ストリートチルドレン

登録日:2012/01/24(火) 23:53:14
更新日:2024/02/11 Sun 00:59:38
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???「……こちらウルズ7。アニヲタの集い内コンテンツ、アニヲタWikiへのハッキングに成功。
万一にも身元が割れないよう、民間人の携帯電話を通してある。
平和維持活動の一環として、これより項目の作成に入る。

音声入力システムを起動……」

カチ


「ストリートチルドレンとは、都市の路頭で寝泊まりをする未成年の子供達である。
現在、世界中に一億人から一億五千万人ものストリートチルドレンが存在していると言われる。

保護者によって養育されていない事が一般的であり、独力で生活するために犯罪に手を染めるなど、社会問題となっている。


■背景

これらの子供達が発生してしまう背景は様々だが、

  • 貧困により口減らしの為に親から捨てられる

  • 貧困により避妊まで手が回らない親によるセックス

  • 古い社会習慣により、子をたくさん産めば労働力になると考える無計画な子作り

  • 親のネグレクトを初めとした虐待

  • 親のアルコールや薬物依存による家庭崩壊

  • 家庭生活の貧困のあまり、路上生活で物売りなどした方がまだ生きる可能性を見出せる(家庭にその収入を入れている例もある)

  • 戦災により両親を失う

等々、様々な要因があげられる。
上記のように、その背景には貧困がある事が多く、やはり発展途上国に多く存在する。

特に問題となっているのは、内戦が多発するアフリカや、チャウチェスク独裁政権で避妊を禁止されたルーマニア、
未だに戦火がくすぶりゴミ山に大量の世帯が暮らすカンボジアなどがあげられる。

これらの子供達が目先の金欲しさに窃盗などの犯罪に手を染めるのはもちろん、暖かい寝床を求めて下水道に大量に寝泊まりして毒ガスにより大量死してしまったり、
停車している車の窓を強引に拭き金銭をねだろうとして轢かれて死んだりなど……。その生活に「安心」「安全」はない。
またこれらの国では、大人達でさえも彼らに対し「汚く不潔な厄介者」でしか無いと考え排斥する場合が多い。

リオデジャネイロのカンデラリア教会の前で寝泊まりしていた70人あまりの子供達が、厄介者として銃撃されると言う悲惨な事件もあった。
この時生き残った少年は、生きる為に窃盗や強盗、違法薬物の売買などを繰り返し、刑務所に2度収監されるなど荒んだ人生を送る。
そして二十歳になるとバスジャック事件を起こし、最終的には警察に投降するも移送中のパトカーの中で暴れ、取り押さえるために首を絞められそのまま窒息死するという無惨な最期を遂げる。負の感情は連鎖するのである。

その他、「清掃」「町の美化」など、日本人はフィクションでしか見ないような信じられない理由での虐殺なども、実際に、日常で起こっている。

さらに、某同人誌にあった様に女子のストリートチルドレンは悪質な人身売買等の被害にもあったりする。
また、大人による性的な虐待や、薬物使用のための注射器使い回しによるHIVの感染拡大も、問題となっている。


■支援組織と我々に出来る事

現在、これらの子供達を救うためにユニセフやNGO団体による活動が行われている。

その中でも注目したいのは、子供達に「教育」を受けさせるための学校施設を作ろうとする動きだ。
彼らはその多くがまともな教育を受けられず、結果ロクな仕事に就けない。

考えてみて欲しい。もし、諸君らが小学校の教育すら受けてなかったならばどうなる? 読み書きや計算も出来ない者を誰が雇ってくれるだろうか?

当たり前に読み書きが出来て、九九をそらんじる事が出来る日本は、実に恵まれていると考えられないか? 世界の多くは、未だにそれを実現出来ていないのだから。

そして読み書きや計算も出来ない子が成長し、ロクな仕事も出来ず貧困に悩み、自分の子を捨ててその子がストリートチルドレンとなり……と言う悪循環が、
社会全体で起こってしまう。
果ては「そんなものは要らんからただ命令どおり俺らの鉄砲玉になれ」というテロ組織やマフィアなどの反社会組織に拾われ、人殺しの術しか学ばぬまま祖国に銃口を向け国益を奪い…ならまだ恵まれている方である。
酷い場合だと、爆弾を持たされたり腰に巻かされて敵対組織の事務所などに『お使い』に行かされ、使い捨ての如く幼い命を散らせる凄惨極まりない事だって起こっている。

