手塚海之/仮面ライダーライア

登録日:2010/06/01(火) 00:30:42
更新日:2023/05/15 Mon 00:33:53
所要時間:約 7 分で読めます




俺の占いは当たる




仮面ライダー龍騎』の登場人物。24歳

演:高野八誠

コイン投げ等によって人の運命を占う占い師の青年。
その占いは的中率ほぼ100%と驚異的なものだが、本人は「運命は変わらないものではなく、むしろ変えるもの」ととらえている 。


本来、彼は神崎士郎に選ばれたライダーではない。
選ばれたのは手を負傷し、ピアニストの夢を断たれていた親友の斉藤雄一だった。

だが、彼は誰かを犠牲したくないと言い、ライダーになることを拒否。
直後、手塚の目の前でガルドサンダーに食い殺されてしまう。
(斉藤雄一の怪我は浅倉威の起こした暴行事件の巻き添えを喰らった為であり、浅倉威に少なからず因縁がある)


手塚の戦う理由は親友を救えなかった悔恨から。

彼の信じた正義を無駄にせず、変えられなかった『運命』を変える為、仮面ライダー同士の戦いを止める為である。
城戸真司に近いものであるが、彼が漠然とした正義感で戦っているのに対し、
手塚の動機はその方向性がはっきりしており、自己満足のエゴにすぎないことを自覚しているという点に大きな違いがある。




仮面ライダーライア


スーツアクター:矢部敬三

手塚が変身するライダーでメインカラーは紅寄りのマゼンタ
契約モンスターはエイ型モンスターのエビルダイバー。

エビルウィップやコピーベントを用いたトリッキーな戦いを得意とする。
特にコピーベントはガードベントをコピーすることで防御力を上げたり、間合いの外から攻撃してくる相手との戦いでも不利にならずに戦えるなど汎用性が高い。
ライア自身の戦闘力も高く、初戦でナイトを追い詰めたり、士郎の眷属モンスターであるガルドサンダーと互角に渡り合っている。

後頭部のおさげ「ライアエンド」が特徴で、設定上はこれを武器にすることもできる。


契約モンスター


  • エビルダイバー
エイ型のモンスター。4000AP。
水中活動だけでなく飛行能力を合わせ持ち、ライアを乗せての飛行も可能。
鋭い胸鰭「エビルフィン」と、電気を帯びた尾「エビルウィップ」が武器。

手塚の仇を討とうとする主人思い?な面やピンク色の見た目からかpixivや二次創作では萌えキャラ要員とされる事も。
『エビル可愛いよエビル 』というタグが存在する程。
同じく主人の仇討ちを計画して逆に契約されたメタルゲラスとはコンビとして語られることも多く、実際に契約後も両者ともに反抗的だった。

又、契約モンスター達はとある少女が自分達を守って欲しい、との思いを込め描かれた絵が元となっているが…エイ?
他のモチーフに比べ強そうなイメージが薄いが少女には思い入れがあるのかもしれない。


【召喚機】


  • エビルバイザー
エイを模した盾型の召喚機。左腕に装備する。
カバーを上に押し上げてカードを装填する。
盾や切断武器としても使用できる。
盾としての機能が重視されているためか他のライダーのバイザーと比べるとかなりデカい。


【所有カード】


  • アドベント
エビルダイバーを召喚。

  • スイングベント:エビルウィップ
エビルダイバーの尾を模したムチ。2000AP。
高圧電流が流れている。

  • コピーベント
その場にいる仮面ライダーの武器の模造品を作る特殊カード。
本編ではナイトのウイングランサーを、龍騎のドラグクロー、ドラグセイバーをコピーした。

  • ファイナルベント:ハイドベノン
エビルダイバーの背に乗っての波乗りアタック。5000AP。

仮面ライダーライアサバイブ


「もし手塚が『サバイブ-疾風-』を使用していたら」というIFで誕生したライアの進化した姿。
元々は龍騎でデザインを担当した篠原保氏が2003年に雑誌「宇宙船」の『妄想戯画』で描いたイラストが原点。
2008年にはメガハウスの『ART WORKS LIMITED』として立体化されており、下記の所有カード2枚を1/1で再現したシールが同梱されている。

なお、デッキの配色は(ライダーズクレストが)に変化しており、この「金ベースにメインカラーのライダーズクレスト」のサバイブデッキは、後の王蛇サバイブで公式で取り入れられている*1


【契約モンスター(サバイブ)】

  • エクソダイバー
エビルダイバーがサバイブの力でパワーアップした姿。6000AP。
「アドベント」の絵で底面にタイヤがあることが確認でき、バイク形態にも変形することが分かる。
宇宙船2008年夏号vol.121では、造形用の描き下ろしの設定画稿も掲載された。
当初は不明だった「EXODIVER」の読み方もこの時期に判明した。

