ルウ・アノン

登録日:2012/07/06(金) 01:34:52
更新日:2023/01/24 Tue 18:37:15
所要時間:約 6 分で読めます





機動戦士ガンダムAGE』の登場人物。

よく誤植されるが、ルゥでもルーでもなくルである。



ヴェイガンの本拠地にして、火星圏最大のコロニーである「セカンドムーン」の貧民街に住む少女。
歳はキオと同じくらい。兄のディーン(CV.カッキー)と二人暮らしで、両親は不明だが恐らく……

赤いロングヘアと太めの眉が特徴のロリ。

ある理由から家に篭りがちであり、その合間に練習したのか絵を書くのが得意。また、絵日記を書くのを日課としている。



【アニメ本編】
37話「ヴェイガンの世界」にて初登場。

前回、ヴェイガン側にAGE-3ごと捕らえられてしまった我らが主人公キオ・アスノ
そこでヴェイガンの指導者イゼルカント様と介遇するのだが、尋問拷問の類いも一切なく、なんやかんやで「火星圏の暮らしを知って欲しい」ということで、はじめてのおつかいをする事になるキオ。

出発していきなりスリに遭い、階段から落ちて怪我をしたキオ。その様子を目撃したディーンは荷物を取り返してくれ、親切にも家で軽い治療をしてくれた。
その様子に気付き、奥の部屋から出てきたのがルウである。

どうやら体調が芳しくないらしく奥で眠っていたようだが、客人=キオの姿を見るや花の咲いたような笑顔を見せる。

「ふーん、なかなかいいかも♪」

この家に他人が訪れる事は少ないらしく、ルウはキオを食事に誘う。難色を示したディーンだが結局は折れ、ささやかな食事会が始まる。どうもキオは彼女に気に入られたらしく、

「どこから来たの?」

「学校ではどんな事を教わってるの?」

「どんなスポーツが得意?」

と質問責めに。最初の印象とは違い、なかなか積極的なようだ。

会話が一段落し、部屋に戻されるルウ。ディーンは「妹があんなに楽しそうなのは久し振り」とキオに礼を言うが、同時に「これ以上は関わらないで欲しい」とも。


ディーンの口から語られたのは、少女には過酷過ぎる現実だった。

かつて火星移民計画が失敗したのは、火星の磁気砂嵐による死病"マーズ・レイ"の存在があったためであるが、マーズ・レイは今尚火星の民を苦しめており、ルウもそのひとりであった。

もう、余命幾ばくも無いのだという。

薬はあるにはあるが、病の進行を遅らせる程度の効果しか無く、その薬でさえ手に入れるのは困難。
思い出を作ればそれだけ死が恐くなる。だからディーンはルウを外に出さず、他人との接触を避けてきたのだ。
積極的になるのも当然であろう。同年代の、しかも異性と話す機会など滅多に無かったのだ。

だが、その会話を聞いていたルウはそれに反発する。

「なんで思い出を作っちゃいけないの!?」

「私だって、もうすぐ死ぬことくらい分かってる!」

「それでもいいんだ……。それでもいいから、少しでもちゃんと生きたいんだよ……。ちゃんと、生きてみたい」

「もっと……、キオと話したいよ……」



彼らとの接触から思い悩むキオ。
そんな折、イゼルカント様からAGEデバイスの解析のため、キオの生体データを採取したいと申し出があった。そこでキオは、上記の病の進行を遅らせる薬を要求。
こうして手に入れた薬をルウ達に渡すと、彼らはいたく喜んだ。

翌日、ルウは話の流れからキオに自分の日記を見せる。
それはただの日記ではなく、ほんの少し未来の自分の姿を想像し書いたもの。ルウとキオが仲良く並んで街を歩く姿が描かれていた。
(ちなみに、日記の挿絵のキオは二割程度イケメンになっていた。恋する乙女の脳内補正だろう)


「こんな思い出が、できたらいいなって」

そんな会話を聞いていたディーンの提案から、彼女のそのささやかな願いを叶えに行くこととなる。
露店でお団子を食べたり、アクセサリ(髪留め)を見たり、こっそり着いてきていたディーンを見つけ、結局合流してみたり。