子供はまさに国の宝。将来の国益と発展と秩序を保つ為にも、教育は必要不可欠なのだ。

それを理解出来ずに目前の損得ばかり見て子供を蔑ろにする国が多すぎるのだ。
子供達がしっかり教育を受けてくれれば、自国に有益な人材となってくれるのにな。逆に教育を受けなければ、最悪上に記したように国に仇なす存在にすらなってしまうのにな。
尤も、そういう国の首脳陣はそうした子供たちが社会に反する存在になったとしても、ただ排除すればいいとしか考えないだろうが…

実はこれには「給食」も大事な要素だ。
学校に行けば食べ物を貰える。満腹になれる。となれば、子供達の就学への意欲も高まるだろう。

さて、少し余談だが問題だ。
ある団体では、給食としてビスケットとミルクを提供しているが、このビスケットは、必ず砕いてから子供達に渡される。

その理由とは何か。
日本人にはまずわからないと断言しよう。

















正解は、「綺麗なビスケットだと、売ってお金にしようとするから」だ。

……日本がいかに恵まれているか、これらの国が信じられない程の貧困に悩んでいるかが、何となくは伝わっただろうか?

ともかく、「給食を食べたい」からでも良いから、彼らはとにかく教育を受けて、読み書き計算が出来るようになって欲しい。
最低限熟語を読んで書いて、日常レベルの四則計算が出来る。これだけでも就ける職の数は大きく増えるのだ。

だが、子供達を受け入れる施設を造り、教育を施したりするにはやはり大金がいる。
しかし、慈善事業であり一切の収益を出さないこれらは、その全てを善意による寄付金で賄わなければならない。
該当国はあまり積極的には支援してくれないからな……教育さえしっかりすれば、犯罪もテロも激減すると言うのに。

だが慈善事業であると言うことは、諸君らもユニセフなどを通じ、「募金」と言う形で彼らを救う事が出来ると言う事だ。
偽善ぶりたくないだとかそんな葛藤を抱く暇があったら、思考をストップして財布の中の小銭を一枚でもいいから募金箱に入れよう。
たった一枚の小銭も全国各地で揃えば、今まで暗礁に乗り上げていたプロジェクトを動かす機動力になる。

日本も、戦後間もなくには浮浪児はたくさんいた。
信じられないだろうが、空腹を紛らわすためにビニールを焼いてエタノールを出し、ドラッグする子供すら、日本にはいたのだ。

だが彼らを支援してくれたのも、やはり、他国の善意による募金だった。

世界を作るのは子供達だ。
しかしその子達が犯罪やテロに手を染めたら、次世代に成されるのは内戦や悲劇、そしてそれらによる産まれる新たなストリートチルドレンと言う、悪だ。
だが人々の小さな善意でも子供達に届けば、教育による国の発展、ひいては世界全体の新たなステップにつながる。
言い尽くされた言葉だが「やらない善よりやる偽善」だ。偽善でもいいから子供達を救ってやってくれ。
あっちからしたら善だろうが偽善だろうが、届くお金の価値に変わりはない。そのお金でもたらされる食べ物で得られる美味しさ・満腹感に変わりはない。

だが、ユニセフの名を騙るどこぞの偽善団体には気をつけろ。

悲しいが、自称「募金箱」の中身をその晩の飲み屋でのドンチャン騒ぎの御代に使うために道に並んでいる輩も少なくはない。

募金団をよく見極める事も必要だ。そして、自分達の善意を世界の子達に広めてほしい。

傲慢な態度に見えるかもしれないが、傲慢だろうが偽善だろうが、世界中のストリートチルドレン達は救いの手を待っているのだ。
動機は何でも、それで誰かが救われると言うのだけは胸にしまってほしい」


プチ

「……音声入力装置を停止。

項目作成を完了した。これより帰還する。交信終了……。

……たまにはこういう仕事もいいか。
ストリートチルドレンは、テロリストに育てられる事も多い……。俺のような兵士はもう、生まれて欲しくは無いからな……。

……ん?」

カチ、カチ

「……! 装置のシステムがダウンしない!?
もしかして、ずっと稼働していたのか!?
なら、俺の最初の交信も、今の独り言も、全て項目に登録されて……!

くっ……! ボン太くんの時と言い、なんでこうなる……!?

こちらウルズ7、緊急事態だ!機密保持のため、音声入力装置を強制停止する!」

ズギューーン

プチ……。



てなワケで、貧困問題に少しでも感心のある方はストリートチルドレンの代わりに、
追記・修正してあげてください。

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最終更新:2024年02月11日 00:59