D-HERO Bloo-D

登録日:2010/01/18(月) 12:10:52
更新日:2024/04/06 Sat 12:28:34
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D-HERO Bloo-D(デステニーヒーロー ブルーディー)遊戯王GXに登場するモンスターカード。
また、それを基にした遊戯王OCGのカード。

D-HERO Bloo-D(ブルーディー)
特殊召喚・効果モンスター
星8/闇属性/戦士族/攻1900/守 600
このカードは通常召喚できない。
自分フィールドのモンスター3体をリリースした場合のみ特殊召喚できる。
(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、相手フィールドの表側表示モンスターの効果は無効化される。
(2):1ターンに1度、相手フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。
その相手モンスターを装備カード扱いとしてこのカードに装備する(1体のみ装備可能)。
(3):このカードの攻撃力は、このカードの効果で装備したモンスターの元々の攻撃力の半分だけアップする。

【アニメでの活躍】

カードデザイナーをしていたエドの父親が作ったカードである。
究極のDと呼ばれており、破滅の光を浴びたこのカードはDDに奪われてしまう。

その後、ドクター・コレクターVSチャンピオンDD戦で初登場。
この時は効果も名前も分からないカードだった。

正式に登場したのは直後のエドVSチャンピオンDD戦である。

アニメ版のものはOCGと効果が異なる。
装備したモンスターの攻撃力の半分だけでなく、効果も吸収できる。
また、《D-フォース》というカードが自分のデッキの1番上にあれば、
モンスター効果の無効化のみならず、自分フィールド上のカードを対象にする魔法・罠の効果さえも無効化できるまさに究極のカードだった。
《D-フォース》は発動後自分のデッキの一番上に表側で置かれる魔法カード。
このカードが自分のデッキの上にある限り魔法・罠の効果を受けない代わりに、自身のドローを封じるカードである。
エドVS万丈目戦でOCGと同じ仕様になった様子。

このコンボで追い詰められたエドだったが、エドは父の形見の《D-HERO ダークエンジェル》でデックトップを操作することでこれを撃破。
その後はエドの手に渡り、彼の切り札として活躍する。

『光の結社』編では物語に深く関わるカードである。


なお、アニメGXにおいてこのカードが使用されたデュエルでは
『途中経過が省かれているデュエルでは使用者が必ず勝利』し、『省かれないデュエルでは使用者が必ず敗北する』という結果に終わっている。
その事から、視聴者からはこのカードが出る=負けフラグ扱いされている。

これはこのカードの持ち主の立場に理由がある。
奪われたカードであった以上、それを取り戻す際には使用者を敗北させざるを得ず、
取り戻した後も、エドが戦った相手がその話のボスキャラであったため、主人公が後に控えている手前、負けてもらうしかなかったのである。

青眼の究極竜》と同じく、究極のカードは負けフラグとなる事が多い。

攻撃名は「ブラッディ・フィアーズ」
効果名は「クラプティ・ブラッド」


【OCGでの性能】

OCGでの初出は、"遊戯王デュエルモンスターズ WORLD CHAMPIONSHIP 2007"攻略本付属カード。

特殊召喚モンスターであり、モンスター3体をリリースすることでしか特殊召喚できない。
相手モンスターを吸収する効果と、相手フィールド上のモンスターの効果を無効にする効果を持つ。


3体のリリース……と召喚コストは重いが、アドバンス召喚でなく、召喚権を使わない。
そのため、通常召喚後に特殊召喚したり、トークンをリリースする等のプロのタクティクスを駆使すれば、
少なくとも手札で腐りっぱなし……という事態は避けられるはず。

最も手軽なのは《スケープ・ゴート》で出した羊トークンを使う方法。
相手ターンの終了時に発動すれば召喚・反転召喚・特殊召喚ができなくなるデメリットも気にならない。
その他には《終焉の焔》の黒焔トークン、《トーチ・ゴーレム》のトーチトークン、《幻銃士》の銃士トークン、
《ダンディライオン》の綿毛トークンあたりが有力だろう。


HEROのカテゴリに属することからサポートも豊富であり、モンスター2体がいれば《E・HERO エアーマン》でサーチしてそのまま特殊召喚できる。
また、「ディシジョンガイ」や「マスク・チャージ」で墓地から拾ったり、「オネスティ・ネオス」で打点を上げたりできる。


一度出してしまえば強烈なスペックであり、相手限定の《スキルドレイン》と、
サクリファイス》のような吸収効果でフィールドを制圧できる。
吸収能力は事実上の除去として働く上、奪ったモンスターの攻撃力の半分を得られる。
相手のエースモンスターを吸収できればこのカードが即エンドカードになり得る。
忘れがちだが裏側表示モンスターも奪える。その場合は上昇値は0だが、表示形式に関係なく除去できるのは有能といえる。