【召喚機(サバイブ)】

  • エビルバイザーツバイ
弓型の召喚機。形状以外の詳細は不明。

【所有カード(サバイブ)】

  • アドベント
エクソダイバーを召喚。

  • ファイナルベント
詳細は不明だが、他のサバイブライダー同様にバイクへと変形した契約モンスターに乗り敵に突進する技と考えられる。8000AP。


◆本編での活躍


偶然出会った秋山蓮の運命を見通し、その運命を変えようと忠告しているうちに真司らと出会う。
ライダー同士の戦いを止めるために為に戦う手塚に真司らは共感していき、貴重な協力者として共に戦っていくこととなる。

その経緯からライダーの事情を知らない真司と視聴者にライダー達の抱える事情や願いについての情報を与え、戦いに奔走する。

また、士郎の妹である神崎優衣を占ったことで、彼女の出生に疑念を抱き、彼女の出家を突き止めて優衣を導くとともに、独自の調査によって真実の一端にたどり着く。

戦いが進展しないことに苛立つ士郎が、戦いを促すために『サバイブ-疾風-』のカードを手塚に渡すが、それでもなお拒否して蓮に渡した。


このように手塚は真司、蓮、優衣と主要メンバーにそれぞれ大きな進展を与えた人物であるといえる。

仮面ライダーガイが王蛇によって倒された後、次に消えるライダーを占い、自身であると伝える。

その後、業を煮やした士郎が差し向けた王蛇と止むを得ず戦うことになるが、「齋藤雄一はライダーにならなかったことを後悔していた」と士郎に吹き込まれ動揺してしまい、王蛇の猛攻にさらされてしまう。
両者の戦いに気付いた龍騎が駆け付けるも、折しも龍騎をつけ狙っていた王蛇に追いつめられてしまう。
そして王蛇のファイナルベントが放たれる瞬間、龍騎を庇って致命傷を負ってしまう。
やはり彼の占いは当たってしまったのか。運命は変えられないのか。
そう苦悩する真司だが、手塚は「やっと占いが外れた」と微笑む。

実は占いで出た「次に脱落するライダー」はライアではなく、龍騎であった。
彼はそれを隠し、運命を変えるために自ら犠牲になったのである。

自らの占いを外し、運命を変えられたこと、親友が後悔していなかっただろうことを満足に思い、真司達に看取られる中、安らかに息を引き取った。

死の間際にガラスに写る優衣を見て、彼女に隠された秘密に薄々気付いていたようだが、それを真司に伝えきれぬまま力尽きる。
「ライダー同士の戦いを止める」という同じ志を持った者の死に、真司の慟哭が虚しく響き渡るのだった……


『龍騎』のライダーの中では、その人柄故に人気のある人物で、彼の死に真司と共に悲しんだ視聴者も多い。
総集編でもある第28話でもその死を止められず、「またかよ……またこうなるのかよ!!」と嘆いた視聴者もまたしかり。
そして、闘いを止めようとした手塚の死に象徴されるかのごとく、以降の物語はシリアス色がとても強くなり、より血みどろの展開になっていくのであった……



最終話の「ライダーのいない世界」にも登場。
通り掛かった真司の運勢を占った。

「(真司のバイクが東條の自転車に追突されたのを見て)あんた、今日の運勢は最悪だな」

「(真司のバイクが浅倉に蹴られたのを見て)俺の占いは当たる」


TVSP版では蓮の友人であり、彼と同じく小川恵里を愛していたという設定である。

しかし愛するものを救うために誰かを犠牲にすることに違和感を持ちながら戦っている中、コピーベントによって仮面ライダーナイトに擬態していた仮面ライダーベルデの襲撃を受け死亡する。

漫画版では、仮面ライダーという仮面を着けて戦っている内に人間性がなくなっていくことへの恐怖や、ミラーモンスターはライダーの成れの果ての姿ではないのかという推測を口にする姿が描かれた。
戦いを続けるルートでのナイトの姿を見る限り、手塚の推測は当たっていたのかもしれない。

