。
例外的にFRLG時代にイベントで配布されたタマゴから生まれたナゾノクサのみ使用できた。

時は流れて第七世代USUMではタマゴ技で「ちからをすいとる」を習得。
弱体化と回復を同時に行えるため、くさ/どくの耐性や特性「ほうし」を活かした耐久型の戦術を取れるようになった。
同じく「ちからをすいとる」と「ほうし」を併せ持つマシェードと比べても特防以外の種族値では勝っている。
世代を追うごとにコツコツ強くなっているポケモンである。

第八世代では、登場から24年目にしてついに「やどりぎのタネ」がタマゴ技に追加された。

第九世代では遂に「リーフストーム」と「ウェザーボール」を習得し、火力面も改善された…のは良かったのだが、「アロマセラピー」が技ごと消滅。
フシギバナとの差別化がますます難しくなったことにより、ウツボット同様ランクマッチの使用率では圏外。
使用するなら従来通り、耐久型の戦術を活かした方が良いかもしれない。

■クサイハナ


めしべが放つとてつもなく臭いにおいは2キロ先までとどき 気を失わせる。

全国図鑑No.044
分類:ざっそうポケモン
英語名:Gloom
身長:0.8m
体重:8.6kg

タイプ:くさ/どく
特性:ようりょくそ(晴れの時、素早さが2倍になる)
隠れ特性:あくしゅう(攻撃すると10%の確率で相手をひるませる。手持ちの先頭にすると野生のポケモンの出現率が半減する)

  • 種族値
HP:60
攻撃:65
防御:70
特攻:85
特防:75(初代のみ85)
素早さ:40
合計:395

努力値:特攻+2


その花から溢れる花粉や口から垂れた蜜が悪臭を漂わせ、実に2km先まで届き気絶させるという強烈なもの。
蜜はとても甘く獲物をおびき寄せるのに使われるが、触れるとねばねばと纏わりつく。
それ以前に臭すぎて近寄れないはずだが、1000人に1人ほどこの臭いを好むというマニアもいるとか。意外と多いな
ルビーバージョンでは警戒心が強まると臭いも強くなるが、心が穏やかな時には臭くないと説明されている。

しんかのきせき」を持たせることでラフレシアを超える耐久力を発揮できる。
メガフシギバナほど硬くはないものの、「ちからをすいとる」が使えるのは強み。
またナゾノクサ系の特徴として全員隠れ特性が異なり、コイツは「あくしゅう」持ち。
同特性持ちで唯一使える「しびれごな」や「フラフラダンス」との相乗効果も狙える。

■ナゾノクサ


全国図鑑No.043
分類:ざっそうポケモン
英語名:Oddish
身長:0.5m
体重:5.4kg

タイプ:くさ/どく
特性:ようりょくそ
隠れ特性:にげあし

■ポケモンカードでのラフレシア

最強という言葉が何をもって定義されるかはともかく、「ポケモンカードの最強のカードは何?」という話をしたときに「わるいラフレシア」がすぐに上がる人はよく訓練されたポケカ勢である。通称「わるラフ」。
【特殊能力】アレルギーかふん
このカードが場にいる限り、誰もトレーナーカードを使うことができない。「ねむり・マヒ・こんらん」状態の時、この力は消える。
当時のポケモンカードはトレーナーカードに極端に依存して戦略を立てていたため、強いとか弱いという評価ではなくこんなもんを無制限で解禁していたらゲームにならない
このカードのミソは、ポケモンカードは進化をさせるタイミングがかなり自由に決められるという点。つまり自分だけトレーナーカードを使ってしっかり布陣を整えてから進化させることで、相手だけトレーナーカードを満足に使用できないという一方的なゲームを作り出せる。
当然だがほぼすべての環境で実用をためらうレベルの規制*2がかかる。フハハハ……強かろう。
そしてそれでもなお大活躍することがある……つまり「他の便利カードすべてを捨ててたった1枚のラフレシアに極端に依存したデッキ」という、全盛期とは比較にならないほど見る影もなくなった姿ですらうっかり優勝することがあるという、まさにカードゲーム黎明期だからこそ生まれてしまった悪魔。
勝ち筋としては相手の手札にトレーナーカードが溜まることを利用した、《ゴースト》(拡張シート緑)の「ポルターガイスト*3」などが有名で、当時は「わるラフポルター」と呼ばれるほどだったが、最近の旧裏コミュでは必ずしもそれに依存しなくてもいいという意見が出ているようである。
ポケモンカードではその後もこの「わるいラフレシア」をリメイクしたような形で、条件付きでトレーナーカードの使用を制限するカードが登場している。また、ワザや特性(特殊能力、ポケパワー、ポケボディー)にも花粉を思わせる名前が組み込まれるようになった。昔ははなびらのまいが専用技ってイメージだったのになぁ……