また、この起動効果にチェーンしてこのカードが除去された場合、装備モンスターの不在により装備しようとしたモンスターは墓地に送られる。
つまり、対象となったモンスターは結果的に除去できる。

上昇値は半分だが、元々の攻撃力は1900あるので、ATK1800以上の一般的なアタッカークラスのモンスターを装備できればATK2800以上になる。
ゴヨウが環境で暴れていた頃はその点も評価されていた。


サクリファイス》と同じく「壊獣」とは相性がいい。
餅カエル》など、厄介なモンスターを実質的なバニラに変換したうえで、高い打点を得られるようになる。


もう1つの効果は相手フィールド上の表側表示モンスターの効果を無効にするという非常に強力な効果。
要するに相手フィールドに限定された《スキルドレイン》。
相手モンスターの効果をシャットアウトしつつ、自分だけ悠々とモンスター効果を使える。

モンスター効果の無効化は対象を指定しないので、ガイアドレイクや、三幻神のように対象に取られないモンスターにも効く。
耐性持ちの《ブルーアイズ・カオス・MAX・ドラゴン》、カウンター効果を持つ《クリスタルウィング》も怖くない。

この効果のおかげでモンスター相手には滅法強い。
昨今の環境ではモンスター効果が戦略の主体になっていることが多いので、Bloo-Dを出すだけで優位に立てる状況も多い。

新しい三体リリースのモンスターが登場した場合、
神獣王バルバロス》や《オベリスクの巨神兵》と共に指標となっている。

更にBloo-Dに遅れる事約14年、ANIMATION CHRONICLE 2021にて専用サポートカードの《D-フォース》もOCG化を果たす。
永続魔法
(1):このカードの発動時の効果処理として、
自分のデッキ・墓地から「D-HERO Bloo-D」1体を選んで手札に加える事ができる。
(2):自分フィールドに「D-HERO Bloo-D」が存在する限り、以下の効果を適用する。
●自分ドローフェイズにドローできない。
●自分フィールドのカードは相手の効果の対象にならない。
●自分フィールドの「D-HERO Bloo-D」は、攻撃力がお互いの墓地のモンスターの数×100アップし、相手の効果で破壊されず、1度のバトルフェイズ中に2回攻撃できる。
アニメではBloo-Dの効果無効化・対象耐性の適用条件ではあったが、単体では発動後にデッキトップに置いてドローを封じるだけと言うとんでもないデメリットの塊でしかなかったためか大幅に修正。
  • 発動時にBloo-Dのサーチorサルベージが追加
  • ドローフェイズにドロー出来ないと言うデメリットはBloo-Dが場にいる時限定に
  • Bloo-DがOCG化の際に消された「自分の場のカード全てに対象耐性を付与する」効果を、魔法・罠だけじゃなくモンスター効果も対象に追加して持参
  • Bloo-Dにお互いの墓地のモンスターの数だけ攻撃力アップ・効果破壊耐性・2回攻撃を付与する効果が追加
とドローを封じるデメリットに見合った多数のメリット効果を提げてOCG化。
Bloo-Dと《D-フォース》が揃った時の盤面の強固さは非常に頼もしい。

このように、やや厳しい召喚条件に見合った強力なモンスターなのだが、同時に無視できない欠点もある。(後述)


【弱点】

罠や魔法には何の耐性も持たないので何かしらの対策が必要。
特に「月の書」や「闇の護封剣」などで表示形式を変更されると非常に悲しい守備力を晒す事になってしまう。
裏側表示になるとスキドレ効果も適用されなくなるので、そこから一気に逆転を許すことも。

「月の書」や「サンダー・ボルト」の様な対象を取る効果や破壊効果なら《D-フォース》で対策が出来るが、「闇の護符剣」や「波紋のバリア-ウェーブ・フォース-」の様な対象を取らず、破壊でもないカードには対処が出来ないので油断は禁物。

そのため、危険な魔法、罠に対処しやすい「魔宮の賄賂」等はこのカードの守りに最適と言える。
また、装備解除と除去回避を兼ねる「亜空間物質転送装置」や「強制終了」はこのカードと非常に相性が良い。

効果無効化範囲は「スキルドレインと同じなので、モンスター効果解決時にそのモンスターがフィールドに表側表示で存在しなければ有効となる。
つまり、モンスター効果の発動にチェーンし、「月の書」で裏にしたり、何らかのカードのコストにすれば、「フィールドに表側表示で存在しなくなる」ので、Bloo-Dの無効化をすり抜ける事ができる。