劇場版では、既に脱落者となり未登場。
だが、経緯は不明ながらもエビルダイバーは王蛇の契約モンスターになっていた。


◆『仮面ライダーディケイド』での活躍


第6話:『龍騎の世界』でライダー裁判に参加。
他のライダーはそれなりの活躍があったが、何故かガイ共々、出番はほんの一瞬だけ。


第24話:『シンケンジャーの世界』で、シザースとともにディエンドに召喚される。
これは相手が寿司屋であるシンケンゴールドであり、海の生物繋がりだからと思われる。

それなりに善戦したがあっけなく捌かれたシザースとは違い、それ以上に割と善戦していたが、突如襲撃してきたチノマナコによって敗北してしまう。


『オールライダー対大ショッカー』:大ショッカーに対抗するために海東がスカウトしていた王蛇、キックホッパーが逆に襲いかかってきた際にガイ、パンチホッパーとともに召喚される。

せいぜい足止め程度なので、出番は少ない。
因みにガイ、パンチホッパー共々、映画に初出演となった。

RIDER TIME 仮面ライダー龍騎


TV本編同様、手塚が変身するライダーとして登場。真司を含む3人のライダーと組んで戦いに臨んでいたが……?

◆その他の映像作品


オーズ・電王・オールライダー レッツゴー仮面ライダー』では、応援に駆けつけたサブライダーの1人として登場。

小説 仮面ライダー龍騎

モブライダーの一人として登場。
変身者は明かされていないが、ミラーワールドの星空を見て自分の不吉な運命の予兆を感じており、ここでも占い師なのかも知れない。

劇中では王蛇と対決。
王蛇の首にエビルウィップを叩きつけるも全く怯まず、逆に距離を詰めて来た王蛇のベノサーベルで腹を抉られ、さらに間髪入れず放たれたベノクラッシュでトドメを刺される。
亡骸はそのままベノスネーカーに食われた。
登場からここまで僅か3ページ。上記で感じた不吉の予兆はそのまま的中してしまったと言えよう。


◆余談


ライアとはエイを意味する単語であると同時にLiar「嘘つき」を意味する単語である。
最後の最後に真司に優しい嘘を吐いた彼らしい名前かもしれない。
ヒーローはどこにいっても、ヒーローなのだ。

ハイパーバトルビデオ『仮面ライダー龍騎ハイパーバトルビデオ 龍騎vs仮面ライダーアギト』の演出を手掛けた鈴村展弘監督曰く「当初はライアも登場させるつもりだったが、『13 RIDER』との兼ね合いでシザース共々没になった」らしい。

ライアサバイブのイラストが掲載された『妄想戯画』において、篠原氏は「もし斎藤雄一がその場にいたガルドサンダーと契約していたら」というIFで、「仮面ライダーブレード」というライダーも描いている。
ブレードの見た目はライアに似ているが、メインカラーは鮮やかなピンクになっている。

一文字違いで後に某オンドゥルライダーの名前になるが、気にしてはいけない。
同じく篠原氏デザインの仮面ライダーアビスも登場したので、今はきっと「仮面ライダーガルド」となるのだろう。

見た目はライアと忍者……というか変身忍者 嵐を掛け合わせたような感じ。
ライアブランク体(この場合はブレードブランク体)にガルドサンダーの要素が加わるとこうなるのだろう。

因みにガルドサンダーのAPは4000だった。

演じた高野氏は後に映画監督にも挑戦し、『HE-LOW』という作品ではかつて共演した縁から真司役の須賀貴匡氏が出演し、龍騎の変身ポーズをやろうとして「そこまで許可取ってねぇよ」とストップをかけるというシーンがあった。
更に言うと『ウルトラマンガイア』にてウルトラマンアグルの変身者・藤宮博也を演じており、『HE-LOW』ではウルトラマンガイアの変身者・高山我夢を演じた吉岡毅志氏も出演した。
ちなみに主演はウルトラマンのニュージェネシリーズお馴染み闇の変態紳士青柳尊哉氏

『RIDER TIME 龍騎』での手塚と芝浦の関係については
「原典本編中の手塚はどこか女性的なところがありましたし、芝浦は男らしさがありましたから、まあ惹かれる部分もあったんでしょうね」と高野氏としては納得できる部分もあった模様。
台本初見時には困惑しきりだった芝浦役の一條俊氏とは対照的である。

雄一


お前は後悔なんてしていない


今ならわかる、お前は俺の運命を変えていたんだ


それがもっと大きな運命を変えるかもしれない


俺の占いが


やっと


外れる


おい……嘘だろ、手塚……?

なあ……目ェ覚ませよ手塚……手塚ぁ!

手塚ぁっ!!

手塚ぁぁぁぁぁ―――――っ!!




7月7日 占いが外れた日―

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最終更新:2023年05月15日 00:33

*1 王蛇サバイブはオーディンの『サバイブ-無限-』を使用して変身するため全身に金色が取り入れられており、ライアサバイブ以上に金ベースのデッキが馴染むデザインとなっている。