この際のルウは作画にかなり気合いが入っており、相当に可愛い。ルウちゃんマジ天使。
また、よく見ると髪留めを眺めるシーンの直後にルウ自身の髪留めが別のもの(店に並んでいた黄色のシュシュ)に変わっている。キオがプレゼントしたのだろうか。

「夢が、叶ったな。日記に書いた夢……」

「キオ、ありがとう」


こうして、それから数日の間キオはルウの所に薬を持ち通いつめた。
そこにAGE-2ダークハウンドを駆る父、アセムがキオを救出にやって来る。彼の率いるビシディアンの協力もありAGEデバイスとガンダムを取り戻すキオだったが、ルウの元へ薬を届けるために一旦アノン家へ。




だが、そこで待っていたのは既に事切れたルウであった。
まるで眠っているかのように穏やかな表情のルウ。
ディーンは言う。

「最期まで……、笑ってた」

「ルウは……、幸せだったと思う……。お前のおかげだ」

さらにディーンは、彼女が書いていた日記をキオに読んで欲しい、と渡す。

それは希望だった。
そこには数日先の未来だけでなく、何ヵ月、何年も先の未来が、自分には手の届かない明日が綴られていたのだった……。

『今日はキオと公園に行った。ブランコにシーソー、何をしても楽しかった』


『今日はキオが風邪をひいた。今度は私が看病してあげる番。キオがそうしてくれるみたいに、私もずっと側にいてあげた』


『今日はキオの誕生日!私はカードにこんなメッセージを書いた。「キオがいると、私は元気になれる。」だからきっと、病気だって治ると思うんだ』

『ありがとう、ありがとうね、キオ!』


『キオといると、世界が輝いて見える』

『そして私は、キオと一緒に地球にやって来た。キオと立ったその場所から、新しい生活が始まるの』


キオ「……ルウ………!!」





登場当初からロリで妹、病弱属性持ち。それでいて積極的でさらにCV:伊藤かな恵というのもあって多くの視聴者のハートをアンロック
38話のお出掛けではまさに天使のような愛らしさを見せ、
「キオ編の真ヒロインktkr」「OPの金髪?名前なんだっけ?」
と視聴者を歓喜させた。

だからこそ、半ば予想されていたとはいえ彼女のあまりにも早過ぎる死は多くの人を悲しませることになったのだった。(年齢的にもそうだし、たったの2話で退場することになったのだから当然の反応と言える)
前述の挿入歌と共に静止画のスライドショーという演出で既に嫌な予感がしていた視聴者も多いだろう。

天使が本当に天に召された、など笑えない冗談である。
(好意的な見方をすれば、ユリンの場合はフリットと関わった末に非業の死を遂げてしまったのに対し、ルウの場合はキオとの交流があったからこそ安らかにその生涯を終えられたとも言える。)


もし、

アセムがあのタイミングで来なければ、キオはいつもの時間にルウに薬を渡し、彼女はもう少し長く生きられたのだろうか?
少なくとも死に目に会うことは出来たのだろうか?

仮にそうだとしても、そう考えるのは悲しすぎるだろう。

どのみち、イゼルカントが言うような「エデンに残される人類」には含められることはできず、地球を見ることはなかったであろうが。


OP4には主人公たちの成長に大きく貢献し亡くなった人達のトリをつとめている。その中にシャナルアさんは居なかったが

OVA版『MEMORY OF EDEN』では残念ながら出番がカットされているが、最後のカットでは…。


スーパーロボット大戦BX
おおむね原作と同じ役割だが、同じく捕虜になったミナトとメグミ、ヴェイガンに保護されたランカも加わり、
よりドラマチックに交流が描かれる。
今と言う時間を大事にしたい気持ちが込められている、と言う理由でランカの「放課後オーバーフロウ」がお気に入り。
最後の思い出作りにジャンクの丘に外出した際は、歌詞を口ずさんでいた。
そのすぐ後には原作通り死亡してしまうが、セカンドムーン脱出後にランカがバジュラを鎮めようとした際、
ルウへの哀悼の意も込めて「放課後オーバーフロウ」を熱唱している。

なお、携帯機シリーズでは基本的に死亡する人物の顔グラは、通常の顔グラに上部に黒い影が掛かった状態になるが、
ルウの場合は特別に専用グラフィックがある。



追記・修正は見えない「明日」への想いを馳せてから。

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最終更新:2023年01月24日 18:37