椿姫ティタニアル」や「ならず者傭兵部隊」などには破壊される。
特殊召喚の制限により奪われることはないが、「餅カエル」にも注意。

また、フィールド以外で発動する効果には手出しできないので注意。
アブソルートZeroや各種リクルーターも普通に効果を使われてしまう。

サイコ・ショッカー」など“このカードがフィールドで表側表示で存在する時に起用される”永続効果を持つモンスターを装備した場合はモンスターでなくなるためその効果は無効となる。
しかし「フォーチュンレディ・ライティ」などの“フィールドから離れた時に発動する効果”は発動する。


【主なデッキパターン】

3体のリリースさえ確保できれば特殊召喚は可能なので、サーチの手段とリリースの調達を念頭に置いてデッキが組まれる。

自由度は高いので、いくつかの型が存在する。

  • D-HERO軸
D-HEROの多彩なサポートカードと召喚補助を活用するデッキ。
使用者であるエドファンデッキ的要素もある。

【D-HERO】は「ディアボリックガイ」「ドリルガイ」「ドローガイ」のおかげでモンスターを展開しやすく、
エアーマン」「シャドー・ミスト」「融合徴兵」「イゾルデ」「クロスガイ」でサーチできるので意外と出しやすい。

「スケープ・ゴート」や「終焉の焔」で補助してやれば案外簡単に出すことができる。
他にも「ヴァイオン」から「デッドリーガイ」を経由して「ベアトリーチェ」を出せば、
デッキから「デストルドー」などを落とせる点は要注目。
特に墓地除外で《D-フォース》をサーチできる「ブレイク・ザ・デステニー」を落とせば「Bloo-D」+《D-フォース》の準備が出来るのがデカい。

また、邪魔になったBloo-Dは「トレード・イン」や「デステニー・ドロー」のコストにできるので、無駄になりにくい。
そこから「オーバーデステニー」でレベル4のD-HEROを連れてくるのもいいだろう。


  • 幻銃Bloo−D
トークン生成モンスター「幻銃士」を始めとした様々なトークンや各種リリース要員を使用して召喚を補助するデッキ。
動きは割と単純で比較的扱いやすい。


  • 除外型
除外からの帰還によってリリース要因を確保する形。次元帝の変種とも言え、また共存もできる。
墓地利用とモンスター効果という現環境で多用される要素を効果的に封じることが可能。


  • シンクロ型
シンクロ召喚との併用を行う形。
使用されるリリース要員はシンクロ召喚と相性がいいためさほど無理なく構築できる。
シンクロかBloo−Dか選べるのがミソ。

デブリ・ドラゴン」は「ダンディライオン」を釣り上げられる点から相性がよかったが、2019年1月1日の改訂で禁止カードになってしまったのが残念。

Bloo-Dと相性がよい「壊獣」とシナジーを生む月華竜をシンクロできる。


  • ペンデュラム型
何度でも出し直せるペンデュラムモンスターをリリースに使う型。
そこに「エアーマン」や「ディアボリックガイ」など、HEROの要素を組みこんで作成する。

レベル4~6までをP召喚できる「魔術師」「イグナイト」「メタルフォーゼ」あたりが使われていた。

新マスタールールの導入後はEXデッキからの特殊召喚に制約がかかったので、組みづらくなっている。


【余談】

D-HEROは贅沢なHEROと呼ばれ、「デステニー・ドロー」「ディアボリックガイ」「ディスクガイ」などのシングル価格が高かったことで知られており、Bloo-Dもその1つ。

初出は前述の攻略本であり、当時は公式戦でも十分通用するカードだったこともありゲームの販売終了後も増刷が続くという人気ぶりだった。
そのため、カードによって印刷の色合いが微妙に異なっていることがある。「WC07-JPB01」版を何枚か持っている人は見比べてみよう。
この辺は「D-END」の融合素材を絶版にするわけにはいかないという事情もあったのだろうか。

その後再録された際も収録枚数の多い「DUELIST EDITION Volume 1」のシークレット枠だった。

2016年にブースターSPのスーパーレアとして再録されたことで、ようやく安く手に入るようになった。

また、名前に関してだが、青のスペルはBlueでありBlooではない。
「Bloo」と「D」により英語で「血」を表す「Blood」になる、という凝ったネーミングとなっている。
愛称は「青血」「青血さん」。好きな言葉は「スケゴおいしいです」。
ちなみに英名のPlasmaは血液中の成分である血漿(けっしょう)の事である。

なお、体色は青というよりかは赤紫と青紫色をしている。


追記・修正はコレを食べてからどうぞ つスケゴ

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最終更新:2024年04月06日 12:28