この「わるラフポルター」はポケモンカードGB2の「ふういんのトリデ」でも対戦することができる。熟練したプレイヤーほど苦戦するが、実は熟練していないプレイヤーだとトレーナーカードをそこまでデッキに入れないため、
あれ、こいつだけ全然強くないな?」と首をかしげる……つまりメタゲーム以前の人が相手の場合、まったく刺さらずにあっさり負けることがある。そういう意味では、相手が熟練者だという信頼が生み出す強さなのかもしれない。

また、話だけはやたら有名なデッキ【タケキュウロック】の強さを支えるのもこのカード。
【特殊能力】ばける(エラッタ前)
この力は、自分の番ごとに1回だけ使える。手札から「進化カード」を1枚選び、このカードの上にのせる。それ以後、このカードを、のせた「進化カード」のポケモンとしてあつかう。(ただし「進化・退化」はできない)。自分の番に、このカードの上にのっている「進化カード」をトラッシュして、このカードを「タケシのキュウコン」にもどしてもよい。このカードが「ねむり・マヒ・こんらん」状態の時、この「ばける」の力は使えず、このカードは「タケシのキュウコン」にもどる。(のせてあった「進化カード」はトラッシュされる)
この能力を用いて、強力なロック性能を持つ《プテラ》(化石のヒミツ)や《わるいラフレシア》を進化元を入れずに使用して相手に進化もトレーナー使用もさせずにロックをかけ、自分のターンではこれを解除して自分だけ進化とトレーナー使用し、ターンが終わる前にまた「ばける」でロックをかけなおすというやりたい放題なデッキ。
トラッシュされた進化ポケモンはやはり《わるいヤドラン》の特殊能力で回収し、相手に何もさせないことを徹底して一方的に殴るというもので、後に《タケシのキュウコン》に特殊能力を適用外にするエラッタがかけられるきっかけにもなった。
ただし実はこれ、旧裏勢の間だと「話ばかり有名ですぐに対処された」「使われているのを見たことはない」「そもそも当時の無法地帯のような環境で勝てるのだろうか?」という話が多い。
いわば都市伝説のようなデッキであり、遊戯王でいえば【ラストバトル!】や、むしろ《リーフ・フェアリー》1キルの話に近いのだろう。

なお、これ以前のポケモンカードGBにも収録されていた《ラフレシア》(ポケモンジャングル)は逆にめちゃくちゃ弱いカードとして有名。
そりゃ2進化してできることがバタフリーやスピアーの方が強いんだからしょうがない。

最近(?)では《ラフレシアGX》のSR版のイラストにコレクター需要があるようだ。ラフレシア本人ではなく、それに抱き着いてすやすや眠っているエリカが目当てである。つくづく男というものは、御しがたいな!
こんな感じでラフレシアの主戦場はどちらかというと外部コンテンツという扱いのようだ。いつか本家でも、カードの全盛期のごとく大活躍してくれる日が……来てほしくないなぁ。


ひまなじかんがおおいほどたくさんついきしゅうせいをしてくれるがついきりょうがおおすぎてつかれてしまうという。
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最終更新:2024年03月05日 02:56

*1 実はピカチュウバージョンの時点で、アニメを踏襲するために「クサイハナ」にされてしまっていた。

*2 昔のポケモンカードの規制は「殿堂ランク式」というもので、デッキに含まれる60枚の殿堂ポイントが一定数以下になるように組まなければならない。公式大会ではこのポイントが4であり、ラフレシアは最初に規制がかけられた当時から3(のちに4)、つまり事実上制限カードである。現在でも続いている非公式コミュニティでは殿堂ポイントが8なのだが、唯一8から不動。

*3 相手の手札にあるトレーナーの数×10ダメージ。本来はトレーナーカードがあまり手札に溜め込まれないゲーム性なのでそこまで強い技ではなく、「相手の手札を覗きながら若干のダメージを与える。相手はこのワザを嫌がってトレーナーカードを一気に使ってしまい、次からはダメージを期待できなくなる」というデザインのはずなのに、わるラフのせいで手札を消費することすら許されなくなってしまう、という理屈。後のポケモンカードでも似たような効果で登場している他、第8世代から本家に登場した同名のわざも元ネタにしている可能性がある。